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レポート

【HEAT】鈴木万李弥が多彩な攻撃で連勝「立ち止まることなく、6.25 K1女子大会へ出場します」、安川侑己が逆転のヒザKO、竹浦正起が椿飛鳥をヒールで極める

2022/05/10 14:05
 2022年5月7日(土)、愛知県・名古屋国際会議場イベントホールにて『HEAT50』が開催された。  3月26日のKrushでの勝利、さらに、6月25日のK-1初の女子大会『K-1 WORLD GP 2022~RING OF VENUS~』にも出場が決定(女子フライ級の52kgで櫻井梨華子と対戦)するなど連戦で注目の鈴木は、空手をバックボーンに持ち、2016年にキックボクシングでプロデビュー。MMAのリングにも上がる二刀流ファイターとして活躍する。  鈴木はキックでは9勝5敗、MMAでは2勝3敗の戦績を持つ。空手仕込みのガンガン前に出て打ち合うスタイルが持ち味。17年の『HEAT 40』でブラジル王者ジェニフェル・フェハスと対戦し、鼻から大流血しながらも勝利をもぎ取ったことから“流血のマドンナ”の異名を持つ。前戦は2022年3月の『Krush.135』にて、真優と対戦。パンチを主体とした試合運びで接戦を制する勝負強さを見せた。  対する小澤聡子は、名門K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST所属のファイター。今回が34戦目(7勝22敗4分)となる大ベテランで、2021年11月に『Krush-EX』でARINAに敗れ現在5連敗中。2015年1月以来の勝利を目指す。戦績こそ負けが先行しているものの、空手仕込みのパワフルな前進で圧力をかけるタフなスタイルで会場を沸かせている。2022年2月の『Krush-EX 2022 vol.1』ではTOODY NAOMIと対戦予定だったが、TOODYが体調不良によるドクターストップのため不戦勝となっていた。 ▼第6試合 HEAT KICK 53kg 3分3R○鈴木万李弥(志村道場)[判定3-0] ※30-29, 30-28, 30-27×小澤聡子(K-1 GYM SAGAMI-ONO CREST)  試合は1Rから、強い右ロー、前蹴りで入ってワンツーへ繋ぐ鈴木に、小澤もワンツーを返すが、鈴木の右でアゴが上がる。右ローを打ってサイドに回るなど新たなスタイルも見せる。小澤の蹴り足をさばきながら右ストレートで小澤をこかす場面も作る。  2R、巻き返すようにローからワンツーで前へ出てくる小澤。鈴木もそこに右を合わせるが、小澤は圧力をかけて鈴木に金網を背にさせる。しかし押し戻す鈴木は小澤のローに右ストレート、左前蹴りで間合いを作る。小澤は右下段蹴り。いなす鈴木は左フック、左ミドルを返す。  3R、左ジャブで飛び込んでいく鈴木。小澤の前進に左前蹴りも。押し込む小澤の右を右回りでかわすとワンツーの右、前蹴り、ヒザ蹴り、ボディと腹を攻める。  右ハイはブロックした小澤は前足を上げながら近づくが、鈴木の右ストレート、さらに左テンカオに後退! 詰める鈴木は左ミドル、小澤の右ストレートになおも左ヒザ。さらに左ミドルで鈴木が押し込んでゴング。  判定は3-0(30-27,30-28,30-29)で鈴木が勝利。小澤の圧力に怯まず、幅を広げた攻撃で次戦に繋げた。  試合後、鈴木はケージの中で「今日は応援ありがとうございました。自分の持っている課題を超えるような試合にしたいと思っていました。勝ててホッとしました」と挨拶。  9日には、SNSに「志村館長、出稽古先の、名古屋大橋ジム、大石ジムさん、いつも練習ありがとうございます。3-0判定勝ちでした。タフな選手で強かったです。女子選手でも倒せる力をつけるのを課題にして、成長していきたいと思います」と投稿。  さらに、「格闘技は1人じゃない、周りの人の支えでできています。ありがとうございます。立ち止まることなく、6/25、K1女子大会へ出場します」と連戦に向けて意気込みを記している。 [nextpage] 皇治がまさかの延長判定負け、春日井が引退試合ドロー、岡野がライト級新王者に、安川が逆転KO勝ち ▼メインイベント HEATキック特別ルール 61kg契約 3分3R×皇治(TEAM ONE/元HEATキック・ライト級王者、ISKA K-1ルール世界ライト級王者)[延長R 判定0-3] ※9-10×3〇ダウサコン・BANG BANG GYM(タイ/ウィラサクレックフェアテックスジム)元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級3位&元WPMF世界スーパー・バンタム級王者)※本戦の判定は30-29、29-30、29-29。