K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~RING OF VENUS~2022年6月25日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館
▼第17試合 K-1 WORLD GP女子フライ級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/王者)KO 3R 1分28秒 ※左ハイキック×スーリ・マンフレディ(フランス/WLC女子バンタム級王者、WBCムエタイ女子世界スーパー・フライ級3位/挑戦者)※KANAが初防衛に成功。
KANAはK-1&Krush女子部のエースとして活躍。2016年4月に紅絹との王座決定戦を制し、第2代Krush女子フライ級王者となった。同王座は2017年1月にメロニー・ヘウヘスに奪われるも、同年12月に奪回。2019年12月に行われた初代女子フライ級王座決定トーナメントで優勝し、初代K-1女子フライ級王座も手にした。2020年11月にノンタイトル戦で壽美に判定で敗れ、しばらくリングから離れていたが今年2月に復帰、RANからダウンを奪って勝利した。戦績は18勝(7KO)3敗。
対するマンフレディはWLC(ワールド・ラウェイ・チャンピオンシップ)女子バンタム級王者、WBCムエタイ女子世界スーパー・フライ級3位で33勝(20KO)9敗1分と驚異の戦績。タイ在住のフランス人ファイターで、ムエタイの他にも地上最も過激な格闘技として知られるラウェイや素手ボクシングのBKFC(ベアナックル・ファイティングチャンピオンシップ)にも出場している。身長165cm(KANAは160cm)で試合時は34歳。オーソドックス。
1R、KANAは右ローからスタート。マンフレディも右ローを返すとKANAは右カーフ。KANAが圧力をかけていき、右ロー、右ミドル、そして右フック。KANAの伸ばした左でロープを背負ったマンフレディから右フックでダウンを奪う。右カーフ連打から右ハイ、そして右フックからの連打で2度目のダウンを追加。
前に出るKANAが右フック、右ハイを中心に左右ボディから連打。しかし、マンフレディの右フックのカウンターでKANAの足元がふらつく。残りの時間も攻める姿勢を見せたKANAだが、初回終了のゴングが鳴るとKANAはコーナーへ戻るも足元がフラついていた。
2Rが始まってすぐ、KANAの右ハイでマンフレディが倒れるがこれはスリップ判定。KANAは右フックで追撃、マンフレディをグラつかせる。KANAはさらに右カーフ、マンフレディは左フックを返してくる。KANAの左ミドルに明らかなダメージを感じさせたマンフレディだが、左ハイを返す。KANAの連打にも打ち合いに応じた。マンフレディは反撃に転じ、右ストレートを打つ。KANAは右カーフでその前進を止める。さらに右ハイ。KANAが右オーバーハンドを繰り出したところでラウンド終了。
3R、KANAは右カーフを蹴っておいて右ハイを当てる。マンフレディはジャブを突きながらバックハンドブローを放つが、KANAは読んでいたか軽くかわす。マンフレディはこれまでのダメージがないかのようにパンチで前へ出てくる。KANAは左ミドル、左ボディでボディを攻める。マンフレディは右アッパー、KANAは右カーフ。KANAの左フックヒットからの右カーフ、マンフレディも左フックを返す。右カーフで追い込むKANAは細かいコンビネーションを見せておき、ボディ、ローと攻めておいて右フックを空振りしてからの左ハイキック。この一発でKANAのKO勝ちが決まった
感涙にむせぶKANA。ベルトを再び腰に戻したKANAは「この女子大会が決まってからは不安の方が大きくてこの大きい会場で出来るかも不安だったし、選手のTHE MATCHで武尊君も負けてしまってK-1は本当に強いんだろうかって世間から言われて…女子大会に足を運んでくれてABEMAで見てくださってありがとうございました。これがK-1女子のスタートで、たくさんの人にこの舞台を目指してきて欲しいと思います。自分もまだまだ強くなっている実感があるので、日本の女子格闘技を背負っていきたいと思います。世界にはまだまだ強い選手がいて、自分が強いと思う選手はアニッサ・メクセンという選手でその選手にK-1の王者として挑戦したいと思っています。K-1最強を必ず世界に示していきたいと思います。今日は高いチケットを買ってこの会場に足を運んでくれてありがとうございました。K-1のチャンピオン、メインイベント、KOじゃなきゃダメでしょう。K-1最高」とアピールした。
KANAは放送席にいた魔裟斗ともガッチリと握手。魔裟斗は「完璧だったよ。最高だったよ」とKANAを称えた。
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▼第16試合 K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R〇パヤーフォン・アユタヤファイトジム(タイ/Ayothaya Fight Gym)延長R 判定2-1 ※9-10、10-9×2×菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)※パヤーフォンがトーナメント優勝、初代王座に就く。本戦の判定は30-29、30-30、29-29。
「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」の決勝戦は、1回戦で松谷綺を破った菅原とMIOを破ったパヤーフォンで争われることとなった。
1R、菅原は前蹴りでパヤーフォンの左ミドルが蹴れない距離を保つ。それでもパヤーフォンが左ミドルを蹴ると左フックのカウンター。パヤーフォンが前蹴りを蹴ろうと足を上げると、パヤーフォンの顔面へ左前蹴りをヒットさせる。パヤーフォンが前へ出ようとすると前蹴りで止める菅原。終盤にはパンチで前へ出て右フックを当てる。
2R、前に出るパヤーフォンだが菅原は組み付いて止める。菅原は左ヒザを上げて前蹴りを意識させ、左フックを当てる。左右の連打、前蹴りで前へ出る菅原にパヤーフォンは前蹴りと左ミドル。前に出るパヤーフォンだが菅原にパンチを浴びせることが出来ない。その前に菅原が右を当てる。前蹴りで距離を取り、パヤーフォンが入ってくると右を合わせる菅原。
