2019年6月2日(日)兵庫・神戸ワールド記念ホールにて開催の『RIZIN.16』で対戦する、KAムエタイ世界フェザー級王者・国崇(拳之会)と第4代K-1 KRUSH FIGHTスーパー・バンタム級王者の堀尾竜司(TRY HARD GYM)が5月31日(金)大阪市内のホテルで事前インタビューを行った。
当初、国崇は才賀紀左衛門(クロスポイント吉祥寺)との対戦が決まっていたが、才賀が過去に負った左眼窩底骨折の後遺症による「視野狭窄」で全治1カ月のためドクターストップ。急遽、堀尾がスクランブル参戦を果たすことになった。
国崇は2000年のデビュー以来、約20年に渡り激闘を繰り広げ、ここまでに93戦を数える大ベテラン。数々のタイトルを獲得し、ホームリングのNJKFはもちろん、国内の他団体や海外でも活躍してきた。
堀尾はHIROYAが率いるTRY HARD GYM所属。2015年8月にトーナメントを制してKrush王者となり、最近ではRISE、DEEPのリングで活躍している。
国崇「相手が変わってもどうってことないです」
――現在のコンディションは?
「いつも通り仕上がっています」
――対戦相手の印象は?
「急に変わったので研究もできていないけれど、いい選手だと聞いています」
――長いキャリアの中でこんなに急に相手が変わったことはありますか?
「前回タイで試合をした時も前日に相手が変わったので、どうってことないです」
――RIZINからオファーをもらった時はどう思いましたか?
「まさかと思いました。それと自分がヒジなしルールの試合に出るとは思っていなかったので。ヒジなしは2009年3月にKrushに出て以来ですね。元々僕はパンチャーなのでかみ合うとは思います」
――国崇選手と言えば飛びヒザ蹴りですが、堀尾選手も飛びヒザを得意としています。
「最近は飛んでないですけれどね(笑)。今回は飛んでみようかな」
――RIZINのファンにどんなところを見てほしいですか?
「本来ならヒジありの試合を見せたかったんですが、パンチの技術、ローキックが強いのでその辺を出せばKOにつながると思います」
――堀尾選手とのマッチメイクはキックファンにしてみれば驚きです。
「自分もビックリしかないです。KrushやRISEに出ていた選手と絡むことがあるとは思わなかったので本当にビックリです」
――あまり研究していないということですが、堀尾選手の印象を。
「そこまでは見てないですが、いい選手だなと思います。きれいな形で攻めてくる選手だと思います」
――今回が94戦目。目標とする100戦のレコードの中でRIZINのこの試合が刻まれることは。
「新鮮でとても気分もノッています」
――どんな試合を見せたいですか?
「盛り上がる試合が一番ですが、勝つ試合をやりたいです」
――国崇選手は岡山出身なので神戸に近いですね。
「関西では近い方ですね。周りの反応が凄かったです。『国崇、RIZINに出るの!?』って。普段は見に来てくれない人までが行くよって連絡がありました。チケットも150人くらいから注文がありましたね。その応援が力になります」
――格闘技を始めたきっかけを教えてください。
「父の勧めで小3で少林寺拳法を始めました。無理やりやれ、と。練習が厳しかったので、嫌で嫌でしょうがなかったんですが、辞めたいと言うのが怖くてずっと続けていて。それからアマチュア空手の大会にも出始めて勝てるようになってきたら、先生に『キックボクシングのプロがあるぞ』と聞いてノリでプロになりました。試合をやっていくうちにたくさんの人が応援してくれるようになり、そこから面白くなってきました」
――それだけ長く格闘技を続けられるコツは?
「試合が決まったらその試合へ向けてコンディションを整えるだけです。気持ちと身体のバランスですかね。でも万全で出た試合はほとんどないですね」
堀尾「NARUTOから学んだ気持ちを見せる」
――現在のコンディションは?
「急に決まったのもありますが減量がほとんどなくて。自分はいつも55kgで試合をしているので59kgの経験ははほとんどないですが、コンディションは問題ないです。いつもより動きが軽く元気いっぱいに動けると思います」
――対戦相手の印象は?
「急でしたが、動画を見てこういう選手なんだって見てきました」
――堀尾選手も国崇選手も飛びヒザ蹴りが得意ですね。
「空中戦ですよね。ほかにそういう試合がないと思うので努力します。空中戦を仕掛けます」
――オファーをもらったのはいつですか?
「水曜日(2日前)の夜に聞いて、昨日正式に決まりました。急すぎて逆に新鮮な気持ちになってよく分からないです(笑)。当日グッと緊張すると思いますが、今はワクワクしています。大会場でお客さんも多いし、大歓声が起こる大会なので、僕も出てみたかったので出られるのは嬉しく思っています。地元が滋賀県なので、神戸でやるから応援してねってみんなに連絡しました」
――どんな試合を見せたいですか?
「国崇選手は攻めの姿勢を貫き通す印象を受けたので、僕とかみ合うと思います。僕は“前へ前へ”というのを合言葉にしていて、相手が嫌になるくらいの攻めを見せたいです」
――まさか国崇選手と戦う日が来るとは思いませんでした。
「キックファンの人たちもどういう化学反応を起こすか楽しみにしていると思うので、KOを狙います。僕も国崇選手と交えるとは全く考えていませんでした。ルールも体重も違うので」
――ヒジなし、首相撲なしのルールは堀尾選手の方が慣れていますね。
「国崇選手はパンチも出せるし、ムエタイルールでもそんなにつかんでないですよね。打撃の距離で攻撃を出し続ける印象なので見ていて面白い試合ができると思います」
――体格差は気になりませんか?
「多分、皆さん僕の方が身体は小さいので、劣勢になると思うでしょうが、そこでは負けたくない。勝負にこだわるNARUTOから学んだ気持ちを見せて、最終的に僕が倒して立っていたいなと思います」
――NARUTOが好きですよね。
「僕はNARUTOのアニメを見て気持ちを前日に作ります。マイペースに自分の集中を作っていきます。計量が終わって寝る前に見て気持ちを作って寝るんです。明日は少年編のサスケ奪還編を見ます。今まで何回も見ていますけれど」
●HIROYAのコメント「紀左衛門君もウチに練習に来ていて、竜司も練習相手としてやっていました。普通ではこのタイミングで試合をするのはありえない。でも、日々試合があろうとなかろうと練習を頑張っているから今ここにいることができている。竜司の真面目なところは報われて欲しいです。竜司にとって大きなチャンスなので思うように倒して欲しいなと思います」