(極めのポジションに)持ってこさせない自信があります
クレベルとは、2011年にグラップリングの「DEEP X」で対戦し、佐々木がアドバンテージ差で勝利。今回、その動画も目にして肌感覚で記憶が蘇ってきた。
「試合前に相手のドキュメンタリーとかは見ないようにしているんですが、煽り映像はどちらにしても試合前に流れるので、そこで見ました。あっ(映像が)残ってるんだって。それで思い出しましたね。人間なんで変わるものもあれば、変わらないものもある。(記憶を)過信しすぎないようにとは思ってはいますけど、触れた感覚とか試合前のメンタリティとか、印象はフラッシュバックして、思い出していますね」と、いいイメージも出来ている。
クレベルは試合中、相手を“キャッチ”したときに、自らを鼓舞するように、そして相手を観念させるように、咆哮する。
それは、ブラジリアン柔術やアマチュアの試合では「言葉や身振りによって、対戦相手または公衆に対して攻撃的または無礼な行為を示した」として「懲罰的反則」になるものだ。
プログラップリングで対戦したときのクレベルから、そういった言葉を聞いたことがあるか、と問われた佐々木は、「いや、無かったと思いますね。聞いたことない」という。
ボペガー(極めるぞ)、アカボー(終わりだ)、アパーガー(眠れ)、トゥマ(見たか)等、クレベルがリング上で発する言葉は“何でもあり”のMMA仕様の魂の叫びともいえる。
「どうなんですかね。ただ、ボンサイ勢は勝ったときに滅茶苦茶喜ぶのは昔からそうだと思います」と、和術慧舟會の一員としてボンサイ勢と“静岡ダービー”を戦ってきた佐々木は語る。
そしてもし、今回の試合中に煽られたら、と問われ「何も変わらずに僕は遂行するので、試合中、相手がどうのとはあまり気にしない」といい、「(そういうポジションに)持ってこさせない自信もあります」と、“ポペガー”と言わせない自信を語った。
クレベルは佐々木との試合に勝利した後、タイトルマッチを希望しているが、佐々木は「僕は前戦を落としているので勝ってすぐタイトルマッチというのはちょっと違うと思っています」という。
「ほんとうにこの試合に懸けているというか、それしか考えていない。勝てば扉は開くと思うので、先のことを考えずに、ここをしっかり勝ち取ることに徹底しています」──フェザー級の新たなトリガーを引くのは、佐々木はクレベルか。