2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~K'FESTA.5』の第17試合で対戦する、安保瑠輝也(CLUB es/team ALL-WIN)とプライチュンポン・ソー.シーソムポン(タイ/GTジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。2021年7月大会からウェルター級に階級を上げ、幸輝を1Rわずか53秒でKOすると、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。12月には海斗を1RでKOして再起。戦績は23勝(13KO)5敗。
プライチュンポンは『MAX MUAYTHAI』や中国で試合をしていた重量級ムエタイ戦士で、2019年11月の『KNOCK OUT』に初来日。日本ミドル級トップクラスの元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者T-98に勝利を収めた。その後は2019年12月の『BOM』でガオナー・PKセンチャイムエタイジムとのタイ人対決では判定負けを喫している。2021年3月にはK-1に参戦し、野杁正明と対戦するも判定負け。今年1月の『NO KICK NO LIFE』ではヒジありルールで緑川創に判定負けしている。戦績は61勝(21KO)38敗2分。
安保瑠輝也「野杁選手が倒せなかった相手だからプライチュンポン戦を受けた」
――2022年の最初の試合が「K'FESTA.5」で決まりました。この試合のオファーを受けた時の心境を聞かせてください。
「今回この試合が決まったんですけど、最初は違う相手とやってくれという打診があって、その相手とやる意味が見つからなくて、お断りさせてもらいました。その中でプライチュンポン選手という提案があって、野杁選手がKOで倒せなかった相手、その選手を俺がKOで倒すことによって、打倒・野杁正明に向けて一歩近づけると思ったので、この試合を引き受けさせてもらいました」
――対戦相手のプライチュンポンにはどんな印象を持っていますか?
「日本でも沢山試合をされていて、勝ったり負けたりですけど、上手い選手だと思います。100戦近く戦っていますからね」
――野杁選手と戦った試合を見た感想はいかがでしょうか?
「そうですね。一つ言いたいのは、あの試合を見て、クリンチや首相撲が多かったなと。K-1はパンチと蹴りでアグレッシブな攻めでKOを狙う舞台なので、そのルールにあった試合をしてほしいですね。K-1ルールに基づいて戦って、別に俺は殴り倒されてもいいと思ってやっているので、そういうK-1ルールのもと、楽しい盛り上がる試合をしようと伝えたいです」
――安保選手の言葉にもあったように野杁選手がKOできなかった相手と戦うということで、比較という意味合いが大きいと思います。どんな内容・結果にしたいですか?
「最初に話した通り、この試合を引き受けた理由は、相手のプライチュンポン選手は野杁選手相手に判定まで行ったということが大きいです。ここで俺がきっちりKOで倒す自信もありますし、倒せると思っています。プライチュンポン選手を倒すことで(野杁正明に)挑戦状を叩きつけたいなと思っています」
――昨年9月のウェルター級王座決定トーナメント後に「野杁選手との差は経験の差」という言葉もありました。安保選手はトーナメントが終わって2戦目ですが、差は縮まっているという手応えはありますか?
「試合が終わって時間が経って、相手の方が優れている部分もあるし、自分の方が優れている部分もあります。日々の練習で試行錯誤しながら、その差を埋めていく練習は積めていると思います。ウェルターでの経験の差だけではないですが、それ以上にトレーニングを積んで勝っている部分はあるので、対戦が決まったら自信のある安保瑠輝也でしっかり倒したいと思っています」
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プライチュンポン「安保とはお互いの技術をぶつけ合う展開になると思う」
――昨年3月以来のK-1参戦となります。前回の試合(野杁正明に判定負け)を振り返ってもらえますか?
「前回は初めてK-1ルールの試合で凄く緊張してしまい、全然リラックスした状態で試合ができず、全力を出し切ることができなかったと思う」
――100%の自分ではなかった、と。
「K-1ファイターはいい選手も多いし、自分の中では普段の70%ぐらいしか力を発揮できなかったよ(苦笑)」
――野杁選手はのちにウェルター級王座決定トーナメント優勝してチャンピオンになりますが、どんなところに強さを感じましたか?
「野杁はとても強くていい選手だった。特にボディブローがうまく、防戦一方になってしまった。今まで100戦以上やってきたけど、野杁が一番強かった。ただし、野杁のように強い選手と対戦することは好きだし、いい経験にもなる。野杁と戦ったことで自分も成長していけると思ったよ」――K-1ルールはムエタイルールで許されているヒジ打ちや組んでからのヒザ蹴りが禁止です。やりにくさはなかったですか?
「自分は小さい頃からムエタイをやってきて、ムエタイの戦い=ヒジ打ち・組んでからのヒザ蹴りも得意だが、K-1ルールではそれが禁止されている。K-1とムエタイは別競技というぐらい違うものだが、そのなかでも共通している部分がある。だからそこを上手く考えなら、K-1用のファイトスタイルを確立させたい」
――2度目のK-1参戦に向けて、どこに力を入れて練習していますか?
「前回は蹴りだけしかできなかったが、今回はパンチを強化してきた。野杁戦のときはK-1ルールというものを理解できていなかったし、どういうスタイルで戦って、どういう技を出せばポイントにつながるのかも理解していなかった。それが敗因だったと思うし、今はK-1ルールでどんな技が有効かもしっかり分析できている」
――対戦相手の安保選手にはどんな印象を持っていますか?
「さっきも話した通り、私は強い相手と戦うことが好きだから、安保は戦いたかった相手の一人だったし、試合が決まってうれしいよ。おそらく試合はお互いの技術をぶつけ合うものになると思うが、どちらが勝つにしても面白い試合になると思います」
――安保選手のトリッキーな技はどう分析していますか?
「彼の空手仕込みの蹴り技は非常に危険で、あれをもらったらKOされる危険性がある。そこには注意しながら戦いたい」
――また安保選手は「野杁選手がKOできなかったプライチュンポン選手をKOして、野杁選手に挑戦状を叩きつける」とコメントしています。
「その答えはリングの上でお見せしよう。選手はみんな勝ちを目指して戦うし、そのうえでどちらかが勝ってどちらかが負けるものだ。安保は背も高くてスピードもあるからKOするのは難しいと思うが、全力で戦ってチャンスがあればKOで勝ちたい」
――逆に自分が安保選手を倒して、野杁選手の持つベルトに挑戦したいという気持ちはありますか?
「ファイターはみんなベルトを目指して戦っていると思うし、それは自分も同じだ。もしまた野杁と戦うことになって、100%勝てるかどうかは分からないが、前回よりも良い試合をする自信はあるよ」
――それでは最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。
「K-1ルールは2回目だし、リングに上がれば緊張もなくなると思う。ただし今回は相手が安保選手で、彼もすごく強い対戦相手だから、しっかり作戦を練ってリングに立ちたいと思う」