キックボクシング
レポート

【THE MATCH】“世紀の決戦”は那須川天心が武尊からダウンを奪って判定勝ち。 海人が野杁を降し「世界へ行きます」、原口が山崎を猛ラッシュKO! 安保が勝利、YA-MANが芦澤を109秒KO! RISEvs.K-1対抗戦はRISEの5勝4敗

2022/06/19 09:06
THE MATCH 20222022年6月19日(日)東京ドームABEMA PPVで全試合ライブ配信ルール詳細 ※選手名からインタビューまたは試合前記事へ  2022年6月19(日)東京ドームにて「THE MATCH 2022」が行われた。5万6千399人の観衆によるチケット売り上げ20億円、50万件(25億円)以上のPPV購入があった“メガイベント”となった同大会では、メインで那須川天心と武尊が対戦。3R判定の末、那須川が勝利。ボクシング転向に向け、キックボクシングラストマッチを白星で飾った。 ▼メインイベント キックボクシングルール(ワンキャッチ・ワンアタック)3分3R延長1R 58kg契約(当日の戻し体重は試合3時間前計量で4.0kgまで)〇那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者)[判定5-0] ※29-28、30-28×3、30-27×武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)  那須川は極真空手、ジュニアキックを経て2014年7月にRISEでプロデビュー。6戦目でRISEバンタム級王座を奪取し、2015年8月には「BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント」で優勝。リング上から武尊との対戦をアピールした。2016年12月に旗揚げされたKNOCK OUTではヒジありルールに挑戦し、タイの現役王者も撃破。  同じ2016年12月からはRIZINにも参戦し、MMAで4戦して無敗。2018年6月、ロッタンを破りRISE世界フェザー級王座に就く。2019年には「RISE WORLD SERIES 2019 -58kgトーナメント」で優勝。プロ戦績46戦無敗。この試合を最後にボクシングへ転向することが決まっている。  武尊は空手を経てキックボクシングに転向、2011年9月にプロデビュー。6戦目でドクターストップにより京谷祐希に初黒星。  2013年の「Krushフェザー級初代王座決定トーナメント」で優勝して王座に就くと、2015年にK-1初代スーパー・バンタム級王座、2016年にK-1初代フェザー級王座、2018年にK-1第4代スーパー・フェザー級王座をそれぞれトーナメントで優勝してK-1史上初の3階級制覇を達成した。プロ戦績40勝1敗。  那須川が最初に対戦をアピールしてから約7年、宿命のライバルがついに雌雄を決する時が来た。  両者はクレーンに乗って超満員のドーム内を見下ろすようにして登場。場内のボルテージはまさに頂点。リングインの際、武尊は天井を見上げ、那須川は両手を耳にあてて観客を煽った。武尊にはONE OK ROCKのTAKA、那須川には菅田将暉から花束が贈呈された。  1R、武尊は大きくスタンスを広げてベタ足で前へ。那須川はステップを踏んで右へ回り込みながら左ミドル。武尊が前へ出ようとすると那須川はスーパーマンパンチ、ジャブを繰り出す。さらに左ミドルからワンツー、飛びヒザまで。  那須川のジャブに武尊の顏が仰け反る。ジャブを突く那須川に武尊は一瞬笑みを浮かべる。那須川はワンツーだ。左インローも蹴る那須川。  ラウンド終了直前、武尊が繰り出した右ストレートからの左フックに那須川がシャープな左フックのカウンターでダウンを奪う。オープンスコアはジャッジ5名とも10-8。武尊のダウンは2015年11月のサウスポーのチャールズ・ボンジョバーニ戦以来。  2R、じわりじわりと前に出る武尊は右インローを蹴る。那須川は胴廻し回転蹴り。那須川は左ストレートと左フックでボディを打つが、武尊が前蹴りを出して前へ出たところでバッティングとなり、那須川が倒れる。右目をつむる那須川にドクターチェック。  再開後は左へ回り込む那須川はワンツー、ジャブ、左インロー。武尊が強引に入り込んで右フックを打ち、那須川はクリンチで止める。その後も武尊は前へ出て右フックを強振、那須川はジャブを突く。クリンチになると武尊は投げ倒してしまい、那須川は腰を強打して口頭注意が与えられる。  再開後も那須川は鋭いジャブで武尊のアゴを上げさせる。前に出て右フックを打つ武尊だが、那須川は左インロー、そして武尊が接近するとクリンチ。那須川はジャブを突きながらバックステップで回り込む。オープンスコアはジャッジ4名が10-10、1名が武尊に10-9。  3R、前に出る武尊に那須川は左フック。それでも前に出る武尊は左フックを振るう。那須川はジャブを突き、武尊の突進をかわしながら左ボディを打っていく。那須川は飛び込んでの右アッパーから左フック。これをもらった武尊は笑みを浮かべる。  そして“打ってこい”とばかりにノーガード。那須川もこれに応えて左右フックを打つ。武尊のフックはダッキングでかわす那須川。その後も武尊のパンチをかわしてジャブ、左フック、左ストレートを打つ。それでも武尊は前へ出て左右フックを繰り出す。試合終了、那須川は武尊に抱き着く。  2人目の判定が告げられるとすでに涙を流す那須川。判定は5-0で那須川の勝利となった。2人は言葉を交わすと両者とも涙を流した(※試合後リング上での那須川のコメント全文)。 [nextpage] ▼セミファイナル 68.5kg契約 3分3R延長1R×野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPウェルター級王者)[延長判定0-3] ※9-10×3(※本戦判定は30-30×3ドロー)〇海人(TEAM F.O.D/S-cup2018 -65kg世界トーナメント王者)  野杁は空手からキックボクシングに転向し、2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者となった。  翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して王者となり、2021年のMVPを獲得した。2022年4月には加藤虎於奈を2RでKO。戦績は47勝(23KO)10敗。  シュートボクシング(以下SB)の絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。  その活躍はSB内だけに留まらず、RISEでは緑川創や“ブラックパンサー”ベイノアを破り、REBELS(現KNOCK OUT)では日菜太との70kg級日本人最強決定戦を制し、RIZINでも3戦全勝。4月のRISEではベイノアとの再戦で1Rわずか41秒でKO勝ちし、現在11連勝中。戦績は45勝(21KO)6敗1無効試合。  選手コールに両者ともにロープにもたれかかり両腕を乗せる、同じポーズを取る。海人はシュートボクシングのロングスパッツを着用。  1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブの海人に左右ローから入る野杁。互いにカーフの蹴り返し。右ローの海人、ワンツー。ガードする野杁に左レバー打ち、さらにヒザ蹴りを突く。  