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【UFC】遥かなる頂──ヴォルカノフスキーがチャンソンをTKO、スターリングがヤンとの接戦を制しバンタム級王座統一、チマエフがバーンズとの死闘制す! 44歳のオレイニクが一本勝ち=『UFC 273』

2022/04/10 09:04
【UFC】遥かなる頂──ヴォルカノフスキーがチャンソンをTKO、スターリングがヤンとの接戦を制しバンタム級王座統一、チマエフがバーンズとの死闘制す! 44歳のオレイニクが一本勝ち=『UFC 273』

(C)Zuffa LLC

 2022年4月9日(日本時間10日)、米国フロリダ州ジャクソンビルのVyStarベテランズ・メモリアル・アリーナで『UFC 273』が開催された。

 メインイベントは、王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキー(豪州)が、“コリアン・ゾンビ”ことジョン・チャンソン(韓国)を迎え撃つUFC世界フェザー級タイトルマッチ。さらに正規王者アルジャメイン・スターリング(米国)と暫定王者ピョートル・ヤン(ロシア)によるバンタム級王座統一戦も組まれた。

UFC 273: Volkanovski vs. Korean Zombie

2022年4月9日(日本時間10日)米国フロリダ州ジャクソンビル
VyStarベテランズ・メモリアル・アリーナ

【メインカード】

▼UFC世界フェザー級選手権試合 5分5R
○アレクサンダー・ヴォルカノフスキー(豪州)24勝1敗(UFC11勝0敗)※UFC11連勝
[4R 0分45秒 TKO]

×ジョン・チャンソン(韓国)17勝7敗(UFC7勝4敗)
※ヴォルカノフスキーが3度目の王座防衛

 王者ヴォルカノフスキーは3度目の防衛戦。前王者のマックス・ホロウェイの代役でタ王座挑戦となるチャンソンは4位。

 ヴォルカノフスキーはオーストラリア人初のUF世界王者。2019年12月にホロウェイに判定勝利し、フェザー級王座を戴冠。2020年のホロウェイとのダイレクトリマッチでも勝利すると、2021年9月にブライアン・オルテガを激闘の末に判定で下し、2度目の防衛に成功している。

 対する“コリアン・ゾンビ”チャンソンは、2013年8月には代役ではあったが、ジョゼ・アルドを相手にUFCフェザー級タイトルマッチを経験。2019年6月にヘネート・モイカノ、12月にフランキー・エドガーに判定勝ちで2連勝。2020年10月にブライアン・オルテガに判定負けも、2021年6月の前戦で昇り調子だったダン・イゲを判定で下し、2度目の王座挑戦を決めた。今回の王座戦に向け、ヘンリー・セフードの指導を受けてきた。

 1R、ともにオーソドックス構え。チャンソの左右に右を返すヴォルカノフスキー。右のカーフキックを当てるチャンソン。ヴォルカノフスキーも右ローを返す。

 左のダブルで入るチャンソン。ヴォルカノフスキーの左右をスウェイでかわすして右を振るが、そこに左を当てるヴォルカノフスキー。

 鼻を腫らすチャンソン。ヴォルカノフスキーの打ち下ろしの右がヒット! さらに左インローも。チャンソンの詰めに左を差して詰めるヴォルカノフスキーは小外がけからテイクダウン! 金網使い立つチャンソン。離れ際にヴォルカノフスキーは左を当てる。

 左で入るチャンソンに左を当ててダウンを奪うヴォルカノフスキーは、すぐに立ち上がったチャンソンに左のカーフでバランスを崩す。

 2R、左インローのヴォルカノフスキー。チャンソンの右のロングフックをかわして右を打ち込む。チャンソンの入りに左のカウンターを当てるヴォルカノフスキー! 右ストレートを返すチャンソン。右の前蹴りも! しかし、ヴォルカノフスキーは落ち着いて右のダブルを当てると、金網に詰めて四つのまま大内刈でテイクダウン! パウンドに立ち上がろうとするチャンソンを再び押さえ、立ち際に右ヒジ。さらに組んで行く。

 差し返すチャンソンは突き放すとスタンドに。左で飛び込みテイクダウンを奪うヴォルカノフスキー。立ちあがるチャンソンに左ジャブを当てる。さらに右ローも。

 3R、左の蹴りから入るヴォルカノフスキー。チャンソンの左をスウェイでかわすと右を入れる。左右で詰めるチャンソン。しかしヴォルカノフスキーの左ジャブにアゴを上げさせられる。

 左インローを当てるヴォルカノフスキー。先に打ち、チャンソンの左右のフックの打ち返しにすっと頭を下げてカウンターのダブルレッグに入るヴォルカノフスキー。しかしここは金網で耐えるチャンソン。ヴォルカノフスキーの左ジャブに顔が腫れるチャンソン。左右を突くがかわすヴォルカノフスキーは右ストレートを当てる。左ボディを当てるチャンソン。

 右から左、さらに右のクロスを当てたヴォルカノフスキー! ダウンしたチャンソンがディープハーフで凌ぐが、ヴォルカノフスキーの鉄槌に大きく顔を腫らす。

 チャンソンにドクターチェック後、4R。ワンツーから左インローを当てるヴォルカノフスキー。ワンツーを当て、さらにワンツーの右を当てるとチャンソンの足が揃い棒立ちに。ハーブ・ディーンレフェリーが間に入った。

 試合後、ヴォルカノフスキーはセコンドのクレイグ・ジョーンズと握手。勝者インタビューに、「自分は図抜けたレベルにいることを証明するんだけど、目の前の彼は自分の期待以上のことをしてきた。ただ、ちょっとストップが遅いせいで嫌な感じにもなるけど、僕らはそういうスポーツをやっているんだ」と挑戦者を称えた。

 続けて、「この試合だけでなく毎試合レベルアップしようとしている。最近亡くなった友人にこの勝利を捧げたい。いつも言ってきたけど、アスリートとして必ずしも恵まれた才能を持っているわけじゃないけど、常に前進し続けることが大事なんだ。モチベーションに拍車をかけて、いかにそれを形にするかを見据え続けることで、もっと良くなっていく。ここで予定されていた試合(ホロウェイ戦)、まだ別の試合もある。僕と戦いたければサインしてくれればいい」とコメント。

 右目を大きく腫らした敗者のチャンソンは、「準備万端に備えてきて、いい状態で試合に臨み、疲れも感じていなかったけど、それでも越えられない壁にぶち当たってしまった」と語り、2回目のチャンピオンシップの敗北に、「負けるたびにオクタゴンを去ること、辞めることを考えます。いまは時間が必要です」と語り、マットに跪き、嗚咽した。

 妻が駆け寄りハグし立ち上がると、ヴォルカノフスキーはチャンソンをケージの中で待ち、ハグ。ケージから送り出して、オクタゴンを後にした。

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