2022年3月19日(日本時間20日)、英国ロンドンのO2アリーナにて「UFC Fight Night: Volkov vs. Aspinal」が開催された。
新型コロナウイルスのパンデミック以降、欧州でのUFC開催は、2019年9月のデンマーク大会以来。ロンドンでの開催は2019年3月以来、3年ぶり。
待ちに待ったロンドン大会は、プレリムの第1試合から観客が埋まり、主催者発表で1万7081人。ゲート収入は同会場史上最高額となったという。
試合も、平良達郎が参戦するフライ級で、第1試合のダゲスタン系英国人のムハンマド・モカエフが、ギロチンチョークでUFCデビュー戦を58秒一本勝ちで7勝無敗をマークするなど、序盤から大爆発。
UFC史上最多となる9人の「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」が生まれ、トム・アスピナル、アーノルド・アレン、パディ・ピンブレット、モリー・マッカン、イリア・トプリア、マクワン・アミルカーニ、セルゲイ・パブロビッチ、ポール・クレイグ、ムハマド・モカエフの9人が5万ドルを獲得した。
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メインイベントでは、英国大会出場が危ぶまれていたロシアのアレクサンドル・ヴォルコフと、地元・英国のトム・アスピナルが対戦した。
ヘビー級(5分5R)で、ヴォルコフは6位、アスピナルは11位。
サンボでヒョードルに勝利したブラゴイ・イワノフをBellator時代にリアネイキドチョークで極めている元Bellator王者のヴォルコフ。極真空手出身の33歳で、201cmの長身から高くて長い蹴りを武器とする。
UFCではステファン・ストルーフ、ファブリシオ・ヴェウドゥム、アリスター・オーフレイムらをKOしており8勝3敗。
戦時下にある母国から出場するヴォルコフは試合前に「どんなに辛い状況に身を置かれていても、プロフェッショナルでいなくてはならない。僕はそうであった。練習し、来るべき試合に備えていた。そしてファンのために、UFCのためにしっかりと試合をする。それがプロだ。たとえこんな情勢でも」とコメントしており、気持ちを作れているか。
対する英国のアスピナルは初メイン。ポーランド系英国人の家庭に生まれ、チーム・カオボンの柔術インストラクターである父から学んだ柔術で黒帯。レスリング・ムエタイ・ボクシングなどを学び、22歳から元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者。現WBC世界ヘビー級王者のタイソン・フューリーのスパーリングパートナーを務めた。
Cage Warriorsでの連勝から、2020年7月にUFCデビューし4連勝。全試合フィニッシュ勝利している28歳。今回が初の上位ランカーとの対戦となる。
▼ヘビー級 5分5R〇トム・アスピナル(英国)12勝2敗(UFC5勝0敗)252lbs/114.31kg[1R 3分45秒 ストレートアームバー]×アレクサンドル・ヴォルコフ(ロシア)34勝10敗(UFC8勝4敗)253lbs/114.76kg
1R、ともにオーソドックス構え。ワンツーで右を打ち込むアスピナル! ヴォルコフは長い左の蹴りで距離を取り、右を突こうとするがアスピナルはボディロックテイクダウン! ハーフガードのアスピナルにヒジを打ち込む。さらに鉄槌。
左で差してきたヴォルコフにキムラグリップを組もうとするアスピナル。ヴォルコフは腕を外して金網背に立ち上がる。
早い左ジャブのダブルから右を突くアスピナル。ヴォルコフは左ハイもそれをスウェイでかわしたアスピナル。続く右ストレートを潜ったかわしたアスピナルはそのままダブルレッグテイクダウン! ヴォルコフはハーフガードだったが、心が折れたか、足を効かせることなくストレートアームバーにタップした。
試合後、アスピナルは地元の観衆に「みんな聞いてくれ、俺はこのために生まれてきたんだ。(最強の相手を瞬殺した秘訣は?)自分、父、チームメイトみんなを信じてきたことさ。みんな俺にビールをおごってくれるよな?」と語りかけると大歓声。
「ビールを飲むのはUKが最高、オーストラリアじゃなくってね、さあタイ・トゥイバサ、UKでやろうじゃないか!」とヘビー級3位のトウィバサの名前を挙げた。
