2022年4月24日(日)米国ハワイ州ホノルルのニールSブレイズデール・センターで開催された『Bellator279』(U-NEXT配信)の「Bellatorバンタム級ワールドGP」で、堀口恭司(日本/ATT)に5R判定勝ちしたパッチー・ミックス(米国)が、会見で堀口との接戦を語った。
堀口を破り、MMA16勝1敗としたミックスは、6月24日のGP1回戦のマゴメドフ・マゴメドフvs.エンリケ・バルゾラの勝者と対戦する。
「世界最強の1人」から「世界最強」になりたい
──堀口恭司選手との試合を終えた、率直な感想からお願いします。
「ホリグチはいい蹴りを出してきた。いいストライカーだから前足を犠牲にしたけど、あれだけ蹴りが出てくるとは予想していなかった。もっと左フックや右のオーバーハンドが来ると警戒をしていたからちょっと不意打ちをくらったようだった。あのカーフはすごく良かった」
──そのなかでゲームプランは?
「組んで長くキープすること。痛めつけたかったから、足に触れられれば倒せると思ったし、テイクダウンして削れると思った。サブミットできると本当に思っていたけど、キョージのバックディフェンスが上手かった。俺がサブミッションを試合で見せていくたびに、対戦相手のディフェンスがうまくなってきている気がする。マイク・ブラウン、ATTのホリグチのチームは世界で一番のチームだから、しっかり対策が練られていても驚きはしないけど、ディフェンスを隙を突いてフィニッシュできると思っていたし、そうしたかったんだけど、今回は5Rあるし、自分でペースを保たなければいけなかったし、同じことを繰り返すわけにはいかなったから」
──5Rの採点をご自身ではどう考えていましたか。
「1R目は10-8で取ったと思った。ラウンドを通してずっとバックを奪っていたしチョークで何度か追い込んだ。タイトに背中を伸ばして極めようとした。2R目はちょっと捕らえられるか様子を見ていた。5R目でバックが取れた。ギロチンチョークが極まる直前まで行っていた。ジャッジの48-47は正直納得がいっていない。49-47もしくは49-46だ。でも、ジャッジに勝敗を委ねるのは嫌だったから、コーチからも、5Rは絶対取るように言われていたよ」
──当日の体重はどのくらい戻していましたか。
「結構たくさん戻したよ。はっきり言えないけど、155ポンド(70kg)は越えたね」
──極められなくてもバックを取り続けることも作戦だったのでしょうか。
「いや、極めたかったんだ。ただ、めちゃくちゃスクイーズして絞めたけどキョージのディフェンスが上手かった。キョージはタイトルマッチでしか負けてこなかった。RIZINでもBellatorでも、UFCでも。タイトルマッチでもない試合で負けたのは初めてなんじゃないか(※上田勝勝と朝倉海との初戦はノンタイトル)。だからホリグチを倒したという事実と戦績は嬉しい。RIZIN.20に出場してから、ホリグチの名前は欲しかった。RIZINバンタム級チャンピオンである彼を、ワールドGPの5Rで勝てたことは嬉しい」
──過去の試合に比べて今回の試合の出来はいかがですか。
「試合をする事で経験が積み重ねられる。ホリグチのレベルの相手と5Rで試合ができたんだ。ケージでの時間を楽しむことができている。ケージでの時間が必要なんだ。今は“世界最強の1人”だと自分は思っているけど、“世界最強”になりたい。ジムでも世界最強を倒すつもりでトレーニングをしている。SHOWTIMEで放送されている以上、きちんとパフォーマンスもしなければいけない。これまでの17試合のうち負けた試合もあったけど、それもいいパフォーマンスをしようと思って挑んでいる」
──エンリケ・バルゾラの試合は見ましたか? マゴメドフ・マゴメドフとの戦いをどう思いますか?
「楽しみだ。やつらは強い。似ているファイトスタイルだし、プレッシャーも同じだ。バルゾラには感心するよ。心肺機能も凄いすごいし、圧力のかけかたも、柔術もディフェンスもレスリングもいい。だからいい試合になると思う。彼らと同じケージで戦える事を光栄に思うよ。それにマゴメドフとはAKAで一緒に練習したことがあって、彼はハビブ・ヌルマゴメドフのチームと練習している。バルゾラもめちゃくちゃよく訓練された選手だし、準決勝でどちらかと試合をして勝って、さらにベルトを獲得し、100万ドルを獲得する過程を楽しむことにするよ」
──次の試合までどう準備しますか?
「俺は常にジムにいるよ。自分のトレーニングか、チームメートのサポートかで。俺をサポートしてくれた人たちに恩返しもしたい。このキャンプで大勢の人がサポートしてくれた。だから、ジムに戻って今度は俺がサポートしたい。
あとは家族ともっと時間を過ごして、娘とも一緒に過ごす。彼女の誕生日もあるし、母や兄弟、姉妹や友達……サポートしてくれたみんなだ。そういった自分の時間を過ごしたい。彼らと時間を過ごすのは自分にとってすごく意味のある事だ。今の自分は“ベスト”じゃない。“ベスト”を更新していく。いまは28歳だ、頑張って優勝してワールドタイトルの名誉と100万ドルを手にしたい」
──最後に日本のファンにメッセージを。
「ホリグチ、そして日本のファンに最大の敬意を表したい。RIZINに出たのはいい思い出だった。あれから、この試合を心待ちにしていた。戦えて感謝している。日本の最高のMMAファイターとケージで肌を合わせたことは、心に深く染み入る経験だった。キョージと彼のチームに最大のリスペクトを示したい。自分は準決勝でマゴメド・マゴメドフとエンリケ・バルゾラの勝者と戦う。これからもバンタム級GPを楽しんでほしい」