3Rも前蹴りでパヤーフォンを突き放す菅原。パヤーフォンが左ミドルを蹴ると菅原がパンチで前へ出る。パヤーフォンはバックハンドブローを繰り出すと、ヒジの部分が当たってしまい菅原は左目の上を切って流血する。再開後、菅原は片足を上げて前蹴りをフェイントしてからパンチで行く。パヤーフォンも右フック。打ち合う菅原だがクリンチになる。パヤーフォンは接近戦で左右フックとヒザ。ここで菅原が2度目のバッティング、パヤーフォンにインターバルが与えられた。再開後、菅原は必死にパンチで前に出るがパヤーフォンが右フック、ヒザをヒット。
本戦はジャッジ1名がパヤーフォンを支持したが2名がドロー。延長戦へ突入する。両者とも前に出て密着して揉み合う。密着した状態でもパヤーフォンは右フックを打つ。菅原が右ストレートで突進するとパヤーフォンは左ミドルを連打。両者クリンチからブレイクが多い。近距離でもパンチを当てるのはパヤーフォンだが、菅原が顔面前蹴りをクリーンヒット。パヤーフォンは密着するとヒザ蹴り。パヤーフォンはつかんでのヒザを見舞ってしまい警告を受ける。両者が前に出るため組み合いとなり、最後まで激しいもみ合いとなった。
判定は2-1でパヤーフォンが勝利。2014年11月に同じ会場で行われた新生K-1の旗揚げ戦で、ゲーオ・フェアテックス(今回パヤーフォンのセコンドに就いた)がスーパー・ライト級王座決定トーナメントを制したように、K-1初の女子大会で行われたトーナメントをムエタイのパヤーフォンが制した。
パヤーフォンはマイクを持つと「今回はこのようなタイトルに挑戦させていただきありがとうございました。王者になる機会を与えてくださりありがとうございました。K-1に関連する皆さん本当にありがとうございました。日本で、またタイから応援してくださった皆さん、ありがとうございます」と各方面に涙ながらにお礼を述べた。
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▼第15試合 日本vs世界・3対3 女子-53kg契約 3分3R延長1R×☆SAHO☆(闘神塾)判定0-3 ※28-30×2、28-29〇ジェシンタ・オースティン(オーストラリア/WKBF・WAKO・WKA豪州女子スーパー・バンタム級王者)
☆SAHO☆は軽快なステップを駆使し、回転の速いパンチにローキック&前蹴りを上手く織り交ぜるパワフルなファイタータイプ。2017年9月に杉貴美子からミネルヴァ・スーパーバンタム級王座を奪取し、2019年5月に佐々木みいりとの王座決定戦を制してWMC日本同級王座との二冠王に。そして2020年11月、4人の王者によって争われたS1レディース バンタム級ジャパントーナメントで優勝を果たした。K-1には昨年12月に初参戦、真優をパワーで圧倒した。戦績は12勝(1KO)1敗。
その☆SAHO☆と対戦するのはジェシンタ・オースティン(オーストラリア)。WKBF・WAKO・WKAと3団体の豪州女子スーパー・バンタム級王座(いずれもK-1ルール)を獲得し、ムエタイルールでも戦って21勝(3KO)4敗。かつてKANAのスパーリングパートナーとして来日した経験もある。2021年にはプロMMAファイターとしてデビューし、これまで3勝無敗。プロボクシングでも1勝を収めている。軽快なステップを踏み、飛び込んでの攻撃が得意。身長165cm(☆SAHO☆は159cm)で27歳。オーソドックス。
1R、ローの蹴り合い、フックの打ち合いで負けていない☆SAHO☆。お互いにパワフルだ。☆SAHO☆がワンツーから右ロー、オースティンが左右のフックを繰り出すと☆SAHO☆は連打からの右ローとコンビネーションを回転させる。右ストレートに☆SAHO☆が左フックを返す。しかし、オースティンの右ストレートで☆SAHO☆が座り込むようにダウンを喫する。腕でブロックしていたためダメージはなく、すぐに立ち上がるとオースティンと打ち合う☆SAHO☆。
2R、☆SAHO☆が連打を仕掛けるとオースティンもこれに応じる。両者ともスピードのある連打を交錯させた。オースティンはワンツーで入り込み、右ストレートをヒットさせる。☆SAHO☆は一歩も退かず右とボディを打ち返す。☆SAHO☆の左ボディ。再び足を止めて打ち合う両者だが、右を被弾したのは☆SAHO☆。左フックで前に出た☆SAHO☆がヒットを奪うが、オースティンも下がらずに打ち返してくる。
3Rが始まると同時に☆SAHO☆が左右フックで襲い掛かる。さらに接近するとヒザ蹴り。オースティンは下がらず右を打ち込む。オースティンはムエタイ風の足払いで☆SAHO☆を転倒させる。左フックから右ロー、ワンツーのオースティンに☆SAHO☆もワンツーで対抗。果敢に打ち合いを挑む☆SAHO☆だが、オースティンはもらっても前へ出てヒザ蹴り。☆SAHO☆の右ストレートを空振りさせてのバックハンドブロー。☆SAHO☆は前へ出てワンツー・左フックを繰り出していったが、オースティンに決定的なダメージを与えることは出来なかった。
解説の魔裟斗も「いい試合だった。女子でもこれだけパワフルな試合をしてくれると僕らもお客さんも楽しめる」と絶賛した一戦はダウンを奪ったオースティンの勝利。今日一番の激闘を制した。
勝利に涙を流して喜ぶオースティンは「今回K-1の大会にご招待いただきありがとうございました。日本で、K-1のリングで戦うことが夢でした。☆SAHO☆は凄く強かったです。タフでした。チームのみんなありがとう」と語った。
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▼第14試合 日本vs世界・3対3 K-1女子ミニマム級 3分3R延長1R×高梨knuckle美穂(Y'ZD GYM/第2代Krush女子アトム級王者)判定0-3 ※28-30×3〇エリヴァン・バルト(トルコ/IFMA欧州ミニマム級王者)
2018年9月に『KHAOS』でプロデビューした高梨は、2019年5月の第2代Krush女子アトム級王座決定戦でC-ZUKAをKOして王座に就き、同年10月にはパヤーフォンを延長戦の末に降して初防衛に成功している。Krush女子アトム級王座は返上し、一階級上の女子ミニマム級に転向すると2020年6月の真美戦でダウンを奪って勝利。9月のK-1ではMIOを判定で降し、K-1の洗礼を浴びせた。2021年3月と7月はMARIに連勝し、12月には空手出身の美伶に延長戦の末に勝利した。2月のK-1でも新鋭のYuka☆に勝利してデビュー以来無敗の10勝(2KO)。
