キックボクシング
レポート

【ビッグバン】城戸康裕が11年ぶり復活SHIRASUに辛勝、ジョージと喜多村誠はドロー、山際和希が判定勝ち

2022/06/12 21:06
ビッグバン・統一への道 其の422022年6月12日(日)東京・後楽園ホール ▼メインイベント第2試合(第12試合)70kg契約 3分3R〇城戸康裕(谷山ジム)判定2-0 ※29-29、30-29×2×SHIRASU(PROTAGONIST/元WMAF世界スーパーウェルター級王者、元MA日本ウェルター級王者)  城戸は39歳の大ベテラン。2019年3月のK-1ウェルター級タイトルマッチでは敗れたが、元々の階級であるスーパー・ウェルター級に復帰すると連続KO勝ち。しかし、2020年3月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」では準決勝で和島大海に判定で敗れた。11月の『スーパービッグバン』で藤村大輔に判定勝ちで再起を飾ると、2021年3月には松下大紀にダウンを奪われるも逆転KO勝ち。9月には山内佑太郎との熟年対決もKOで制した。今回はその山内戦以来9カ月ぶりの試合となる。戦績は53勝(25KO) 24敗1分。  対するSHIRASUは白須康仁。2001年11月にMA日本キックボクシング連盟でデビューし、7戦目で無敗のままMA日本ウェルター級王座に就いた。2006年12月にはWMAF世界スーパーウェルター級王座も獲得。2006年2月からはK-1 WORLD MAXにも出場している。2011年8月の『THAI FIGHT』ではヨードセングライからハイキックでダウンを奪って勝利し、周囲をあっと言わせた。その試合を最後に引退したが、今回42歳にして10年ぶりに復帰する。  両者は2007年12月にMA日本キックで対戦し、この時は城戸が判定2-0で勝利。実に15年ぶりの再戦となる。  1R、城戸はいつも通り広いスタンスで低く構え、前に出てくるSHIRASUに右ロー、飛び込んでの右ストレート。サウスポーに構えを変えると左ロー。SHIRASUはじりじりと距離を詰めていくが城戸はローを蹴らせず逆にカーフを蹴る。さらに、ローを蹴ると見せかけて意表を突く飛びヒザ蹴り。  2Rも大きくリングを回り込む城戸にSHIRASUは思い切って入り込んでくるが城戸はヒザで迎え撃つ。城戸はいきなり飛び込んでの左ストレート、さらに前蹴り、右カーフ。城戸は徹底して距離を保ちSHIRASUに追いかけさせる。SHIRASUは城戸の飛び込みの右をかわすと右ストレート、城戸をコーナーに追い込んで左フックを打つが城戸はすぐに脱出。コーナーに詰まってSHIRASUのパンチをもらう場面が増えてきた城戸。劣勢の場面が多かったラウンドだが、最後に城戸がワンツーを入れた。  3RはSHIRASUがパンチの連打で城戸をコーナーへ詰める。城戸はヒザで対抗。SHIRASUも退かずに強打をコンビネーションで叩き込む。右ローから連打で迫るSHIRASUに城戸は前蹴りを連発。パンチで追い込まれる城戸は左ハイ。距離を詰めて左右フックのSHIRASUに城戸は左ハイからのバックハンドブロー、これは空振り。最後は城戸が飛び込んでの左ストレートからワンツーの連打でSHIRASUを下がらせた。  判定は2-0で城戸の勝利。SHIRASUは敗れたとはいえ、42歳で10年ぶりの復帰戦とは思えない戦いぶりを見せた。  辛勝した城戸は「いや~、強いよSHIRASUさんはやっぱり。動けるのよアラフォーって。SHIRASUさんのプレッシャーと重さ、気持ちの強さ、めっちゃ嫌だなと思って。1Rは様子を見たんですけれど重くてつらかったです」とSHIRASUの強さを称えた。  続けて「SHIRASUさんと2007年12月に試合をした時に応援団の皆さんが凄い応援の方がいるなと思って。SHIRASUさんはK-1に出るトップの選手。俺は誰も知らない選手、運よくダウン取って勝ったんですよ。その時にSHIRASUさんの応援団の方が『白須に勝ったんだからこの後しっかり活躍してくれ』って言ってくれたんですよ。それがいまだに刺さっていて。その後、MAXで優勝して、今があります。そのSHIRASUさんの応援団の方の言葉が刺さっていて、本当にありがとうございますl応援団とSHIRASUさんに成長させていただきました」とのエピソードを披露。  