28戦目で目標としていたKrushの王座に就いた玖村
2022年5月21日(土)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.137』の一夜明け会見が、22日(日)都内で行われた。
メインイベント(第10試合)のKrushフェザー級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、王者・新美貴士(名古屋JKファクトリー)を判定3-0(30-29×3)で破り、第6代王座に就いた玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス)が会見に出席。前夜の試合を振り返った。
「無事Krushの王者になれて新美選手にリベンジが出来てほっとしています」
試合から一夜明けてベルトが手元にあるのを見た時に「チャンピオンベルトって弟の将史のベルトしか見たことがなかったんですよ。悔しくて僕のものにしようとはずっと思っていたんですが、家にベルトがあって最初に将史のベルトかなと思ってしまって(笑)。一瞬パニックになったというか。それで自分のものなんだって思った時は頑張ってよかったなって思いました」と、一瞬自分のものだとは思わなかったというエピソードを話した。
タイトルを奪取して一番喜んでくれたのは、その弟の将史だったという。「いろいろな人に挨拶していた時に『将史君があんなに喜ぶんだ』『あんなに感情を出すんだ』って周りの人が言っていたので(笑)。たくさんの人が喜んでくれたんですけれど、彼があんなに感情を出して喜ぶことってなかなかないと思うので。Krushの王者に同時にはなれなかったんですけれど、並べてよかったです」と言い、「(将史が)あそこまでの感情を出すことはあまりなくて。涙を流してまで喜んでいる姿はなかなか見ることはなかったですね。彼は多分、自分の試合よりも僕の試合の方が心配だったと思うので、僕が王者になって彼は安心して6月の自分の試合に集中できるかなって。そこは僕もホッとしています」と、兄でもなかなか見たことがないほどの喜びようだったようだ。
また、弟の玖村将史は2019年2月に第6代スーパー・バンタム級王座に就き、偶然にも修平も第6代フェザー級王者。これには修平も縁を感じていて「同時期に王者にはなれなかったけれど、第6代という部分では肩を並べられたと思っています」とした。
連打で突進する新美と真っ向勝負を繰り広げたことに「他の人のコメントを見ても僕は打ち合いに強くないとかよく言われていたので。あとは前回新美選手に打ち合いでやられてしまったので、倍返しにすると言っていたので打ち合いで勝つというのが一番でしたね」と、打ち合いで勝つことをテーマにしていたとする。
徐々に自分のペースに持っていけたのは「新美選手は前回よりパンチが重たくなっていて最初は面食らった部分はありました。でも僕の応援団も応援してくれていたので、自分のペースに持って行けたかなって。あとは前回の悔しさがあったので、その気持ちが最後まで折れることなく戦えた勝因だと思っています」と、応援の力とリベンジする意思が支えてくれたという。
勝負を分けたポイントは何かと聞かれると「気持ちですね。その一言です」ときっぱり。
今回の戴冠までにはこんなこともあった。「僕の場合は弟が凄く活躍しているので、僕は不器用で勝ったり負けたりで勝ちが続かなかったり連敗もあったけれど、僕は努力で泥臭くても勝ち上がると言っていたんですが、周りからは『努力では才能に勝てない』『君は王者にはなれない』って声をたくさん聞いてて心が折れかけたこともたくさんあったんですけれど、諦めずにやってきてよかった。この形を作る、いろいろな人に夢を与えるって気持ちでやってきたので、努力して諦めなければ最後は王者になれるんだぞってことを作れたと思うので、ここからは僕がもっと努力で上がっていく僕を見せて夢を与えたいと思います」
今後の目標を聞かれると「フェザー級でトップの選手として名前が上がる中には新美選手が入っていたと思う。その新美選手にリベンジして勝ったので、今年はリベンジロードを突き進みたいので椿原(龍矢=2021年5月に判定負け)選手、軍司(泰斗=2019年10月に判定負け)選手にリベンジして僕がK-1王者になりたいと思っています。もちろんKrushの王者になったので、Krushの価値をどんどん上げていく王者になりたいです」との目標を掲げた。
華のある王者になりたい、とのマイクアピールについては「K-1に出始めた時にいろいろなメディアに出たいと言っていたんですけれど、王者になれたのでそういう仕事をしていきたいと思います。KrushとK-1をいろいろなメディアに出て王者としてそういう活動もしていきたいです」と、メディアを通しての広報活動をしていきたいとし、「だから仕事よろしくお願いします」と中村拓己K-1プロデューサーに直訴した。
中村プロデューサーも「玖村選手が出来ることやれることをやってもらって、いろいろな人たちにKrushの存在とかK-1の魅力というものが伝わって行けばいいんじゃないかなと思います」と、玖村に期待を寄せる。玖村自身は「甘いものが好きなのでグルメ番組に出たいと思っています」と、グルメ番組に出たいと希望する。
そして最後には「このベルトが懸かった試合で新美選手に負けたのが2020年の11月27日で、その1年前の11月27日は僕が網膜剥離で手術をした日で。時間はかかってしまったんですけれどこのベルトにリベンジ出来たので、これからこのベルトと共に僕は成長していきたいと思っています。網膜剥離で挫折している選手はいっぱいいると思いますが、大きな怪我をした選手にも僕の活躍で刺激を与えられると思うので、僕はそういった選手たちにも刺激を与えられる王者になっていきたいと思います」と語った。