バルトは2021年6月にウズベキスタンで開催されたWAKO国際キックボクシングトーナメントのシニア女子K-1部門で優勝、IFMA(国際アマチュアムエタイ連盟)でも優勝。今年3月にクロアチアで開催されたヨーロッパシニアボクシング選手権で金メダルを獲得し、2024年のフランス五輪出場を目指しているという。2021年9月のキックボクシングプロデビュー戦にてワンツーからの左ハイキックで相手を失神させ、その倒れ方が凄まじかったためSNSにてバズったことも。プロ戦績は2勝(1KO)だがキックボクシング&ボクシングでアマチュア経験が抱負。身長163cm(高梨は158cm)の21歳。オーソドックス。
1R、まずはバルトが左前蹴り。高梨が前へ出てくると右前蹴り。その後も前蹴りを多用するバルト。足を止めての打ち合いも見せる。速い連打で高梨にロープを背負わせるバルトだが、高梨も両腕ブロックしながら打ち返す。バルトは左ミドルからの右ストレート。高梨はじりじりと前へ出ての右フック。バルトは顔面へ前蹴り。蹴りからパンチにつなげるバルトに高梨は距離を詰めにくい様子だが、高梨は前へ出てボディを打つ。
2R、高梨の右ローに左ハイを返すバルト。さらにバルトは右フックから左ハイのコンビネーション。顔面前蹴りからの左ストレートも。高梨は前へ出て左フックを打っていき、バルトが右フックを打って来ると左フックを合わせにいく。一発で終わらず連続攻撃のバルト。ノーモーションでの右ストレートもヒットさせる。高梨をコーナーへ詰めると左右ボディの連打。高梨はなかなか自分の攻撃に転じられない。ビゲイは顔面前蹴りから左右の連打で前へ出る。
3R、高梨がパンチで前へ出るがバルトは連打で打ち返す。明らかにパンチの回転スピードで優るバルト。前蹴りからの連打、近付こうとすると前蹴り。高梨は距離を詰めるが攻撃につなげることが出来ない。前蹴り、ハイキックで距離を取り、高橋が近付いてくると回転の速いパンチで高梨の一発に対抗。最後まで高梨は自分のペースに持ち込むことが出来なかった。
判定は3-0でバルトの勝利。高梨はプロ11戦目にして初黒星を付けられた。
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▼第13試合 日本vs世界・3対3 K-1女子アトム級 3分3R延長1R〇山田真子(KINGS/元WBO女子世界ミニフライ級王者)判定3-0 ※30-29×3×マリーヌ・ビゲイ(フランス)
山田は幼き頃から格闘技に打ち込み、空手、テコンドー、キックボクシングなどのアマチュア大会で活躍。2010年5月にJ-GIRLSでプロデビューすると、同年12月にLittle Tigerを破りJ-GIRLSアトム級王座に就いた。2012年3月にはプロボクサーに転向し、2014年2月には韓国でWBO女子世界ミニフライ級王座を奪取。2014年5月、キックボクシング6勝無敗2分、ボクシング7勝(2KO)無敗とパーフェクトレコードを残して所属ジムとのトラブルから現役を引退した。
その後、2014年12月にキックボクシングの試合、2018年11月には元OPBF東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者・高野人母美と事実上無差別級のボクシングルールで対戦し、6回判定勝ち。2019年11月にはKrushに初参戦してMOEから勝利を収め、2020年11月のK-1福岡大会でも優に判定勝ち。ボクシングとキックボクシングを通じて17戦無敗という記録を打ち立てていたが、2021年3月のK-1でMIOにダウンを奪われプロ格闘家人生初の黒星を喫した。7月のK-1では期待のJKホープNOZOMIに復活の勝利、11月にはチャン・リーを寄せ付けず判定勝ち。戦績は10勝1敗2分。
ビゲイはプロ戦績3勝無敗とキャリアは浅いが、豊富なアマチュア歴を誇る。サバット出身でフランスの格闘技イベント『GFCT』を主戦場にして同大会の-48kg王者。サウスポーから繰り出す左ミドル&左ローキック、左ストレートを得意としている。奥足へのローも使いこなす。身長157cm(山田は153cm)で27歳。
1R、サウスポーのビゲイに対し、山田は左回り込みながら前足を左ローで蹴っていく。ビゲイも左ミドル、左ローを返す。左回りを徹底する山田にビゲイも右へ動いて前足外側をとろうとする。ローの蹴り合いの中、ビゲイの左ローに山田は右ストレートを合わせに行く。山田がインファイトでパンチを打ちに行くと山田の首をつかんでしまうビゲイ。
2Rも左回りの山田は左ロー、右インロー、そして左ミドル。ビゲイもローを返すが手数は少な目だ。山田は飛び込んでの連打を見せるが、ビゲイも左ストレートを返してくる。飛び込んでの右を当てたのは山田。
3R、飛び込んでのヒザを突き刺すビゲイ。お互いに見合う時間が長い。山田は入り込んでの右ボディを打つがビゲイのクリンチで追撃を止められる。山田は右ミドル。潜り込むようにしてパンチを打っていくがやはりビゲイのホールディングに止められる。山田はスーパーマンパンチを繰り出す。山田が右ミドルを蹴って試合終了。
大きな見せ場はなかったが、全体的に試合を支配していた山田が判定3-0で勝利した。
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▼第12試合 女子フライ級 3分3R延長1R〇真優(月心会チーム侍)判定3-0 ※30-28×2、30-27×芳美(OGUNI-GYM)
真優はK-1甲子園でワンマッチをするなどK-1のアマチュア部門を経験し、K-1 JAPAN GROUPのリングで実績を重ねてきた選手。芳美はNJKFの女子部門であるミネルヴァで活躍してきた選手で、昨年よりK-1 JAPAN GROUPに参戦。Krushで3試合を戦い、1勝2敗という戦績を残している。K-1には初参戦。
1R、左右フックで前に出る真優に組み付いてしまうサウスポーの芳美。真優は得意の前蹴りも繰り出すが両者ともクリンチが多い。芳美が飛び込んでくるところに左フックを合わせる真優。
2R、真優の左右フックに打ち返そうとした芳美がバッティング。真優にインターバルが与えられる。再開後、左右フックで前に出る真優。前蹴りから左右フックを打つ芳美だが、またもバッティングになってしまい試合は中断。再開後、パンチで前に出る芳美に真優が前蹴り、左ミドル。