スリップする野杁はすぐに立ち上がる。ジャブの刺し合い。左ボディの海人に、右ヒザの野杁。しかし下がらない海人は右カーフ。互いにガード固め接近戦。野杁は左ハイを当てて前に出るが、海人もカウンターの右。野杁は奥足へのインロー! さらに右ヒザをヒザ横に突く。  1Rのオープンスコアは3者10-10のイーブン。  2R、先に右インローで野杁の足を払う海人、さらに右フック! ガード固め、野杁のボディ打ちに左フックを返す。野杁のガードの隙間を打つ海人。野杁は後ろ廻し蹴り。ブロッキングする海人に左右からボディまで繋ぐ野杁。しかし海人は左右から左! 野杁はクリンチ気味に。  ガード固め接近戦にインローを互いに突く。離れ際に右ハイは海人。野杁もヒザを突き、右フック! 海人も左フックを当てると左右からボディ打ちの連打、さらに左フックを当てる。  2Rも3者10-10。  3R、互いに右ローの相打ち。野杁の左ハイはグローブでブロックする海人。連打で詰めるが、野杁は左ボディ。そこに海人もフックを狙う。  左右からボディ打ちの海人に、野杁も左を捻じ込む。野杁のプレスに退かない海人。ワンツーから右を打つ野杁。ガード固める海人は右ローを返し、右ジャブを2連打! ロープ背にする野杁は左のテンカオを返す。互いに一進一退。海人はヒザを腹に効かすと前に。押し返す野杁はワンツーから右に抜ける。中足蹴りも。野杁は跳びヒザで前に。  本戦判定は3者30-30ドロー。  延長ラウンドへ。互いに右ロー。野杁は左インロー、左ハイも。右ストレートは海人! 押し込む海人。左ハイを打つ野杁。左に回り左フック、ボディは海人。さらに右ロー! さらにボディ打ちも当てる。ガード上にまとめる海人。野杁はクリンチ。  4連打をガード上に返す野杁も右フック。ヒザを突く野杁は左右のボディフック。海人も跳びヒザを当てる。左ボディ。そこに左右連打する野杁。左フックを互いに入れると、野杁は左ヒザ。さらに左ストレート。海人も前に。しかし野杁も右フック、右ハイは空を斬る。  判定は3者10-9で海人が勝利。得意のボディ打ちを研究された野杁は苦笑いを浮かべた。野杁の黒星は2019年3月のジョーダン・ピケオー戦の判定0-2負け以来。 “もうひとつの世紀の決戦”を制した海人は、「シュートボクサーの海人です。これで日本に相手がいなくなりました。次は自分は世界、世界へ行きます。世界と戦って世界一になります。そのためには、皆さんの力が必要です。皆さん一緒に世界に行ってください」と力強く語った。 [nextpage] ▼第13試合 65kg契約 3分3R延長1R〇原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/第6代RISEライト級王者)[2R 0分33秒 TKO]×山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第5代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者) 原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。チャンヒョン・リー、森井洋介からも勝利を収め、2020年1月大会で秀樹を降してRISEライト級王座に就いた。  2020年10月11日には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。2021年2月には白鳥大珠に圧勝、9月もタップロンにKO勝ちしたが、11月にGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンに敗れて連勝がストップ。今年4月、ロンペットを初回KOして復活。戦績は21勝(13KO)2敗1分。  山崎は伝統派空手からキックボクシングに転向し、2009年12月にKrushデビュー。強打と多彩な蹴り技で白星を重ね、Krushでライト級とスーパー・ライト級で2階級制覇を達成。2014年からはK-1にも参戦し、2016年には-65kg日本代表決定トーナメント優勝者として、世界最強決定トーナメントで準決勝進出を果たした。  左膝の負傷で長期欠場を余儀なくされたが、2018年6月に復帰。2019年11月からは怒涛の5連続KO勝利を飾り、2020年9月には安保瑠輝也からK-1スーパー・ライト級王座を奪取。しかし今年4月の初防衛戦で大和哲也にKO負けを喫して王座を失ったばかり。戦績は34勝(19KO)9敗1分。  1R、ともにオーソドックス構え。中央を取る山崎が左のサイドキック。さらにかけ蹴りもかわす原口もかけ蹴りを見せる。ワンツーで思いっきり飛び込む山崎。それをかわした原口。左ジャブというより突きで飛び込む山崎。原口は右ハイ。ブロッキングする山崎。原口は右ロー、踵落としを突く。  二段蹴りから右ストレート! さらに右フックを当てた原口が詰めて先にダウンを奪うと、立ち上がった山崎にラッシュ、左フックで2度目のダウンも奪うが、山崎が立ち上がり、ゴングに救われる。  1Rのオープンスコアは3者10-7で、2度のダウンを奪った原口のラウンドに。  2R、ダメージの残る山崎に、一気に詰めた原口は左フック! 後退する山崎に左右のラッシュをかけるとさらに左フック、山崎も左を当て返すが、原口は構わず詰めてワンツーから左ハイ! さらに左アッパーを突くと、アゴが上がった山崎は倒れずも、レフェリーが間に入った。  試合後、原口は「山崎選手ありがとうございました。試合は終わったし、ずっと憧れている山崎秀晃という人をこれからも憧れ続けます。山崎秀晃という人がいたからここまで仕上げられました。僕はこれからもRISEを背負って、世界の興行、そして日本をもっと盛り上げていきます」と語り、退場中の花道で「RISEの方が強いやろ!」と咆哮した。 [nextpage] ▼第12試合 67kg契約 3分3R延長1R×山田洸誓(正道会館KCIEL/RISEスーパーライト級王者)[判定0-3] ※29-30×2, 28-30〇安保瑠輝也(CLUB es/team ALL-WIN/第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者)  安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。  2021年7月大会からウェルター級に階級を上げ、幸輝を1Rわずか53秒でKOすると、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。12月には海斗を1RでKOして再起。今年4月にはプライチュンポンも1RでKOした。戦績は24勝(14KO)5敗。  山田は正道会館仕込みの強烈な打撃でKOを量産し、2019年9月に強打者・山口侑馬を2RKOで下してRISEスーパーライト級王座を獲得。デビュー以来11連勝(7KO)と快進撃を続けていたが、2020年11月の北野克樹戦で初黒星。  再起戦となった2021年1月の実方拓海戦では判定勝利で初防衛を果たし、6月には北野にリベンジして2度目の防衛に成功。2022年4月にはライト級王者・直樹との王者対決に臨み、3Rに右フックでKO勝ちを収めている。戦績は14勝(8KO)1敗。  1R、ともにオーソドックス構え。安保の右ローに、山田も右ローを返す。山田の左の蹴りにワンツーを打ち込む安保。