そして「その時26歳だったんですけれど、アラフォーになって、まだメインで試合が出来る幸せ。俺は遊びに行くぞ! ウチの娘も見てるね。勝ったよ。弟を頑張って作ろう」とマイクアピールした。 [nextpage] ▼メインイベント第1試合(第11試合)70kg契約 3分3R△ジョージ(T.G.Y/Bigbangスーパーウェルター級王者)ドロー 判定0-1 ※28-29、29-29×2△喜多村誠(ホライズン・キックボクシングジム/元新日本キックボクシング協会ミドル級王者、元BOM同級王者)  ジョージは13勝(5KO)10敗2分の戦績で、昨年8月のBigbangではK-1で活躍する松下大紀(BELIEVE MAN)と引き分けている。  喜多村は大学の空手部で主将を務めたのち、伊原道場に入門して2005年7月に新日本でプロデビュー。2011年10月に第4代日本ミドル級王者となった。2015年5月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王座にも挑戦している。2018年10月、元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者のT-98をヒジでカットし、TKO勝利。伊原道場から独立して最初の海人戦ではKO負けを喫したが、その後は3連勝。2021年7月にはBOMミドル級王座決定戦でJを破り王座に就いたが、12月のリマッチで敗れて王座を失った。2022年1月の『NO KICK NO LIFE』ではシュートボクシングの新鋭・璃久とドロー。  1R、右カーフを蹴るジョージに喜多村は左ローを狙い撃ち。早くもジョージの身体が傾き始める。ガードを固めて前に出て右カーフを蹴るジョージに、喜多村は右ヒザ蹴り、左ボディ、右ローとジョージを追い詰める。喜多村の左ローに右足を上げるジョージ。  2R、パンチを連打して左右のハイ、顔面前蹴りにつなげる喜多村。ジョージはガードを固めて前へ出てひたすら右カーフを蹴る。喜多村にロープを背負わせるジョージは右アッパーから左フック。ボディを打っていくジョージに喜多村も打ち合う。ガードを固めて前に出るジョージは喜多村をコーナーへ詰めて左右のボディを叩いた。  3R、前に出るジョージは喜多村にロープを背負わせて左ボデ連打、右フック。喜多村は前蹴りで突き放す。喜多村も左右ボディを打つが、ジョージは前に出て右ローを蹴られながらもパンチを繰り出していく。最後は右ストレートと左フックの足を止めての打ち合いとなり、判定はドローで両者痛み分けとなった。 [nextpage] ▼セミファイナル(第10試合)67kg契約 3分3R〇山際和希(谷山ジム/第7代Krushウェルター級王者)判定2-0 ※29-29、30-28、30-29×野村太一(K.B スポーツジム)  山際は2009年に全日本学生キックボクシング連盟ウェルター級王者となり、プロデビュー後も順調に勝ち星を積み重ね、2015年6月にBigbangウェルター級王座を獲得。2017年2月まで11連勝を記録した。K-1 JAPAN GROUPには2013年から参戦し、2020年8月の第7代Krushウェルター級王座決定トーナメントで連続KO勝ちして悲願だったKrush王座に君臨。しかし、王者として臨んだ11月の『Bigbang』でFUMIYAにKO負けを喫し、続く2021年1月の初防衛戦で加藤虎於奈に敗れて王座を失った。6月のKrushで寧仁太・アリ、8月のBigbangでFUMIYA、今年2月のK-1では中野滉太に敗れ現在泥沼の4連敗中。戦績は33勝(14KO)19敗4分。野村はプロ5戦5勝と無敗の新鋭だ。  1R、ジャブと右ミドル&ローの山際に野村は力強い左フック、右ストレートを繰り出すが山際は当てさせない。野村のパンチをよく見てかわしながら山際は右ボディストレートを突き刺し、左ミドルを蹴る。さらにジャブ、右ロー、左ミドルと完全に距離を支配する山際。  2Rも野村のパンチ、蹴りをかわしてジャブ、前蹴り、右ローで距離を保つ山際。野村は組み付くと投げを見舞うラフファイトを見せる。山際の左ミドルに右フックを合わせ、左フックで飛び込んでいく野村。荒々しい野村の攻撃に山際はもらう場面が増え、1Rのようには試合が進まない。  3R、左フックで飛び込む野村へ逆に山際が右フック。