伊藤紗弥が7~8年ぶりに本場タイで試合。ペッチュンペと対戦する(C)伊藤紗弥
今後はムエタイの本場タイに主戦場を移し、ムエタイで新たな頂点を目指すことを所属ジムが発表した女子ムエタイ世界四冠王の伊藤紗弥(尚武会)。
伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王者を獲得。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界王座の三冠を制覇。2020年2月の『RISE』初参戦ではAyakaに生涯初のダウン&KO負けを喫してしまったが、2021年4月の『ムエローク』ではムエタイルールでAyakaにリベンジ成功。BOM女子ピン級初代王座も獲得した。
7月には『BOM』で初のオープンフィンガーグローブマッチに挑み、女子二冠王MIREYに勝利するも、9月に2度目のRISE参戦でRISE QUEENアトム級王者・宮崎小雪に延長戦の末に判定2-0で惜敗した。11月には初めての48kg以上での試合でRINAに判定勝ち、BOMピン級王座(-45.53kg)に続いてのBOM2階級制覇(他のタイトルを含めればピン級、ミニフライ級に続いての3階級制覇)を達成。今年5月には本場タイから招いたナムワンを破り、IPCC(インターナショナル・プロフェッショナル・コンバット・カウンシル)世界女子アトム級タイトルを奪取して世界四冠王となった。
その伊藤が久しぶりに自身のInstagramを更新。7月31日にタイで開催される『ムエタイスーパーチャンプ』に出場することを告げた。48kg契約で、対戦相手はペッチュンペ・ハイランドジム(タイ)。伊藤は「相手は当初予定されていた選手が変更になり」とし、「様々な大会で試合をしている強い選手です」としている。
幼い頃からタイで試合経験を積んでいた伊藤だが「実はタイで試合をするのが7年、8年ぶりくらい…。今は久しぶりに本場で試合が出来ることにワクワクしています。絶対勝ちます!」と、かなり久しぶりとなるムエタイの本場タイでの試合に胸が踊っているようだ。なお、この試合はYouTubeにて生配信される予定で日本でも視聴が可能だという。
伊藤がタイのリングから遠ざかっている間に、ムエタイでは大きな変革が起きた。これまで女人禁制で試合はおろかリングに女性が立つことさえ禁止していた殿堂ルンピニースタジアムが女子の試合を解禁。2021年9月には初の女子の試合が行われた。また、女子タイトルも新設。伊藤が日本女子選手初のルンピニースタジアム出場、そしてルンピニーのタイトル奪取もあるかもしれない。
“天才ムエタイ少女”と呼ばれ長いキャリアを持つ伊藤だが、まだ23歳。これからも伝説を築いていきそうだ。