試合後のインタビューで右手を隠すようにしていた朝倉海。記者からの質問で骨折を打ち明けた
2022年2月23日(水・祝)静岡のエコパアリーナにて開催される「RIZIN TRIGGER 2nd」の対戦カード発表会見が、1月21日(金)14時30分から、RIZIN FF公式YouTubeチャンネルにて配信された。
会見の冒頭、榊原信行RIZIN CEOは大晦日に準決勝・決勝戦が行われた「RIZIN JAPAN GRAND-PRIX 2021 バンタム級トーナメント」の各賞を発表した後、「GPに関してお知らせしておきたい」と切り出した。
それは、同トーナメントで準優勝となった朝倉海(トライフォース赤坂)が、準決勝の瀧澤謙太戦で右手人差し指の第2中手骨を骨折していたことで、骨折した選手になぜ決勝戦をやらせたのか、という声に対しての回答だった。
「いろいろな形で議論になりました、朝倉海選手のトーナメントでの決勝進出において怪我があって骨折していたんじゃないかということに関しての議論がいくつかあるんですけれども、これは海選手もゴン格さん(雑誌:ゴング格闘技)のインタビューとかいろいろなところでコメントしていますが、1回戦(大晦日の準決勝)が終わった時点でドクターチェックをしました、ドクターチェックをした結果、骨折をしているかもしれないとのことで。ただ、その場でレントゲンが撮れるわけではないので。
本人もひょっとしたら古傷を痛めたかもしれないとの自覚はありました。ドクターや主催者としては生命に危険があることならば当然主催者として本人が行きたいと言っても止めることだと思いますけれども、本人の強い意志で今回は何があっても自分は行くんだということを海選手が強い意志で我々にも伝えたし、痛みがあっても戦う、これはトーナメントだからということではなくて普通のワンマッチであっても当然怪我があっても体調が悪かったとしても選手たちは人生を賭けて戦ううえでこの一戦に懸けるのであれば、そのチャンスをつかまずに辞退するのではなくて、拳を痛めてでも戦いたいとの意思があるなら僕は尊重したいと常に思っています。
もちろん議論があることは分かります。選手の生命とか選手生命を考えたら、主催者が止めるべきことじゃないかっていう意見があることも十分理解しています。それでも我々は戦うファイターの意思を尊重できるところまでは尊重する。これからもその考え方は変わらない。トーナメントって、きっと過酷なのかもしれない。でもアメリカのアスレチックコミッションでいうとタイトルマッチは5分5Rなんですね。僕らは5分3Rの1回戦、そこからインターバルで6~7時間空けて3R。もちろん5Rではなく6R戦うことに結果としてなる場合があるんですが、それでも何かRIZINがむちゃくちゃ無理なことを選手にこのトーナメントの中で強いているという認識はしてないです。
過酷です。過酷だからこそ賞金もあり、チャレンジしがいがあると、そう思っています。もちろん、いろいろな皆さんからのご意見とか、何言ってるんだって考え方、全てが私の考えに同感していただけるわけではないと理解しています。これは久保vsシバターの件もそうです。
ただ、いろいろと起きた皆さんの議論や意見に、真剣に正面から向き合って失敗や苦い経験から次の改善点、このトーナメントに関してもだから変えないというわけではなくて、しっかり再度自分たちの中で今後選手たちの健康をそれでも守って行くこと、拳もそうだし身体の部位を痛めないで最高の試合ができるような、それはひょっとしたらグローブの品質改善にもよるのかもしれないです。レフェリングによるかもしれない。いろいろなことを今回ここまで経験させていただいたことで、プロモーターとしてしっかり考察をして次のステップ、さらなる成長に向けて吟味してみんなと議論をして、次の道を見つけていきたいと、そう思っています。いろいろ厳しい意見をいただければ、それにしっかり向き合って次のステップを、さらなる飛躍に向けて考えたいと思いますので今後ともよろしくお願いします」
榊原CEOとしては、何が何でも決勝戦に出るという朝倉海の意思を尊重し、生命(選手生命ではなく)に直接影響する怪我ではなかったことなどを考慮したうえでの判断だったと説明。ただし、今回の件を踏まえてトーナメントのあり方や安全面などは再度考慮する必要がある、と説明した。