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【Krush】フルラウンド攻撃の手を休めない熱闘、池田幸司が壬生狼一輝を振り切り新王者に。野田蒼、晃貴も大激闘

2022/03/26 18:03
Krush.1352022年3月26日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第10試合)Krushバンタム級タイトルマッチ 3分3R延長1R×壬生狼一輝(力道場静岡/王者)判定0-2 ※29-30×2、30-30○池田幸司(ReBORN経堂/挑戦者)※池田が第8代王座に就く。壬生狼は初防衛に失敗。  壬生狼は昨年3月に吉岡ビギンを破り、プロ無敗でKrushバンタム級王座を戴冠。会見などではプロレスラーの大仁田厚さんになりきったキャラクターと、ふんどしなどの奇抜な衣装でインパクトを残し、昨年一躍ブレイクしたファイターだ。  しかし、Krush王者として出陣した昨年の5.30K-1横浜武道館大会で行われたバンタム級日本最強決定トーナメントでは決勝戦で黒田斗真にKO負け。リマッチとなった12.4K-1エディオンアリーナ大阪大会でも黒田に延長戦の末に判定負けを喫している。池田との初防衛戦は2連敗からの再起戦となる重要な試合。  池田は壬生狼と同じくK-1バンタム級日本最強決定トーナメントに出場したが、優勝した黒田に一回戦で敗退。しかし、その後はKrushのリングで峯大樹、藤田和希に2連勝し、上り調子でバンタム級戦線を盛り上げる立役者となっている。  1R、前へ出てパンチを繰り出す壬生狼を前蹴りとミドルで迎え撃つ池田。ロングリーチを活かし、壬生狼が入ってくるところに右ストレートを合わせ、右ローを蹴る。壬生狼も飛び込んでの右ストレートをヒットさせる。ジャブ、前蹴りで距離をとる池田に壬生狼は連打で詰めて行く。壬生狼のアグレッシブな前進が目立ったが、池田も自分の距離を保って壬生狼のさせたいようにはさせなかった。  2R、壬生狼の右ローをしっかりとスネでカットする池田。壬生狼の突進をジャブと前蹴りで止めるが、それでも入り込んで左ボディを叩く壬生狼。右ストレートも壬生狼は入れる。強打で攻めまくる壬生狼へ池田は右カーフキックを狙い撃ち。壬生狼が下がるとヒザを突き上げる。ここで逆に池田が前に出て打ち合い、右カーフを蹴る。池田がワンツーから飛びヒザをヒット。壬生狼は後退しながら左右フックを打つが、池田は打ち合いながらヒザを突き上げ、右カーフを蹴る。  3Rも前に出るのは池田。右カーフを徹底して蹴る。壬生狼も左右フックで応戦し、左ボディを打つ。至近距離での打ち合いでも負けない池田。前に出て距離を詰める池田はアゴを突き上げ、壬生狼は右ローを蹴る。池田が前蹴りから右ストレート2連打、両者足を止めての打ち合いとなり、壬生狼は鼻血を出す。そして最後まで足を止めての打ち合い。  フルラウンド両者とも攻撃の手を休めず、フルに動き続けた熱戦は、判定2-0で池田が勝利。喜びを爆発させた池田は「こうやって今、ずっと求めてきたチャンピオンベルトが巻けるのも応援してくださっている皆様のおかげです。本当にありがとうございます。これからはK-1の初代バンタム級王者を目指して頑張ります」とアピールした。 [nextpage] ▼セミファイナル(第9試合)Krushバンタム級 3分3R延長1R×松谷 桐(ALONZA ABLAZE)判定0-3 ※25-29、25-30×2○野田 蒼(月心会チーム侍)  松谷はキックボクシングルールでタイトル獲得歴のある実力者。昨年9月にKrush初参戦を果たすと、ハイレベルな技巧で目下2連勝。戦国時代の様相を見せるバンタム級において台風の目としての存在感を示す。  一方の野田は幼少期から関西のアマチュア大会で活躍し、高校1年生でK-1アマチュア全日本大会で優勝。K-1甲子園2020-55kg王者になった若きテクニシャン。昨年5月のK-1横浜武道館大会で行われたK-1バンタム級日本最強決定トーナメントに参戦し、Krush王者・壬生狼一輝とスプリット判定にもつれ込む激闘を見せた。