緑川を破ったRYOTAROが、緑川・日菜太と並んで国内ミドル級トップ3と言われていたT-98を迎え撃つ(C)RISE
2022年8月21日(日)エディオンアリーナ大阪『RISE WORLD SERIES 2022 OSAKA』の追加対戦カードが発表された。今回発表されたのはミドル級(-70kg)の3試合。
第8代ACCELミドル級王者でRISEミドル級4位のRYOTARO(大原道場)が、元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者T-98(フリー)を迎え撃つ。
RYOTAROは高校まで野球一筋で来たが、甲子園出場の夢破れてキックボクシングに転向。2020年の『ホーストカップ』大阪大会にて、DEEP☆KICKトップコンテンダーの慎太郎にKO勝利、年末の『ACCEL』でもJAPAN KICK INNOVATIONランカーの高木覚清にKO勝利してACCELミドル級王者となった。2021年3月の『ホーストカップ』京都大会では剛王をカーフキックで1RにTKOで仕留めると8月には『ACCEL』で西田浩樹に判定勝ち。そして12月にRISE初参戦を果たすと緑川創から右ストレートでダウンを奪い、番狂わせの勝利をあげた。3月にはホーストカップで小原俊之にも勝利して戦績を12勝(7KO)1敗としたミドル級期待のホープ。
T-98は“ムエタイゴリラ”の異名を持ち、パワーと頑丈な身体を活かした戦いぶりでこれまで数々のタイトルを獲得。2016年6月には日本人5人目となるラジャダムナンスタジアム王座を奪取した。また、同年10月にはタイのラジャダムナンスタジアムに乗り込み、KO勝ちで日本人初の現地での防衛にも成功。同王座は2017年5月の2度目の防衛戦で失ったが、その後も精力的に試合を続け、2020年1月にはピーター・アーツの愛弟子イリアス・ボカユアを破っている。しかし、9月の『HEAT』で松島勲也にヒジ打ちでTKO負け。12月には松倉信太郎に判定負けを喫し、2年ぶりの復帰戦となった今年5月の『NO KICK NO LIFE』では緑川創に判定負け。RISEには13年ぶりの参戦となる。
RISEミドル級3位・憂也(魁塾)はWBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者・匡志YAMATO(大和ジム)と対戦。
憂也は2010年にK-1甲子園で準優勝、同年にDEEP☆KICKでプロデビューを果たすと、様々なリングで活躍。2013年12月には第2代DEEP☆KICK-65kg王者となった。RIZINには2度出場して、全て1RでKO勝利。右ストレートに破壊力を持ち、3試合連続で初回KO勝ちを収めて臨んだ2020年12月の『RISE』では緑川からダウンを奪って延長戦で勝利を奪う番狂わせを起こした。しかし、2021年2月のRISEでは“ブラックパンサー”ベイノアに延長戦の末に判定で惜敗。7月の『NO KICK NO LIFE』では緑川と再戦してドロー、11月のねぎ魔神には判定勝ちを収めた。今年5月にはJを2RでKOしている。戦績は27勝(13KO)13敗3分。
匡志は小学生で空手を学び、その後は野球へ。一時は120kgまで体重が増えたが、17歳でキックボクシングを始めて45kgのダイエットに成功したというエピソードを持つ。21歳でプロデビューし、2018年5月にNJKF王座、2019年12月大会にHOOST CUPのベルトを手にし二冠王となったが、HOOST CUP王座は初防衛戦で計量オーバーとなり試合には勝ったものの王座ははく奪となった。2021年7月に津崎善郎をKOしてWBC王者となった。ローキックが得意。今回がRISE初参戦。
そして、異色のカードが決定。GLORYミドル級8位アイヴァン・ガラス(チリ/r2bfight brutalstriker)と安ジェス(フィリピン/LION GYM)が対戦する。
ガラスは59勝9敗1分の戦績を持つ36歳で、幼少期にアーネスト・ホーストに魅了されると14歳までチリ代表チームでアマチュアボクシングやアメリカン拳法空手を学び、キックボクシングに転向。GLORYでは3戦してミドル級8位に入っている。現在は日本に住み、新たな戦いの場所としてRISEのリングを選んだ。
そのガラスと対戦するのは同じくRISE初参戦となる安。フィリピン出身で2021年11月にプロデビュー。MMAで3勝(2KO)1無効試合、グラップリングで1分の戦績を持ち、3月のラウェイ大阪大会では超過激格闘技ラウェイのルールをベースにしたオープンフィンガーグローブ着用・5分2R・判定ありとなるアンビータブルルールに挑戦して判定勝利、今月10日に行われた『LETHWEI×UNBEATABLE 北陸大会』でも同ルールで判定勝利を収めている。
今後、RISEがGLORYを始めとする世界と戦っていくにはミドル級の強化が必須となる。今大会で3試合が組まれたのはその育成の意味もあるだろう。活性化するミドル級で勝ち上がり、年内にも予定されているGLORYとの対抗戦へ打って出るのは誰か。