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【K-1】武尊が返上した王座を盟友・大岩龍矢、激闘を展開したレオナ・ペタス、連続KOの朝久裕貴、ホープの横山朋哉らが争う。武尊との対決が幻に終わったブアフフ、キシェンコからの刺客も来襲

2022/07/15 22:07
 2022年9月11日(日)横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』の対戦カード第1弾発表記者会見が、7月15日(金)都内にて行われた。  今大会では、第4代王者・武尊が返上したK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を懸けての8人制ワンデートーナメントが開催される。  王座決定トーナメント第1試合は大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)vs.アダム・ブアフフ(モロッコ)。  大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。しかし、2020年7月にKrushスーパー・フェザー級王者レオナ・ペタス、11月のK-1福岡大会で朝久裕貴にも敗れて連敗。2021年3月のKrushで山本直樹にKO勝ちして再起を果たすと、11月の『Super Bigbang』で琢磨に勝利し、第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。2022年4月には江川優生にも判定勝ち。戦績は21勝(7KO)8敗。  ブアフフはISKAヨーロッパ代表からの推薦選手で、身長171cm、19勝(10KO)無敗の戦績を持つ31歳。オーソドックス。ISKA世界ライト級王座、WKU世界スーパー・フェザー級王座、TAKEDOWN FCスーパー・フェザー級王座の三冠を保持する。テコンドーやアマチュアボクシングの大会でも活躍し、フルスイングのパンチと変則的な蹴り技を得意としているという。2020年3月に武尊とK-1&ISKAダブルタイトルマッチで対戦することが決まっていたが、新型コロナウイルスの影響で来日がかなわず幻と消えた。  会見で大岩は「武尊がベルトを返上してすぐにこのベルトは必ず俺が獲る、そういう気持ちでいました。THE MATCHで悔しい想いを目の前で見て、自分も武尊と同じくらい悔しい想いをしてきたのでこのベルトは必ず自分が獲るし、このトーナメントは自分のトーナメントだと思っているし、主役は自分だと思っています。責任と覚悟を持って今ここへ来ています。必ず優勝します」と、盟友・武尊が巻いていたベルトは自分が継ぐと宣言。  ブアフフからは「武尊とのダブルタイトルマッチへ向けて最高の状態に仕上げていたので試合が出来なかったことは本当に悔しかった。その時の気持ちを今回のトーナメントにぶつけたいと思っている。大岩との試合で武尊がセコンドに就くと聞いているが、それは自分にとって大きなモチベーションになる。大岩と武尊を二人倒すつもりでリングに上がる。自分がK-1のベルトを巻いていつの日か武尊との戦いを実現させたいと思う」とのコメントが寄せられた。  第2試合はレオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)vs.アヤブ・セギリ(モロッコ/スペイン)。  レオナは“石の拳”と称される強打を武器に、大雅、山本真弘、朝久泰央、小宮山工介らを撃破。2019年9月には西京佑馬を下して第9代Krushスーパー・フェザー級王座に就き、12月には山本直樹をKOして初防衛に成功。さらに2020年3月、村越優汰をも3Rにマットに沈めてKO勝ち。7月には武尊の盟友である大岩龍矢を判定に下して2度目の防衛に成功したが、2021年3月に武尊と大激闘の末にKO負けして連勝は「9」でストップ。武尊に敗れた後タイトルは返上し、12月に-61.5kg契約でマキ・チャーチャイにダウンを奪って判定勝ちしたが、2022年6月の『THE MATCH 2022』では中村寛と62kg契約で対戦して判定負け。戦績は29勝(12KO)7敗1分。  セギリは過去にK-1 WORLD MAXで魔裟斗とも激闘を繰り広げたアルトゥール・キシェンコの元で練習を積んでいる。固いガードと前に出る圧力を活かした手数の多いファイトスタイルで、スピーディーなパンチとタイミングよく繰り出す回転技が武器。スペインの国内タイトル、ISKAのインターナショナルタイトルを獲得。オーソドックスで戦績は10勝(8KO)3敗。  中村拓己K-1プロデューサーは「キシェンコからも武尊選手に勝てる強い選手がいると聞いていました。これまでコロナで呼ぶことが出来なかったので楽しみにしています」と、キシェンコが自信を持って送り出すファイターだと紹介した。  