さらに左ミドルも。近い距離。  安保の入りにワンツー左の蹴りまで繋ぐ山田。安保の左ミドルをチェックする山田。安保は右ストレート。さらに左右の二段蹴り。詰めて左右から左ボディまで繋ぐ安保! 山田は右ロー。そこにパンチを狙う安保。山田は右の後ろ廻し蹴りをアゴもとにヒットさせてゴング。  2R、左ローから入る山田。安保の鋭い左ジャブに場内からどよめきが起きる。左右の蹴りを上下に突く安保。山田の下段蹴りには右を狙う。  飛びヒザで飛び込み右ストレートは安保! 下がる山田に右ジャブから左ボディ打ちも。コーナーを出る山田は右ロー、安保は左ミドル。腕でブロツキングする山田。互いに近い距離の打ち合いが交錯。さらに踏み込んでの安保の右ヒザが顔面をかすめる。安保のラウンドに。  3R、左ジャブの安保は自身の距離に。さらにワンツーから右ヒザも。詰めたい山田の右ローに安保もバランスを崩す。近い距離でヒザを突く安保。山田も右アッパー! 右腕を腫らす山田。山田は左ロー。安保は左前蹴りを顔面に当てて山田を後退させると、二段蹴り。山田の押し返す詰めにはヒザ。右ストレートを当てるが、山田も右ストレートを返してロープに詰めてゴング。  判定は3-0(30-29, 30-29, 30-28)で安保が勝利。対抗戦を4勝4敗のタイに戻した。 [nextpage] ▼第11試合 63kg契約 3分3R延長1R×白鳥大珠(TEAM TEPPEN/第5代RISEライト級王者/RISE)[1R 2分42秒 KO] ※右フック〇ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/第4代K-1 WORLD GPライト級王者/K-1)  白鳥はキックボクシングからボクシングに転向し、8勝(5KO)3敗の戦績を残してキックボクシングにカムバック。2019年2月に第5代RISEライト級王者に輝くと、3月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」で優勝。世界王者のベルトを巻いた。10月と大晦日にはRIZINで大雅と連戦して2連勝するなど怒涛の12連勝を飾ったが、2020年10月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」準決勝で直樹に初回TKO負けを喫し、連勝がストップ。  2021年2月には原口健飛にも判定負けで連敗。6月のRIZIN KICKワンナイトトーナメントで皇治らを破って優勝して復活を遂げたのも束の間、9月の直樹との再戦でリベンジに失敗した。今年4月には因縁の秀樹に延長戦の末に勝利。戦績は23勝(10KO)8敗1分。  ゴンナパーはタイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代Krushライト級王座に就き、同年9月に大沢文也、2020年1月に横山巧、6月には篠原悠人の挑戦を退け3度の防衛に成功した。そして12月のK-1で林健太を破り、第4代K-1 WORLD GPライト級王座に君臨。  2021年3月大会では南雲大輝に2RでKO勝ちしたが、7月の初防衛戦で朝久泰央に判定2-1で敗れ王座を失った。12月に西京佑馬に判定勝ちで再起を飾ると、今年4月には鈴木翔也を初回KO。戦績は111勝(24KO)30敗3分。  1R、ともにサウスポー構えで得意の左ローが入るゴンナパー。白鳥も左ローを返すと、右前蹴り。ガードを高く上げて近づくゴンナパー。左右の前進に、白鳥は右のカウンターを狙う。右前蹴りも。左ローを当てるゴンナパーに右移動してローを当てる白鳥。ゴンナパーは一瞬の崩し。  左右の足を上げて的を絞らせないようにする白鳥。ゴンナパーの入りに右を狙う白鳥。詰めるゴンナパーに前蹴りを突く。しかし詰めるゴンナパーは左右から、右を打ってきた白鳥に相打ち狙いの右のカウンター!  ダウンした白鳥は笑顔を見せて立とうとするが、足に効いて立てず。ゴンナパーのKO勝ちに。試合後、ゴンナパーはリング上で「コンバンハ。美しい勝利を収めてとても嬉しく、誇りに思います。ムエタイ、ナンバーワン! アリカゴウゴザイマス!」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼第10試合 62kg契約 3分3R延長1R〇中村 寛(BK GYM/第6代DEEP☆KICK-60kg級王者/RISE)[判定2-0] ※30-29×2, 30-30×レオナ・ペタス(THE SPIRIT ZERO/LARA TOKYO/第9代Krushスーパー・フェザー級王者/K-1)  中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群の右ストレートを武器に、2019年6月のRIZINで元RISEフェザー級王者・一刀を相手に壮絶な2RKO勝利を収め、一気に注目株となった。2019年7月にRyuki戦でプロ初黒星を喫し、2020年7月の復帰戦でも判定負けとなったが、11月のRISEで魚井フルスイングを初回KOして復活の狼煙をあげた。  2021年7月には記者会見で乱闘騒ぎを起こした大雅と因縁の対決を行い、ハイキックでダウンを奪っての判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。今年4月には北井智大を初回TKOに仕留めた。戦績は11勝(10KO)4敗。第6代DEEP☆KICK -60kg王者。  対するレオナは“石の拳”と称される強打を武器に、大雅、山本真弘、朝久泰央、小宮山工介らを撃破。2019年9月には西京佑馬を下して第9代Krushスーパー・フェザー級王座に就き、12月には山本直樹をKOして初防衛に成功。さらに2020年3月、村越優汰をも3Rにマットに沈めてKO勝ち。  7月には武尊の盟友である大岩龍矢を判定に下して2度目の防衛に成功したが、2021年3月に武尊と大激闘の末にKO負けして連勝は「9」でストップ。武尊に敗れた後タイトルは返上し、12月に-61.5kg契約でマキ・チャーチャイにダウンを奪って判定勝ちした。戦績は29勝(12KO)6敗1分。  前日計量でのフェイスオフで乱闘となった両者。  1R、サウスポー構えの中村に、オーソドックス構えのレオナ。対峙するとレオナの長身が際立つ。先に右ローはレオナ。中村もローでレオナを崩すと、一気に左右ラッシュへ。左ハイもスウェイでかわすレオナ。クリンチするレオナを中村は突き飛ばす。左ジャブを当てるレオナ。中村はトリッキーなステップから右ロー。レオナの左をかわして右を狙う。  右ローも突く中村の二段蹴りは空振り。レオナは長い左ジャブ、右前蹴りで牽制し、跳びヒザも見せる。かわした中村は左インロー。組みも力を使う。中村の爆発は2R以降も続くか。  2R、左ジャブを突くレオナ。中村は頭を下げてフックも、そこに跳びヒザを突くレオナ。キャッチする中村。左ジャブ、右三日月蹴りを突くレオナを追う中村はいきなりの左ストレートの飛び込み! しかしかわしたレオナは長い距離で前蹴り、右ミドル。中村は左から右! 残り10秒の拍子木にレオナは右前蹴りを突く。  3R、右ローを当てるレオナ。さらに三日月蹴りも。中村はスタンスの広いレオナの前足に右ローを当てる。しかし中村の右ジャブに、左右の連打はレオナ。左ボディを当てる中村はさらに、前蹴りでレオナをコーナーまで押して左右フックも、肩でかわすレオナ。  