再起戦となるはずだった12月にKrushでは橋本実生の計量不参加・欠場による不戦勝となった。実質約10か月ぶりの試合は、松谷を迎える試練の一戦となった。  1R、サウスポーの松谷が前へ出ていくと野田は前蹴り、左ストレート、左ミドルで押し返す。松谷は左ロー。逆に野田が前に出ると松谷は前蹴りで押し戻す。圧をかける松谷にステップワークでそれをかわしていく野田。右の下の方から打つ右ストレートで松谷のアゴが上がり、野田は一気にラッシュ。左の突き上げるようなストレートからの右ストレートでダウンを奪う。すぐに飛び込んでのワンツーでダウンを追加する野田。  2R、松谷は圧をかけて前へ出るが野田はステップワークで外し、いきなり飛び込んでの左フック。スピードで野田がかなり上回っている。野田は前蹴りで突き放し、すぐに飛び込んでのワンツー、松谷はこれにヒザを合わせるが、野田がパンチをまとめ打ち。野田がステップで松谷をかわしてすぐに飛び込んで打ち込むという動きを繰り返す。  3R、野田の動きは衰えず、スピードのある右の蹴りを追って来る松谷に見舞う。ステップについていく松谷だがなかなか野田を追い詰めることが出来ない。松谷がロープに詰めたと思った瞬間、松谷が左ミドルから左ストレートを伸ばしてきたところへ野田が右フックのカウンターでダウンを奪う。立ち上がった松谷は左の蹴りで野田を止めにかかるが、野田は前蹴りで突き放す。松谷のパンチをかわし、右を打ち込む野田は打つとすぐ離れる。  野田がスピードとステップワークを活かした戦い方をフルラウンドやり抜き、大差の判定勝ちを収めた。 [nextpage] ▼第8試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R○晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定2-0 ※28-27、28-28、28-27×小倉尚也(スクランブル渋谷)  晃貴は昨年はKrushのリングで2連勝を飾っていたが、好調さを持続させながら臨んだ9月のK-1横浜アリーナ大会で金子晃大に敗戦。今回は再起戦となるが、「前回の試合からずっと試合がしたかったので楽しみです」とやる気満々。金子戦を経て、「自分は気持ちで前に攻めないといけないのに気持ちで負けちゃって攻められたので、気持ちで行かないとなと思いました」と改めて戦う上での気持ちの重要さも認識したようで、小倉相手に「1R目はお互いに殴り合って会場を盛り上げて、2R目に自分が仕留めます」とKOによる勝利を予告した。 対する小倉は昨年、第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメントに出場し、優勝候補の呼び声も高かったが、一回戦で内田晶に敗戦。その試合以来、約7カ月ぶりの再起戦を晃貴と戦う。内田戦に関して、「負けるとしたらあのパターンだと思っていたので、自分の実力のなさが出たかなって感じですね」と振り返った小倉。悔しい想いをしたのは晃貴と同じで、「自分がもしKrushのベルトを獲っていたらあそこにいたんだって思うと非常に悔しい想いがありますし、そういう想いもしているんで、今回は試合にぶつけられたらなと思いますね」と、K-1の王座決定トーナメントに出られなかった悔しさをこの試合にぶつける腹積もりだ。 1R、小倉が得意の右ストレートをお見舞い、さらに右カーフ。晃貴は左右フックの3連打、右のオーバーハンドと至近距離でフックを回転させる。足を止めて至近距離でフックを打ち合う両者、回転力で優る晃貴が押していくが小倉は左インローと左右ボディを打つ。小倉は右カーフを蹴って左ジャブで入るが、晃貴がそこへ右フック。ダウンを奪う。左フックの相打ちから、晃貴が左右フックで小倉をグラつかせる。さらに右ストレートで小倉が大きく下がる。それでも小倉は果敢に打ち合う。初回から激しい打ち合いのラウンドとなった。  2Rも激しく打ち合う両者だが、晃貴の方が的確に顔面を捉える。小倉はボディを打って右カーフ。晃貴が左フックをヒットさせた直後に小倉が右フックを打ち終わりに打ち込んでダウンを奪い返す。