ムエタイ
レポート

【スックワンキントーン】石井一成がIBFムエタイ世界王座を獲得、バックスピンキックで鮮やかKO勝ち

2019/06/12 22:06
【スックワンキントーン】石井一成がIBFムエタイ世界王座を獲得、バックスピンキックで鮮やかKO勝ち

日本人2人めのIBFムエタイ世界王者となった石井。WPMF王座と合わせて世界二冠王、KNOCK OUT王座と合わせて三冠王となった

SUK WAN KINGTHONG Go to Raja
2019年6月12日(水)東京・後楽園ホール

▼メインイベント IBFムエタイ世界フライ級王座決定戦 3分5R
×ペットタイランド・ヨードムエポンラット(タイ/true4Uライトフライ級王者、ムエサイアムイサーンライトフライ級王者)
KO 3R3分6秒 ※右バックスピンキック
〇石井一成(ウォーワンチャイプロモーション/KING OF KNOCK OUT フライ級王者、WPMF世界フライ級王者、元true4Uフライ級王者)
※石井が新王座に就く。


 IBFムエタイはプロボクシングの世界王座認定団体として知られるIBF(国際ボクシング連盟)が、WBC(世界ボクシング評議会)に続いて2017年12月に設立したムエタイ部門のタイトル。日本人では名高・エイワスポーツジムが2018年9月にタイで初めて王座に就いた。

 今回は、IBFムエタイ世界フライ級王座決定戦にKING OF KNOCK OUTフライ級王者・石井が挑む。


 石井はジュニアキック出身でアマチュアでは14冠王を達成。タイを主戦場に6連続KO勝利を飾り、2017年2月にはTrue4Uフライ級タイトルを高校生で獲得。2017年6月からはKNOCK OUTに参戦し、2018年12月、トーナメントを制してKING OF KNOCK OUT初代フライ級王座に就いた。また、2019年2月にはKO勝ちでWPMF世界フライ王座も奪取。国内では現在6連勝で、その中にはラジャダムナンスタジアム認定フライ級6位ノンロスをKOした勝利も含まれる。

 対戦相手はrue4Uライトフライ級王座、ムエサイアムイサーンライトフライ級王座を持つペットタイランド。


 1R、ジャブで様子を見た石井は徐々に手数を増やしていき、左右フックからの右ローを何度もヒット。さらに左ボディブローを中心とするパンチのコンビネーション、ヒジ打ちを次々と叩き込んで圧倒する。ペットタイランドはロープを背負い、ローを蹴り返すが集中砲火を浴びて防戦一方に。


 2Rになるとペットタイランドは前蹴りを多用して石井を近付けさせず、左ミドルを蹴る。それでもスピードで優る石井は左右フックからの左ローを何度もヒットさせ、さらにボディ、顔面へパンチを浴びせていく。


 3R、ペットタイランドは前へ出て前蹴り、ミドルを蹴り、首相撲からのヒザ蹴りに持ち込む。石井が下がり始めて形勢逆転かと思われたが、石井の左ボディブローがクリーンヒット。ペットタイランドは露骨に効いた顔を浮かべ、石井は一気にヒジ打ちでラッシュ。ペットタイランドをロープ際に追い込むと、一瞬間をおいて右のバックスピンキック。これが見事にボディに決まり、石井がKO勝ちでIBF世界王座を手にした。


 ベルトを巻いた石井は「皆さんの応援のおかげで勝つことができました。ふたつめの世界のベルトが獲れたので次の目標へ向かって頑張っていきます。次も期待してください」と、さらなる次の目標へ向かって走り出すと語った。

▼セミファイナル IBFムエタイ世界バンタム級王座決定戦 3分5R
〇ペットチャオワリット・ソーチットパッタナー(タイ/WBCムエタイ世界バンタム級王者、ルンピニースタジアムSフライ級6位、タイ国ボクシングフライ級王者)
判定2-1 ※49-48、48-49、49-48
×小嶋勇貴(ノーナクシン東京/WBCムエタイ世界バンタム級10位、WPMF&ルンピニージャパン&J-NETWORK バンタム級王者)
※ペットチャオワリットが新王座に就く。

 IBFムエタイ世界バンタム級タイトルに挑むは、WPMF・ルンピニージャパン・J-NETWORKバンタム級王者の小嶋。卓越したムエタイテクニックでデビュー以来9戦負けなしのまま二冠王となったが、2019年3月に10戦目で初黒星。現在の戦績は11勝(2KO)3敗。


 対戦相手のペットチャオワリットはボクシングで元WBC世界ユース・フライ級王者で、現WBCムエタイ世界バンタム級王者、ルンピニースタジアム認定スーパーフライ級6位の強豪選手。小嶋は自身のSNSで「相手は化け物級ですが僕は勝ちます。僕なら勝てます」と意気込みを綴っている。

 1R、小嶋は試合開始と同時に前蹴りで先制。サウスポーのペットチャウリットは長身から振り下ろすヒジ打ちを見せると、シャープな左ストレートと右フックを打つ。さらに長い足から前蹴りを放つ。小嶋はパンチにヒザを合わせにいった。


 2R、ペットチャウリットは組み付くとヒジ、ヒザ。小嶋もヒザ蹴りで応戦する。ペットチャウリットは前蹴りをボディへ連発すると、強烈な左ボディストレートを打ち込む。小嶋はローを蹴るが、ペットチャウリットは左ハイでけん制し、左ボディストレートを連続して打ち込んだ。


 3R、小嶋はローとミドルの蹴り合いを仕掛け、右の三日月蹴りを何度もヒットさせる。ペットチャウリットが前へ出てくるとヒジを合わせた。ペットチャウリットも蹴っていくが、小嶋にかわされて逆にローを蹴られる。


 4Rも小嶋が右ミドルと右三日月蹴り、右前蹴りを使い分ける。前に出るペットチャウリットも前蹴りを繰り出し、パンチへとつなげていくが、前までのラウンドほどの勢いが感じられない。ペットチャウリットは高い蹴りを多用。


 5R、流し気味のペットチャウリットに小嶋は右の三日月蹴り、パンチで攻めるが、ペットチャウリットは前蹴りとハイキックで突き放していく。最後にはパンチ、蹴り、ヒザ蹴りのラッシュを見せた小嶋だったが、判定2-1で惜敗。IBF世界王座のベルトはペットチャウリットの腰に巻かれた。

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