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【コ・メインイベント】
▼フェザー級 5分3R〇アーノルド・アレン(英国)19勝1敗(UFC10勝0敗)146lbs/66.22kg[1R 2分33秒 TKO]×ダン・フッカー(ニュージーランド)21勝13敗(UFC11勝9敗)145lbs/65.77kg
フェザー級7位のアレンと、ラライト級の8位のフッカー。
地元英国のアレンはUFCデビュー以来8連勝中。2018年に現Bellatorのマッズ・バーネルにニンジャチョークで逆転勝ちもしている。MMA10連勝・UFC8連勝中で、2021年4月の前戦ではソディック・ユーサフに判定勝ち。
対するフッカーはライト級からフェザー級に戻して戦う。日沖発にも勝利しているフッカーは、ダスティン・ポイエー、マイケル・チャンドラー、イスラム・マカチェフといった強豪に敗れて王座戦線から後退。2021年9月のハスラト・ハクパラスト戦以来の白星を掴むことができるか。
1R、先に詰めるのはフッカー。オーソドックス構えから左ジャブ、右ストレート、左フック、さらに前蹴りのフッカー。ステップを踏むアレンは右ローを蹴る。
さらにサウスポーから左オーバーハンドを当てたアレン! ワンツーの左をヒットさせ、左ミドルも当てて前進! しかしフッカーもオーソから右を返すと、一瞬、アレンの腰が落ちるが、すぐに左右フックで反撃。再び左の攻撃で金網に詰めると、左ミドルハイ、さらに左ストレート、ガードを固めるフッカーに左ヒジを3連打! レフェリーが間に入った。
オクタゴン9連勝となったアレンは試合後、カルビン・ケイター=トップ5の名前を挙げた。
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【メインカード】
▼ライト級 5分3R〇パディ・ピンブレット(英国)18勝3敗(UFC2勝0敗)155lbs/70.31kg[1R 3分49秒 リアネイキドチョーク]×ホドリゴ・カズラ・バーガス(メキシコ)12勝5敗(UFC1勝3敗)155lbs/70.31kg)
英国のピンブレットは、Cage Warriorsで2連勝後、2021年9月のUFCデビュー戦。いきなりメインカードに抜擢され、ルイジ・ヴェンドラミニに1R KO勝ちしている。
3月15日には、かつてSNSでジョージア人を揶揄したことからホテルでイリア・トプリアと乱闘騒ぎを起こすなどトラッシュトークで有名だが、Cage Warriors時代には、現在Bellator2連勝中のソーレン・バックに判定負け。現UFCのナッド・ナリマニにも判定負けとムラがあるファイターだ。
メキシコのバーガスは、2019年8月に欠場選手の代役でオクタゴンデビューもアレックス・ダ・シルバに判定負け。2戦目も反則のヒザ蹴りで敗れ、3戦目でUFCデビュー戦のロン・チュー(中国)に判定勝ち。今回はショートノーティスだったことからライト級戦となる。
バグパイプの音色から跳びはねて入場したピンブレット。観客の大合唱に迎えられてケージイン。
1R、オーソドックス構えのピンブレットに対し、サウスポー構えのバーガス。ピンブレットは左の関節蹴りで牽制。さらに右インロー。しかしバーガスはワンツーからの右のダブルで前進すると右をヒット! ピンブレットのシングルレッグ狙いを切って鉄槌! ガードに入れるピンブレットはスパイダーガードから左でオーバーフック。金網で上体を立てようとするが、バーガスに寝かされる。
金網に押し込まれハーフガードになるピンブレットが足を戻し、金網使い立つと、地元の観客から大歓声。
左で差して頭をアゴ下につけて左足をかけて引き出そうとするバーガス。右で小手に巻くピンブレットは金網背に片足でバランスを取り着地。小手巻き&払い腰でテイクダウンを奪うとすぐにバックテイク。4の字ロックで胴を巻き、左腕を喉元に差し込み、パームトゥパームでリアネイキドチョークを極めた。
金髪のマッシュルームカットを揺らせてオクタゴンを乗り越え、ダナ・ホワイトに抱き着いてから、Next Generation MMAリバプールの同門でこの日勝利したモリー・マッキャンとともにケージ上でガッツポーズ。