3R、真優は顔面前蹴りで突き放し、ジャブを打つ。さらに右ストレート。芳美は低く構えて頭を振りながら右フックを打つ。飛び込もうとする芳美を前蹴りで迎え撃つ真優。このラウンドはしっかり距離を取り最後は真優がハイキックを見せて試合終了。判定3-0で真優が勝利を収めた。
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2022年6月25日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催中の『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~RING OF VENUS~』にて、女性芸人のゆりやんレトリィバァがスペシャルラウンドガールを務めた。
ゆりやんが登場したのは第11試合女子フライ級3分3R延長1Rの櫻井梨華子(優弥道場)vs.鈴木万李弥(志村道場)の一戦。試合は3Rフルに戦い鈴木が判定勝ち。ゆりやんは1Rと2Rの間、2Rと3Rの間の2度、ラウンドガールとしてウォーキングを披露した。
星条旗柄のセクシーすぎる(?)水着でボディビル風のポーズも決めたゆりやん。観客を楽しませた。
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▼第11試合 女子フライ級 3分3R延長1R×櫻井梨華子(優弥道場)判定0-3 ※28-30×3〇鈴木万李弥(志村道場)
櫻井はK-1・Krushでも活躍した山本優弥が経営する優弥道場の選手で、K-1アマチュアの大会で優勝も飾っている。K-1 JAPAN GROUPでは3戦して1勝2敗。鈴木はMMAとの二刀流で活躍、今年3月のKrushに初参戦し、真優に勝利している。
1R、櫻井はステップワークを駆使して動き、ジャブ&ロー。鈴木はジャブから入っていくが蹴りを櫻井のステップでかわされる。しかし後半、鈴木は入り込みのスピードを速めて右をヒットさせる。
2R、鈴木がワンツーで入っていく。櫻井はステップで動きながら鈴木をかわしていき、飛び込んでのパンチを見せる。なかなか櫻井を捉えられない鈴木だったが、左フックがクリーンヒット。櫻井が一瞬フラっとする。鈴木は前に詰めて左フック、櫻井はステップで動くが鈴木が近付くとクリンチ。
3R、互いに前蹴り、鈴木がワンツー打つ。櫻井はステップで左右へ動き、鈴木は左フックと左ロー。左フックからの右ストレートでロープを背負わせると左右の連打を決める。鈴木の左右フックが当たり始め、櫻井もパンチを出して前へ出るようになる。鈴木は左フックをまたも命中。櫻井はバックハンドブローで逆転を狙うが、鈴木が左右のストレートと右ミドルで前へ出る。最後は鈴木が左右フックとハイキックでまとめ、判定3-0で勝利。上手さを見せた。
鈴木はスペシャルラウンドガールのゆりやんレトリィバァとの記念撮影に収まった。
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▼第10試合 女子ミニマム級 3分3R延長1R〇MOE(若獅子会館)延長R 判定3-0 ※10-9×3×MARI(ナックルズGYM)※本戦の判定は29-30、30-29、30-30
MOEはK-1アマチュアの大会から実績を積み、現役女子高校生ファイター(現在は卒業)としてKrushのリングで活躍してきた。MARIはNJKFを主戦場にしていた選手で、様々なリングに出場。昨年K-1に初参戦を果たし、高梨knuckle美穂と2度に亘って激戦を展開した。その後も様々な団体に試合を続けている。
1R、MARIはワンツーと右カーフ、MOEは右ローを蹴っていく。ローとカーフの蹴り合いと、MARIが伸びのあるワンツーを打ち込む。ローの距離で戦う両者、パンチはMARIの方が当てたか。
2R、MARIはガードを固めてよく見ながら、ジャブを打ってMOEがパンチを打って来ると右ストレートのカウンター。MOEは前蹴りやローを蹴る。MARIは高い蹴りを見せつつ軽快なフットワークからジャブ、右フック。MOEは顔面前蹴りや右ハイキックと高い蹴りを当てに行く。
3R、前に出るMARIが右ストレート、左フック。MOEは前蹴りと左インローをMARIのパンチに合わせる。MARIは後ろ蹴りやバックハンドブローで流れを変えようとするが、MOEはヒットを許さない。思い切り右を打ちに行くMOEだが、MARIは構わず前へ出ていく。MOEは下がりながらもミドルを蹴っていく。
判定は三者三様のドロー。延長戦へ突入する。いきなり打ち合いを見せた両者は、MARIがパンチで前へ出ていきMOEが左ミドルと前蹴りで迎え撃つ。どんどん前へ出るMARIがジャブと右ストレート、MOEも連打を返し、右ハイを繰り出す。やや疲れが見えるのはMOE。MARIのバックハンドブローでヒジが当たってしまい、MOEにはインターバルが与えられる。ショートの距離でパンチを打ち合い、MOEは至近距離で左右ハイキック、そして顔面前蹴り。MARIはパンチを繰り出していくがMOEのハイキックが見栄えがいい。
判定は3-0でMOEが勝利。階級を上げての第一戦で嬉しいK-1初勝利をあげた。
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▼第9試合 K-1女子フライ級 3分3R延長1R〇池内紀子(POWER OF DREAM)延長R 判定3-0 ※10-9×3×ARINA(闘神塾)※本戦の判定は30-29、29-29×2。
池内は名門POWER OF DREAMが送り込んだ女子選手で、2021年3月にプロデビュー。9月の2戦目では35戦以上のキャリアを持ち、第5代Krush女子フライ級王座決定トーナメントにも名を連ねたベテランの芳美を破り、12月にはRANにも勝利して3連勝中。170cmの長身から繰り出すパンチ&ヒザ蹴りの卓越したテクニックを持つ。
ARINAは☆SAHO☆と同門の新鋭で、2021年5月からKrushに参戦。これまでTOODY NAOMIと小澤聡子に勝利してトータル戦績は3戦全勝。スピードがあり、左右ストレートと右ミドルでアグレッシブに攻める。無敗同士の期待のホープ対決となった。
1R、ARINAは連打からの右ローと速いコンビネーション、池内は前へ出てパンチを狙っていくが、ARINAは顔面・ボディ・ローとしっかり攻撃をつなげていく。池内は鋭い左フックを繰り出すが、ARINAはステップでかわす。池内はARINAのフックをもらいながらもヒザ蹴りを突き刺す。
