MMA
インタビュー

【Bellator】渡辺華奈がロンドン大会で再起戦! オランダの柔道&キック王者キーホルツと対戦「すべてを出してここを超える」(渡辺)=5.13 英国

2022/02/08 21:02
 2022年5月13日(日本時間14日)、英国ロンドンのSSEアリーナことウェンブリー・アリーナにて開催される『Bellator LONDON』。  メインイベントで26勝無敗のヤロスラフ・アモソフ(ウクライナ)vs.“MVP”マイケル・“ヴェノム”ペイジ(英国)のBellator世界ウェルター級選手権試合が行われる同大会で、女子フライ級3位のデニス・キーホルツ(オランダ)と、4位の渡辺華奈(日本)が対戦することが決定した。  渡辺は、柔道で2016年アジアオープン準優勝、ヨーロッパクラブ選手権準優勝などの実績を残し、MMAに転向。DEEP JEWELS、RIZINで活躍後、2019年12月のRIZIN×BELLATOR対抗戦で、当時3連勝中だったイララ・ジョアニを3R、パウンドでTKO。2021年4月のBellator 255で米国デビューし、アレハンドラ・ララにスプリット判定勝利。Bellator2連勝を飾った。  しかし、2021年6月の前戦でUFCでバンタム級とフライ級で王座挑戦経験のあるリズ・カモーシェ(米国)に右の強打を効かされてのラッシュで1R、35秒でTKO負けを喫した。今回は眼窩底骨折からの約11カ月ぶりの復帰戦にして再起戦となる。  対するキーホルツは、元Bellatorキックボクシング世界女子フライ級王者。“ミス・ダイナマイト”の異名を持ち、オランダ国内のU15柔道63kg級王者、U17で同級準優勝、U20では銅メダルを獲得するなど、強い組みと打撃でMMA6勝3敗をマークしている。  MMAデビュー戦と2018年にヴェータ・アルテアガにギロチンで一本負けも、以降4連勝を飾り、2021年7月には「Bellator世界女子フライ級選手権試合」として、王者ジュリアーナ・ヴェラスケス(ブラジル)に挑戦。スプリット判定で敗れている。  ロンドンで再起戦に臨む渡辺に聞いた。 カモーシュ戦はファイターとして甘さを感じた  渡辺にとっては、前戦で王者に挑戦したコンテンダーであるキーホルツとの対戦で、勝てば前戦のカモーシュ戦の敗戦を払拭できるチャンス。キーホルツにとっては、王座戦に留まるために負けられない1戦となる。  前戦、渡辺には、いくつかの誤算があったという。  ひとつは、オファーを受けた時点で怪我の治療中で練習ができていない状態だったこと。そして、当初の相手のイリマレイ・マクファーレンから、試合2週間前にリズ・カモーシュに変更となったことで、「気持ちをしっかり作れていなかった」と吐露する。  また試合直前には、それまでの試合では使用できていたコンタクトレンズを外すように言われ、裸眼で臨んだことも戸惑いにあった。  サークルケージの中で対峙したカモーシュに「身体の大きさ、強さを感じた」という渡辺は、1R、早々に右ストレートを被弾し、一気にラッシュをかけられた。序盤は“見てくる”タイプと踏んでいたカモーシュの24連打のラッシュの瞬発力に金網に釘付けとなり、TKO負けを喫した。  プロ11戦して無敗だった渡辺にとって、初の黒星。 「戦術、戦略、ファイターとしての甘さを感じました。あの試合後、打撃はもちろん、レスリングや組技もあらてめて練習してきました」という。 [nextpage] キーホルツの打撃スキルは最高峰レベル、組み技には粗さもある  カモーシュ戦の眼窩底骨折から約11カ月ぶりの復帰戦の相手は、デニス・キーホルツ。  同じ柔道のバックグラウンドを持つが、同時にBellatorキックでもベルトを獲得するなど、打撃を効かせての一本勝ちも多い。  渡辺は、キーホルツの組み技について「オランダの柔道U-15で優勝経験もあるので、投げ技にはキレもありサブミッションの思い切りが良い選手だと思います」と、払い腰からの袈裟固め、アームロックの必殺パターンを評する。  しかし、この部分の競り合いは、渡辺にとっても望むところ。ヴェラスケス戦で序盤はタックルへの対処を見せていたキーホルツが、柔道の胸を合わせる組み手をするときに、足技も含めた渡辺の得意な投げが効果を発揮できる可能性がある。  渡辺は「思い切りが良い分、攻守ともに荒い部分もがあり、柔道の組技・寝技をMMAでもしている印象です」と、つけいる隙があると語る。  むしろ渡辺にとって、警戒すべきはキーホルツの打撃だ。  Slamm、Enfusion、Bellatorキックなどで活躍したキーホルツの打撃はパンチの回転が速く、圧力があるばかりでなく、下がりながらも当てられる見切りの良さとタイミングを誇る。パートナーはK-1でも活躍した元IT'S SHOWTIME世界ヘビー級王者のヘスディ・カラケスで、欧州でのBellatorでは負け無しだ。  渡辺は、「背は大きくない(身長160cm、リーチ168cm)ですが、踏み込みが強くパワフルで試合を終わらせるパンチを持っていると思います。圧が強く打撃スキルは最高峰レベルだと思います」と警戒する。身長167cmでリーチ168cmの渡辺はその体躯を、打撃面では活かし切れておらず、カモーシュ戦の課題をどう克服したか。ヴェラスケスが攻略したように、長い距離での打撃で前蹴り、ローキックをどう使いどう組むのかにも注目だ。  試合会場はアウェーだが、人気選手とのマッチアップが、Bellatorの渡辺への期待の表れと言ってもいい。 「前回負けてしまっているのに、ランキング上の選手と戦える事は光栄に思います。ここで勝つとタイトルマッチも近づくと思います。前回打撃で負けて、今回の相手もキックボクシングのチャンピオン。ここを越える事でファイターとして大きく成長できる大事な試合です。自分の全てを出して、やれることを全てやり、勝ちに行きます」と、渡辺は力強く語った。  果たして“ミズ・ダイナマイト”を相手に、渡辺は再起を飾ることができるか。 Bellator女子フライ級ランキング(※2022年2月1日時点) 王者 ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)12勝0敗1位  イリマレイ・マクファーレン(米国)11勝1敗2位  リズ・カモーシュ(米国)16勝7敗3位  デニス・キーホルツ(オランダ)6勝3敗4位  渡辺華奈(日本)10勝1敗1分5位  アレハンドラ・ララ(コロンビア)9勝5敗6位  ヴェータ・アルテアガ(米国)6勝4敗7位  ディアンナ・ベネット(米国)11勝7敗1分8位  ヴァネッサ・ポルト(ブラジル)23勝9敗9位  ディアナ・アヴサラゴヴァ(ロシア)4勝0敗10位 ヴァレリー・ルレーダ(米国)4勝1敗
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