キックボクシング
インタビュー

【ONE】フライ級ワールドGPに出陣する内藤大樹「喧嘩が強い」クレベル・コイケとのスパーで「心を鍛えた」、ロッタンとも「差はない」

2022/05/13 01:05
 2022年5月20日(金)にシンガポール・インドアスタジムにて開催されるONE Championship『ONE LIVE 6 MAY』で、史上初のフライ級ムエタイワールドGPが開幕。8選手が出場するこのワールドGPは、トーナメント形式で、チャンピオンベルトを賭けて争う。  出場選手に選ばれたのは、ロッタン・ジットムアンノン(タイ)vs.ジェイコブ・スミス(イギリス)、ジョナサン・ハガティー(イギリス)vs.ボルター・ゴンサルベス(ブラジル)、サバス・マイケル(キプロス)vs.アミール・ナセリ(マレーシア/イラン)、そして日本から内藤大樹が参戦してスーパーレック・ギャットムー9(タイ)と1回戦で激突。  3月26日には秋元皓貴(Evolve)がカピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)を破り、ONE世界バンタム級キックボクシング王座に就いた。内藤もこの強豪だらけのワールドGPを制覇する偉業達成で続きたいところだ。  その内藤が5月12日(木)、オンラインでの囲み取材を受けた。「ようやくタイトルが獲得できるチャンスが巡って来たなと思いましたね」と、2019年9月にONE初参戦を果たして以来最大の勝負に胸が高鳴っている様子。 「8人の世界の強豪と言えるメンバーが揃って、この強い中で勝ち抜けば本当に世界チャンピオンだと胸を張って言えるってことで、自分としては凄いメンバーと優勝を争えるので良かったなと思います。中途半端なメンバーでトーナメントをやっても意味がないと思っていたので、自分の中でやる気の方が増していますね」と、隙の無い強豪ばかりのトーナメント出場にワクワクしているという。  ONEではこれまでキックボクシングのフェザー級でワールドGPが開催されており、「羨ましかったのもありますし、フライ級のムエタイは層が厚いのでいつかやるんじゃないかなって思っていました」と内藤自身が開催を期待していたもの。  1回戦の対戦相手であるスーパーレックはベテランの域に達した名選手で、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と2度来日経験があり、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。2020年7月大会ではONEムエタイ世界フライ級1位にいたパンパヤック・ジットムアンノンを判定3-0に破り、変わらぬ実力を発揮。9月にはファディ・カレッドにも難なく勝利して2連勝でイリアス・エナッシが保持するONEフライ級 キックボクシング世界タイトルに挑んだが、判定3-0で敗れている。  内藤は「スーパーレックは日本の格闘技ファンの中でも名前があると思いますし、勝ちに徹するスタイル、なかなか負けない戦い方をするイメージですかね。あと右ミドルキックのイメージです」と評し、そのスピードに関しては「蹴りのスピードはミット打ちを見ても速いのかなと思いますけれど、自分の蹴りもスピードに関しては負けていないと思っているので楽しみですね。どんな蹴りの威力とスピードなのか、実際に受けるのも楽しみではあります」と、互角以上に戦えるとの自信をみせた。 「自分はムエタイ選手と相性がいいと思っています。ムエタイ選手はONEの中でムエタイルールでもキックボクシングルールでもトップクラスにいますし、強いと思います。でもONEムエタイはオープンフィンガーグローブでやるわけですし、そういった意味では自分の方が有利だと思うところもあります」と、OFGであることが自分のアドバンテージになると答える。 「グローブが薄いですし、自分のパンチは硬いと思うんですよ。スパーリングやミットをやった人に言われるんですけれど、見た目以上に痛いパンチですね、固いパンチを打つねって言われるのでOFGだと伝わりやすいので有利だと思いますね」  スーパーレックは事前のコメントで「90%自分が勝つ」としているが、それを聞いた内藤は「全然何とも思わない。自信があるのはいいことだと思いますし、でもそんなに差はないよと思っているので、自信を持ってガンガン来てくれた方がいいのかなと思いますね。自分も戦いやすいと思いますし、今まで喰らったことがないようなパンチの威力や蹴りの痛さは自分の方が持っていると思うので、純粋なムエタイでやり合ったら当然スーパーレックの方が上手いと思いますけれど、ONEムエタイに関しては自分の方が…やってみれば向こうが分かると思います。味わったことがない痛みというか」と、むしろその自信で向かって来いとした。  また、内藤のデイフェンスに難があるとも指摘しているが「ちゃんと研究してきているんだなって思いました」と、自分を甘くは見ていないことを逆に喜ぶ。「確かに蹴る時のディフェンスが甘くなるのは課題としてずっと持っていますし、ペッダムにダウンを取られてより修正していました。ディフェンスの意識を固めたりとか。