MMA
インタビュー

【Bellator】堀口恭司「しっかり勝って、日本にまたBellatorを連れて行ければ、盛り上げるいい起爆剤になる」=4.23ハワイGP

2022/03/17 11:03
 2022年4月23日(日本時間24日)米国ハワイ・ホノルルのニール・S・ブレイズデル・センターで開催される『Bellator 279』にて、バンタム級ワールドGP1回戦で、同級2位のパトリック・ミックス(米国)と対戦する堀口恭司(アメリカントップチーム)が12日、オンライン会見に出席。「自分が今回しっかり勝って、日本にまたBellatorを連れて行ければ、日本格闘技を盛り上げるいい起爆剤になる」と語った。  堀口は、2021年12月に怪我で返上していたBellator世界バンタム級王座を取り戻すために、王者セルジオ・ペティスと対戦。飛び込んでの打撃とテイクダウンで優位に立ったものの、4Rにバックフィストを受けて逆転KO負け。今回が再起戦となる。  対するパッチー・ミックスは、バンタム級2位の強豪。15勝1敗でうち11の一本勝ちを誇る寝技師で、2019年大晦日の『RIZIN.20』で元谷友貴にギロチンチョークで一本勝ち。前戦は2021年11月の『Bellator 270』でジェームズ・ギャラガーに3Rギロチンチョークで一本勝ちし、2連勝中だ。  唯一の黒星は2020年9月の「Bellator世界バンタム級王座決定戦」でフアン・アーチュレッタ(米国)に5R判定負けのみ。そのときはコロナ禍のなか短期決戦に出たミックスが後半に崩れたが、今回のGPに向け、打撃とレスリングも強化。ラスヴェガスを拠点に合宿を積んでいる。  12月のKO負けから3カ月。気になるダメージについて、堀口は、「何個か、頭を検査する医者に行ったんですけど、あるところは“走っていいよ”あるところは“走っちゃいけない”とか、言うことがちょっと違うんですよ。だから……自分はちょっとだけ動いちゃいましたね。走っちゃいました(笑)。ちょっと筋トレしたりとか」と、身体と相談しながら再起に向けて始動したものの、マイク・ブラウンから心配されたと苦笑する。  息抜きも入れながら、体重も調整し、「オフは釣り、バスフィッシングに行って、いまはちょっとだけ増量していて、またちょっとずつ落としていくんですけど、そこで少しピリピリするくらいですね」と、UFCではフライ級で戦っていた堀口はバンタム級GPに向け、いったん増量してから渋る身体作りをしていることを明かした。  世界の強豪が集うワールドGPの開幕戦に、元王者として参加するが、気持ちは平常心だという。 「もうずっと練習をやっているので、まあ普段の試合前と変わらない感じです。練習が日常になっているので、試合もそんな特別感が無く、いつもやっていることをやっているので──何か特別なことを言った方がいいのかもしれないですけど──うーん、『すごいモチベーションは上がっています』でいいですかね」と笑った。  大一番でもアップダウン無く戦える強心臓を持つ。 「日米の舞台の違い?『メジャー舞台で特別な場所』と答えた方がいいのかもしれませんが、自分が臨む気持ちはあまり変わらないですね。もう5歳からずっとやってる空手の試合と変わらない、同じ気持ちで戦えます。ハワイという場所も、米国で練習していて日本に行って、UFCでもいろいろ飛び回っていたので、遠くに行った方が“試合なんだな”と気持ちが作れるかなとは思います」と、常在戦場の構えを見せる。  12月の前戦では、セルジオ・ペティスをほぼ完封したものの、4Rに裏拳を受けて逆転負けを喫した。  堀口は敗戦を、「相手が上手かった部分もある。“回転系の技もあるんだな”というのが得られた情報ですね。“反応出来ない技”は倒れちゃうので」と、ペティスの乾坤一擲の技を上手かった、といい、「前回、チャンピオンに負けてるんで、その借りを返したいなって言うのが一番にあります。このバンタム級のトーナメントで勝ち上がれば、もしかしたらペティスと、2回戦でも決勝でも、どこかで当たるんじゃないかなと思っているので、この1回戦、その為にも、強い相手ですが、しっかりと倒してベルトを巻きたいなと思っています」と、リヴェンジの思いがあることを語った。  