2022年2月6日(日本時間7日)、米国カンザスシティにて「FAC 12: Lookin' For a Fight」が開催された。
これはセージ・ノースカットやミッキー・ガルを輩出した『Lookin' for a Fight(ルッキングフォー・ア・ファイト/ダナ・ホワイトが行く、ファイターを探せ)』と提携した大会。
この番組で、ダナ・ホワイトUFC代表は、UFC殿堂入りのマット・セラとMMAベテランのディン・トーマスと共に、UFCのタレントスカウトシリーズを展開している。
UFCの有望選手を探す同番組と今大会には、スペシャルゲストとしてカナダの人気YouTubeインフルエンサー「The Nelk Boys」も参加。どのファイターがチャンスに値するかについて意見を述べ、選ばれたファイターに彼らが持つFull Sendのブランドスポンサーを提供、ファンは、The Nelk BoysとUFCのソーシャルメディアを通じて、FAC12から好きなファイターに投票することで、このテレビ番組に参加することが可能という企画だった(※結果配信は数週間後)。
「The Nelk Boys」の登場にファンはブーイングも起こしたが、The Nelk Boysの共同創設者であるカイル・フォガードは、「選ばれた選手は、すべての試合でThe Nelk Boysを応援するカルト的なファンを持つことになる」とも語っている。
「The Nelk Boys」は、イタズラ動画、ブログ、ポッドキャストなど、さまざまな人気コンテンツを制作するソーシャルメディアパーソナリティで構成されており、合計で720万人のソーシャルメディアのフォロワーを持ち、アパレルや飲料水など様々な事業を立ち上げ、ブランドを多角化させている。
ローガンとジェイクのポール兄弟のMMAファイターへの関わりには否定的なダナ代表だが、この『Lookin' for a Fight』では、人気YouTuberともコラボレーションしており、ファンの間では様々な議論が沸いている。
しかし、大会では、好ファイトが続出。
メインイベントでは、MMA4勝無敗のアイザック・ドゥガリアン(米国)と、7勝2敗のティージェイ・ブリトン(米国)が対戦し、1R決着。セミファイナルでも日本やBellatorで活躍したエドゥアルド・ダンタス(ブラジル)が鮮烈な右ハイキックでKO勝利し、ダナ代表にアピールした。
FAC 12: Lookin' For a Fight
▼FACフェザー級選手権試合 5分5R〇アイザック・ドゥガリアン(米国)[1R 1分13秒 TKO] ※パウンド×ティージェイ・ブリトン(米国)
1R、サウスポー構えのティージェイに、アイザック・ドゥガリアンはオーソドックス構えから左ロー、さらに右を振って詰めて、いきなりダブルレッグテイクダウンを奪うと、すぐに足を越えマウント、バックマウントからパームトゥパームでリアネイキドチョーク狙い。ティージェイが正対し、片足を戻そうとしたところに右のパウンド5連打で失神。1R、1分13秒 TKOで新FACフェザー級王者となった。
試合後、ケージの中でインタビュアーから「新しいボスと新しいスポンサーがケージサイドにいるけどどうか?」と、ダナ・ホワイトUFC代表とThe Nelk Boysを紹介されたドゥガリアンは、ケージの外でダナ代表と握手をかわした。
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ダンタス「ジョゼ・アルド、ビビアーノに感謝するよ」
セミでは、プロ修斗で上田将勝とチャンピオンシップを戦い(2009年判定負け)、扇久保博正に一本勝ち(2010年にRNC)している元Bellator世界バンタム王者の“ドゥドゥ”ことエドゥアルド・ダンタス(ブラジル・22勝7敗)がコ・メインに登場。14勝6敗1分のジョゼ・アルデイ(メキシコ)と対戦した。
▼バンタム級 5分3R〇エドゥアルド・ダンタス(ブラジル)[2R、4分25秒 KO] ※右ハイキック×ジョゼ・アルデイ(メキシコ)
1R、ともにオーソドックス構え。詰めるダンタスは右ストレート、右カーフから金網に詰めてダブルレッグテイクダウン。すぐに両足を束ねるが片足を抜いたアルデイが金網使い立ち上がると、左右で反撃。右カーフを狙う。
その打ち終わりに右カーフキックを効かせたダンタスはアルデイの前手の右フックをかわすと左フック!
フラッシュダウンしたアルデイはすぐに立ち上がり、逆に詰めて首相撲ヒザで組みに行くが、突き放したダンタスは、右手はアゴ横に、左は低いガードから、右ロー、相手が打ち返したところにダブルレッグ、シングルレッグに移行。尻を着くも足を抜いたアルデイを詰めて左ストレートも当てる。左ローを返すアルデイ。ダンタスも右ロー。
3R、左右の手を前に出して牽制し、左ジャブを突くダンタス。アルデイの左の蹴りの打ち終わりには右ミドルを返す。
左を上下に散らすアルデイ。金網に詰まりながらも回るダンタス。アルデイは大きな右から左もかわすダンタスは、鋭いワンツー&右ロー。右回りのダンタスに、左の蹴りで止めに行くアルデイ。
ダンタスのダブルからシングルレッグを切り、バックテイクもスクランブルで離れるダンタス。右カーフキックを効かせると、「来い」と招き入れる。
左ミドル、左ボディで入るアルデイ。互いに慎重な展開でブーイングが出るなか、アルデイは左ジャブのダブルを突く。それをかわしたダンタスは左に沈み込んで左ボディフック!
さらにアルデイの右に合わせて右ハイキック! アルデイがヒザから崩れ落ちダウン。すぐにレフェリーが試合を止めた。
2R、4分25秒、見事に右ハイキックでKO勝ちしたダンタスはケージ上に乗り、ケージサイドで観戦していたダナ・ホワイトUFC代表を指差し、勝利をアピールした。
試合後、ケージの中でインタビューを受けたダンタスは、「(練習仲間の)ジョゼ・アルド、ビビアーノに感謝するよ。この機会をくれてありがとう。ジェルミーダからいつも『ドゥドゥ、ハイキックだ』と言われていたから準備はできていた」とKOフィニッシュを振り返ると、ケージサイドのダナ・ホワイト代表に「チャンピオンになるよ! サンキュー、カンサス」と語った。