形勢逆転、小倉が左右フックと右カーフで攻め込み、右クロスでヒットを奪う。晃貴も右フックを返す。何度も右ストレート、左右フックの相打ちが見られた。  3R、晃貴は右ローを蹴りながら右ストレートを狙い、小倉は左ジャブから右フック。さらに小倉は右カーフ。左右フックと右ストレートに固執する晃貴に対し、小倉は上下にパンチを打ち分けて右カーフを蹴る。しかし、晃貴は連打で前へ出て小倉を下がらせる。パンチをフル回転させて連打を繰り出す晃貴に小倉は右ストレートを狙い撃ち。両者足を止めて打ち合うが、晃貴は頭を左右に揺らしてパンチをかわして打ち返す。  最後まで激しく打ち合い、期待以上となった激闘は晃貴が判定3-0で勝利。両者に大きな拍手が沸き起こった。兄貴分の武尊は笑顔で晃貴を称えた。 [nextpage] ▼第7試合 Krushスーパー・ウェルター級 3分3R延長1R×山崎陽一(KIKUCHI GYM)判定0-3 ※28-30×2、27-30○夜叉猿(力道場静岡)  山崎は3年半ぶりの復帰戦。  1R、夜叉猿はジャブから右ストレート、左ロー、飛びヒザ蹴りと前へ出る。山崎は大きな右フックを振るい、右ローを蹴る。ショートの打ち合いから山崎が右ミドル、夜叉猿は左ハイを蹴る。右カーフの蹴り合いから思い切り右ローを蹴る夜叉猿に、山崎は左ボディで対抗。前へ出てパンチを繰り出す夜叉猿に山崎が左でカウンターを奪った。  2Rも前に出るのは夜叉猿。左右フックから飛びヒザ蹴り、山崎も左右フックを返すが夜叉猿がどんどん前へ出て右ロー、左ボディ。山崎も右アッパーを返す。お互いにガードの上からパンチを叩き込み、右ローをしっかり蹴る展開。山崎が左フック、右フックでヒットを奪うが夜叉猿は下がらず前へ出る。夜叉猿の強い右ローに山崎の足が流れる。  3R、夜叉猿が右ローを蹴って左右フック、山崎も負けじと左右フックを打ち返して夜叉猿のバランスを崩す。しかし、夜叉猿の右ロー&右カーフで山崎は転倒。左右フックの応酬も。夜叉猿はフックから右ロー&右カーフへ確実につなぎ、山崎が何度も転倒してついにダウンを奪われる。夜叉猿はパンチから右ローを徹底して繰り返し、山崎も思い切り左フックを放つがローのダメージは深刻だ。最後まで夜叉猿が強い右ローを蹴り続け、判定3-0で山崎を撃破した。 [nextpage] ▼第6試合 Krush女子フライ級 3分3R延長1R×真優(月心会チーム侍)判定0-3 ※29-30×3○鈴木万李弥(志村道場) 鈴木は空手のバックボーンを持ち、2016年にキックボクシングでプロデビュー。MMAのリングにも上がる二刀流ファイターとして活躍する。流血もいとわない激しいファイトを信条とし、付いたキャッチフレーズは“流血のマドンナ”。そのルックスも含めて多くのファンからの人気を集めている。これまでは50kg台中盤から後半で試合を続けてきたが、K-1 JAPAN GROUPでは女子フライ級(-52kg)での参戦となった。  対する真優は昨年1月にKrush女子フライ級王座を壽美と争い、惜しくも敗北。7月にRANを延長判定の大接戦の末に撃破し再起を果たした。前戦は12月のK-1大阪大会で、キック・ムエタイで三冠の実績を持つ☆SAHO☆と対戦。K-1初参戦の☆SAHO☆にダウンを奪われて判定負けを喫するも、闘志溢れるファイトで会場を沸かせた。 1R、鈴木はジャブとワンツーを出して前へ出る。真優は左前蹴り。鈴木はパンチで入り込み、真優のパンチをダッキングで避けようとしたがそこへ真優がバックハンドブロー。鈴木は真優のお株を奪うような顔面前蹴りをヒットさせる。真優が前に出てくると今度は鈴木がバックハンドブローを繰り出す。  2R、平田は蹴りを多用して左右ロー、左右ミドルで鈴木を迎え撃つ。近付いていく鈴木はなかなか距離に入れないが、左右ミドルを使い始める。しかし、両者とも頭から入るため2度のバッティングに。真優が顔面前蹴りからガムシャラな打ち合いに行き、鈴木が潜り込むような動きでフックを打とうとしたところでまたもバッティングに。真優が倒れる。再開後も真優がロートガムシャラなパンチ。