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2022年5月3日(火・祝)都内にて『U-NEXT 堀口恭司 ファンイベント』が行われ、米国から一時帰国した堀口恭司(アメリカントップチーム)が、U-NEXT配信解説の川尻達也(T-BLOOD)と公開対談。Bellatorバンタム級ワールドGPの敗戦、再起戦、日本での試合、40歳での引退などを語った。
4月23日(日本時間24日)米国ハワイで開催された『Bellator 279』でのBellatorバンタム級ワールドGP1回戦で、パッチー・ミックス(米国)と対戦した堀口恭司(日本/ATT)。試合は5R判定3-0(48-47×3)の末、ミックスが勝利し、GP準決勝進出を決めた。
キャリア初の連敗。1ポイント差の接戦で寝技師ミックスに極められずも、組み技でコントロールされる場面が長かった堀口。川尻は冒頭で、向かい合った堀口がミックスとの大きさの違いへの戸惑いがなかったかを聞いた。
「体格差にジレンマを感じなかった?」と問われた堀口は、「ジレンマは全然なかったです。これまでもデカい選手とやっているので」と、UFCではフライ級で戦い、RIZIN以降はバンタムを主戦場として、常に自身より大きな相手と戦って来たことを語る。
それでも通常体重を問われ「普段は65kg」という堀口に、川尻は「じゃあ(バンタムの)61kgまで最後に3kgくらい水抜きするだけですね。ミックスは当日70kg以上あったと言っていたから、5kg近く体重差はあったんだ」と、あらためてバンタムとしては小柄な堀口の挑戦に目を見張った。
「身体は大きくしたいんですけど、フロリダではほぼ外食で口に合わなくて、はっきり言って美味しくはない(苦笑)。だから大きくならないけど、いま日本にいて食事が美味しいので、こっちで身体を大きくして帰ろうと思います」という堀口。
試合では、「1Rが最初のキーだと思った」という川尻。堀口の左フックに、ミックスは最初のコンタクトでボディロックからバックを奪い、そこで手足の長さを活かして、堀口の胴に足を4の字ロックに固めて、背後からリアネイキドチョークを狙った。
「あそこでミックスに極められずに『離せよ』とイラつからなかった?」と問われた堀口は、「対策は練っていたけど、バックからの4の字が抜け辛くて。イラつくことはなく、ロボットみたいにやることをやってました。試合で自分は喜怒哀楽が無いんです。どうやって抜けるかだけを考えていました」と、1Rの攻防を振り返る。
2Rずつ取り合ったと考えた最終5R、セコンドのマイク・ブラウンからは「5Rを取らないと負けるよ」と指示を受けたという。
大きく組みの圧力のあるミックスを相手に、5Rを戦い抜く強い意志を持つ堀口は、最終回も打撃で前に出るが、ダブルレッグで倒したミックスがバックを取り切り、正対した堀口のタックルに、ギロチンを合わせ、極め切れずとも上を取り返したことで好印象を得た。
「ミックスがパンチに合わせて入ってくるのは分かっていたけどうまかった。自分が小さいからそうなった部分もあるけど、今後の課題が見つかった、勉強になった試合でした。後ろばっか見ていてもしょうがない。もう次にすべきことは見えています」という堀口。
修斗での新人王決定トーナメント以来という、原点回帰の新宿FACEでのイベント会場で、次戦について、「夏くらいには。それに年末に日本大会がありそうな感じなので、自分はやりたいですね。いまBellatorとRIZINが話し合っているみたいなので、可能性はあると思います」と、すでに再起を見据えていることを語った。