試合後、マイケル・ビスピンのインタビューで27歳のピンブレットは、大歓声のなか、「僕は絶対に退屈な試合はしない。この02アリーナを見て、小さすぎるよ。スタジアムを作ってくれ。アンフィールドに行けば満員にしてやる」と豪語した。
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日本人として稀有なウェルター級で、世界最高峰の舞台で戦ってきた佐藤だが、UFC4戦目の契約最終試合となる2020年11月のミゲール・バエザ戦で2R 一本負けで2勝2敗に。2022年1月に契約更新が決まり、今回ブラジルのクラウディオ・シウバの負傷欠場により、約2週間前の緊急オファーを受けてグンナー・ネルソンと対戦する。
ネルソンは、沖縄剛柔流空手とヘンゾ・グレイシーの黒帯である柔術を武器に、プロMMA10戦負け無しで2012年9月のダマルケス・ジョンソン戦でUFCデビュー。以降、オクタゴンでも4連勝。その後、2014年10月にリック・ストーリーにスプリット判定負け後、2015年12月にデミアン・マイアに判定負け、2017年7月にサンチアゴ・ポンジニッビオに敗れるも、ブランドン・ザッチ、アルバート・トゥメノフ、アラン・ジョウバン、2018年12月にアレックス・オリベイラに一本勝ちするなど4勝3敗。
しかし、2019年3月にレオン・エドワーズにスプリット判定負け、2019年9月にギルバート・バーンズに判定負けと、強豪相手に2連敗中。今回が2年6カ月ぶりの復帰戦となる。
▼ウェルター級 5分3R〇グンナー・ネルソン(アイスランド)18勝5敗(UFC9勝5敗)171lbs/77.56kg[判定3-0] ※30-26×3×佐藤 天(日本)16勝5敗(UFC2勝3敗)170lbs/77.11kg
佐藤のコーナーにはONE参戦中のアウンラ・ンサンがつく。
1R、2年6カ月ぶりの復帰戦のネルソン相手に先に勢いよく中央に飛び出たサウスポー構えの佐藤。左インローから突く。さらに左ミドルも。ブロッキングのネルソンも右ミドルハイ。最初の組みを切る佐藤。ネルソンに欧州の観客は歓声。
詰める佐藤に右ミドルで押し返すネルソン。首を掴みにいくが、ここも2度、佐藤は切る。右ジャブを刺す佐藤。左ストレートを掴んでダーティーボクシングはネルソン。右アッパーを突くが、すぐに突き放す佐藤。
左手を首後ろに組もうとするネルソンを放す佐藤だが、ネルソンはこの試合初めてのダブルレッグからボディロックテイクダウン! 背中を見せて立とうとする佐藤のバックにすぐについてワンフックから4の字ロックで背後からパンチ! 左腕を首下に、右手で頭をガードして凌ぐ佐藤。30秒ほどを凌ぐ。
「何も変えなくていい。シングルレッグからボディロックテイクダウンだ」というネルソンのコーナーマン。
2Rも間合いを保つネルソン。右ミドルハイは佐藤がブロック。右を振っての組みは1R同様に切る佐藤。右で差して組もうとするネルソンに、上部での組みは切る。右ストレートを突くネルソン! 佐藤は左インロー! ネルソンは右を突き前へ。ここもさばく佐藤だが、続くダブルレッグテイクダウンに佐藤は下に。そのままサイドを奪うネルソンは左で脇を差すと、エビで金網まで行き、亀から立とうとする佐藤。
その際で右足をかけるネルソンは、アゴを掴みながら巧みに4の字ロックを組み、左足を巻いて右側でロック。左手を掴んで腰をずらして正対を試みる佐藤だが、そのままブザー。右目下を腫らす佐藤にとっては、初回同様に厳しいラウンド後半となった。
3R、四つに組んで突き放した佐藤。鼻血のネルソン。右ジャブを突く佐藤。ネルソンは低めダブルレッグでテイクダウンを奪うと、背中を見せて立とうとする佐藤のバックにつきすぐに4の字ロック! 背後から左手首をコントロールしながら右手でパウンドする。さらに左腕を喉元に巻いて絞めようとするが、その都度佐藤は凌ぐ。ネルソンの4の字ロックの中のまま佐藤はブザーを聞いた。
判定は3-0(30-26×3)でネルソンが完勝。「タカシはディフェンンスがタイトだった。スクランブルしてくれば極められたけど。またここに立てて嬉しいよ」と語った。
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▼女子フライ級 5分3R〇モリー・マッキャン(英国)12勝4敗(UFC6勝3敗)125lbs/56.70kg[3R 1分52秒 KO]×ルアナ・カロリーナ(ブラジル)8勝3敗(UFC3勝2敗)126lbs/57.15kg