ガムシャラに攻める野村に山際は戦いづらいのか、一発打っては組み付くことを繰り返す。前に出る野村に組み付く山際だったが、判定2-0で勝利を収めた。  山際は「もう少し強いところを見せたかったんですが、しょぼい試合になってすいません。前回K-1で負けてしまい、攻めが足りないと思って自分から攻めることを意識してやったんですけれど、まだ練習が足りないので攻めるスタイルをもっと練習していきます」と、スタイルを作り直しているところだと語った。 [nextpage] ▼第9試合 Bigbangフェザー級王座次期挑戦者決定戦 3分3R延長1R〇竹内賢一(Ten Clover Gym 世田谷/前Bigbangフェザー級王者)判定3-0 ※29-28、30-29、30-28×龍斗(team NOVA)  竹内はJ-NETWORKアマチュア全日本選手権において当時の最年少記録となる中学1年でバンタム級優勝を飾ると、翌年は中学2年でフェザー級も制して2年連続の優勝。アマチュアで50戦以上を経験し、中学3年でホーストカップにてプロデビュー。その後は新日本キック、J-NETWORK、Krush、シュートボクシング、RISE、NJKFとルールを問わず様々なリングに上がる。2020年2月にはRIZINにも参戦し、ダウンを奪って勝利。2021年3月のBigbangでは龍斗との王座決定戦を制し、プロ初のタイトルを獲得した。しかし7月のKNOCK OUTで安本晴翔にKO負け、11月の初防衛戦で稲垣澪に敗れて王座を失った。  龍斗はKrushを主戦場にし、勝ったり負けたりを繰り返して6勝13敗2分の戦績。ここ2試合は連敗を喫している。前日計量で650グラムオーバーのため減点1からのスタート。  1R、サウスポーで軽快なステップを踏む竹内に、龍斗は前蹴りで太ももを蹴る変わった技を見せて前へ出る。竹内は右ミドルと左ボディ。  2R、右カーフを蹴る竹内に龍斗は左ストレート。さらに前へ出て右ストレートを当てていく。竹内は回り込んでワンツーの連打を繰り出すが、龍斗のヒザをボディへもらう。このラウンドも龍斗は足への前蹴りを多用した。  3Rも龍斗は前に出て左三日月蹴り、右ストレート、飛びヒザ蹴りと攻め、右ストレートで竹内をグラつかせるが、その直後に竹内の左ストレートを連続被弾。オーソドックスになった竹内は強気にワンツーの連打で前へ出ていき、龍斗を下がらせる。竹内の右ストレートを被弾して顏が血まみれとなった龍斗だが、顔面へバックキックを放って竹内をヒヤッとさせた。  判定は減点もあり、判定3-0で竹内が勝利。稲垣との再戦へコマを進めた。竹内はマイクを持つと「Bigbangチャンピオンの稲垣選手、11月、絶対に僕がベルトを獲り返すので待っていてください」と王座奪回を宣言した。 [nextpage] ▼第8試合 Bigbangスーパーバンタム級王座次期挑戦者決定戦 3分3R延長1R〇一航(新興ムエタイジム/元WBCムエタイ日本統一バンタム級王者、元NJKF同級王者)判定3-0 ※29-28、30-28×2×蘭丸(team AKATSUKI)  一航は2019年4月の『BOM』でWMC日本バンタム級王座、11月の『NJKF』でNJKF同級王座を獲得して高校生二冠王者を達成すると、2020年9月にはINNOVATION三階級王者の岩浪悠弥とWBCムエタイ日本統一王座を懸けて対戦。チェアマン判定で王座を獲得して三冠王となった。2021年2月にはRISEに参戦して大崎一貴と対戦、判定2-0で敗れるも大崎を蹴りで苦しめている。今年2月のK-1では「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に参戦したが璃明武に敗れている。  蘭丸はここまで6勝(3KO)無敗の新鋭ファイターで、番狂わせを狙う。  1R、ワンツーの連打で前に出る蘭丸が最初に仕掛ける。一航はロープを背負いながらも左フックを返し、右ローを蹴る。距離感をつかんできたか、一航は蘭丸のパンチをかわしながら右ロー、左インロー、左フック、右のカウンターを当てに行く。距離を詰めてパンチを打つ蘭丸に一航は右ストレート&左フック、離れると右ロー。近寄ってくる蘭丸に左ヒザを突き刺した。  2Rが始まってすぐ、一航は右ストレートから強い左ボディブロー。蘭丸は接近して距離を潰してパンチを打ち、一航は前蹴りで突き放して右ロー。