2022年5月8日(日)、東京・GENスポーツパレスにて『Fighting NEXUS vol.27』が開催された。メインの山本空良vs.寿希也のフェザー級王座戦に連なるセミのフェザー級戦に、黒帯柔術家の横山武司が出場。
1996年生まれの横山は、同じく柔術黒帯の兄・大鋳と共に伝統派空手と柔道、中学から柔術を始める。2018年世界選手権・茶帯アダルト・フェザー級ベスト8、2019年全日本選手権・黒帯アダルト・フェザー級優勝などの実績を誇る。
2019年の「JBJJF東京オープン2019」黒帯オープンクラス決勝でクレベル・コイケに「顔を挟まれた」三角絞めで一本負けも、全日本の階級別では決勝で八巻祐に三角絞めを極めてフェザー級優勝。極めの強さは際立っている。
2022年2月のFighting NEXUSでプロMMAデビューした横山は、木村豊を相手に1R 三角絞めで一本勝ち。初陣を飾っている。柔術でかつて佐々幸範に師事し、MMAでは佐藤将光の教えを受けている。
対する十河も寝技師。柔道、レスリングを幼少期から大学まで続け、「Pancrase Bayside Fight1」でギロチンチョークで一本勝ち。マーシャルワールドジャパンカップAクラスで優勝経験も持つ。秋本道場からUP STARTジムを設立。Fighting NEXUSには2021年12月に初参戦し、山口力をハンマーロックに極めている。
▼第9試合 5分2R(延長1R)フェザー級 65.8kg契約◯横山武司(Swells柔術ジム)[1R 3分39秒 トーホールド]×十河卓児(UP START)
1R、ともにサウスポー構え。横山は左ローを当てる。右のサイドキックは不発。近づくがここはいい形で組めず離れる。右フックで前に出る十河。ブロッキングの横山は、低いヒザ着きのシングルレッグから左で差して腰を抱き、スタンドで横に着いていくが、右手で小手に巻いた十河が誘い込みながら払い腰テイクダウン!
すぐに上体を立てる横山はガードから右手を巻き込み三角絞め狙い。四角に足を組む横山にヒジを張り、金網に押し込み、腰にヒザを突く十河。下から足を手繰ろうとする横山は、足を解いて十河の左足を引き寄せようとするが、足を組んで伸ばさせない十河が潰してパウンド。
しかし左足を差し込んでいる横山は、潜りから十河を前方に送り込んで、右足を外ヒールに狙い、突っ込んできた左足もからめクロスヒールへ。その組み手を掴んで極めさせない十河。
手を着いてケージに腰をつけて足を伸ばされないように防ぐ十河に、横山はうつ伏せになって左足をトーホールドに極めえると、十河は声を上げてタップ。十河は担架に乗せられ、ケージを後にした。
試合後、横山は、「今回も30人くらい応援に来てくれて、すごく力になりました。11月(7日)NEXUS初の後楽園ホール大会があって、全階級のタイトルマッチがあるらしいので、僕もいい試合を組んでもらえるようにこれからも頑張ります。母の日で、母に感謝を伝えたいと思います。ゴールデンウィークはほんとうに練習と減量で一切、遊ばなかったので地元の友達、祝勝会頼みます」と笑顔。11月の後楽園ホール大会出場をアピールした。
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ファビオ・ハラダが小森真誉に一本勝ち
ロータス世田谷の小森は2連勝中。2021年12月に島村裕に延長判定で勝利。2022年2月には岸野”JUSTICE”紘樹にも判定勝ち。長いリーチを活かしたケージムエタイの蹴り、首相撲ヒザ、ケージレスリングで、MMA17戦にして開眼している。
対するハラダは、強豪柔術家が揃うINFIGHT JAPAN所属。2021年7月にプロデビューし、髙杉遼介を1R TKOに降すと、2021年12月には、諏訪部哲平を投げてポジションを制し、スプリット判定で競り勝っている。
▼第2試合 5分2R(延長1R)フェザー級 65.8kg契約◯ファビオ・ハラダ(INFIGHT JAPAN)[1R 1分38秒 リアネイキドチョーク]×小森真誉(ロータス世田谷)
1R、ともにオーソドックス構え。前足を軽く上げ下げしながら、近づきと、ハラダが強い右ローをヒット。小森もスピーディーな左ミドルを蹴り返す。さらに右ローを当てる小森。左ジャブを当てて左右から組みつこうとするハラダに、突き放す小森はすぐに詰めて左ミドルを当てる。
左ジャブ、右ローと対角に蹴る小森に、互いに首相撲ヒザから離れる。ハラダの左ローをかわす小森。左ミドルを腕の上から当てると、左インローも。さらに左ミドルを打つが、その蹴り足を掴んだハラダが持ち上げて軸足を払ってテイクダウン!
スクランブルで立ち上がろうとする小森のバックに回るハラダはすぐに両足を鼠径部にフック。背後に引き込むと、4の字ロックに組んで、リアネイキドチョーク狙い。首もとの腕を解除したハラダに上体を立てて片ヒザ立ちになり、右足を外して立ち上がろうとした小森。
その首が空いた瞬間に、ハラダの右腕が喉下に入り、後ろ頭に左腕も回ると、何とか後ろ手を剥がそうとした小森だがタップ!
一本勝ちしたハラダは試合後、「次、メインの山本空良vs.寿希也の勝者とやらせてください」と大胆にも王者への挑戦をアピールした。