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【Bellator】ベイダーがヘビー級王座を統一、激闘だったメインとセミだが「ホームタウンディシジョンでは」と物議を醸す

2022/01/30 19:01
 2022年1月29日(日本時間30日)に米国アリゾナ州フェニックスのフットプリント・センターにて「Bellator 273: Bader vs. Moldavsky」が開催された。  全10試合の激闘では、RIZINの朝倉未来が対抗戦を希望するフェザー級で、プレリミナリーから寝技師クリス・ブレナンを父に持つ“スカイウォーカー”ルーカス・ブレナンがギロチンチョークで一本勝ちし、負け無しの6連勝をマーク。また注目のバンタム級では、元UFCのエンリケ・バルゾーラが、堀口恭司と2度戦ったダリオン・コールドウェルとの激しいレスリングの攻防を制してTKO勝ち。ヒョードル軍団のニキータ・ミハイロフがTKO勝ちで存在感を示している。  そんなアリゾナでの大会で、メインとコ・メイン(セミファイナル)の2試合の判定がホームタウンディシジョンではないかと物議を醸している。  ひとつはメインイベントで「Bellator世界ヘビー級王座統一戦」として行われた、元Bellatorのヘビー級&ライトヘビー級の2階級制覇王者ライアン・ベイダー(米国・正規王者)と、暫定王者ヴァレンティン・モルドフスキー(ロシア)の戦い。  アリゾナ州立大学でレスリングで活躍し、NCAAディビジョン1でオールアメリカンに2度選出されているベイダーは、現在アリゾナ州ギルバートのPower MMA所属。  2019年1月にエメリヤーエンコ・ヒョードルを1R KOに降し、ヘビー級GP優勝を果たすと同時にBellator世界ヘビー級王座を獲得し、Bellator史上初となる二階級同時王者となったが、ライトヘビー級GPでは、2021年10月の前戦の準決勝でコーリー・アンダーソンに1R TKO負けで王座陥落、今回、地元でのヘビー級王座防衛戦で再起を図った。  対するMMA11勝1敗のチーム・ヒョードルのモルドフスキーは6連勝中で、2021年6月にティム・ジョンソンに判定勝ちで暫定王座についた。唯一の黒星は2016年大晦日のRIZINでのアミール・アリアックバリ戦でのスプリット判定負けのみ。師匠ヒョードルの敵討ちの一戦でもあった。  試合は1Rに右のオーバーハンドを当ててモルドフスキーをグラつかせたベイダーだが、2、3Rに復活したモルドフスキーがテイクダウンを奪い試合をリード。4Rにテイクダウンを奪い返したベイダーだが、最終5Rにモルダフスキーがベイダーをリフトアップしスラムする、ビッグテイクダウンを奪い、3つのラウンドを獲ったかに見えたが、判定はまさかの3-0(48-47×3)で、ジャッジ3者がベイダーを支持。ベイダーが初防衛に成功した。  試合後、「アリゾナ、元気かい? 本当に接戦だった。4Rはいい感じだった。彼は思ったよりボディロックが強かった。最終5Rでは、自分がヒジを打っている間、彼はただ耐えていた。このままでは終われないと思ったんだ。より多くのダメージを与え、ジャッジがレスリングではなく、打撃で採点してくれることを期待していたよ」と語ったベイダーだが、公表されたスタッツではトータルの打撃で142発中78発を当てたモルドフスキーに対し、ベイダーは106発中66発の着弾で、打撃を打った数もヒット数もモルドフスキーが上だった。  また、テイクダウンでは、18回トライ中9回を成功させたモルドフスキーに対し、ベイダーは9回中3回成功のみ。基本ラウンドマストの北米ジャッジで、最終5Rのモルドフスキーのテイクダウンに、ベイダーが打った細かいエルボーやダメージがどうジャッジされたたのかが問われる判定となった。  地元の声援を受けて入場したベイダーだったが、判定の瞬間は歓声とブーイングが混在する状態に。  奇しくも、コ・メインで行われたライト級での米露対決でも、元UFC世界王者のベンソン・ヘンダーソン(米国) が、ハビブ・ヌルマゴメドフ軍団のイスラム・マメドフ(ロシア)を相手に、スプリット判定で際どい勝利をモノにしており、アリゾナ州フェニックスのMMAラボ所属のヘンダーソンは、「キャリアで一番大切な試合だった。ホームタウン、のフェニックス、アリゾナのみんな、ありがとう。ハイエルボーギロチンで絞めたけど、彼のディフェンスは強かった。スムーズに戦った」と、地元の声援を背に接戦を勝利したことを語っている。  団体とは関係なく、各州のコミッションから派遣されるジャッジのクオリティにはバラつきがあり、ユニファイドながら細かいルールが異なることもあるが、会場の空気は判定に影響がなかったか。検証されるべきメインとコ・メインの試合だった。  試合後、記者団から上記2試合の判定について問われたスコット・コーカー代表は「私はジャッジに賛同するよ。小数点を切ったような僅差の試合で、正直、試合後、ジャッジの1人に『僕はこういった試合でとてもジャッジ出来ないな』と言ったくらいなんだ。これまでベンソンが勝ったと思った試合でも負けた試合もある。ライアンに関しては、1P差で勝ったんじゃないかと思っていたら、ジャッジも同じだった」と語っている。
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