2R、前に出てのワンツー、左フックのダブルとアグレッシブに攻める池内にARINAはジャブから右ロー。ヒザも蹴り合う。ARINAはボディ、顔面、ローと攻撃を散らしていき、池内はプッシュを交えながら前へ出てパンチを繰り出していく。ARINAはヒザを突き刺す。池内も左ボディから右フック、プッシュしてからのヒザ。足を止めての打ち合いになり、やや池内が打ち勝ったか。
3R、右の打ち合いからローの蹴り合い。ARINAはカウンターのヒザを突き刺す。池内は左ミドル。ARINAもこのラウンドは手数を増やし、最後に右ローを蹴る。池内はプッシュしながら左ボディ、右フック。ボディ&ローで反撃するARINA。池内は左ボディ、左右フックとパンチを出し続ける。ARINAはヒザ蹴りと右ロー。近い距離で打ち合う両者。最後まで打ち合いは続いた。
本戦の判定はドロー。延長戦へ突入する。前に出る池内が左右フック、ARINAも右フックを返す。近い距離でパンチを交わす両者。池内の右フックをもらってもARINAはすぐに打ち返す。前へ出る池内だがARINAは下がらなくなり、至近距離で顔面とボディを打ち合う。池内の左右ボディ、右フックから左アッパー、打ち返すARINAに右フック。池内は左フックもヒットさせるなど最後の打ち合いでヒットに優り、判定勝ち。無敗対決は池内が無敗記録を更新した。
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▼第8試合 女子アトム級 3分3R延長1R×森川侑凜(GRES 8Mile GYM)判定0-2 ※29-29、28-29×2〇奥脇奈々(エイワスポーツジム)
森川はK-1アマチュア出身のK-1 JAPAN GROUPの生え抜きで、2020年に開かれたトーナメント『DREAM KHAOS』で優勝も果たしている。奥脇はムエタイルールを中心に活躍し、『BOM』が主戦場。今回が初参戦となる。
1R、前に出る森川に奥脇は下がりながらも右カーフを蹴っていく。森川も右ストレートを打っていくがこれは届かない。奥脇の左フックには森川が下がらず右ストレートを打ち返す。
2R、奥脇はダイナミックなフォームから左ミドルを2連打。さらに右インローを連打していく。森川はジャブを繰り出すが、奥脇に右インロー&右ローで先手を取られる。前へ出るが手が出ない森川。奥脇は右ミドルも蹴り、左フックも。しかし終盤、森川が左右フックを振るって前へ出る。
3R、左右フックを振るって前に出る森川に奥脇は左右ミドル。それだけでなく左フックも返す。森川は手数を出して右フック。奥脇も足を止めてその場で打ち合う。森川の右フックが強烈にヒット。奥脇も退かずに打ち返す。試合終了のゴングが鳴ると、両者はグローブを合わせてから抱き合う。
判定は2-0で奥脇が勝利。会場を大いに沸かせた激闘を制した。敗れた森川は涙を流した。
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▼第7試合 K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R〇菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)判定2-0 ※30-29、30-30、30-29×松谷 綺(ALONZA ABLAZE)※菅原が決勝戦へ進出。
菅原はK-1アマチュアを経て2019年1月にプロデビュー。2戦目で初黒星を喫したがその後は負けなしで、2020年11月の女子アトム級王座決定トーナメント決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就いた。2020年3月に美容技術専門学校を卒業し、“戦う美容師”として活動している。2021年3月には3戦全勝のホープNOZOMIからダウンを奪って勝利し5連勝。5月のMIOとの初対決で判定負けするも、11月のタイトルマッチでの再戦ではダウンを奪っての判定勝利でリベンジ&初防衛に成功した。今年2月には優を退けて2度目の防衛に成功している。戦績は8勝2敗。22歳。 松谷は兄・桐と共に2021年7月から卜部功也が代表を務めるALONZAに所属。2021年8月にKrush初参戦を果たし、森川侑凜からダウンを奪って判定勝ち。今年2月には豊嶋里美に判定勝ちし、戦績を5勝2分無敗とした。キャリアは浅いながらもそのテクニックには定評がある。今春に高校を卒業したばかりの18歳。 煽りVTRでAKB48の楽曲『Generation Change』が使われたことが象徴するように、松谷は現在の女子アトム級トップ2の菅原、MIOを破っての「世代交代」を宣言している。
1R、菅原が前へ出て左右のストレート、松谷はヒザを蹴る。松谷は左右に細かく動き、狙いを定めさせないが菅原はならばとボディを打っていく。松谷は組み付くと菅原をねじ伏せるパワーを見せる。
2R、ようやく菅原の前蹴りが出る。松谷は横前蹴りから入ろうとし、菅原が右ストレート、左ボディで迎え撃つ。松谷の右ミドルに菅原が右ストレート。身長&リーチ差を活かして菅原がジャブ、右ストレート、前蹴りと長い距離の攻撃を当てに行く。松谷が入り込もうとすると前蹴りで押し返し、右ボディも打つ。
3Rは菅原が前に出ていく。身長差で上から潰そうとするが松谷はパワーでねじ伏せ逆に菅原を倒す。松谷はワンツー、躍動するようにミドルを蹴る。菅原は前蹴り、右ロー。クリンチが増える中、左右フック、左ボディを打つ菅原。最後は前へ出て前蹴り、ガムシャラに攻める姿勢を見せた菅原。
固さが目立った菅原だが、判定2-0で松谷に辛勝しパヤーフォンの待つ決勝戦へ辛くもコマを進めた。
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▼第6試合 K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R×MIO(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定0-3 ※29-30×3〇パヤーフォン・アユタヤファイトジム(タイ/Ayothaya Fight Gym)※パヤーフォンが決勝戦へ進出。