スーパーレックがそう言ってくれたことでアドバイスありがとうって感じですね(笑)」と、課題をしっかり克服して臨む。 「全員が同じ位置に並んでいる。完璧って選手はいない」  内藤はGP全体について「自分はこのトーナメントはみんな50/50だと思っているんですよね。それぞれ相性とか冷静に見て、全員が同じ位置に並んでいると思っているので、そこへ向けてどれだけ準備したとか対策したとかで差が出て来るんじゃないかなと思います。みんな大きな差はないと思っていますね」と、全員にチャンスがあると見ている。  スーパーレックに勝利したら、ロッタンとハガティと戦いたいとする。「誰でも優勝できればいいんですけれど、1回負けているハガティにはこのトーナメントでリベンジしたいですし、あとはロッタン。日本のファンにも世界中のファンにも強いと認められている2人なので、スーパーレックも含めてその3人に勝って優勝すれば完全優勝だと言えるのでやりたいです」と、完全制覇を狙いたいとした。  そのロッタンとも「差はない」とする。「ロッタンは強いと思いますが。ONEでKO勝ちがあるかと言えばそんなにない。ロッタンに何か特別な武器があるかと言ったら、上手いんですけれど意外と全部が平均。ずば抜けたものがあるかと言ったらそうでもない。何が一番強いかと言えばロッタンの場合はハートの部分、メンタルがメンバーの中でずば抜けていて。みんな完璧って選手はいないのかなって今回思っていますね」と、ロッタンも完璧な選手ではないと分析。 「強いのはもちろん認めますが、みんな高く評価しすぎなのかなと思っています。そうすることでみんなメンタルが先にやられてしまっているので、結局圧力で下げらりたりとか、あまり評価をしすぎてはいけないと。強いのは認めたうえで大きく見すぎないことをテーマにしています」と、自分の中でイメージを膨らませすぎて必要以上に警戒しないようにしているという。  これは余談だが、ロッタンがデメトリアス・ジョンソンとMIXルールで対戦したのを見て、内藤は「そういうのも面白いなって思いましたね」とする。「ロッタンもああいうルールでDJというMMAの世界最高峰の選手とやるっていうのは相当なメンタル力だと思います。見ててこういうのも面白いんじゃないかなって思いましたね。(自分にも)オファーがあればそういうのもアリかなと思いますね。またそういう新しいのも面白いのかなって感じですね」と、MIXルールにも興味を示していた。 「ハガティに負けた時に海外トップクラス選手との身体の強さの違いを感じたのでそこからフィジカルにより力を入れてやるようになりました。フィジカルトレーニングをすることでメンタル的に自信を持つことが大事かなと思っていて。技術はみんな高いと思っていて、その中で勝ち上がる強い身体と強いメンタルを準備してきました」と、フィジカルとメンタルを鍛えてきたという内藤。  他には「特別スーパーレックだからトーナメントだからと変わったことは特に入れてなくて。練習の中で意識を変えたくらいですかね。スタミナ練習はけっこう増やしましたね。走り込みとかひとつの練習の中でもテーマを持って、ひとつひとつ細かいテーマとかを考えて練習に行くようにしていました」と、ガムシャラにやるのではなくテーマを持って臨んでいたとする。  所属するBELLWOOD FIGHT TEAMでは「週2回はサトシとクレベルと(打撃の)練習をやっています」と言い、「基本的にスパーリングを3Rくらい。お互いヘッドギアを着けたり着けなかったりしますが、強いマスで顔に当て合ったりとか激しい感じでクレベルとは特にやっていましたね」とクレベルをパートナーにマススパーリングを積んできた。  その理由は「精神的な部分を鍛えるという意味でクレベルとはやっていて、身体はクレベルの方がデカいですし、首相撲とかも入れるんですけれど、単純にクレベルは喧嘩が強い部分が練習でもあるので、喧嘩が出来る選手となるべく退かずに殴り合うとか、心を鍛える意味でやっていましたね」とその理由を話す。  内藤は「一般的に見て内藤が勝てるかと言ったら、1回戦はスーパーレックですし、負けると言われても当然かなと思っています。でもそこを覆す、そういう選手がいることを世界のファンにも見てもらいたいですし、日本の見てくださるファンの方たちにも内藤は出来るんだってところを見せたいと思っています。全然できると思いますし、期待してもらっていいと思いますね」と、世界が驚く結末を導き出すとした。  それには、秋元のONE王座奪取が刺激にもなっている。「秋元選手は昔から同じ愛知で一方的に知っていました。まだ日本のリングで活躍していた時に技を参考にしたり、お手本にしていた選手で。キックから一度離れてONEで王者になったのは凄く刺激になりましたし、自分も続かないとなって思いますね」と、秋元に続くつもりだ。  そして最後に「もうやることはやってきて話すことも特にないので、あとは結果を見てください。まずはスーパーレックに勝ってその先に進むので、今回は全部を懸けて勝つところを皆さんに見せます」と、全力でまずは初戦のスーパーレック戦を突破すると語った。
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