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【K-1】卜部弘嵩と島野浩太朗が7年ぶり再戦、両者ベテランとなっての邂逅に「この試合は特別な試合」

2022/01/13 23:01
【K-1】卜部弘嵩と島野浩太朗が7年ぶり再戦、両者ベテランとなっての邂逅に「この試合は特別な試合」

両者ともベテランになっての再戦となる卜部(左)と島野。どんな味のある試合を見せるのか

 2022年2月27日(日)東京体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』の対戦カード発表記者会見が、1月13日(木)に行われた。

 スーパーファイトの-61kg契約3分3R延長1Rで、卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と島野浩太朗(菅原道場)が対戦する。


 卜部は初代・第4代Krushスーパー・フェザー級王者として5度の防衛に成功、2015年11月には卜部功也との兄弟対決に勝利して、第2代K-1スーパー・フェザー級王者となった。2017年2月の初防衛戦に敗れるとフェザー級に転向。2019年3月、2階級制覇を目指して村越に挑戦したが判定負けを喫した。11月の「K-1 WORLD GP第3代フェザー級王座決定トーナメント」では準決勝で敗退。約1年ぶりの試合となった2020年12月の才賀紀左衛門戦では、計量を1.9kgオーバーしたうえに試合ではヒザ蹴りがローブローとなってしまい、才賀が試合続行不可能となって反則負け。2021年9月の再起戦では芦澤竜誠に敗れた。戦績は37勝(18KO)19敗3分。


 島野はMA日本キックボクシング連盟をホームリングに、2011年からK-1 JAPAN GROUPに参戦。強打を武器にトップ戦線で活躍し、北井智大、レオナ・ペタスらをKOし、皇治、卜部功也、卜部弘嵩らトップファイターたちと拳を交えてきた。2018年6月に郷州征宜を破り第7代Krushスーパー・フェザー級王座に就くと、同年12月に大岩龍矢を退けて初防衛に成功。しかし、2019年3月の2度目の防衛戦で西京佑馬に敗れ、ベルトを失った。前戦は2021年5月のK-1で佐野天馬に判定負け。戦績は26勝(15KO)15敗。

 両者は2014年11月、第4代Krushスーパー・フェザー級王座決定戦で対戦し、この時は卜部が判定3-0(28-27、27-26、28-26)で勝利し、王座に就いている。

 会見で島野は「この試合は自分にとって特別な試合です。2月27日、東京体育館。覚悟を決めて卜部選手を破ります」といつにもまして思いつめた表情でコメント。卜部も「僕にとっても今回の試合は特別で、次の試合でちょうど60戦目になります。切りのいい数字で、自分は60戦もやったのかと色々と感慨深いものがあるのですが、今の自分の集大成じゃないですけど、そういうものを見せられたらいいなと思います」と、特別な試合だと口を揃えた。


 それはなぜか。島野は「自分がまだデビューする前に、道場の先輩の竹内(裕二)先輩と弘嵩選手が初代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメメント決勝戦で対戦していて(2011年4月30日)、自分もチャンピオンになりたいと夢を描いてアツくさせてくれた試合であり、光景でした。その自分の始まりの気持ちを超えるんだという気持ちが今回の試合には特別にあります」との想いがあるとする。

 卜部は「実は菅原道場の菅原会長、島野とは付き合いが長くて、僕が高校生の時からずっと良くしてもらっていて、菅原道場の練習や合宿にも参加させてもらい、メンタル的なことも含めて色んなことを教わりました。そして当時、ジムの端っこでサンドバックをこつこつ叩いていた少年が島野で、7年前に対戦した時に『あの少年がここまで来たか』と思って戦いました。そしてまたキャリア終盤、ここで島野とやれるのかと思うと、色々と感慨深いものもあり、嬉しいですね」と、こちらも興味深いエピソードを明かす。


 7年前に対戦した感想を聞かれると島野は「当時、挑戦した時の僕は経験も浅く、胸を借りる立場でしたが、今は一人の選手として弘嵩選手を超えたいと思います。当時の弘嵩選手はずっとこの階級を引っ張ってきた王者だったので、それに食らい付くというか、何としてでも食ってやるんだという必死な気持ちだけでした」、卜部は「あの時の僕と今の僕では心境が違っていて、あの時は自分が負けるとは1ミリも思えない過信の塊のような、いつも自信満々でリングに上がっていました。でも今は連敗が続いてしまい、目の前の一戦一戦が大事で、勝ちに飢えている状態です。そういう意味で、今回は覚悟を持ってリングに上がりたいと思います」と、それぞれ過去と現在を話す。

 7年ぶりの再戦で、どんな試合を見せたいかと聞かれると島野は「経験を重ねる中で、自分の中では戦いという部分とスポーツという部分が曖昧になってしまっていました。前回の試合を含めてそれを感じているので、今回は初心に返って気合いを入れて準備していきたいと思います」、卜部は「俺も初心に戻ります。目の前の一戦一戦を一戦必勝で頑張ります」と、これも“初心に返る”と考え方が一致。

 卜部も島野も“覚悟”との言葉を使った。当日はどんな覚悟でリングに上がるつもりなのか。


「この試合で勝って何がしたいとか、この試合を持ってどう進んでいきたいとか、そういうものは一切なく、これまで選手としてやってきた時間の全てを次の試合にぶつけます。それがどうなるんだろうという気持ちもありますが、この試合の先が自分でも分からないぐらいアツい気持ちを持って臨みたいです」(島野)

「格闘技はどんなことをしてでも勝たないと前に進めない。ここで止まるわけにはいかないので、本当に勝つしかないです」(卜部)

 時が経ち、2人ともベテランの域に達してでの再戦。熟成を重ねてきた者たちとして、どんな味・色を試合に出したいか。そう聞くと島野は「この試合に関しては、これまでの経験とかそういったものを抜きにして、まっさら、ゼロな気持ちで、今日が始まりだというそれぐらいの気持ちで臨みたいと思います」と、言葉通り“初心”で臨むとし、卜部は「僕も長く戦ってきて、味は自分で出すものではないと思うし、この試合を見てくれる人が感じとればいいと思います。リングの上は生き様が出ると思うので、自分がやってきた生き様を見せられたらと思います」と、見る人に味わって感じて欲しいと答えた。

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