左ミドルから左ストレートをのけぞり避けるレオナ。なおも中村は左右で詰めるが、レオナは下がりながらも右ヒザのテンカオを突き、ゴング。  判定は2-0(30-29×2, 30-30)で、前進した中村が勝利。巧みにダメージを逃し、カウンターを入れていたかに見えたレオナは、驚きの表情を浮かべた。 [nextpage] ▼第9試合 62kg契約 3分3R延長1R ※オープンフィンガーグローブマッチ〇YA-MAN(TARGET SHIBUYA/RISEライト級10位/RISE)[1R 1分49秒 KO] ×芦澤竜誠(DRAGON FISH/K-1)  RISEの“キングオブストリート”ことYA-MANは14歳から高校生までの6年間、ストリートファイトに明け暮れ「1回だけ負けたことがありますが、あとは全部勝っています。もちろん全部素手です」とステゴロ経験が豊富。  RISEでオープンフィンガーグローブ着用試合がスタートすると自ら名乗りをあげ、山口侑馬、北井智大にKO勝ち。11月のRISE大阪大会では中村寛とフルラウンド、バチバチの殴り合いとなる大激闘を演じて話題に。さらに大晦日RIZINに出場すると、皇治に判定勝ちして一気に名をあげた。4月には伊藤澄哉をKOし、戦績を11勝(4KO)3敗とした。  芦澤は2018年6月の第2代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで第3位に輝き、9月には小澤海斗に勝利。スーパー・フェザー級に階級を上げて臨んだ2019年6月に大岩龍矢に敗れて引退を表明したが、2020年9月のK-1 DX「芦澤竜誠を殴りたいやつ、大募集」で現役復帰を宣言。  12月のK-1両国大会で島野浩太朗にTKO勝ちして復活したが、2021年3月の村越優汰戦では判定負け。9月にはかつて敗れた卜部弘嵩と約3年ぶりに再戦し、リベンジに成功した。2月には西元也史に先制のダウンを奪われながらも左ボディで逆転KO勝ち。戦績は24勝(15KO)12敗1分。  契約体重は62kg。YA-MANは-63kg、芦澤は-60kgで普段試合を行っている。また、オープンフィンガーグローブマッチでYA-MANは3勝3KO、芦澤は今回が初。  カード発表会見、計量と会うたびに乱闘を繰り広げた両者。先に入場の芦澤は、ラッパーのANARCHYとともにマイクを手にラップしながら花道を進み、リングに立っても歌い踊る。対するYA-MANは10人の女性ダンサーに囲まれて登場。咆哮してリングイン。  オープンフィンガーグローブマッチ。コールに東京ドーム5万人の観衆から大歓声が沸き起こる。  1R、いきなり飛び込んでの芦澤の前蹴りをかわしたYA-MAN。YA-MANはコーナーに芦澤を詰めると、殴り合いで右を当てたYA-MAN! 片ヒザを着いてダウンした芦澤も立ち上がり前に。  右ローを当てるYA-MAN。芦澤の蹴りにパワフルに左フックを当てる。さらに右フックに崩れる芦澤。YA-MANの右ローにもバランスを崩す芦澤。  さらにYA-MANは右カーフキック! 効かされた芦澤。そこにYA-MANは詰めて、左右ラッシュから芦澤の右をかわして左フックからの右フックを返したところで芦澤が崩れ落ちた。  試合後、YA-MANに歩み寄った芦澤に、YA-MANも最後はハグをかわして「また今度、飲みましょう」と語りかけた。  最後にリング上でマイクを持つと、「相手の芦澤、マジで漢だと思う。オープンフィンガーグローブで62kgで俺の土俵に上がって、気合と根性すごい。1年前はYA-MANのことを誰も知らなかったと思う。天心は神童で、武尊は天才、芦澤も歌が上手い。ここは笑うところじゃないよ(笑)。YA-MANは何も持っていない凡才。でも気合と根性があれば、格闘技の最高峰の舞台に立てることを俺とアッシーが証明したと思う。みんなYA-MANならなれそうな気がするでしょ? みんな努力すればここに来れるので頑張ってください」と満員の観衆に語った。 [nextpage] ▼第8試合 71kg契約 3分3R延長1Rדブラックパンサー”ベイノア(極真会館/第2代RISEウェルター級王者/RISE)[判定0-3] ※24-30×3〇和島大海(月心会チーム侍/K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者/K-1)  ベイノアは極真会館の2018年全日本ウェイト制空手道選手権大会・軽量級で優勝した実績を持ち、キックボクシングには2016年5月から出場。デビューから7戦全勝でJ-NETWORKウェルター級王座を獲得後はRISEに主戦場を移し、2018年11月にRISEウェルター級王座を獲得した。2020年7月からはミドル級に階級を上げ、緑川創に挑むも判定負け。その後は10月の宮城寛克戦、2021年2月の憂也戦、9月のねぎ魔神戦と3連勝。さらに、2021年6月のRIZINではMMAに初挑戦、弥益ドミネーター聡志に敗れたが、11月のロクク・ダリ戦ではKO勝ちで初勝利をあげた。大晦日には武田光司に腕十字で敗れている。今年4月のRISEでは海人に初回KO負けした。キックボクシング戦績は17勝(9KO)4敗。  和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントではアワターン、城戸康裕を破って決勝へ進出するも、木村“フィリップ”ミノルに敗れて準優勝。9月のK-1ではラーシーシンをローキックでKO撃破、12月は藤岡裕平を左ハイキックで初回KO、そして2021年7月には木村からダウンを奪って苦しめたアビラル・ヒマラヤン・チーターを3Rにローキックで仕留めて3連続KO勝ちを飾ると、12月に木村に挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。戦績は16勝(14KO)4敗。  質実剛健な和島の入場に続き、ベイノアは極真空手の道衣をまとい登場。キッズたちの演武を片ヒザ着きで神妙に見据えてから、RISEの音楽への変調に、一転キッズとともにダンスで花道を入場。  1R、サウスポー構えの和島、オーソドックス構えのベイノア。先に詰める和島が左ミドルから。コーナーを出るベイノアは左ローを返すが、和島は左インローから踏み込んでの左ハイも。ブロッキングするベイノアだがロープ背に。そこに高いヒザ蹴りも和島が突く。  ワンツーの左ストレートはかわしたベイノア。和島は右ショートアッパー! さらにワンツーの左ストレートがベイノアはかわす。下がらされるベイノアは右ハイも、その打ち終わりで背中を向けて振り返ったところに和島は左ストレートからの左フック! ダウンしたベイノアだがゴングに救われる。  2R、和島の左ストレートで下がるベイノア。ベイノアも左フックを当てると中央に押し戻す。さらに右ストレートとタイミングが合ってくる。右バックフィストも見せるベイノア。  和島は出入りを見せて左ヒザ! そこに左フックを狙うベイノア。ベイノアの右にカウンターの左ストレートは和島! さらにロープに詰めて左ストレート!「押し返せ」のコーナーの声にベイノアはロープに釘付けに、和島は左ヒザをボディに突き、スタンディングダウンを奪取! 再開、ベイノアは胴回し回転蹴りでゴング。  3R、ワンツーの左ストレートを伸ばす和島。ベイノアも打ち返すが、そこに左ヒザは和島! 腹を効かされながらも右ストレートを振るベイノア。