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【RIZIN】高阪剛、引退試合をTKO勝ちで終えて「これ走馬灯ってやつかなって思うくらい」思い出が駆け巡る

2022/04/18 22:04
【RIZIN】高阪剛、引退試合をTKO勝ちで終えて「これ走馬灯ってやつかなって思うくらい」思い出が駆け巡る

引退試合をTKO勝利で終え、最後は輝くような笑顔を見せた高阪

 2022年4月17日(日)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで『RIZIN TRIGGER 3rd』に続き、連続開催された『RIZIN.35』の第7試合、120kg契約5分3Rで、極真空手世界王者の上田幹雄(BRAVE)を右クロスでダウンさせ、パウンドの追撃でTKOに仕留めた高阪剛(ALLIANCE)。


 中学で始めた柔道を社会人まで続け、リングスに入門して1994年8月にプロデビュー。1998年からはアメリカに拠点を移し、UFC参戦を果たすと1999年1月にはバス・ルッテンとメインイベントで対戦した。UFCには2002年まで参戦し、その後はPRIDEを始め様々なリングで活躍。2006年5月に一度引退するが、2015年12月29日のRIZIN旗揚げ戦の第1試合で復帰して勝利。そして今回、現役最後の戦いに臨んで見事勝利した。52歳。


 榊原信行RIZIN CEOは試合後総括で「不覚にも自分も感極まってしまいました。2015年にRIZINとして僕が格闘技界に復活をして人生を懸けてやるとの想いを伝えた時に、高阪が自ら会いに来て『僕にもやらせてくれ』と名乗り出てくれたんですね。それとRIZINの栄えある第1試合目は高阪でしたし、神を信じているわけではないですが、戦いの神がいるとするならば高阪がここまで格闘技と真摯に向き合っていたことを見ていた、それで最後に家族の前で素晴らしいKOを出来たのかなと。もちろん高阪の精進の結果だと思いますが、素晴らしい引退試合、素晴らしいKO勝利、パウンドアウトだったと思います」と、RIZIN旗揚げのエピソードを語った。


 高阪は試合後「もちろん試合でKOで勝てたのは嬉しいんですが、終わっちまうのかって喫持ちの方が強いです」との心境を話し、まだ戦いたい気持ちがあるのかと問われると「いや、それはないです。それはないんですけれど四半世紀くらいに渡ってこういうことをやってきていたので、だから終わっちまうのかっていう。もちろん自分で決めたことなんですけれど、そういう気持ちが。リングに上がる前の練習とかきつい練習をやってこうした方がいい、ああした方がいいというのを積み重ねたりとか、ここが弱いなどうしたら強くなるのかっていうことを今後やる必要がないわけで。自分は一生格闘家でありたいと思っているので、強さを追及していくこは今後もやっていきたいし、それをどうすれば後に残せるのかも重要なのでそういったことにも力を注いでいけたらと思います」と答える。


 対戦した上田については「凄いポテンシャルを持った選手だなと本当に思いました。蹴りもそうだし、動きだったりとか、身のこなしとか、凄いなって思いましたね。どこかで嬉しい気持ちがあったのかもしれないですね、試合中に。ようやく日本人のヘビー級がこうやって扉を開いてくれたかって気持ちがもしかしたらあったのかもしれないし。ただ自分は、試合の時は自分自身が前に出ることと、目の前にいる相手を倒すことしか考えていなかったので、その中でもそういう気持ちがあったような気がします」と、今後に期待をかけ「今後もっともっと鍛えれば、必ず上に上がっていくポテンシャルがあると感じました」と、その素質に太鼓判を押した。


 最後の試合を終えた時、走馬灯のように思い出が駆け巡るようなことはなかったのかと聞かれると、高阪は「まさにそれが起こりましたね。最後に名前をあげた選手(マーク・ハント、ミルコ・クロコップ、ランディ・クートゥアー、ペドロ・ヒーゾ、バス・ルッテンら)にのされた記憶とか(笑)、画面に田村さんと坂田先輩も映ったのかな。リングス時代の想いだったりとか、田村さんは凄い強い先輩だったので。一緒にスパーリングを重ねた記憶だったりとか。新弟子時代を2人で乗り越えてきた坂田先輩との記憶だったりとか、いろいろ一瞬のうちに巡りましたね。死んじゃうんじゃないかと思って。これ、走馬灯ってやつかなって思うくらい一瞬のうちにいろいろなことが巡りました」と、様々な記憶がフラッシュバックしたと明かした。


 その中で、リングス時代の師匠である前田日明に怒られた場面はあったかと聞かれると「前田さんに怒られた記憶というよりかは、自分は前田さんの付き人だったので、その付き人時代の、あの仕事をやりながら時間をやりくりして練習したなとかはあとから思い出しましたけれど(笑)」と笑う。


 今後については「まずはウチの道場生たちをしっかり鍛えて強くして世界を目指せる選手にしていくことが第一。もうひとつは自分が戦ってきたヘビー級というカテゴリーを絶やさないと言うか、今後もどんどん広げて発展させていけたらいいなと思っていて。具体的には分からないですけれど、どうしたらいいのかは。何かそういうことに力になれたらいなと思っています」という。


 そこで後進たちに伝えたいことはないかと聞かれると、「戦績的に考えると自分が負けが多かったと思うんですよ。でもそこから学んだことは確実にあって、そこで気持ちをもう1回立て直して前へ進むんだっていう強い意志を持たせてくれたのはそういう本当に強い連中と肌を合わせた身体の記憶っていうのがあったからだろうなって思うし。もしかしたら今日の試合もそういう、ああいう連中と戦ってきた自信のようなものが身体の奥底にあったから、最終的にKOに結びついたのかもしれないし。総合格闘技の技術的なことももちろん大事だし、戦い方も大事だと思うんですけれど、一体ベースは何なのかと見つめなおす、そういったことも実は重要なんじゃないかなということは伝えていければと思います」と、“気持ち”の大切さも伝えていきたいと話した。

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