2019年6月2日(日)兵庫・神戸ワールド記念ホールにて開催の『RIZIN.16』で、DEEPストロー級のトップファイター川原波輝(総合格闘技スタジオSTYLE)と対戦する修斗元ランカー・征矢貴(パラエストラ松戸)が5月31日、大阪市内のホテルで事前インタビューを行った。
RIZIN初参戦の征矢は、アマチュア修斗からキャリアを積み、DEEPでのプロデビューを経て、2013年から修斗に参戦。バンタム級新人王決定トーナメントで3戦全てKO勝ちするなど強打を武器に優勝を果たした。
しかし、パートナーの闘病、自身の難病克服もあり戦列から離れ、2017年5月の清水清隆戦でのKO負け以来、今回が2年ぶり復帰戦となる。
公開練習で明かした通り、難病からの復帰を目指していた征矢は、今回のRIZIN参戦決定にあたり、再び体調を崩さないように周囲から「無理するな、休みながらやりなよ」と声をかけられていたが、「唯一、鶴屋(浩・パラエストラ松戸代表)さんから、『お前、これから1日3回練習しろ』と言われて。朝・昼・夜とこなせたことが自信になっている」と、師匠の愛の鞭が復帰戦への不安を取り除いたことを明かし、さらに、「せっかく練習であんだけやったんだから、試合で楽に勝つよりシンドいことをして、最後は打撃でKOします」と、すべてを出し切ってのKO決着を宣言した。
征矢貴「僕もRIZINの舞台で人生を変えたい」
――コンディションは?
「いつもより、普段、修斗でやっている階級より減量が2キロ少なくて、かなり楽でいい感じに仕上がっています」
――川原波輝選手の印象は?
「打撃がかなりスピードがある選手。空手出身で踏み込みが速い印象です」
――神戸大会でどんな試合を?
「個人的にシンドい試合をしたいなと思っているので、楽に勝つというよりも、全部出して、もちろん最後は打撃で僕がKOします」
――「シンドい試合をしたい」という意図は?
「2年ぶりの試合なんですけど、以前より強くなったところを見せたい、というのと、この1カ月、相当、このRIZINのために練習を追い込んでやってきたので、それを全部出したいというのがあります。せっかく練習であんだけやったんだから、試合で楽に勝つより、シンドいことをしたいな、という気持ちです」
――2年ぶりの試合を目前に控えた心境は?
「決まった時は不安しかなかったんですけど、2年ぶりで動けるのか、病気になってから追い込みの練習もしてなかったので、まず、存分に追い込めるのかという不安しかなかったんですけど、今はもう、やることはすべてやったという感じで、2年ぶりだけど自信を持って試合に臨めます。いまはどう戦えるかかな、と。殻を破れるかなとワクワクしています」
――川原選手は打撃の鋭さ・爆発力があり、「打ち合い」を望んでいます。
「打ち合う場面は試合でもちろん出てくると思います。そのときに相手の爆発力もあるんですけど、僕も爆発力、一撃のパワーは負けていないと思っているので、それで僕の方が勝ってKOで勝てたらと思います」
――オファーはいつ?
「1カ月前、ゴールデンウイーク前に違う選手が相手でオファーが来ていて、2年ぶりの試合でRIZINから声をかけていただいたんで、そのときが、前みたいに動けるか、不安がかなりありました」
――不安が解消されたのは?
「昔から練習しすぎて体調を崩していたので、いろんな人から無理すんな、休みながらやんなよと声をかけてもらっていたんですけど、唯一、鶴屋(浩・パラエストラ松戸代表)さんから、『お前、これから1日3回練習しろ』と言われて。朝・昼・夜と。で、僕も鶴屋さんのことを信じているので、『はい、わかりました』と言って、しっかり1日3回の練習を結果的にこなせたので、それがいま、すごい自信になっていて。やっぱり練習でしか、その不安を拭い去ることはできないと思うので。量をこなした方が偉いとか、強いということでは全くないんですけど、それが僕のいまの自信になっているかなと思います」
――その1日3回の練習で夢を見たりもしましたか。
「昔は試合前に試合の夢を見ていたんですけど、今回は朝、家を出たらスイッチをオンにして、家に帰ったらスイッチをオフにすることを意識していたので、ずっと考えちゃうとパンクしてしまうので、そういう風にしていたら夢を見なかったですね」
――苦しいことや悲しいこともあったと思います。自分をコントロールするしかたを身に着けた?
「そうですね……矛盾はするんですけど、練習はするけどいかに身体に負担をかけないかをやってきて、昔はいかに身体に負担をかけるかという練習をしてきたんですけど、いまは苦しい練習はするんですけど、いかに身体に負担をかけないように練習するかを意識して生活をしてきました」
――RIZINの舞台にセコンドではなく選手として上がる気持ちは?
「カンナの試合でずっとセコンドでついていたんですけど、大晦日にRENA選手を倒して、ほんとうに1日で人生が変わる舞台だと感じました。僕も人生を変えたいというか、RIZINで一緒に活躍したいなと思っていて。カンナと一緒に出られるのは、後輩ですけどすごくハートが強い選手なので心強いなと思っています」
征矢貴「打投極、すべてにおいてのアグレッシブさを見て欲しい」
「(RIZIN初参戦で)病気で2年間休んでいたので、再びリングに立てる事が嬉しい。(対戦相手の川原は)打撃のスピードがある選手。(格闘技を始めたのは)15歳。中学野球を引退して暇だったので、たまたま近くにあったパラエストラ松戸に入門しました。(見て欲しいというポイントは)打投極、すべてにおいてのアグレッシブさを見て欲しいです」