MIOはシュートボクシング女子軽量級のエースとして活躍したが、2019年7月に突如シュートボクシングからの引退を発表。同年8月24日にK-1電撃参戦を表明し、2020年9月のK-1大阪大会でK-1デビュー戦を行ったが、高梨knuckle美穂に判定3-0で敗れた。今年3月、2戦目でボクシング&キックボクシングで15戦無敗だった元プロボクシングWBO女子世界ミニフライ級王者・山田真子からダウンを奪って初黒星を付けると、5月には菅原にも判定勝ちした。しかし、11月のKrushタイトルマッチでの再戦ではダウンを奪われて判定負け。今年2月のKrushで再起戦が決まっていたが左卵巣成熟嚢胞性奇形腫の手術のため欠場していた。戦績は40勝(4KO)6敗。27歳。
パヤーフォンは19歳にして64勝(10KO)14敗1分の戦績を持つ、元WPMF世界女子ピン級王者。日本では2017年11月に『M-ONE』でLittle tigerに判定勝ち。COMACHIと2018年2月に対戦して判定勝ちでWPMF世界女子ピン級暫定王者となり、2019年2月にCOMACHIと王座決定戦で再戦して判定勝ち、WPMF世界王座を手にした。10月にはKrush初参戦でKrush女子アトム級王者・高梨knuckle美穂に挑戦し、右ストレートの連打で会場をどよめかせ、延長戦の末に判定3-0で敗れたものの高梨を苦戦させた。2020年2月にはMOE戦で判定勝利。今回はそれ以来の来日となる。従姉妹は大人気の韓国の4人組ガールズグループ「BLACKPINK」のメンバーであるLISA。
1R、サウスポーのパヤーフォンはさっそく強烈な左ミドル。MIOは左足を上げて踏み込もうとするがパヤーフォンが左ミドルを合わせる。MIOは右ストレート。左ミドルを蹴られるMIOは左フックをヒットさせてそこから連打しようとするが、パヤーフォンはもうその場にいない。距離は遠い。MIOはジャブ、前足を上げてからの踏み込みと入り込もうとするが、パヤーフォンはなかなか入れさせない。
2R、パヤーフォンは左ミドル2連打。MIOはロー、ミドルを蹴るが空振り。MIOは打ち合いを挑むとパヤーフォンも左右フックで打ち合いを見せる。パヤーフォンは飛び込んでのヒザ蹴り。パヤーフォンは前蹴りから左ミドル。左ミドルを蹴ったパヤーフォンは右ストレートの連打。MIOは左ミドルをスネブロックする場面もあるが、パヤーフォンのヒットが目立つ。距離やリズムはパヤーフォンのものか。最後もパヤーフォンが左ミドルをしっかり当てる。
3R、距離を詰めに行くMIOだがパヤーフォンの前蹴りに吹っ飛ばされる。MIOも左前蹴りを繰り出し、ストレートで打ち合いに位行くがパヤーフォンの左フックを逆にもらう。攻撃のテンポを上げるパヤーフォンが左ミドルから右ストレート、前蹴りでけん制していく。MIOはワンツーで入るが後が続かない。MIOが入ろうとすると右ヒザを上げてけん制するパヤーフォン。MIOは声を上げながらワンツーを繰り出すが距離は遠く、パヤーフォンの左ミドルをもらう。パヤーフォンはダイナミックな左ミドル。その直後、MIOは右フックをクリーンヒットさせるが時すでに遅し。
距離を支配し、テクニックを見せつけたパヤーフォンが判定待ち。決勝戦へ進出した。
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▼第5試合 K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R〇チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)KO 2R 1分26秒 ※左ストレート×紗依茄(月心会チーム侍)※リーがトーナメントリザーバーに。
チャン・リーは2018年9月の『KHAOS.6』からK-1 JAPAN GROUPの大会に初参戦、女子アトム級の主力選手として活躍。2021年6月のKrush-EXでは期待のJKホープの紗依茄から判定2-1で勝利をもぎ取ったが、11月のKrushでは山田真子に判定負け。2020年1月には新鋭のKihoに勝利して戦績を6勝7敗1分とした。
紗依茄は18歳のJKファイターで、ジュニアで6冠王、第9回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝の成績をあげ、2021年1月にプロデビュー。ジュニア時代から積み上げてきた卓越したテクニックでAIKOから勝利を収めたが、6月の2戦目ではチャン・リーのパワーに屈し初黒星。11月には豊嶋里美にステップワークを駆使した戦い方で勝利すると2022年2月には谷田美穂にも判定勝ちで連勝。戦績は3勝1敗。
前述の通り、この試合は2021年6月以来の再戦となる。
1R、じりじりと距離を詰めるリーに紗依茄は左ミドル。紗依茄はワンツーと右カーフ、リーに詰められて手が出る前に攻撃する。リーが右ストレートで入ると紗依茄はクリンチ。リーにプレスされる紗依茄はクリンチが増える。紗依茄はワンツー、左ミドル。リーも右ミドルからワンツー(この右ミドルで紗依茄は左腕を1Rに骨折)。紗依茄はワンツーを打つがリーの両腕ブロックは固い。リーのワンツーに紗依茄は押されているように見える。
2R、右ミドルの蹴り合いからワンツーの連打で入るリー。紗依茄のワンツーにリーが右ストレートを打ち返す。コーナーへ詰めていくリーがジャブで下がらせて右ストレート、それをかわした紗依茄に左ストレートを突き刺してダウンを奪う。紗依茄は立ち上がろうとするが立てず、リーが見事なKO勝ちで紗依茄を返り討ちにした。成長とパワーを見せつけた。
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▼第4試合 K-1女子ミニマム級 3分3R延長1R〇ケイト・ウィラサクレック(WSRフェアテックス三ノ輪)判定3-0 ※30-28×2、30-27×KAI(ファイティスジムMSC)
ベラルーシとのハーフであるケイトは3歳から極真空手を学んで13年の経歴を持ち、本人も「ありすぎて覚えていない」というほどの優勝・入賞歴を持つ。男女混合大会や体重無差別で勝つことに意義を持ち、2016年にはなんと高校生の男女混合大会で優勝したことがある。K-1アマチュア大会を経て2020年10月の『Krush-EX 2020 vol.2』でプロデビュー。JASMINEにパンチを主体とした攻撃的なスタイルで判定勝ちしたが、2021年3月のK-1で美伶に2度のダウンを奪われての判定負け、6月のKrushでも真美に延長R判定2-1で惜敗と連敗を喫してしまった。11月のC-ZUKA戦で勝利して連敗を脱出し、戦績を3勝2敗とした。今春に高校を卒業したばかり。
