シャドーで何度も見せたミルコ直伝の左ハイキック。石井は「布石かもしれないし、そうじゃないかもしれない」とニヤリ
2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~K'FESTA.5』にて行われる「無差別級トーナメント」。
トーナメント1回戦で実方宏介(真樹ジムAICHI)と対戦する石井慧(クロアチア/チーム・クロコップ)が、3月25日(金)都内にて公開練習を行った。
隔離期間を考慮して1週間以上前に帰国、今日から隔離空けとなった石井はマススパーリングとミット打ちを披露した。
K-1に参戦して2戦を経験し、「人を倒すためにはこうしないといけない、細かい精度を上げていく練習が必要だと思いましたね。凄くいい経験になりました」と石井。自信はついたかと聞かれると「自分ではいつもと変わらないですね」とした。
今回の8人制ワンデートーナメントに向けては「パートナー2人とトーナメント形式で、休憩を挟んでのスパーを試合に近い形でやってきました」とトーナメントをイメージしてのスパーリングを積んできたという。
公開練習ではマススパー、ミット打ちともにディフェンスを重視した形でカウンターを狙う動きを見せた。これは本番を想定した動きなのかと問われると「それは試合の時に分かります。布石かもしれないし、違うかもしれない」とニヤリ。
シャドーで度々繰り出した左ハイキックはミルコ・クロコップ直伝のものかと聞かれても「それも布石かもしれないし、やらないかもしれない。地味に何でも出来るので布石かもしれないですよ」と煙に巻いた。
1回戦で対戦する実方はスーパーヘビー級で、石井はこれまでクルーザー級で試合を行ってきた。その体格差については「特にないです。あまり気にしてないです。体重は関係ない。体格は生活習慣だから。(実方は)乱れているかもしれないですね(笑)」とした。実方のスタイルについては「ムエタイベースで若手で器用、みたいな。自分ではスピードがあると言っているって感じですかね。ムエタイ選手とやったことがないので、総合ではいないですからね。K-1もまだ3試合目なのでやってみないと分からないです」と評して、ムエタイスタイルには未知の部分があるとする。
準決勝、決勝では誰が来るかということも「あまり意識はしてないですね。誰が来るとか。自分のやることは変わらないので、誰が来るかと考えるといたちごっこみたいで答えは出ないです」と、考えてはいないという。決勝での対戦を臨んだ京太郎について聞かれると「真の日本の格闘家ですよね。未払いを経験したことのある真の日本の格闘家同士。それを経験しないと日本の格闘家じゃないですからね(笑)」と笑った。
自分が勝ち上がるイメージはどのようにしているかと聞かれると「もちろん自分が優勝する気持ちで行きます。気持ちで負けない。その気持ちが伝わる試合がしたい。あまり次(準決勝・決勝)のことは考えていないので」と言い、それは柔道のトーナメントに出ていた時と同じ気持ちなのかと問われると「小さい時から対人競技をやってきた経験があるので、その経験が助けてくれると思っています」と、幼少期からの経験がトーナメントで生きるだろうとした。
では、トーナメントで勝ち抜くためには気力・体力・時の運と様々な要素があるが、何が一番必要だと思うかとの質問には「体力。タフな自分で全部判定で勝つつもりで行くので、1Rで決められなかったら体力を温存するとかは考えてないですね」と答え、3試合全て判定で勝ち抜く体力は「あると思います」ときっぱり。
ただし「判定は狙わない。倒せるに越したことはない。全部判定になっても大丈夫な体力はつけているという意味です」と、最初から判定勝ち狙いで戦うわけではないとした。
無差別級トーナメントが開催されることについては「盛り上がっているのは純粋に嬉しいです。でも自分が盛り上げようとしたのではなくて、2試合の勝ちがトーナメントにつながったと思う。自分が一生懸命やっていると全体的な盛り上がりにつながると思うので、まずは集中して、さらに重量級が盛り上がればいい」と、一生懸命やることが結果として盛り上がりにつながるとする。
トーナメントに際してミルコからは「トーナメントは運もいるし、ちゃんと考えてやれ、と言っていました」とのアドバイスをもらったが、「一番言っていたのは『お前が優勝できなかったら優勝したヤツを俺が倒す』と言っていました(笑)」と、敵討ちをすると言われたと笑う。
自分が優勝したら「京太郎選手とのスーパーファイトでワンマッチでやれたらとか、外国人とやれたらと思っていますね」と、その後もK-1で戦っていくつもり。
それは立ち技の面白さを知ったからかと聞かれると「奥深いですね。総合格闘家は総合の方がやることが多いので難しいとか、いろいろなことをやらないといけないと言っていますが、キックボクシングという限られた状態で戦う、限られたルールの中でやるのでさらに卓越した技術、奥深い技術が必要です。ボクシングはさらに手しか使えないし、歴史も古いし、ボクシングならではの練習メニューもあるので逆に奥が深いと僕は思いましたね。昔は細かいところは気にしなかったんですが、昔は16オンスのグローブでやっていたんですが10オンスのグローブでミット打ったり、バンデージも昔は適当に巻いていたんですけれど、そういう小さいことも変えていっています」と、使える技が限定されているからこそ奥深い技術があることに気付いたと語った。