ジャブと前蹴りで距離をとる一航は左ボディ、左アッパーも打ち込む。前に出る蘭丸だがヒットを奪うのは一航。右ローを主軸に左ミドル、前蹴り、右ロー、左ヒザ。  3R、前に出てパンチで攻めようとする蘭丸に、上下を打ち分け、蹴り分ける一航。コンビネーションを回転させ、接近するとヒザ蹴り。蘭丸も飛びヒザ蹴りを発射させ、意表を突く右ハイで一航をヒヤッとさせるが、左フックと左右ボディ、そして右ローでヒットを奪っていく。左ボディの3連打、右ストレートを被弾しながらも蘭丸は最後まで前へ出続けた。  判定は3-0でテクニックを見せつけた一航が勝利。次期王座挑戦者に決まった。 [nextpage] ▼第7試合 60kg契約 3分3R×林 京平 (湘南格闘クラブ/前Bigbangライト級王者)TKO 3R 1分08秒 ※セコンドからのタオル投入〇三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  1R、パンチの連打で三輪をコーナーに追い詰める見せ場を作った林。右カーフの蹴り合いとなり、三輪はボディ右ストレートで飛び込んで左ボディ。三輪が右カーフで畳み込むと林はうずくまり、立ち上がったところで初回終了のゴングが鳴ったが、すぐに倒れたためダウンカウントが数えられた。  2R、林は右カーフから左フックと三輪をグラつかせると一気にパンチでラッシュ。三輪にロープを背負わせて右ストレート&左フックで釘付けにするが、三輪も右カーフで反撃。カーフを蹴られながらも右ストレートと左フックを強打。三輪も右フックを打ち返し、右カーフ。三輪はピンチをしのいだ。  3R、三輪の右カーフで林はついに崩れ落ちるようにダウン。何とか立ち上がるもまた右カーフをもらってダウンし、林のセコンドからタオルが投入された。 [nextpage] ▼第6試合 63kg契約 3分3R×迅也(北斗会館浅科道場)KO 1R 0分35秒 ※ヒザ蹴り〇児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)  1R、速攻勝負をかけた児玉はパンチでダウンしかけた児玉のボディへヒザ蹴りをグサリ。その勢いで両膝をついた迅也へヒザ蹴り。うずくまった迅也は立つことが出来ず、児玉の秒殺KO勝ちとなった。 「こうやってKOで勝つことが出来たのも普段から応援してくれる人や仲間たちがいるからです。僕、遠回りしちゃったけどベルトが巻きたいのでベルトまで最短で突っ走りたいです。なので有名で強いヤツとどんどんやりたいです」 [nextpage] ▼第5試合 55kg契約 3分3R〇鈴木太尊(谷山ジム小田原道場)判定3-0 ※30-29、30-28×2×梅田将成(KFG URAWA)  パンチ、蹴り、ヒザ蹴りとバランスよく攻めた鈴木が判定勝ちした。 ▼第4試合 70kg契約 3分3R〇HIROTO(谷山ジム)KO 2R 2分45秒 ※右フック×青谷秋未(正道会館健明館)  攻撃力の強さを発揮するHIROTOは踏み込み鋭い右ローでダメージを与えると右ローのモーションから右ハイキック、さらに左ハイキックで青谷をグラつかせる。最後は右アッパーからの右フックで青谷が崩れ落ち、HIROTOが鮮やかなKO勝ちを飾った。  HIROTOは「いずれK-1に出られるように頑張ります」と、K-1参戦を目標に掲げた。 ▼第3試合(特別試合)ヘビー級 2分2R△羽山正之(BO)ドロー 判定0-0 ※19-19×3△Ruler(務所族)  ひたすら右フックをぶん回して叩きつけるRulerに羽山もフルスイングで対抗。ペース配分無視の2人の殴り合いに場内も大いに盛り上がった。 ▼第2試合 52.5kg契約 3分3R〇拓真(治政館)TKO 3R 2分34秒 ※右フック×坂元浩一(ウィラサクレック湖北)  1Rから拓真が右カーフキックを効かせ、坂元は転倒しながらも粘りに粘ったが、3Rに拓真が左ヒザをアゴに突き上げ、右フックをフォロー。坂元がダウンしたところでレフェリーがストップした。 ▼第1試合 フライ級 3分3R×小林拓斗(T.G.Y)判定0-3 ※27-30×2、29-30〇柿颯太郎(TEPPEN GYM)  場内大盛り上がりとなった激しい打ち合いは、柿が制した。
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