パディ・ピンブレットと同じNext Generation MMAリバプールのマッキャン。1Rはパンチラッシュ、2Rにはテイクダウンも奪い、担いでの水車落としと攻勢に。最終Rは、サウスポー構えのカロリーナの首相撲ヒザにマッキャンが苦しみながらも離れて左をヒット。
「来い」というカロリーナの左の蹴り足を掴んで放して右のバックヒジ! アゴにもらったカロリーナがヒザから崩れ落ちて失神KO。
生まれてすぐに父親が失踪し、母は薬物中毒という状態で叔母に育てられ、ラウジーvs.カムーシュ戦があった翌日にMMAを始めたというマッキャンは、地元での衝撃的なKO劇に「私たちは毎日、この技を練習しているのよ。私は一晩中パンチを繰り出す準備はできている。ルアナ・キャロライナに感謝している。とても幸せ」と語った。
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▼ライト級 5分3R〇イリア・トプリア(ジョージア)12勝0敗(UFC4勝0敗)156lbs/70.76kg[2R 1分07秒 KO] ※右フック×ジャイ・ハーバート(英国)11勝4敗(UFC1勝3敗)155lbs/70.31kg
1Rに、185cmと長身のハーバートの右のテンカオにマウスピースを吐き出したトプリア、さらに右ストレートを浴びる。
2R、左を上下に突いて圧力をかけるトプリアに対し、ハーバートは長い右、さらに右アッパーで迎撃。しかし、トプリアはハーバートの左の蹴りに右オーバーハンド。被弾しながらも前に出るトプリア。
ハーバートの左ジャブを右にかわして左から右フック、さらに対角の左ボディを当て、ハーバートの左フックを浴びながらも、右フックを振り抜き、ハーバートを失神KOさせた。
トプリアは、2021年10月の前戦でのカーマ・ワーシー戦のKO勝ちに続く、2試合連続KO勝利。試合後のマイクで、乱闘騒ぎとなったパディ・ピンブレットとの対戦をアピールした。
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【プレリム】
▼フェザー級 5分3R〇マクワン・アミルカーニ(フィンランド)17勝7敗(UFC7勝5敗)146lbs/66.22kg[1R 0分57秒 アナコンダチョーク]×マイク・グランディ(英国)12勝4敗(UFC1勝3敗)145lbs/65.77kg
フェザー級。ウィガン出身キャッチレスリングをバックボーンに、2017年1月の修斗で当時王者の斎藤裕に判定勝ちしているグランディ。
その後もACBで勝利するなど8連勝でUFCと契約。初戦はナッド・ナリマニにKO勝ちしたが、2戦目はモブサ・エヴロエフに3-0判定負け。2021年5月の前戦もテイクダウンを切られ、ランド・ヴァンナタの打撃にスプリット判定で敗れている。
対するアミルカーニはフィンランドのグラップラーでUFC6勝5敗。エジソン・バルボーザ、カムエラ・カーク、リローン・マーフィーに3連敗中だ。
1R、サウスポー構えのアミルカーニの前手の右フックをかわして前足にシングルレッグのグランディ。すぐに右手で首を掴んだアミルカーニは、尻を着きながらも左のバイセップで組むと、右足で跳ね上げながら左に回す。
金網に足が当たり、回されなかったグランディだが、今度はアミルカーニは左に回してグランディを仰向けにさせると、左足でグランディの左足をフック。スクイーズするとグランディはレフェリーのタッチにも反応せず、失神した。
アミルカーニはこれで4度目のアナコンダチョークでの一本勝ちに。グランディは3連敗となった。
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▼ヘビー級 5分3R〇セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)15勝1敗(UFC3勝1敗)254lbs/115.21kg[1R 4分03秒 TKO] ※右ストレートアッパー→鉄槌×シャミル・アブドゥラヒモフ(ロシア)20勝7敗(UFC5勝5敗)258lbs/117.03kg
ロシア同士の対戦。ともにオーソドックス構え。いったん体を沈めてからステップインしたパブロヴィッチが、右ストレートアッパーでダウン奪い、亀になるアブドゥラヒモフに鉄槌18連打。