しかし和島は左ハイ、さらに左ヒザにベイノアが後退! それでも倒れないベイノアも声を上げながら前に。  場内から拍手が送られるなか、ベイノアの左右にいったん和島も後退。しかし和島はタイミングよく左をカウンターで当てると、ベイノアのローに左の打ち下ろし! 両手は着いたベイノアだが背中はつけず。  立ち上がると和島はフィニッシュを狙いに行くが、ベイノアも最後まで押し返し。ここは和島も退かずに左ストレート、ヒザ蹴り! ベイノアも声を出して打ち返しに行き、ゴング。  判定は3-0(30-24×3)の大差で和島が勝利。ベイノアと熱いハグをかわした。  試合後、和島は、「東京ドームの皆さん、ABEMAでの応援ありがとうございました。満員のなかで試合ができてほんとうに言葉に言い表せないです。言い表すとしたら押忍ですね(笑)。K-1のチャンピオンとして、70kgは僕が引っ張りますので、注目してください。あと、僕、instagramのフォロワー少ないので、フォローしてください」と笑顔を見せた。 [nextpage] ▼第7試合 100kg契約 3分3R延長1R×山下力也(道真会館/MA日本ヘビー級王者)[判定0-3] ※28-29, 28-30×2〇シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM/K-1 WORLD GPクルーザー級王者)  カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。2019年3月には加藤久輝を下して初防衛に成功、2020年3月には愛鷹亮の挑戦を退けて2度の防衛に成功したが、2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れてタイトルを手放した。  しかし、2021年3月のダイレクトリマッチでK-Jeeを2RにバックハンドブローでKOし、王座を奪還している。9月には京太郎からも延長戦の末に判定勝利を収めた。戦績は12勝(6KO)2敗。  山下は空手仕込みのハイキックを得意とし、プリンス・アリ、楠ジャイロといった実力者を次々と撃破。ACCELヘビー級王座、MA日本ヘビー級王座を獲得している。2021年10月にはHOOST CUPでMAMUTIにTKO負けを喫している。  1R、200cmのカリミアンに対し、「ハイキックを当てる」という山下は175cm。下段蹴りを効かせての上段蹴りを当てることが出来るか。  ともにオーソドックス構え。詰めて首を掴んでのヒザ蹴りを2度突くカリミアンに口頭注意。ガードを固め押し込んで左下段蹴りは山下。カリミアンはその上から左右を強振する。右バックフィストを放つカリミアン。  ブロッキングする山下はコツコツと左ロー。奥足を蹴られたカリミアンはいったん下がるが、山下にヒザを当てるとバックフィスト! クリーンヒットするが、打たれ強い山下は押し込んで前に。  2R、右ローはかわされた山下だが、奥足ローは当てる。さらに踏み込んで左ロー。近づくと、空手家らしく奥足に右インローも蹴る。  前進し、左フックも見せる山下。カリミアンも右ローを返すが、この距離は山下の距離。左ローを蹴り、コーナーに詰める。カリミアンの右サイドキックをかわすと右のパンチを顔に届かせる。コーナー背にカリミアンは前蹴り。  3R、先に右ローはカリミアン。じりじりと詰める山下にさらに右ロー、ハイも山下は前に。右ロー。左ストレートをかすめる。カリミアンは距離を取って左右ロー。カリミアンのバックフィストはヒジになり注意。  再開。詰める山下は左ハイ。距離が離れるとカリミアンはバックフィスト! ブロッキングする山下はひたすら前に。下段蹴りを打ちたいが、カリミアンはアウトキックボクシング。逆にローを打ち返し、最後に跳びヒザを見せてゴング。  判定は3-0(29-28, 30-28×2)でバックフィストを当て、最終ラウンドにポイントアウトしたカリミアンが勝利。敗れた山下も場内から大きな拍手を浴びた。 [nextpage] ▼第6試合 100kg契約 3分3R 延長1R×内田雄大(TeamPeterAerts/HOOST CUP日本ヘビー級王者)[1R 1分18秒 TKO] ※レフェリーストップ〇マハムード・サッタリ(イラン/TEAM OTA/K-1無差別級トーナメント優勝)  内田は全日本空手道連盟主催の全日本三連覇を成し遂げた両親を持つ空手サラブレッドで、自身も高校・大学と空手に打ち込み、柳ケ浦高校時代は国体準優勝、近畿大学では全日本学生空手道連盟主催の全日本大学団体優勝、個人優勝を飾った。  2015年8月の和道会ワールドカップ84kg級で優勝後、総合格闘技に転向。2015年末の『RIZIN』でプロデビューするがワレンティン・モルダフスキーに一本負け。  2017年3月からはオランダに渡り、ピーター・アーツの指導を受けてキックボクサーとしてのプロキャリアを積む。2018年末には『平成最後のやれんのか!』で.小西拓槙に勝利。2019年12月には初代HOOST CUP日本ヘビー級王座に就いた。2020年10月にはACCELヘビー級王者・岡崎章太(DOT)にTKO勝ちしている。これまでTeam PeterAerts所属だったが今回からフリーに。戦績は20勝(6KO)2敗。  サッタリはWAKOアマチュアムエタイ世界ミドル級王者、ムエタイ・プレジデントカップ2012優勝、ムエタイ・アジアンビーチゲーム2014優勝、ムエタイ・アジアインドア&マーシャルアーツ2017優勝などの実績を持ち、プロ戦績は19勝(11KO)無敗。2020年10月のKrushに初参戦を果たすと谷川聖哉を右フックでKO、2021年3月のK-1では加藤久輝をもヒザ蹴りでKOした。  7月の第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメントでもRUIと谷川を初回KOに沈め、圧倒的な強さで王座に就いている。2021年12月にはANIMAL☆KOJIを1Rわずか30秒でKOし初防衛にも成功。そして今年4月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント」では最軽量(85.20kg)にも関わらずK-JeeをKO、京太郎に判定勝ち、谷川をKOして制覇した。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローは内田。左ジャブにサッタリは右をかぶせに行く。互いの右が交錯。右ハイを狙うサッタリ。互いに一撃必倒の右をかわして、内田は左フック。その左をかわしたサッタリシャープな左フック! 内田は後方にダウンし、サッタリがKO勝ちした。  12kg差もものともせずに今大会初のKO劇を見せたサッタリは、リング上で「皆さんコンニチハ。いつも応援ありがとうございます。愛してます」と日本語で語ると、「この階級で世界で一番強い選手、サッタリがここにいます。いつでも日本に来て戦いましょう」と英語で語り、最後は「押忍」と挨拶した。 [nextpage] ▼第5試合 60kg契約 3分3R 延長1R〇笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級王者)[判定3-0] ※30-28×3×中島千博(POWER OF DREAM/Krushスーパー・フェザー級王者)  笠原は11戦目のSB日本スーパーバンタム級王座決定トーナメント決勝戦で、植山征紀に敗れるまではプロデビュー以降10戦全勝をマーク。