特別ルールはキャッチしての攻撃は禁止。 ▼第11試合 HEAT MMA 65kg 5分3R 春日井たけし引退試合△春日井”寒天”たけし(志村道場)65.0kg[判定0-1] ※28-29, 29-29×2△笹 晋久(パラエストラ柏)65.2kg ▼第10試合 HEAT KICK ミドル級(70kg)3分3R〇アビラル・ヒマラヤン・チーター(志村道場)70.1kg[1R 2分54秒、KO] ※右アッパー×ラーシーシン・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックスジム)70.2kg ▼第9試合 HEAT MMA ライト級(70.3kg)タイトルマッチ 5分5R×草MAX(TEAM CLIMB)70.2kg[2R 4分45秒 リアネイキドチョーク]〇岡野裕城(マッハ道場)70.1kg※岡野が新王者に ▼第8試合 HEATキックルール 62kg 3分3R〇安川侑己(志村道場)※ライト級王者[3R 2分52秒 KO] ※左ヒザ×モンダム・ウィラサクレック(タイ)  3R残り1分で詰めた安川は、左右の高い前蹴りで距離を取るモンダムを金網に詰めて、右アッパー、左ヒザをレバーに効かせて、逆転のKO勝ち。 「2年ぶりのKOで正直戸惑っています。嬉しいです。母の日も、妹の誕生日も近く、いいところを見せられて良かったです。いつも母に感謝をしてもしきれない、産んでくれてありがとう。愛しています」 [nextpage] 内藤凌太がノラシン降す、倉本が三角絞め、PROGRESSで竹浦が椿にヒールで一本勝ち ▼第7試合 HEATキックルール 57.5kg契約 3分3R〇内藤凌太(BELL WOOD FIGHT TEAM)[判定3-0] ※30-29×3×ノラシン・スペチアーレジム(タイ/大石ジム) ▼第7試合 HEAT総合ルール フェザー級 65.8kg 5分3R〇倉本拓也(志村道場)[1R 1分32秒 三角絞め]×秋山怜冬(clash)  サウスポー構えの倉本に右ミドル、インローを当てる秋山。  さらに左右ラッシュも、そこに引き込み腕十字は倉本。腰を切れず、右腕を掴んで三角絞めに移行。スラムする秋山に、背中で着地する倉本は、左腕に変えて足を組み直して三角絞めに。 ▼第6試合 HEAT総合ルール フライ級△ユン・テスン(志村道場)[判定1-0] 20-18, 19-19×2△廣瀬裕斗(Hida Training Lab team 阿修羅) ▼第5試合 キック 63kg契約 3分3R〇伊藤勇大(OISHI GYM)[判定3-0] ※30-27×2, 30-28×SOUL(IMPACT) ▼第4試合 バンタム級 5分3R〇小川隼也(ボンサイ柔術)[1R 4分34秒 TKO]×徳弘拓馬(スタートジャパン)  1R、ともにオーソドックス構え。右を振って、左フックを当ててダブルレッグでテイクダウンは小川。徳弘に背中をつかせる。ブリッジする徳弘。しかし片足を抜く小川はサイド、マウント。ヒジを打つが、徳弘もエビで足を戻す。下からの徳弘の三角絞めをかついでパスする小川は、立ち上がりにがぶりを合わせて、ボディにヒザ蹴り。正対する徳弘をパスする小川はサイドからマウント&パウンド! 背中を見せたところにバックマウント、マウントからパウンドでレフェリーが間に入った。 ▼第3試合 PROGRESS提供試合フォークスタイル・グラップリング 85kg契約 5分2R〇レアンドロ草野(草野柔術)[ポイント9-6]×濱岸正幸(カルペディエム三田) ▼第2試合 PROGRESS提供試合第2試合 フォークスタイル・グラップリング 70.3kg契約 5分2R〇竹浦正起(カルペディエム三田)[1R 3分03秒 ヒールフック]×椿 飛鳥(トライデントジム)  1R、組み手争いから左で差して押し込む椿に、体を入れ替える竹浦は、カニ挟みから左足を掴んで股下を潜り、背中を見せて足を抜く椿のバックに乗る。2Pを獲得。  背負って金網まで歩く椿。足を外して落とそうとしたところに尻を着いて着地した竹浦。椿は正対して上もコントロールできず。すぐに立ち上がる竹浦。  右で差して押し込むと首を抱えて引き落とす椿から首を抜くと、左で差して金網まで押し込む椿のシングルレッグに、前転して左足を掴んで前方に送り込む竹浦は、サドルロックに組んで外ヒール。右足を差し込もうとして椿はうつ伏せのままタップした。 ▼第1試合 PROGRESS提供試合コンバット柔術 66kg契約 5分2R〇江木伸成(藤田柔術)[レフェリー判定]×生田 誠(トラスト柔術アカデミー)
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