キックボクシング
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【THE MATCH】那須川と武尊が涙のリング上でかわした言葉「めっちゃ会えて嬉しかった」(那須川)「ごめんな、本当に。お互い頑張ろう」(武尊)

2022/06/19 23:06
【THE MATCH】那須川と武尊が涙のリング上でかわした言葉「めっちゃ会えて嬉しかった」(那須川)「ごめんな、本当に。お互い頑張ろう」(武尊)

 2022年6月19(日)東京ドームにて「THE MATCH 2022」が行われた。

 メインイベントでは、キックボクシングルール(ワンキャッチ・ワンアタック)3分3R延長1R 58kg契約として、那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者)と武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)が対戦。

 1R目にカウンターの左フックでダウンを奪った那須川が判定5-0(29-28、30-28×3、30-27)で勝利。キックボクシングラストマッチを白星で飾った。

 判定で2人目が那須川を支持したところで顔をくしゃくしゃにした那須川。右手が挙げられると、リング上で武尊と抱き合い「めっちゃ会えて嬉しかったですよ。辞めようと思ったんですよ」と泣きじゃくると、武尊も泣きながら「まだ若いのにな、キツかったよな。ごめんな、本当に。お互い頑張ろう」と伝えた。

「勝ってキックボクシングからの引退」を宣言していた那須川は、試合後、東京ドーム、5万6千399人の観衆の前で、最後の勝者としてリングに立つと、泣きながら「やったぞー!! ……俺、勝ったんだよ。今日は皆さんお集まりいただきほんとうにありがとうございます。俺の最後の試合、そして僕と武尊選手の試合、こんなに長い間待ち続けたファンの皆さん、そして戦ってくれた武尊選手、ほんとうにほんとうにありがとうございます。

 僕もそうですし、武尊選手もそうですし、ずっと試合をしたかったけど実現しなくて、ほんとうに恋人みたいな感じで、好きになったり振られたり、人生、いろいろあるんですけど、こうやって最後、武尊選手と、こうやって東京ドームという満員の舞台で戦えて、ほんとうに俺、幸せです。それを観に来てくれて、歴史の証人になってくれてほんとうにありがとうございます」と挨拶。

 さらに、「武尊選手がいたからこそ俺はここまで強くなれたし、ここまでキックボクシングを続けてこれたし、ぶっちゃけコロナの時期になったときに、戦う相手がいなくなって、やりたい相手がいるのに戦えない、いろんな大人の事情があったり、問題があって実現してなくて、皆さんが動いてくれたおかげ、ひとつになってくれたおかけでこの場に立てたと思います。僕たちファイターは幸せです」と対戦相手の武尊に感謝の言葉を述べた。

 続けて、「俺、今日でキックボクシング……そうだ、キックボクシング終わりだ、俺。キック引退なんですよ。どうでしたか、今日、最高に楽しくないですか? こうしてみんながひとつになって、こうやって1個の興行が出来て、俺、スゲー幸せだったんです。こんなこともう無いと思うし、勝って初めて自分で強いって思いました。今まで自分が最強と思えなかったんですけど、なんか俺、スゲー、嬉しいです。ほんとうに幸せです。皆さんありがとうございます。今日で僕はキックボクシング終わりなんですけど、これからもこうやっていろんな団体がひとつになって、日本だったり、世界だったり、国内いろいろスポーツあるんですけど、その中でも格闘技って、すごいパワーを与えられる競技だと思うんで、皆さん、ぜひ格闘技に興味を持って、そして団体の皆さん、あの……僕はこれでいなくなっちゃうんですけど、これからも協力していただけたら嬉しいです。

 こうやって『THE MATCH 2』やりましょう。いいよね、やろうよ。絶対やった方がいいよ。もう、大人の事情なんて知らないすよ、分からない。皆さんでもう一度、何度も何度もこうやって大会をやって、キックボクシング、盛り上げましょう。格闘技を盛り上げましょう。俺、格闘技大好きですよ。皆さん、ほんとうにほんとうにありがとうございました」と、今後の格闘技界の大同団結を願った。

「そして、最後に」と、コーナーの那須川弘幸氏を向くと、「今日は何の日だ?『父の日』だ。父親、いつもありがとう。いろいろあったけど、最後のプレゼント渡せたと思う。最高の親孝行、出来たと思う。最高の息子だろ? なあ?」と問いかけ。

 ロープ越しにハグした弘幸氏は「よくやった、さすがだよ。最高の息子だよ」と返答すると、涙顔に満足気な表情も浮かべた那須川天心は、「今日はこれで終わります。ありがとうございました。格闘技、最高!」と叫び、リングを降りた。

 また、試合後会見では、今回の武尊戦に賭けた思いを吐露。

「今は次の日をやっと迎えられるって思ってよかった。だから(会見とかで)人生最後の日って言っていたんです。人生終わるんだと思っていたから。良かったです、明日も生きれて」と、覚悟を決めた遺書替わりの動画も用意していたと打ち明けた。

 さらに、打たれても武尊が笑顔で向かってきたことについて、「笑ったらこういうパンチが来るとか、そういう癖も研究していた」と、徹底して分析していたことを明かした。

 敗者の武尊は、会見場に現れるも途中で嗚咽し、顔を覆いながらコメント。

「本当にこの試合を実現できたことと、実現するために動いてくれた人と支えてくれた人たちと対戦相手の天心選手に心から感謝しています。僕を信じてついてきてくれたファンの人やK-1ファイターだったり、チームのみんなだったり、そういう人たちには心から申し訳ないなと思っています」と振り絞るように語り、質疑応答はなく、会見場を後にした。

 ともに「すべてを賭けて」臨んだ“世紀の決戦”。勝者はボクシングへと転向、敗者も「頑張ろう」と言葉を残している。

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