2019年6月には国内55kg級トップクラスの小笠原瑛作をヒジ打ちによるカットでTKOに破る大番狂わせを演じた。5連勝の勢いに乗って2020年7月、那須川天心の対戦相手に選ばれたが初回KO負け。  再起戦では手塚翔太と大激闘の末、KO勝ちでSB日本フェザー級王座に就いた。2021年2月は『REBELS』からの刺客、栗秋祥梧からシュートポイントを奪った上で完勝。4月にはRISEランカーでDEEP☆KICK 57.5kg王者の宮崎就斗から判定3-0で勝利、そして12月に王座決定戦を制してSBで2階級制覇を達成した。今年3月にはRIZINに初参戦し、豪快な飛びヒザ蹴りでインパクト大の初回TKO勝ちを収めている。戦績は19勝(10KO)2敗のサウスポー。  中島は極真空手で2017年第34回全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017年オールアメリカン大会無差別級3位、2018年USウェイト制軽重量級優勝などの実績を引っ提げてキックボクシングに転向。2019年5月にプロデビューし、2勝(2KO)を飾ったが2020年2月に横山朋哉に敗れプロ初黒星。9月も山本直樹に敗れ連敗となったが、2021年5月大会で伊藤健人からダウンを奪って勝利。10月の1回戦ではSATORU成合を左フックでKOしている。今年1月の「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。戦績は6勝(4KO)2敗。  1R、サウスポー構えの笠原に、極真空手ベースの中島はオーソドックス構え。中島の圧に、右の前蹴りで突き放す笠原。  中島も左の前蹴り、ミドルを打ち返し。笠原の右脇腹を赤くさせる。笠原はブロック上に左ハイ。中島は両手を前に立てて、サウスポー相手に左の蹴り、さらに左の上段廻し蹴りも見せる。笠原はブロッキング。  2R、前にロープに足をかけて気合を入れる笠原。右の高い前蹴りは中島。かわす笠原も左ミドル、ハイをガード上に当てる。さらに左ミドル。中島も下がりながらも左ミドル。左ストレートを狙うが、これは警戒する中島。  いきなりの右の直突きは中島。さらに左中段蹴り。右の奥足ロー。左右の足を入れ替えて前に。しかし笠原も左ハイ! 中島は間合いを潰して前進も鼻を折ったか。  3R、鼻血も構わず前に出る中島。ワンツーローの笠原。左ハイ。中島の打ち返しに左ストレートから返しの右フックでダウンを奪う笠原! すぐに立つ中島は左の蹴りからサウスポー構えに。  オーソドックス構えになり中島に笠原は上下に散らして左を打ち込むと、中島の後ろ廻し蹴りもかわして左ストレート。ガードを固めて前に出る中島だが、かわす笠原が左の後ろ廻し蹴り。ゴング。  2R中盤までキックとしては変則的な動きでペースを掴んだかに見えた中島だが、笠原はしっかり左フックでダウンを奪うと、左の蹴りも当てて、判定3-0(30-28×3)で勝利、セミに登場するシュートボクシングの海人へと繋いだ。 [nextpage] ▼第4試合 53kg契約 3分3R延長1R〇風音(TEAM TEPPEN/RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント優勝/RISE)[延長判定3-0] ※10-9×3 ※本戦判定は1-1(29-29, 30-29, 29-30)×黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1 WORLD GP 2021 K-1バンタム級日本最強決定トーナメント優勝/K-1)  風音はプロキャリア前半は関西を中心に活躍し、2019年3月にTEAM TEPPENに移籍。同年9月には元新日本キックボクシング協会フライ級王者の麗也からTKO勝利、11月には元NJKFフライ級王者の松谷桐に判定勝利、2021年2月には元新日本キックボクシング協会バンタム級&フライ級王者HIROYUKIに判定勝利と他団体王者キラーぶりを発揮。  2021年の「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では江幡睦、政所仁、志朗にいずれも“番狂わせ”の勝利を収めて優勝。今年4月には那須川天心のRISEファイナルマッチの相手に抜擢されたが、判定2-0で惜敗した。戦績は16勝(6KO)6敗。  黒田は小学3年生で少林寺拳法を学び、その後キックボクシングを始める。しかし次第にドロップアウトし、格闘技から離れていた時期もあったが、兄・勇斗からの『お前と一緒に格闘技をやりたい』という手紙をきっかけに再び格闘技の道へ。2020年の第6代Krushバンタム級王座決定トーナメントでは1回戦で多久田和馬に勝利。準決勝では吉岡ビギンに敗れた。  しかし、2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で池田幸司をKO、準決勝で松本日向からダウンを奪っての判定勝ち、決勝は壬生狼をKOして圧倒的な強さで優勝を果たした。12月には壬生狼との再戦で延長戦の戦の末に判定勝ち。戦績は8勝(4KO)2敗1分。  1R、サウスポー構えの黒田。オーソドックス構えの風音。細かいステップは風音。黒田は左手をしっかり構え、真っ直ぐに伸びる左ストレートを風音の入りに狙う。  左前脚を上げて近づき右の蹴りは風音。さらに右ボディストレートと出入り。黒田のヒザはグローブでブロック。中に入り左ボディフック、右ボディストレートは風音。そこに黒田は左ストレート、ヒザを狙うが、風音も十分に警戒。  2R、ジャブから右ストレートの飛び込みをスウェーバックする黒田。左ジャブからいったん間を置き右ストレートを打ち込む風音。黒田もここはかわして左インローもローブローに。  再開。前手の右フックを見せてから左ストレートは黒田。ブロックする風音も入るが、それ以上の連打はさせない。ワンツーの打ち返しの黒田の左をかわす風音。しかし左のヒザを当てる。風音はコーナーに詰めて右ストレートをヒット! 黒田の左ストレートを外して外から右フックをかぶせる。黒田はワンツーも遠い。  3R、殴るように笑顔でグローブタッチ。ジャブ、右ストレートで詰める風音。前足での関節蹴りも。黒田は左ストレート、カウンターのヒザ蹴り狙い。ステップバックする風音に黒田は左ミドル!  しかしすぐに風音も左右を連打する。頭をずらして右ストレートを打つ風音。しかし黒田も左ヒザを当てて前に。ここで風音も休まず前に。ワンツーの連打へ。黒田はそこに左を合わせるが、下がりながらで効かせられず。ゴングに一瞬、両腕をロープにかけた。  本戦判定は1-1(29-29, 30-29, 29-30)の三者三様で延長へ。  延長1R、右ストレートで踏み込み前に出る風音。左の蹴り、左ストレートを突く黒田に、風音は右ボディストレートで黒田はバランスを崩しヒザを着くが、ノーダウン。  右ミドルも当てた風音。黒田も左ミドルを返す。詰める風音は、左から右ストレートで黒田のアゴを上げさせる。黒田の左の蹴り、さらにスーパーマンパンチも威力は落ちたか。風音の入りに左ヒザをカウンターで打つが、風音も右ミドル、ヒザ! さらに前に出て右ストレート! 黒田も右から左を突くが、ゴング。  延長判定はこのラウンドのみの判定。3-0(10-9×3)で最後まで気持ちも動きも落とさず前に出続けた風音がキツイ延長ラウンドを制した。 [nextpage] ▼第3試合 55kg契約 3分3R延長1R〇江幡 睦(伊原道場/第5代新日本キックボクシング協会フライ級王者)[延長判定2-1] ※10-9×2, 9-10(本戦判定は1-0 ※30-29, 30-30×2)×璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス/第7代Krushスーパー・バンタム級王者)  新日本キックボクシング協会所属の江幡睦は双子の弟・塁と共に幼い頃から極真空手を学び、中学生でキックボクシングを始めた。2007年9月に兄弟そろって新日本キックボクシング協会でプロデビューすると連戦連勝ですぐに頭角を現し、2010年3月に19歳で日本フライ級王者に、2014年4月にはWKBA世界バンタム級王座も獲得。  2019年10月、最大の目標とするラジャダムナンスタジアム王座に4度目の挑戦を行ったが、ドローで王座獲得はならなかった。長年にわたって新日本キックのエースとして活躍し、破壊力抜群のパンチ&ローで国内外の強豪をマットに沈め、ほぼムエタイルールで38勝(27KO)7敗3分の戦績を誇る。  2020年9月にはRIZINに初参戦し、RISEバンタム級1位・良星から2度のダウンを奪って勝利。しかし、2021年7月の「RISE DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では1回戦で風音に延長戦で敗れ、2022年4月のRISEでは鈴木真彦に判定負け。  璃明武は空手のバックボーンを持ち、第15回「K-1アマチュア」Aクラス-55kgトーナメントで優勝。2018年4月にプロデビューを果たし、デビューから5連勝を飾ったが、7戦目で元Krushバンタム級王者・佐々木洵樹に判定で敗れ初黒星。  2021年2月の再起戦で蒼士に判定勝ちして再起を飾ると、8月から開幕した「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝して王座に就いた。2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝へ進出するも金子晃大に敗れている。戦績は11勝(4KO)2敗。  1R、ともにオーソドックス構え。先に左ローは江幡。ローを打ち返す璃明武。左の高い蹴りも。ブロッキングの江幡はツーステップの出入りで右ロー。璃明武は右の高い前蹴り。しかし近づくと江幡は回転の速い左右で押し戻す。璃明武の右をかわした江幡は右を打ち込む。  右のダブルの蹴りは江幡。左右の飛び込み。じりじりと詰める璃明武に、江幡もプッシュして押し戻す。  2R、左インローを突く江幡。璃明武は江幡の入りに左前蹴り。左ジャブには、江幡が連打でまとめる。左右のヒザて前進も、巧みにコーナーを出る江幡。ワンツースリーの江幡。璃明武の左ハイがかすめる。右から左ハイは江幡。  ブロックする璃明武だが、仕掛けるのは江幡。左ミドルもヒット。璃明武は前手の左フックも江幡はすぐに打ち返す。ゴングに右手を挙げるのは江幡。互いにビッグヒットは取れず。  3R、中央に出る璃明武。ジャブ、右ローで前に。江幡は下がりながらも左ミドル。ロープ背に近い距離で右を突く。右の竜巻蹴りが空振りの璃明武が前に。そこで出入りで右ローは江幡。  右ボディを当てる江幡。先に左ミドルも。詰める璃明武は右ハイも距離が足りない。江幡の連打にガード。近距離で璃明武も打ち合うが、連打は許さない江幡。ゴングに右手を挙げる。  本戦判定は1-0(30-29, 30-30×2)で1者が江幡を支持も延長へ。  延長1R、中央を取る璃明武に、左に回りながらロー、ミドルを突く江幡。近づくと左右をボディに打ち分けて手数も出す。接近戦で右目尻をカットした江幡。左の突きでヒザも突く璃明武。しかし連打はさせない江幡がワンツー。  左ミドルの璃明武は江幡の左に左フックをヒット! 江幡もワンツーの打ち合いで右を当てると、璃明武の右ハイをかわしてゴング。  延長判定は延長ラウンドのみの採点。判定は2-1(10-9×2, 9-10)に割れて、江幡が勝利、49戦目を東京ドームで勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 55kg契約 3分3R延長1R×志朗(BeWELLキックボクシングジム/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg優勝/RISE)[判定0-3] ※28-29, 28-30×2〇玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/第6代Krushスーパー・バンタム級王者/K-1)  志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。新日本キックボクシング協会で活躍し、2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。  2018年11月からは「打倒・那須川天心」を掲げてRISEに参戦。2019年9月の「RISE WORLD SERIES」-58kg級決勝戦でついに実現したが、判定3-0で敗れた。  2020年11月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg~那須川天心挑戦者決定トーナメント」で植山征紀と鈴木真彦を破って優勝。2021年2月に再び那須川に挑んだが、判定で敗れた。7月に開幕した「DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では9月の決勝へ進出するも風音に敗れて準優勝。今年4月には江幡塁をハイキックでKOした。戦績は25勝(11KO)4敗4分(タイの試合は除く)。  玖村は2018年1月にKrushデビューを飾り、同年に行われた第6代Krushスーパー・バンタム級王座トーナメントで優勝して王座に就いた。2019年6月にはK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメントに参戦するも決勝で武居由樹に敗れる。同年11月には林勇汰を破りKrush王座の初防衛に成功。  2020年3月には無敗の金子晃大と注目の大一番を戦い、勝利を収めた。9月の2度目の防衛戦でも軍司泰斗を退け、2021年3月にはダウサコンを2RでKO撃破。今年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では1回戦で鬼山桃太朗をKO、準決勝で佐々木洵樹をKOしたが、決勝で金子に敗れて王座戴冠ならず。戦績は19勝(10KO)4敗。  1R、ともにオーソドックス構え。左右のローで圧力をかける玖村。志朗も巧みにコーナーを出て左ジャブ&ローを返す。ガードを固め、ローを突きベタ足でじりじりと詰める玖村。  そこにワンツーで押し戻す志朗は右ボディストレートも。左の蹴りとワンツーの志朗。玖村は右ハイ。ブロッキングの志朗はロープ背に。玖村は右の高いヒザを突くが、志朗は左右の手数を出す。玖村、左の跳びヒザは志朗がブロック。  2R、やはり先に詰める玖村。そこに右ローを当てる志朗。そして左ジャブ。ガード固め圧力をかける玖村は、相手のカウンターを意識しながらジャブ、左ミドル。