鈴木も足を止めて真正面から打ち合う。さらにローの蹴り合い。鈴木はねじ込むような右フックから後ろ廻し蹴りを見せた。  3R、前に出る鈴木が前蹴り、左ボディ、左右フック。真優も前蹴りを返して右ストレートを打ち返す。鈴木が右フックから左ボディ、さらに右フックと左ヒザ。鈴木のパンチが当たり始め、真優は一度下がるがすぐガムシャラにパンチを出して前へ出る。鈴木のワンツー、左フックがヒット、真優の前進を回り込んでパンチを打つ。  判定は3-0で鈴木が勝利。タフファイトの接戦を制した。 [nextpage] ▼第5試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R×宮崎勇樹(FLYSKY GYM/MA日本キックボクシング連盟フェザー級王者)KO 3R 1分54秒 ※左ストレート○石田龍大(POWER OF DREAM)  1R、サウスポーの石田が宮崎の右フックをかわしての左ストレートでダウンを奪う。  2Rは宮崎が前に出て距離を詰めるが、石田は軽快なフットワークでその距離を外す。石田は左ミドルを蹴り、ジャブで距離をとる。宮崎も右ローを返すが、右ストレートを出すと石田がかわしての左ストレートを打ち返す。石田がガードの外側から打ち込む左ストレート、右フックと右アッパーで攻撃をまとめ打ち。  3R、宮崎の右をかわして的確な左ストレートを返す石田。自分からは左ヒザ、左ミドルを蹴る。宮崎が右を出したところで石田の左がアゴにカウンターでヒット、ダウンを追加した。左アッパー、左ストレートの連打で宮崎を追い詰め、最後はワンツーの3連打でダウンを奪い、鮮やかなKO勝ち。  石田はマイクを持つと「やっとKO勝ちすることが出来て嬉しいです。これから期待してください」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 Krush女子ミニマム級 3分3R延長1R×真美(Team ImmortaL)判定0-3 ※27-30、26-30、26-30○美伶(WARRIOR OSAKA) 真美はアマチュアで15戦全勝の戦績を引っ提げて2018年10月にプロデビュー。2021年11月にERIKOを破り、NJKFミネルヴァ・ライトフライ級王座を獲得した。Krushでは2020年6月の初参戦で高梨knuckle美穂に判定負けを喫したが、2021年6月にはケイト・ウィラサクレックを延長戦の末に判定2-1で降した。今回はミネルヴァ王者としての参戦となる。戦績は8勝(2KO)4敗。  美伶は空手をバックボーンに持ち、関西屈指のハードパンチャーとして活躍。極真系の世界大会に出場してベスト8入賞、2018年に開催されたJFKO主催『第1回国際フルコンタクト空手道選手権大会』にも出場している。K-1アマチュア大会で活躍し、第8回K-1アマチュア全日本大会で優勝した実績も持つ。2019年11月に19歳でプロデビュー。2021年3月に同じく空手出身のケイト・ウィラサクレックを判定で破り、3戦目にして12月のK-1で高梨knuckle美穂の相手に抜擢されて判定で敗れるも、延長戦までもつれ込む接戦を演じた。  両者ともパンチ主体のファイトスタイルだが、どんどん前へ出て手数で攻める真美に対し、美伶はステップを多用して動き回りながらカウンターや飛び込みの一発を当てに行くタイプ。  1R、真美の左ローをしっかりスネでカットする美伶は逆に強い左ローを蹴る。真美のパンチをバックステップでかわしてすかさず前へ出てのワンツー。美伶が左フックからの右ストレートで真美がバランスを崩したところで、連打をまとめて左ストレートダウンを奪う。バックステップで真美の攻撃を上手くかわして自分の攻撃へとつなぐ美伶。スイッチも多用する。  2R、右のカウンターを合わせる美伶。真美はプレッシャーをかけて美伶の右に右のカウンターを合わせる。サウスポーの美伶は左の三日月蹴り、ワンツー。真美はカウンター狙いに絞ったか、ガードを高く上げて美伶の攻撃を待つ。残り30秒、真美は前へ出て打ち合いに行くが美伶のパンチの回転力が上回る。  3R、ワンツーで入り込む真美に美伶は右ハイキック。