試合前、そして試合後にミャンマーの国旗を掲げる渡慶次(C)RIZIN FF
2022年2月23日(水・祝)静岡・エコパアリーナで開催された『RIZIN TRIGGER 2nd』の第9試合で、ハリー・スタローン(関谷柔術アカデミー)に2R3分31秒、右フックでKO勝ちした渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)が、試合後会見でインタビューに応じた。
僕は凡人なので凡人らしく、積み重ねていく強さを見てもらいたい
「全然ダメでしたね。デビューして10年くらい経つんですけれど、初めて疲れました」
――対戦を終えての相手の印象は?
「際の打撃が上手いなって思って。2回くらいバックの時と立ち上がり際にもらったんですけれど、上手いなって冷静に思いました」
――KOする直前にハリー選手がパンチで前へ出てくるシーンがあったが?
「あの時、僕の頭の中ではボブ・サップと誰かがやった時に、ヘビー級の総合の試合で2人とも両ヒザに手をついて休んでいた試合があったと思うんですけれど、あの状態でした。パンチで来てるのは分かっていたんですけれど、何もできない酸欠状態で。それくらいいっぱいいっぱいでした。溺れそうでした」
――試合後のマイクで、来月試合をする鈴木千裕選手にメッセージを送っていた。いいバトンが渡せた?
「僕は多分、あいつのセコンドで。この前の山本空良戦でもセコンドだったんですけれど『リキむな、リラックス。リキんじゃダメだ、まとめろ』って言ってたんですけれど、性懲りもなくセコンドでそういう知ったかぶりのセコンドをしようと思います。自分は出来なかったですけれど(笑)」
「去年沖縄大会があって初日でチケット完売して凄い盛り上がって。多分、今年もやると思うんですよ。で、呼ばれると思うんですよ。今日より強い相手だと思うので、今日より強い相手に勝つには今日の僕では勝てないと思うんですけれど、11月20日に大原君にぶっ飛ばされてからは大原君に頭を下げて週5回一緒に練習していて、週3回パンクラスイズムで総合的なコーチングをしてもらって本当に毎週毎週・毎日毎日強くなっているので。今日の僕は明日の僕だと余裕で今日より強いと思うので、そういうのを毎日積み重ねていって。
僕は凡人なので凡人らしく、積み重ねていく強さっていうのを世の中の人たちに見てもらいたい。堀口君とか朝倉選手とか華やかでカッコよく、綺麗に倒す選手もいていいと思うんですけれど、僕は地味にでも華がなくても魅せられるってものを見せる格闘家になりたいので、誰とやりたいというよりかは今日より強い自分を明日以降毎日毎日作って行って、いわゆる上位層の選手。今日アキラ選手も勝ったし、ライト級の強いって言われている選手たちと組まれた時に、『ええ、渡慶次?』って思われないように渡慶次になりたいです。『渡慶次と面白そうだな』ってファンや関係者が思うような渡慶次になりたいです。ただ、今日の試合は正直、一般曹の人たちには届いたと思います」
――戦前言っていたラウェイMMAの今日の完成度はどれくらい?
「2%くらいですね。KIBAの大原君、松風会長に教えてもらいながら、北岡さんと川村さんにパンクラスイズムで方向性を決めてもらって、ひたすら毎日へこたれそうになりながら戦っていきます。明日の自分がまた頑張るはずなので、明日の自分に期待して頑張って行きます」
――自叙伝(『狂戦士』クラウドブックス)は売れそうですか?
「みんな注文ください(笑)。ぜひDMで直接下さい。僕がサインを書いて送ります(笑)。あと600冊あるのでぜひ注文お待ちしております」
――今回の試合はミャンマーで見ることは可能だったかどうかは分かりますか?
「どうですかね。ただFacebookの方でリンクは貼っていて。いいねの数だったりインプレッションを見る限りはみんなFacebookは見れているので、日本という国で全然環境も違うし離れた場所ではあるんですけれども、僕はミャンマーのおかげでRIZINで戦えているし、ミャンマーラウェイをやっていなかったらここに立つ人間じゃないと思うんですよ。それは凄く自分でも理解しているし、感謝しているので、ミャンマーのことを本当に自分の人生だと思って。
今は良くない環境にはあるんですけれども、いつかまた僕の大好きなあの時のミャンマーに戻って、ミャンマーでもミャンマーラウェイが出来る日が必ず来ると思うので、その時まで1日たりとも1秒たりとも忘れないために戦いの場、表に立つ場の時は国旗を一緒に持って行ってミャンマーのために戦う気持ちを行動で示していきたいなと思っています」