キックボクシング
レポート

【GLORY】小林愛三の世界王座奪取ならず、ティファニーに合計4度のダウンを奪われTKO負け

2022/03/20 06:03
【GLORY】小林愛三の世界王座奪取ならず、ティファニーに合計4度のダウンを奪われTKO負け

GLORY世界王座に挑戦した小林だが、王者ティファニーにTKO負け(C)GLORY

GLORY 80
2022年3月19日(土・現地時間)ベルギー・ハッセルト Trixxoアリーナ

▼GLORY女子スーパーバンタム級(-55.0kg)タイトルマッチ 3分5R
○ティファニー・ヴァン・スースト(Tiffany Van Soest/アメリカ/王者)
TKO 5R 2分56秒 ※レフェリーストップ
×小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/RISE QUEENフライ級王者/挑戦者)
※ティファニーが2度目の防衛に成功。

 2022年3月19日(土・現地時間)ベルギー・ハッセルトのTrixxoアリーナで開催された『GLORY 80』に、RISE QUEENフライ級(-52.0kg)王者・小林愛三(NEXT LEVEL渋谷)が初参戦。GLORY女子スーパーバンタム級(-55.0kg)王者ティファニー・ヴァン・スースト(Tiffany Van Soest/アメリカ)が保持するタイトルに挑戦した。

 小林は2015年2月にプロデビューすると、2018年7月にシュートボクシングの試合で敗れるまで13戦無敗を誇った。同年12月には伊藤紗弥を判定で下し、2019年11月にはWPMF世界女子フライ級王座を奪取。2020年の「初代RISE QUEENフライ級王座決定トーナメント」で陣内まどかと決勝戦を戦う予定だったが陣内の負傷欠場により暫定王者に。12月に田渕涼香に敗れるも2021年4月の初防衛戦でリベンジを果たし、同時に正規王者となった。9月にはRISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵との女王対決に臨んだが判定2-0で惜敗。戦績は16勝(3KO)4敗4分。GLORYには今回が初参戦。

 ティファニーは少林流空手を幼い頃から学び、アマチュアでキックボクシングとMMAの試合を経験後、2011年10月にプロムエタイに転向。2013年7月にLION FIGHT女子フェザー級王座を初回TKO勝ちで獲得。11月には初防衛に成功したが、2014年2月に判定2-1で敗れて王座を失うと共に10戦目にしてプロ初黒星を喫した。2015年5月に王座に返り咲くと、2016年1月にはスーパーバンタム級王座も手にして2階級制覇を達成。5月からGLORYに戦いの場を移し、トーナメントを制してGLORY女子スーパーバンタム級王座に就いた。同王座は初防衛に成功するも、2017年12月にアニッサ・メクセンに敗れて失い、2019年11月にメクセンにリベンジして王座奪還。2021年1月には初防衛にも成功している。戦績は23勝(8KO)6敗2分。

 また、2011年6月にMMAデビューも果たしており、2016年9月にはInvictaに参戦。カリン・シュワルツにリアネイキドチョークで敗れたが、2017年5月の2戦目ではストライカーのクリスティーン・フェレアに判定勝ちを収めている。


 ダイナマイトガール(小林)vsタイム・ボム(ティファニー)の対決。

 1R、まずはローの蹴り合い。前に出る小林はジャブを打ちながら前へ出て、時折右ミドルを放つ。ティファニーはステップで左へ回り込みながら前蹴り、ハイキックを繰り出す。至近距離でワンツーを打ち合う中、空手出身らしく至近距離でハイキックを出すティファニー。小林は距離を詰めて左ボディから右カーフ。

 2R、小林が入る瞬間に左ハイを合わせてヒットさせるティファニー。前蹴りのフェイントから左ストレートなど多彩な攻撃を見せるティファニーに小林は右カーフで対抗。小林が入ろうとするとティファニーは前蹴り、ジャブ、ヒザ蹴りを合わせてパンチにつなぎ、小林を下がらせる。スイッチを多用するティファニーの左ハイがクリーンヒット、下がる小林にティファニーが攻撃をまとめ、バックスピンキックを繰り出す。

 3R開始と同時にギアを上げて襲い掛かるティファニー、小林も負けじと左右フックを繰り出す。ティファニーはローキック、前蹴りからすぐに左右のストレート、ヒザ蹴りからストレートと攻撃をつなぎ、声を上げてパンチを繰り出す小林にティファニーはヒザを突き刺す。小林のパンチはステップでかわし、逆に鋭い右ストレート、左右ボディを打ち込み、片手を引っ掛けての左ヒザ蹴りでダウンを奪う。

 ヒザ、ストレート、前蹴りでボディを攻めつつ、それ一辺倒にはならないでジャブ、ストレートを頻繁にスイッチしながら顔面へヒットさせていくティファニー。

 4R、前に出る小林はワンツー、右フックを繰り出すが、ティファニーはジャブを打ってすぐに組んでのヒザ蹴り。小林が左フックを出そうとしたところへ強烈な右フックを振り抜いてダウンを奪う。さらにヒザ蹴りからジャブ、小林が入ってくるとバックハンドブロー、そしてヒザ蹴り。キャッチを巧みに使ってヒザを突き刺す。ティファニーのパンチと蹴りの散らしの巧みさ、そして時折放つ右フックが強烈だ。

 5Rも前に出る小林だが、ティファニーは左右ボディからヒザ蹴り。リーチが長く、スピードもあるティファニーに先手をとられる小林。強烈な右フックからの左ハイに下がる小林だが、右フックをもらっても前へ出る。その小林のフックをかわして逆にストレートを打ち込むティファニー。容赦なくヒザをボディに突き刺す。

 ワンツーからヒザ蹴り、一度離してもう一度の左ヒザ蹴りでダウンを追加するティファニー。左ハイキック、ヒザ蹴りで攻めるティファニーの右バックスピンキックをボディにもらってダウンする小林。立ち上がるもここでレフェリーがストップをかけた。

 ティファニーは2度目の防衛に成功。小林はリングに崩れ落ち、号泣した。

 試合後、小林は「悔しいけれど、とても強い王者です。必ずここに戻ってきます。それまで王者でいてください。絶対にまた戦うために強くなるので、またよろしくお願いします。ありがとうございました。GLORY大好きです」と、勝者ティファニーを称えると共にリベンジを誓った。

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