(C)RIZIN FF
ストラッサー起一(総合格闘技道場コブラ会)こと国本起一のBellator初陣が7月12日、米国オクラホマ州タッカービルの「ウィンスター・ワールドカジノ&リゾート」で開催される「Bellator224」に決定。元全米レスリングチャンピオンのエド・ルースと対戦することが6日、発表された。
HEATウェルター級王者から2014年1月にUFC入りしたストラッサーはオクタゴンで3連勝するなど、3勝2敗と勝ち越した状態で、2017年年末からRIZINに参戦。75キロ契約で北岡悟に判定勝ちすると、2018年8月にはDEEPウェルター級王者の住村竜市朗に肩固めで1R一本勝ちし、2連勝を飾っていた。
しかし、RIZINのウェルター級では対戦相手に恵まれず試合機会が少なかったことから、再び世界にチャレンジ。多くの日本人選手がONE Championshipなどアジアに目が向くなか、北米を目指したストラッサーは、6月15日の「Bellator 222 NYC」に出場する堀口恭司、RENAに続いて、7月12日にサークルケージに登場する。
ストラッサーのBellatorデビュー戦の相手は、いきなり強豪が用意された。
対戦相手のエド・ルースはペンシルバニア州立大学レスリング部出身。1924年のパリ五輪で日本レスリング史上初の五輪メダリスト(銅メダル)となった内藤克俊が主将を務めたこともある名門ペンステート時代に、ルースは2012年から2014年にかけて、3度もNCAAディビジョン1で優勝している、フォークスタイルレスリングの猛者だ。
2014年の世界選手権と2015年のワールドカップで米国代表として活躍後、2015年5月にBellator MMAと契約。2016年11月に1R TKO勝ちでデビューを果たすと、怒涛のBellator6連勝。その戦績には元UFCのクリス・デンプシーを2R KO、MMA9連勝中だったアンディ・ムラッドを2R TKOという白星も含まれている。
シングルレッグ、ダブルレッグテイクダウンはもちろんのこと、小外、小内刈などの足技、がぶりからのバックテイク、リストコントロールからのパウンドと組んでのドミネート力が凄まじく、さらにデンプシーをKOした打ち下ろしの右ストレートも脅威だ。
唯一の敗戦は前戦2018年12月のBellatorウェルター級トーナメント一回戦でのネイマン・グレイシー戦。互いに無敗同士の対戦でルースは、ネイマンの腕十字、三角絞めにも対応し、左ジャブの刺し合いでもリードしたが、4Rにネイマンの右を振ってからのダブルレッグで下になり、パスガードされリアネイキドチョークで一本負けを喫している。
それでも、デンプシー戦で見せたように1戦ごとにオールラウンダーとなっているルースを相手にストラッサーはいかに戦うか。特にボクシング技術の成長に手ごたえを感じているというストラッサーだが、強いテイクダウンプレッシャーを持つルースを相手に、北岡戦でも見せたジャブ、右ストレートで制空圏を握ることができるか。さらにUFCでも通用した強い組み力をMMAのなかで発揮したい。
圧倒的なレスリング力を誇るルースだが、ネイマンにダブルレッグテイクダウンを許し、足関節やマウントで背中を向けるなど、際の部分に隙を残している。ピュアレスリングとは異なるMMAで6勝1敗のルースに対し、20勝7敗2分1NCの戦績を持つストラッサーは自身のキャリアの集大成として、北米サークルケージに挑む。
世界王者ローリー・マクドナルドを筆頭に、元王者のドゥグラス・リマ、“MVP”マイケル・ペイジ、UFCから移籍組のポール・デイリー、ジョン・フィッチ、ロレンツ・ラーキン、21勝無敗のヤロスラフ・アマソフ、アンドレイ・コレシュコフなど強豪揃いのBellatoroウェルター級戦線だが、ルースに勝てば、上位陣との対戦も見えてくる。
決戦の地はレスリングが盛んなオクラホマ。完全アウェーでのBellatorデビュー戦に向け、ストラッサー起一から届いたコメントは以下の通りだ。
◆ストラッサー起一「Bellatorで実績を残してる選手なのでやり甲斐がある」
「Bellator初戦はもともと違う大会で言われていたんですが、最終的に米国のオクラハマ大会になりました。どの大会であれ、初戦をしっかり勝つことに変わりはないです。対戦相手のエド・ルースはレスリングの実績があるだけでなく、打撃にも自信がある印象です。それに、Bellatorで実績を残してる選手なのでやり甲斐があります。自分から動いて展開を作って、もちろん完全決着で試合を終わらせます!」