試合を止められた10位のアブドゥラヒモフは、パブロビッチを笑顔で讃えた。15位からランク外に落ちていたパブロヴィッチはこれでUFC3連勝。ランカーにカムバックか。
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▼ライトヘビー級 5分3R〇ポール・クレイグ(スコットランド)16勝4敗(UFC8勝4敗)206lbs/93.44kg[1R 3分57秒 三角絞め]×ニキータ・クリロフ(ウクライナ)27勝9敗(UFC8勝7敗)205lbs/92.99kg
ライトヘビー級。クリロフ9位、クレイグ11位。
ウクライナ出身でロシア在住のため、両国旗を掲げたこともあるクリロフ。UFCで5連勝後、ミーシャ・サークノフに敗れ、ロシアのFight Nights Globalに移籍。
2018年9月のモスクワ大会でUFCに復帰し、強豪ヤン・ブラホヴィッチ、グローバー・テイシェイラ、マゴメド・アンカラエフに敗れたものの、オヴァン・サンプルー、ジョニー・ウォーカーには勝利し2度目のUFCでは2勝3敗。
対するは、17勝1敗のアンカラエフに唯一の黒星をつけているクレイグ。残り1秒でアンカラエフを極めた三角絞めが得意技で「、リアネイキドチョーク、ダースチョークでの一本勝ちも。直近5戦は4勝1分けと負け無し。
1R、いきなり右前嘉永のクリロフ。それを掴んでテイクダウンしたクレイグ。クリロフはシングルレッグで立ち上がるテイクダウン。ハーフの中からパウンド。
下から二重がらみのクレイグは、ロックダウンを狙い、鉄槌・ヒジからエゼキエルチョーク狙いのクリロフの左手を内側に流して左手に渡す。
手を放したクレイグ、足を戻してフルガードにすると中腰になるクリロフはパウンド! さらに右の鉄槌もヒットさせる。下から三角絞め狙いのクレイグに首に足をかけさせず足を払ってパスしサイドに。
しかし鉄槌のスペースでフルガードに戻すクレイグは背中をつけたまま。中腰からのパウンドを浴びるが、左のパウンドの打ち終わりに右足をかけて、電光石火の三角絞め!
中腰で前方に潰そうとしたクリロフがタップした。クレイグは、UFC4戦連続フィニッシュ勝利。
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▼バンタム級 5分3R〇ジャック・ショア(英国)16勝0敗(UFC5勝0敗)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※29-28、29-27×2×ティムール・バリエフ(ロシア)18勝4敗(UFC3勝1敗)136lbs/61.69kg
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▼女子ストロー級 5分3R〇エリース・リード(米国)5勝1敗(UFC1勝1敗)115lbs/52.16kg[判定2-1] ※29-28×2, 27-30×コーリー・マッケンナ(英国)6勝2敗(UFC1勝1敗)115lbs/52.16kg
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▼フライ級 5分3R〇ムハンマド・モカエフ(英国)7勝0敗(UFC1勝0敗)125lbs/56.70kg[1R 0分58秒 ギロチンチョーク]×コーディ・ダーデン(米国)12勝4敗(UFC1勝2敗)126lbs/57.15kg
第1試合で、平良達郎が参戦するフライ級で注目のムハンマド・モカエフが登場。
空手&レスリングのモカエフはプロMMA6勝無敗だが、アマチュアでも23勝無敗のプロスペクトでIMMAF世界大会も連覇している英国籍のダゲスタン人ファイターだ。
対するダーデンはATTアトランタ所属。MMA12勝4敗だが、UFCでは1勝2敗。2021年11月に中国のアオリ・チロンに判定勝ち。
1R、ホームの大歓声に迎えられたモカエフ。ともにオーソドックス構え。ダーデンの右オーバーハンドをかわすモカエフは遠間から走りこんでの右から左の二段跳びヒザでダウンを奪うと、ダーデンは下からシングルレッグを持ち上げてテイクダウン。
そこにノーアームギロチンを合わせるモカエフがハイエルボーギロチンで上に。タップを奪った! プレリムの第1試合から会場は大爆発した。