キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】鈴木千裕「倒して倒して倒して倒しまくって、キックとMMA、二刀流を体現する」

2022/01/12 20:01
 2022年のシリーズ開幕戦となる1月22日(土)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2022 vol.1』にて、スーパーファイトのKNOCK OUT-BLACK -65.5kg契約3分3R延長1Rで、タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム)と対戦する鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者を通じて届いた。昨年7月にKNOCK OUT-BLACK初代スーパーライト級王者となり、9月と11月にはMMAでRIZINに参戦した鈴木にとって、今回は半年ぶりの『KNOCK OUT』、半年ぶりのキックルールとなる。RIZIN参戦を経て鈴木のファイトは変わるのか、どうなのか。そこに対する鈴木の目論見とは? 自分が勝っているのはスタミナとパワーと覚悟 ──ちょうど年が明けたところですが、2021年は鈴木選手にとってどういう年でしたか? 「ずっと挑戦の年でしたね。シンプルにそれだけです」 ──KNOCK OUT王座も獲って、宣言通り二刀流でRIZINにも2回出場しました。現時点で、RIZIN参戦で得られたものというと何ですか? 「ありすぎて、何から言えばいいか(笑)。でもやっぱり、みんながやらないことをやることで、覚悟が決まりました。『MMAに専念した方がいい』『キックに専念した方がいい』といろんな声があって、それはもちろんその通りなんですよ。でもその声に流されないで挑戦して、二刀流でやっていこうという覚悟が決まったのは大きかったです。2戦して勝って負けて、技術面でももちろんいろんなことを学んだんですけど、気持ちの上で得たものが大きかったですね」 ──前回の『KNOCK OUT』出場から今回の試合が決まるまでの期間は、練習の割合はどういう感じだったんですか? 「ジムでのキックの練習は以前と変わらずにやっていて、それに朝と午後、MMAの練習を入れたという感じでした。だからキックに専念していた時から、キックの練習自体は減らしてはいません。今はMMAの練習はしていなくて、キックの練習だけやっています」 ──なるほど。 「キックとMMAでは動きのクセも違っていて、中途半端にやっていたら絶対勝てないので、今の一定期間はチャンピオンになった時と同じメニューで、キックの練習に集中しています」 ──MMAの練習を加えてから、キックの練習に影響する部分はありましたか? 「フォームも戦い方も違うので、最初の頃はちょっと違和感がありました。でもMMAの試合を経験したら、どうやったらMMAとキックをシフトチェンジできるかというのが分かって、その頭の切り替えが分かるようになってからは違和感もなくなりました」 ──今回は半年ぶりのキックの試合になりますが、タップロン・ハーデスワークアウト選手との対戦が決まりました。 「何か、いきなりすげえ強い人来たなって感じなんですけど、自分はそっちの方がいいんですよ」 ──ほう。 「デビューした時から『強い人と戦いたい』って言ってて、それは何も変わってないので。端から見て『千裕、余裕で勝てるっしょ』と思われるような試合って、格闘技の本質から外れているというか、違うと思うんですよね。弱い相手に勝っても仕方なくて、これだけ強い相手と戦って勝つのがやっぱり格闘技だよな、と自分は思ってるんで。そういった面では気合い十分で覚悟も決まってます。こういう選手とやりたかったですね」 ──タップロン選手はこれまで多くの日本人強豪選手と戦っています。意識はしていましたか? 「いや、僕は格闘技をプレイヤーとしてやるのは好きなんですけど、他の試合とかはほとんど見ないんですよ(笑)。だからタップロン選手のことも最近知ったんです。調べたらメッチャ強いし、いろんな強い選手とやってるんだと知ってからは、めちゃくちゃヤバいなと認識しました。たしか戦績が105戦70勝とかだったと思うんですけど、まあでも、その105戦の中に自分がいなかっただけなので、大丈夫です」 ──タップロン選手の映像を見ての印象と、特に警戒すべき点は? 「全てが僕より上でしたね。キャリアもテクニックもあるし、ほとんどの点で上回られてるなっていうのが、正直な印象です。でもその中で、たぶん自分が勝っているのはスタミナとパワーと覚悟だと思います。その3つをちゃんと出し切れば勝てると思っているので、いけると思ってます。むしろ僕はチャンピオンのプライドがあるので、いかなきゃいけないですから」 ──今回の試合も、基本的なスタイルは変わらない? 「そうですね。自分もキャリアを重ねて、テクニックもついてきてはいるので、以前の勢いにプラス、知識とかテクニックがついたという感じになると思います。ただ突っ込んでいるように見えて、その中に経験と知識が組み込まれているんだよっていうのを見てほしいです」──突っ込むこと自体は変わらないわけですね。 「はい。そこが自分の強みですし、見てる人はそういう試合の方が面白いじゃないですか。まあ、“変わらない”というよりは“変えられない”なんですけど(笑)」 ──RIZIN初戦の昇侍戦では、そのスタイルで出て、敗戦しました。そこでスタイルの見直しは考えなかったですか? 「その次、山本空良戦ではスタイルを変えたんですけど、その試合をメチャクチャ反省したんですよ。本当に試合の直後からずーっと反省してて、『ああいう試合を二度としない』という覚悟を決めました。やっぱりああいう試合を見ても誰も面白くないですし、あれは“ただのプロの試合”でした」 ──“ただのプロの試合”。 「“プロの中のプロの試合”だったらお客さんはメチャクチャ沸くし、『すごいな!』と思わせるのが本当のプロフェッショナルだと思うんですよ。あの試合は本当にそういう要素がなかったので、そういう意味でもメチャクチャ反省しました。あと、自分らしさがなかったです。なぜ自分がRIZINに呼ばれてるのかって倒せるからなんですよね。それを生かさないで勝っても、呼ばれてる意味が分かってないってことなので。今回、僕が『KNOCK OUT』でメインを張るのも意味があると思うので、プロフェッショナルの試合をより意識したいです」 ──改めてその意識が強くなったわけですね。 「昇侍戦は、あれはあれで受け入れるしかなくて、次にああならなきゃいい話なので、ファイトスタイルは何も変わらないです」 ──試合結果は昇侍戦が負けで山本空良戦が勝ちですが、内容に対しての自己評価は正反対ぐらいの感じなんですね。 「はい。次の試合は倒す自分を見せることしか考えてないです。山本戦みたいな試合をすることは、二度とないと思います」 ──2022年一発目の試合は『KNOCK OUT』になりました。今年、ここからどうしていきたいですか? 「今年も同じく、倒して倒して倒して倒しまくって、キックとMMA、両方のトップに乗り込んでいきたいですね。今年の目標は、二刀流を体現することです。『KNOCK OUT』では誰も倒せないチャンピオンでい続けて、“絶対王者”と呼ばれるようになります」 ──実際にやり始めてみて、試合間隔のスケジューリングについてはどうですか? 二刀流だと、どうしても短い試合間隔で出場しないといけない場合もあるかと思いますが。 「そこについてはメチャクチャ思うところはあるんですけど、そこは二刀流の使命なのかなと思うので、その場で帳尻を合わせていくしかないかなと。キックの話が来たらキック、MMAの話が来たらMMAと、素早くシフトしていくしかないのかなと思ってます。あとは自分じゃなくて、山口元気会長とファンの方が決めてくれることだと思うので、それに乗っかっていきたいと思います」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「シンプルに、タップロン選手を僕がKOするところですね。しかも1RKOで決めます」
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