対戦相手のミックスについては、「相手は寝技の選手。身体がデカくて、リーチが長くて、組みついてくる選手で、自分はどちらかというと打撃の選手なので、あまり組みつかせないように、自分が主導権を取りながら、打撃だけで試合を終わらせたい。MMAなので、得意・不得意の場所があると思いますが、ミックスはやっぱり寝技が得意で、打撃が苦手なので、どこまで進化してくるかも予想しつつも、そこはすぐに克服できないので、そこをつきたいですね」と、打撃につけ入る隙があるとし、スタンドの展開でペースを握りたいと語った。  とはいえ、ペティス戦でも見せた通り、堀口の組み技の強さはグラップラーにも劣らない。「自分はATTで寝技もすごい成長しているので、相手の得意技に入らせないような対策をやっていますね」と、打撃とテイクダウンディフェンスも視野に、ミックスの「寝技」を警戒することになる。  現在、米国ラスヴェガスで、ミックスは、第2代RIZINバンタム級王者で、堀口恭司とも激闘を繰り広げたマネル・ケイプと練習を積んでいるが、気にすることは「まったく無いですね」と笑う。  すでに、ATT名参謀マイク・ブラウンコーチのもと、複数のパターンを準備しており、「基本的にはチームで立てたプランというのがありますけど、やっぱり自分の空手スタイルを活かした戦いをしたいんで、自分でも考えてやっていますね。戦術はこの段階で、だいぶ決まっていますね」と、シミュレーションも万全であることを語った。  王者ペティスも参加する強豪揃いのトーナメントを「正直言って、トーナメントに出ている選手はみんな強くて、自分がミスしたら、そこにつけこむ上手い選手ばかりなので、個々でみんな危ない部分を持っていますね。ほんとうに一人ひとり強いので、誰が上がってきてもおかしくない」と評する。  そんな猛者が揃うワールドGPの賞金は、100万ドル(約1億1700万円)と高額だが、「1億円という賞金は、MMAではあまり無いと思いますね。このトーナメント以外にも、ほかの選手にとってもいい循環になるんじゃないかなと思っています。ファイトマネーが上がったり、MMAの市場価値が上がっていっていると思いますね」と、自身のモチベーションよりも、ファイターやMMAの価値が高まることを喜んだ。 「使い道? 全く考えてないですね。勝負の世界なので、前回みたいに勝ってても1発当てればバーンと行っちゃう世界なので、しっかり気を抜かずに行きたい。いつも自分は気持ちの変動はあまりないんですよ。平常心でずっと一定で、もちろんやり返そうとか、賞金ゲットしようとかありますけど、まずは目の前の敵を倒したい、集中したい」という。  試合後は、「フロリダがもうハワイと同じような気候なので、同じようなところにいてもしょうがないなということで、すぐ帰って……、あっ日本に帰るかもしれないですね」と、一時帰国の可能性も語る。そこには、日本のファンと格闘技に対して、常に抱き続けている思いがある。 「ほんとうに自分が今回しっかり勝って、日本にまたBellatorを連れて行ければいいなと思っています。決勝でも何でも、そうしたら(日本格闘技を盛り上げる)いい起爆剤になるんじゃないかなと思いますよね」と、自身がワールドGPを勝ち上がることで、Bellator日本大会を実現させる考えがあることを語った。  最後に日本のファンに向け、「前回、ちょっと情けない試合をしちゃったんで、今回、しっかり勝って日本を盛り上げたいと思います。決勝も日本に持っていけたらいいなと思っているので、皆さん応援のほど、よろしくお願いします!」と力強く語った堀口。 「誰が勝ち上がっておかしくない」群雄割拠のバンタム級トーナメントで堀口は、難敵を降すことができるか。 「Bellator 279」は、日本時間4月24日、U-NEXTが独占で「見放題ライブ配信」する予定。
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