KAIは空手をベースとするMMAファイターで2014年からDEEP JEWELSに参戦。桐生祐子、北野きゅう、ジェット・イズミに勝利も、両ヒザの手術で戦線を離脱。1年半ぶりの復帰戦となった2019年9月、キック出身のジェット・イズミ(元J-GIRLSミニフライ級王者)を相手にキックルールで判定勝ち。10月大会では古瀬美月に判定2-1(いずれもマスト判定)、2020年7月大会でも永尾音波に判定2-1という僅差で連敗を喫し、10月にはさくらにリアネイキドチョークで一本負けしている。MM戦績は5勝6敗。2021年8月にKrushに初参戦するとC-ZUKAに延長R判定2-1で惜敗、11月にはYuka☆に判定負けと連敗中。
1R、両者ともスピードのあるジャブを差し合い、ケイトはどっしりと構えて右ロー、KAIは左右に動いて右ローを蹴る。両者鋭いジャブを打つ中、ケイトはワンツーからの右ミドル。身長で8cm優るケイトはジャブ、前蹴りで距離をとり、KAIのパンチやローはかわしていく。
2R、KAIの入り際に前蹴りを狙うケイト。ローを蹴るKAIにはジャブ。ならばとKAIは左ミドル。ケイトはKAIのローに右を狙い撃ち。構わずローを蹴るKAIにその右がクリーンヒットし、KAIがグラつく。しかしすぐに立て直して右フックを繰り出すKAI。そこへケイトが顔面前蹴り。ケイトが確実にポイントを取ったラウンドに。
3R、真っ直ぐ入ってくるKAIをジャブで迎え撃つケイト。KAIは勝負をかけて左右フック、左右ボディで前へ出るが、ケイトは右ストレート、ヒザで迎え撃ち、機を見て右ハイキックもヒットさせる。闘志全開で攻めるKAIだったが、ケイトが自分の距離とペースで戦い続け、強い攻撃もヒットさせたケイトが完封勝ちした。
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▼第3試合 K-1女子ミニマム級 3分3R延長1R×C-ZUKA(T-GYM)TKO 3R 1分35秒 ※レフェリーストップ〇真美(Team ImmortaL)
C-ZUKAは165cmと長身で、長い手足が武器。過去にNJKFミネルヴァ・アトム級初代王座を保持していたこともあり、7勝(1KO)8敗1分の戦績を持つ。2019年5月には高梨knuckle美穂と第2代Krush女子アトム級王座決定戦を争ったが、3R1分34秒、KOで敗れ王座獲得ならず。2019年12月以来リングを離れていたが、2021年8月大会で復帰。MMAファイターのKAIに延長Rで競り勝つも、11月にはケイト・ウィラサクレックに敗れた。
真美はアマチュアで15戦全勝の戦績を引っ提げて2018年10月にプロデビュー。2021年11月にERIKOを破り、NJKFミネルヴァ・ライトフライ級王座を獲得した。Krushでは2020年6月の初参戦で高梨knuckle美穂に判定負けを喫したが、2021年6月にはケイト・ウィラサクレックを延長戦の末に判定2-1で降した。2022年3月には美伶にダウンを奪われ敗れている。戦績は8勝(2KO)5敗。
1R、前に出るのは真美。右ローを蹴って左右のストレート&フックを繰り出す。C-ZUKAは前蹴りとミドルで距離をとろうとするが、真美は構わず距離を詰めてパンチを打つ。真美の右フックを被弾するC-ZUKA。前に詰める真美に前蹴りを何度も放つC-ZUKAだが、真美の前進に押された。
2Rも前に出る真美が左右の連打でどんどん距離を詰める。C-ZUKAは後退しながら右ミドル、パンチも打つが手打ちのため真美はもらっても返していく。真美は右ストレート、右フックを連続被弾。前蹴りを空振りして片膝をついたC-ZUKAに真美が右を見舞ってしまい、真美には警告。再開後も真美が左右フックで攻め込む。
3R、真美は突進して左右フック、左右ボディ。右フックがC-ZUKAの顔面を捉える。C-ZUKAも左右ストレートを繰り出すが真美の突進に押されていく。打ち合ったところで右フックもらいC-ZUKAはダウン。一気に真美がラッシュして右フックがヒットしたところでレフェリーがストップ。真美が今大会初のTKO勝ちを飾った。
真美は「今日この女子大会に出場することが出来て嬉しく思っています。そしてKO出来たことが凄く嬉しいです。これからもKOが出来るようにどんどん修行をしていきたいと思います。そして女子だけでもこんなに見せられるぞってところを見せていきたいと思います」と語った。
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▼第2試合 女子ミニマム級 3分3R延長1R×上野hippo宣子(ナックルズGYM)判定0-3 ※28-30×2、27-30〇Yuka☆(SHINE沖縄)
39歳で1勝9敗3分の上野は選手欠場を受けて大会3日前のスクランブル出場。37歳のYuka☆は3勝1敗。
1R、思い切り右ストレートを打ち抜くYuka☆だが、上野も負けじと右ストレートを強打。上野は右ストレートを出しながらどんどん前へ出る。Yuka☆は顔面前蹴りで止めに行き、ジャブ、右ストレート、前蹴りで突進を迎え撃つ。前に出る上野だがYuka☆は冷静にジャブ、右ロー、そして右ストレートをしっかり当てる。特に右ローが強烈だ。右ストレートもしっかり伸びきって強くヒット。ガムシャラに手を出す上野にYuka☆は的確な攻撃。
2Rも前に出る上野にYuka☆はジャブ、ワンツーからの右ロー。ジャブと顔面前蹴りをもらっても下がらない上野だが、Yuka☆の右ローに足が流れる。Yuka☆はボディへの左ヒザも。前に出てガムシャラに手数を出す上野だが、Yuka☆のワンツー、右ロー、左ヒザの方が印象を残す。
3R、上野が前へ出てくるところに右ロー、右ボディストレートを合わせるYuka☆。上野の空振りを誘って右ストレートをしっかり当てていく。さらに前蹴りとヒザ蹴り。上野はワンツーで前進、そこへ右ストレート、ヒザを打つYuka☆。最後は左右ストレートを打ちながら前進したYuka☆がK-1 JAPAN GROUPでの2勝目をあげた。
