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2022年5月13日(日本時間14日)、英国ロンドンのSSEアリーナことウェンブリー・アリーナにて開催される『Bellator LONDON』。
メインイベントで26勝無敗のヤロスラフ・アモソフ(ウクライナ)vs.“MVP”マイケル・“ヴェノム”ペイジ(英国)のBellator世界ウェルター級選手権試合が行われる同大会で、女子フライ級3位のデニス・キーホルツ(オランダ)と、4位の渡辺華奈(日本)が対戦することが決定した。
渡辺は、柔道で2016年アジアオープン準優勝、ヨーロッパクラブ選手権準優勝などの実績を残し、MMAに転向。DEEP JEWELS、RIZINで活躍後、2019年12月のRIZIN×BELLATOR対抗戦で、当時3連勝中だったイララ・ジョアニを3R、パウンドでTKO。2021年4月のBellator 255で米国デビューし、アレハンドラ・ララにスプリット判定勝利。Bellator2連勝を飾った。
しかし、2021年6月の前戦でUFCでバンタム級とフライ級で王座挑戦経験のあるリズ・カモーシェ(米国)に右の強打を効かされてのラッシュで1R、35秒でTKO負けを喫した。今回は眼窩底骨折からの約11カ月ぶりの復帰戦にして再起戦となる。
対するキーホルツは、元Bellatorキックボクシング世界女子フライ級王者。“ミス・ダイナマイト”の異名を持ち、オランダ国内のU15柔道63kg級王者、U17で同級準優勝、U20では銅メダルを獲得するなど、強い組みと打撃でMMA6勝3敗をマークしている。
MMAデビュー戦と2018年にヴェータ・アルテアガにギロチンで一本負けも、以降4連勝を飾り、2021年7月には「Bellator世界女子フライ級選手権試合」として、王者ジュリアーナ・ヴェラスケス(ブラジル)に挑戦。スプリット判定で敗れている。
ロンドンで再起戦に臨む渡辺に聞いた。
カモーシュ戦はファイターとして甘さを感じた
渡辺にとっては、前戦で王者に挑戦したコンテンダーであるキーホルツとの対戦で、勝てば前戦のカモーシュ戦の敗戦を払拭できるチャンス。キーホルツにとっては、王座戦に留まるために負けられない1戦となる。
前戦、渡辺には、いくつかの誤算があったという。
ひとつは、オファーを受けた時点で怪我の治療中で練習ができていない状態だったこと。そして、当初の相手のイリマレイ・マクファーレンから、試合2週間前にリズ・カモーシュに変更となったことで、「気持ちをしっかり作れていなかった」と吐露する。
また試合直前には、それまでの試合では使用できていたコンタクトレンズを外すように言われ、裸眼で臨んだことも戸惑いにあった。
サークルケージの中で対峙したカモーシュに「身体の大きさ、強さを感じた」という渡辺は、1R、早々に右ストレートを被弾し、一気にラッシュをかけられた。序盤は“見てくる”タイプと踏んでいたカモーシュの24連打のラッシュの瞬発力に金網に釘付けとなり、TKO負けを喫した。
プロ11戦して無敗だった渡辺にとって、初の黒星。
「戦術、戦略、ファイターとしての甘さを感じました。あの試合後、打撃はもちろん、レスリングや組技もあらてめて練習してきました」という。