レオナは「この間の試合も負けてしまいましたし、今回これで負けたら終わりだと思っているので、生き延びるために僕は先に進みたいので、このベルトは獲りたいと思っています」との決意を語る。  セギリからは「K-1参戦が決まり、自分の存在を世界中に知らしめるチャンスが来て嬉しい。自分はK-1レジェンドのキシェンコとも練習していて、彼から多くの技術と知識を学んでいる。レオナは石の拳と言われているそうだが、自分もパワーとタフさには自信があるから彼と戦うことが楽しみだ。武尊が巻いていたベルトを自分も巻き、K-1チャンピオンとしてスペインに帰りたいと思う」とのコメントが寄せられた。  第3試合は朝久裕貴(朝久道場)vs.ナックロップ・フェアテックス(タイ)。  朝久は父であり、朝久道場の朝久篤館長のもとで5歳から空手を学び、10歳の時にキックボクシングの練習を始めた。2015年からKrushに参戦し、無尽蔵のスタミナから繰り出すパンチ&蹴りのラッシュで小澤海斗や佐野天馬から勝利を収めている2016年からは中国の格闘技イベント『武林風』に定期参戦し、中国でも活躍。2018年3月には武林風WLF -60kg級王座決定トーナメントで優勝を果たした。2020年11月にはK-1で大岩龍矢に判定3-0の完勝を収め、2021年9月にはMOMOTARO、2022年4月には村越優汰を共に1Rでマットに沈めている。戦績は23勝(8KO)7敗。  ナックロップはウィラサクレック会長の推薦を受けて出場が決まったムエタイ選手。「いい意味でムエタイらしくないアグレッシブで攻撃的。テレビマッチが主戦場でBBTVのライト級2位。倒し倒されの試合で会場を沸かせるのでK-1ルール向き。ウィラサクレック会長の元で練習を積んで挑むことになり、ゴンナパー選手が弟の朝久泰央選手に敗れているのでウィラサクレック会長も燃えている」と中村プロデューサー。戦績は65勝(12KO)10敗1分。  朝久は「今回こうやってトーナメントが開かれてとても嬉しく思っています。自分は武林風の65kgの世界王者として必ずこのトーナメントで優勝して、このベルトを巻きます。そしてトーナメントの1回戦が一番大事だと思っているので、今お話があった通り、僕との対決を楽しみにとても燃えているということでしたが、僕の一撃で眠ってもらおうと思っています」と言い放つ。  ナックロップからは「歴史あるK-1のベルトが懸かったトーナメントに出ることが出来て嬉しい。私は相手をKOすることが好きで、K-1ファンの皆さんにも私のファイトを楽しんでもらえる自信がある。1回戦で戦う朝久は空手の選手だと聞いている。この試合でムエタイの強さ、怖さを知ることになるだろう。私もK-1のベルトを巻いてタイだけでなく日本でも成功したいと思う」とのコメントが寄せられた。  第4試合は横山朋哉(リーブルロア)vs.ベイリー・サグデン(イギリス)。  横山はK-1甲子園2017 -60kg準優勝の実績があり、プロ戦績は7勝(3KO)2敗。2018年6月からK-1 JAPAN GROUPの大会に出場、抜群の破壊力で4連勝(3KO)と快進撃を続けていたが、2019年8月の試合で朝久泰央に敗れた。2020年2月には中島千博と好試合の末に判定勝ちして再起を飾ると、9月には第8代Krushスーパー・フェザー級王者の西京佑馬に判定勝ちするなど5連勝。「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では優勝候補と目されるも、2022年1月の決勝で中島千博にリベンジを許した。6月に石田勝希から合計3度のダウンを奪う判定勝ちで再起を飾っている。戦績は12勝(6KO)3敗。  サグデンは本来60kgが適正階級ながら、より多くのチャンスを求めて63.5~65kgで試合を重ね、GLORYではフェザー級(-65kg)ランキングで最高3位、ISKA世界スーパー・ライト級(-63.5kg)王座も獲得した。体格差をものともしない突進ファイトを信条とし、その勇敢なファイトスタイルから“British Bulldog”の異名を持つ。中村プロデューサーは「上の階級でも通用する実力を持っている。突進力、フィジカルの強さ、タフさ、また気持ちの強さ、実績を考えてもトーナメントに出る外国人選手の中で優勝候補、トップクラスになる」と評した。  中村プロデューサーは横山の抜擢について「Krushスーパー・フェザー級王者の中島千尋選手にオファーをしていましたが、6月のTHE MATCHで鼻を負傷して、改めてオファーしたところ怪我で間に合わないとのこと。その中島選手と1月に王座決定戦で決勝を争って中島選手と通算1勝1敗の横山選手にオファーをしました」と説明。  それを受けて横山は「中島選手が出られなくなってしまって僕が代打みたいな感じになっていますけれど、僕はラッキーとかそういう気持ちでこの場に立っていないので全てを奪いに行きます。押忍」と意気込んだ。  サグデンからは「K-1は世界のトップ選手が参戦する最高の舞台なので、試合が決まって嬉しく思っている。