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▼第1試合 K-1女子フライ級 3分3R延長1R〇RAN(MONKEY☆MAGIC KICKBOXING STUDIO)判定3-0 ※30-26×2、30-27×TOODY NAOMI(月心会ラスカルジム)
RANは第7回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-55kg優勝。2020年2月の『RISE GIRLS POWER』でAKARIとの女子高生対決に敗れたが、9月の同大会ではAYAに判定勝ちしている。2021年3月、Krushに初参戦するとファエゼ・ウィラサクレックに勝利したが、7月に真優、12月は池内紀子に敗れた。2022年2月には壽美の代打としてKANAの対戦相手に抜擢され、ダウンを奪われるも最後まで打ち合う根性を見せた。戦績は4勝7敗。
NAOMIは2021年5月にKrush初参戦。ARINAに判定で敗れ、2022年2月には小澤聡子にも判定で敗れている。戦績は1勝3敗2分。
NAOMIは前日計量で50グラムオーバーのため減点1、RANは6オンス・NAOMIは8オンスのグローブハンデ、ファイトマネー20%減額。
1R、両者の身長差は8cm。身長が高いRANはジャブを突き、サウスポーのNAOMIは左ローから入ろうとするがRANはワンツー、左フックで迎え撃つ。序盤は静かな展開ながらRANがしっかりパンチでヒットを奪っていく。終盤に左フックを直撃させるRAN。
2Rも静かな展開が続く。左インローからパンチで攻めようとするNAOMIを左フックで迎え撃つRAN。リーチ差を活かして距離をとり、的確にパンチと前蹴りを当てていった。
3R、NAOMIは左ミドルを蹴っていくがなかなか距離を詰めることが出来ない。左ストレートで飛び込むNAOMIにRANは左フック。前に出ると左右フック、右ハイ。RANはパンチの威力を強めてジャブ、右ストレート、左アッパー。NAOMIは思い切ってボディから連打を打つが、RANが左フックを強打。この左フックが何度もNAOMIを捉える。さらにガードを突き破る右ストレート。
いつものガムシャラさは控えめだったが、的確にパンチを当てていったRANが大差の判定で完封勝ちした。
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▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1女子アトム級 2分3R△Kiho(TeamK.O.Garage)ドロー 判定1-0 ※30-29、29-29、30-30△谷田美穂(K-1ジム大宮チームレオン)
1R、Kihoは身長差9cmを利してジャブ、前蹴り。左右のローも長い距離で放つ。谷田は左右フックを振って前に出る。谷田も前蹴りを繰り出す。Kihoは打ち下ろすような右ストレート。
2R、谷田が入ってくるところへKihoはヒザを合わせ、左インローと右ローを蹴る。さらに前蹴りで谷田の前進を止める。谷田はパンチを繰り出しながら突進して右を当てるが、Kihoはすぐに距離をとって前蹴り、ジャブ、谷田が入ってくるところに右ストレート。右ロー、前蹴り、ジャブで谷田を入らせないKihoは谷田が入ってきても落ち着いてヒザで迎え撃つ。
3R、谷田は左右フックで前へ出ていき右オーバーハンドをヒットさせると、接近戦で左右のパンチを次々と繰り出す。Kihoはステップで距離をとり左フックで迎え撃つが、このラウンドは谷田が詰めることに成功して連打を繰り出す。Kihoは右フック。蹴りを出すKihoに谷田は距離を詰めての連打。Kihoも左右フックで打ち合い、ヒザも入れる。ガムシャラに打つ谷田だがKihoのクリーンヒットが目立ったか。
判定はジャッジ1名がKihoを支持したが、初対戦に続いて今回もドローとなった。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1女子アトム級 2分3R×AIKO(AX GYM)判定1-2 ※28-30、30-29、28-30〇吉崎 生(K-1ジム大宮チームレオン)
K-1アマチュアで優勝5回、K-1 AWARSで最優秀選手も受賞している吉崎はプロ1勝。AIKOは7戦を経験しているが戦績は1勝5敗1分。
1RからAIKOは積極的にパンチ&カーフキックで仕掛けていったが、吉崎もすぐに立て直して前蹴りで突き放しての右ストレート、さらにストレートの連打で逆に前へ出ていきAIKOをコーナーへ追い込む。
2Rも最初から両者は打ち合う。AIKOの右フックがきれいに入る。前へ出る吉崎は左右のストレート、AIKOは左右フックをガムシャラに打つ。足を使って動き回るAIKOを追っていく吉崎。終盤には右ストレートをしっかり当てていった。
3RもAIKOは右ローと左右フックでガムシャラに攻めていく。吉崎も右フック、右ストレートで応戦するがAIKOは止まらない。しかし、徐々に吉崎の右フックがAIKOの顔面を捉え始める。激しく打ち合う両者。吉崎は左腕でブロックして右を当てにいき、左フックも返す。AIKOも手を出し続ける。
判定は2-1と割れ吉崎が勝利したが、気持ちの強さを見せたAIKOにも大きな拍手が送られた。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 K-1女子ミニマム級 2分3R×乃亜(昇龍會)判定0-3 ※29-30、28-30、28-30〇夢空(K-1ジム五反田チームキングス)
夢空はデビュー戦、乃亜はプロ2戦目。乃亜は前日計量で450グラムオーバーのため減点1、乃亜は8オンス・夢空は6オンスのグローブを使用、ファイトマネー20%減額となる。
1R、両者ともサウスポー。先に仕掛けるのは夢空でストレートの連打から左ローを蹴る。乃亜もこれに打ち合う。両者とも遠い距離から蹴りを出し合う滑り出しとなった。
2R、夢空は右インローを蹴ってからワンツーの連打で飛び込む。乃亜もこれを連打で迎え撃つ。夢空は左ローも蹴っていく。乃亜はコーナーへ詰めて左右フックを放つが、夢空が左ストレートを返す。夢空の顔面前蹴りも直撃。 3R、夢空はジャブを突き、乃亜は左右フックで仕掛けるが夢空はかわす。打ち合いになるとストレート系を打つ夢空がヒットを奪い、前蹴りも当てる。ラスト10秒、左右フックの連打で勝負をかける乃亜だが、やはり夢空が左ストレートでヒットを奪う。
ストレート系のパンチと前蹴りで、自分の距離で戦った夢空が判定3-0でデビュー戦を勝利で飾った。