リズムよく左右を打ち込む志朗。コーナーに詰めてヒザの玖村だが単発に。ジャブから左フックの志朗。玖村は右ヒザ、志朗はボディと打ち分ける。さらに右ローに。  右ハイを打つ玖村。志朗は左ジャブを伸ばすが、そこに玖村はそこにかぶせた右フック! ダウンを奪い、すぐに志朗が立ち上がったところでゴング。  3R、志朗のワンツーの打ち終わりに強い右を放つ玖村。志朗は左ジャブを突くと右ローも当てる。じりじりとコーナーに詰める玖村は右ヒザ! 志朗はなおもジャブを突き、右ボディストレートも。  左ロー、右ローの玖村。志朗は玖村の右の打ち終わりに右を振るが、玖村もがっちりガード。左ボディで詰める玖村。志朗は4連打で押し返すが、玖村は左ジャブ、左ミドル。志朗は手数を出すが、ゴング。  2Rに狙いすました右クロスでダウンを奪い、ヒザを突き上げた玖村、手数多く序盤の主導権を握っていた志朗。判定は3-0(29-28, 30-28×2)で玖村が勝利。対抗戦1勝1敗のタイに戻した。 [nextpage] ▼第1試合 55kg契約 3分3R延長1R〇鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級王者/RISE)[判定2-0] ※30-28, 29-29, 30-29×金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王者/K-1)  鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。2015年8月の『BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント』で那須川天心に敗れて以降、連勝記録を重ね5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てたが、2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の決勝で志朗にダウンを奪われて連勝がストップ。  2021年2月に溜田蒼馬、7月にテーパリットに勝利して9月に那須川天心との再戦を実現させたが、判定3-0で再び敗れた。11月大会では江幡塁を初回KOに沈めて再起を飾ると、2022年1月に拳剛も初回KOして2度目の王座防衛に成功。4月には江幡睦にダウンを奪って判定勝ち。戦績は32勝(19KO)5敗。  金子は第2回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス-55kgで優勝し、2006年9月にKrushでプロデビュー。無敗のまま6戦目で軍司泰斗を破りKrushバンタム級王座を奪取、第3代王座に就いた。卓越したテクニックと攻撃力で9連勝を飾っていたが、2020年3月に玖村将史に判定で敗れ初黒星。  2021年3月に1年ぶりの復帰を果たすと鬼山桃太朗にTKO勝ち、9月は晃貴に初回KO勝ちと連続KO勝利。今年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では黒田勇斗にKO勝ち、璃明武にKO勝ち、玖村将史に判定勝ちしてK-1王座に就いた。戦績は14勝(8KO)1敗。  現役王者同士の戦い。ともにベルトを掲げて入場。  1R、ともにオーソドックス構え。左ローから入る金子。さらに右ローも。外す鈴木が右ローを当てる。左ボディ、右ボディと打つ鈴木に、金子は詰めて圧力。鈴木はガード上にワンツー。インロー。アウトロー。金子も右カーフを狙う。  金子は左ジャブ、左フックを軸に。鈴木はボディから顔面に散らす。左ボディ、顔面に被弾する金子だが、そこは打ち合いに強い金子も打ち返し。金子の右ボディストレートの打ち終わりに左をかすめる鈴木。近い距離のアッパーも突く。  2R、先に中央に行く鈴木に、押し返す金子に鈴木は左ボディから入り右ロー、ヒザも。ジャブから左ボディを当てる金子。さらに右フックの打ち下ろし。互いにボディを効果的に当てる。  左フックをヒットさせた金子! しかし鈴木は構わず詰めると金子も右。左ジャブ、左ボディと金子のターン。鈴木もコツコツとジャブ&ロー。金子の鼻を赤くさせる。鈴木がワンツーから左の蹴りまで繋ぎゴング。  3R、左ジャブダダブルから左ボディは金子。鈴木は左インロー、さらに詰めてヒザを腹に突く。右ハイの金子、鈴木は上下に打ち分け、近くなると金子も左フック。しかし鈴木のジャブ、右ストレートに鼻血。ワンツーで詰め返す鈴木。右ボディから顔面と散らして前に。  しかし金子も右テンカオ、右フックの打ち返し。残り30秒で前に出る鈴木。金子の打ち返しをかわして右の鈴木。  最後まで両者手を止めずゴング。クリーンヒットがある金子、手数と上下の的確な打撃の鈴木、判定は2-0(30-28, 29-29, 30-29)で鈴木が勝利。本戦でRISEが1勝目を挙げた。 [nextpage] ▼オープニングファイト 53kg契約 3分3R延長1R×那須川龍心(TEAM TEPPEN)[判定0-3]※29-30×2、28-30〇大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/K-1甲子園2021 -55kg優勝)  龍心は2021年RISE Nova全日本大会-55kg級トーナメント優勝、Stand Up Aクラストーナメント-55kg級優勝、2021年RISE NovaジュニアAクラストーナメント-50kg級優勝などアマチュアで経験を積み、今春から高校生となって4月のRISEでプロデビュー。笠原直希に判定勝ちして白星で初陣を飾った。  対する大久保も第11回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -55kg優勝、第37回K-1アマチュア チャレンジAクラス -55kg優勝、K-1甲子園2021 -55kg優勝とアマチュアで経験を積み、2月のK-1でプロデビュー。西林翔平に判定勝ちしている。  1R、先手は大久保が左ミドル。ジャブを突く大久保に那須川が左ロー。大久保の右ストレートと那須川の左フックが交錯する。大久保は那須川の右ローを空振りさせて左ミドル。大久保は左ミドルで距離をとり、那須川が入って来たところにカウンターを合わせようとする。終盤には大久保が顔面前蹴りをヒット。  2Rも大久保の左右ミドルの長い距離で試合は進む。那須川はワンツーで入り込むが大久保は組み付いてヒザ蹴り。那須川が入ろうとするところに右を合わせる大久保。那須川が左ボディで攻めるが、連打しようとするところで左ミドルを蹴られる。さらに大久保の後ろ蹴りで那須川はスリップダウン。那須川は入り込んでの右ストレート、左フックをヒットさせるが大久保のミドルをもらった印象。リングサイドでは兄・天心が「集中しろ!」と声をかける。  3Rも左ミドルを蹴る大久保は那須川が入ってくるとテンカオ。ワンツーで入ろうとする那須川へ大久保は左フック。右カーフを蹴る那須川に大久保は組んでヒザ、離れてミドルと距離を支配する。大久保が左ミドル、ヒザを次々と入れ、那須川はガムシャラにパンチを繰り出すが空を切る。しかし、大久保のミドルを攻略することが出来ず、判定3-0で大久保がホープ対決を制した。
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