美伶の強烈な右カーフが何度も決まり、真美はもらう度にバランスを崩す。距離を保ちながら右カーフを上手く蹴る美伶。真美は右ストレートで入っていくが美伶がしっかり攻撃を返して離れる。美伶は貰いっぱなしにならずに必ず攻撃を返してヒットを奪い、大差の判定勝ちを収めた。 [nextpage] ▼第3試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R○立基(K-1ジム目黒TEAM TIGER)判定3-0 ※30-28×3×秀樹(レンジャージム) 立基は2020年9月から3連勝するも前戦の2021年9月に宮崎勇樹に判定負け。戦績は3勝2敗。秀樹は2020年7月に知良に判定勝ちした後は玖村修平、稲垣澪と強敵との対戦が続き2連続KO負け。戦績は3勝(2KO)5敗。  1R、サウスポーの秀樹に対して身長で上回る立基は右ミドル、左カーフ。秀樹は潜り込むように入り込もうとするが立基が蹴りで止める。  2Rも自分のロングの距離を保って右ミドルを蹴る立基。秀樹は右フックから入って左右フックの連打につなげるが、立基はすぐに離れて右ミドルと左カーフ。前足外側へ回り込むのは秀樹で、立基は右回りを強いられる。立基は左フックを打って逆回りへ。秀樹が左ボディを打ったところで立基の頭が当たりバッティングで試合は中断。再開後、秀樹が入り込んで立基も右のパンチで打ち合いに応じた。  3Rも入りたい秀樹と入らせない立基の展開。秀樹の左フックに立基は右ストレート、右ヒザで対抗。秀樹のパンチに右ヒザを合わせ、最後には右ストレートで吹っ飛ばしての右ヒザ。秀樹のパンチを蹴りで封じ込む形で立基が判定勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 Krush女子アトム級 3分3R延長1R○MOE(若獅子会館)延長R 判定3-0 ※10-9×3×森川侑凜(GRES 8Mile GYM)※本戦の判定は30-28、29-30、29-29。  MOEは第19回K-1チャレンジ女子Bクラス -45kg優勝。現役JKファイターとして2018年12月にKrush初参戦。2020年の「第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメント」では準決勝でチャン・リーを破って決勝へ進出するも、菅原美優に敗れた。2021年5月のK-1で優にも敗れて連敗中。戦績は3勝5敗。  森川は2020年9月5日の『KHAOS.11』にて、優勝者は「夢」を叶えることができるご褒美付きのワンデートーナメント「DREAM KHAOS」で優勝し、「一日ラウンドガールをやりたい」という夢を叶えて9月大会では颯爽とラウンドガールを務めた。しかし、その後はNOZOMIに判定負け、Kihoと引き分けと足踏み状態。2021年8月には加藤りこに判定勝ちも、10月の松谷綺戦では判定負け。戦績を3勝3敗2分とした。  長い手足を活かした蹴りとワンツーを得意とするMOE。一方の森川は打たれても突進してノークリンチで手数を出すファイタータイプ。前回の優戦では最後にパワー負けして押し込まれたMOEが、森川の突進をどう捌くことができるかが見どころだ。  1R、いつものようにぐいぐいと前へ出る森川に、MOEはステップを使って回り込む。森川の右ストレート強打がヒットするが、MOEも細かくパンチを返して前蹴りで押し戻す。  2R、森川が前へ来るところへ前蹴り、ワンツーを繰り出すMOE。森川はコーナーへ詰めて左フック。MOEはジャブと右ロー連打で森川を止めにかかるが、森川は構わず右フック、右ストレートをヒットさせていく。蹴りを当てるMOEだが森川のフックを何度ももらう。再びステップを使うMOEが森川の突進をかわして右ロー、左ミドルを蹴る。  3Rも変らず前進していき右ストレート、MOEにロープを背負わせての左右ボディ。これまでよりも距離を詰めてパンチを繰り出す森川にMOEは蹴りが出なくなる。コーナーへ詰めての森川の連打、MOEも一度離れて左ボディを打つ。その後も左ボディを狙い撃ちにし、前蹴りで突き放すMOE。