1回戦で戦う横山はスピーディーな選手だが、俺のプレッシャーで抑え込んでやるつもりだ。日本で戦う以上、準決勝では朝久、決勝で大岩と戦いたい。俺は自分のベルトコレクションを増やすために日本へ行くつもりだ」とのコメントが寄せられた。 [nextpage] 質疑応答 ――1回戦の対戦相手の印象は? 大岩「最初に名前を聞いた時に“うわっ、ブアフフだ”と思って。ブアフフだなっていう感じが一番強いですね。戦績を見たら19戦19勝無敗ということで、ベルトも持っていて本当に強敵を用意してくれたなって感じで。タイにいる時に対戦相手を聞いたんですが、みんなでブアフフだって盛り上がっていました」 レオナ「映像もあまりないので分からないのが本当のところなんですけれど、僕よりも強かったら勝つし、僕よりも弱かったら勝つので、そこじゃないのかなと思っているので、特に印象はないですね」 朝久「タイの選手ということで蹴りが得意なのかなと思っていますが、誰が相手でも関係ないと思っているので全力で倒すのみです」 横山「ベイリー選手は階級が上でやっていた選手なので、腹が締まってないなって印象です。あとは勢いがいい。ただそれだけですね」 ――準決勝・決勝で対戦したい相手は? 大岩「あまり特に気にしていなくて、誰でもいいかなって感じです。今は一番自分が強いと思っているので」 レオナ「負けたら終わりだと思っているので、どうでもいいし、僕がここで勝たないといけないと思っているし、この先は僕が勝たないと無いと思っているので、誰が来ても大丈夫です」 朝久「隣に座っている横山選手が強いので、外国人選手を倒して横山選手が上がって来るんじゃないかなと思っています」 横山「この全選手を見ても分かる通り僕よりもキャリアが上だし、僕以外みんなベルトを巻いていると思うので、僕は全て挑戦だと思っているので挑戦して奪いに行きます」 ――大岩選手とレオナ選手は、武尊選手にはどんな想いがある? 大岩「このベルトは武尊がいろいろな形で作り上げてきた大きなベルトで、ただのベルトではなくてK-1を背負っている武尊が巻いていたベルト。意味のあるベルトだから中途半端な気持ちでは取れないし、僕も覚悟を持って会見に座っているし、そのベルトをしっかり自分が巻いて武尊が作り上げてきたK-1、そして僕がベルトを巻いてさらに大きく、今以上に大きいベルトにして僕が必ずK-1を大きくします」 レオナ「僕は去年3月に武尊選手と戦って負けたんですけれど、終わった後にリングの中で武尊選手から『後のことは任せる』みたいな感じのことを言われたので。王者と戦ったので王者の背負っているものとか、重さとか、いろいろなものを肌で感じさせてもらったので、後のことは任せると言ってもらったのでしっかりと任されようかなと思っています」 ――K-1のベルトそのものにはどんな想いが? 横山「このK-1のベルトは歴代の王者を見てもらえば分かる通り、本当に一流の選手ではないと獲れないと思っているので、生半可な気持ちでは獲れないし、人生賭けて全てを僕がモノにしようかなと思っています」 朝久「全階級そうなんですけれど、K-1のベルトっていうのはエンターテインメント性とかストーリーとかではなくて、本当に強いヤツが巻く、そういったベルトだと思っているので僕が巻きます」 レオナ「母との約束もあるし、僕も欲しいっていうのがあるけれど、一番はK-1のこのベルトを獲ったら世界で一番ってことで。自分というよりはトレーナーが世界一というのを証明したいので、そのトレーナーについてきてよかったって、これからそのトレーナーについてくるであろう選手たちも安心すると思うので、僕はトレーナーを世界一というところに上げるために今回は獲ろうと思っています」 ――レオナ選手と大岩選手は、横山選手の対戦相手が『朝久と大岩と戦いたい』と言っていたことについてどう思うか? 大岩「別に誰が相手でも関係ないので、目の前に来たら倒すだけなので、全然僕は何でも大丈夫です」 レオナ「結局は勝てるヤツの名前を上げているだけだと思っているので、2人はナメられてるんじゃないのって感じですね。僕とやったら勝てないから僕の名前は出さないんだろうなって、そんな感じですね」 ――レオナ選手は階級を上げて戦っていたが、スーパー・フェザー級に戻した理由は? レオナ「60kgの日本人選手とはほとんどやって勝っていたので、もういいかなって思っていたんですけれど、ベルトっていうのもあるし、6月は62kgでやって12月は61.5kgでやって。全然普通に通用すると思ったんですけれど、やっぱりまだベストな階級ではないなと思っていて。試合の当日も1kgか2kgくらいしか体重が戻らない状態だったので、それならまだ60kgでやるべきかなと思って。60kgでしっかりとけじめをつけてから上に行きたいと思ったので、もう1回60kgでやろうかと思っています」
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