森川はコーナーへ詰めて左右フック。しかし、打ち返すMOEのパンチが顔面を何度も捉える。森川は空振りが目立ち、MOEがヒットを奪った。  本戦の判定は三者三様のドロー。延長戦へ突入する。MOEは回り込んでの左ボディ、低い位置にパンチを出してくる森川へワンツーを打つ。森川も右ミドルを蹴ってのワンツー、MOEは距離をとってワンツー。森川の右ストレートをもらうもMOEは細かく連打を返す。ガムシャラに前に出て手を出す森川へMOEは顔面前蹴り、ヒザ蹴り。終了直前、顔面前蹴りで森川を仰け反らせ、ヒット数で上回ったMOEがタフファイトを制した。MOEは思わず涙した。 [nextpage] ▼第1試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R○藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)KO 2R 0分46秒 ※右フック×豊田優輝(B.W) 藤田は2018年11月にKrushでプロデビューし、4勝(1KO)4敗の戦績。2021年2月に大石和希にKO勝ちも前戦は11月に池田幸司にKO負け。豊田はK-1カレッジ2019 -60kg優勝の実績を持ち、戦績は2勝4敗1分。2021年5月に大石和希に判定勝ちも9月には松谷桐に判定負けを喫している。  1R、サウスポーの豊田はジャブを打ちながら左ミドル、そして飛び込むと同時の左ストレート。藤田は左前に出ながら右ローと右ミドルを蹴っていくが、豊田は左を伸ばしてくる。藤田は豊田の左フックを空振りさせての左フックでダウンを奪い、終盤にも左フックで仰け反らせ、コーナーへ追い詰めてのラッシュでスタンディングダウンを追加。  2Rも前に出る藤田は右の三日月蹴りから左右フック、左ボディのラッシュからの右ストレートダウンを追加。最後は右フックの強打で藤田をダウンさせ、豪快なKO勝ち。  藤田はマイクを持つと「今回やってきたことが試合で出せてよかったです。ベルトに絡めるような試合をお願いします」とタイトルマッチをアピールした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R△北村夏輝(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)ドロー 判定1-0 ※30-29、30-30×2△宮川太陽(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  1R開始と同時に宮川がガードを固めて前へ出ていく。コーナーへ詰める宮川。右フックを狙い撃ちにして連発する。  2R、ガードを固めて前に出てローを蹴る宮川に、北村はショートの右アッパー、右フック。それでも前へ出てくる宮川に北村は下がりながらもヒザで迎え撃つ。  3Rもおいかける宮川に北村はヒザとショートアッパー。ワンツーからヒザを突き刺す北村。ひたすら前に出て手数を出す宮川に、下がりながらもヒザやローをしっかり当てて対抗する北村。  判定はジャッジ1名が北村を指示したが、両者決め手なくドローとなった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushフェザー級 3分3R○小松貴哉(K-1ジム五反田チームキングス)判定3-0 ※30-29×3×啓斗(team ALL-WIN)  1R、小松は距離を保ってジャブ&ロー、啓斗も左インローを蹴っていく。左ミドルも蹴る小松が飛び二段蹴り、後ろ蹴り、カーフキックも繰り出す。啓斗も決定打を許さず探り合いのラウンドに。  2Rも小松はジャブ&ローで右ローと左インローを強く蹴る。時折右ハイ&右ミドルも。啓斗も左インローを蹴っていくが、小松のジャブ&ローに手数があまり出せない。  3R、蹴りを中心に組み立てる小松がジャブから右ミドル、啓斗は左ボディを打つが単発。最後までペースを握り続けた小松がは判定勝ちした。
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