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【RIZIN】「シバターのとっている戦術は品性下劣」としながらも久保とシバターに処分無し、契約書の見直しや選手管理、SNSの使い方の規則などで再発を防ぐと榊原CEOが発表

2022/01/11 20:01
 波紋が広がっている2021年12月31日(金)さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.33』にて行われた久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)vsシバター(フリー)の不正試合疑惑。  この件について1月11日(火)、榊原信行RIZIN CEOがRIZINの公式YouTubeチャンネルにて『「シバター vs 久保優太」の件に関して』と題した動画で見解を示した。 「年明けからSNS上でいろいろ話題となっているシバターと久保優太選手の試合のことに関して、RIZINとしての見解を皆さんにお伝えしたいと思っています」と話し始め、「騒ぎが起きている中、両選手とヒアリングしたり時間をかけて検証し、契約書に基づいても弁護士の先生にも話をし、(見解を)出し切る形がその中に僕らが飛び込んでいくよりはいいかなということもあってこの10日間、しっかりいろいろなことを精査したうえで皆さんにお話をさせていただきたい」と、沈黙の期間は情報収集や検証を行っていたと説明。 「最初に絶対に言っておかないといけないこと。2005年にRIZINを立ち上げて以来、6年の歴史、これは天地天命に誓って八百長なんてものは1試合もないです。これはこの場で自分の人生を懸けて、命を懸けて約束してもいい。ありえない。100%全部リアルファイトである」と、この件に端を発した他にも不正試合があったのではないかとの声に真っ向反論した。 「2人の起こしたことだけでなく、品性下劣な連中がYouTubeだとかいろいろなものを使って動画を配信、何の責任もなくかき回したことによっても情報がどんどん間違った方向に届けられたり、拡散したりして、みんなの邪念を呼んだのかもしれないですけれど、そこは我々が検証した結果をお伝えしたいと思います」と、RIZINとしての公式な見解を話したいとし、事の経緯を説明した。  まず公になっている通り、シバターから「試合に出たくない」との話があり、久保にシバターから直接電話が行った話をし、「久保陣営からは、RIZINにも連絡がありました。『シバター選手は自分に体調が良くないとか、負けるかもしれないって迷っている風なことを言うけれども、自分はシバターさんの話を聞いたふりをして試合を成立させてやっつけちゃいますから。そんなこと言いながらも手加減せずにやりますと言っていました」と、久保陣営はシバターの事前打ち合わせにのるフリをしてシバターをリングに上げ、そこでは試合を真剣にやる方向性だったとの新事実も。  しかし、「その中で久保選手を色々ヒアリングする中でわかってくるんですが、前日の公開計量でも(シバターが久保に対して)また何かささやいているらしいんですよ。ずっと陽動作戦を仕掛けていた。久保はまんまと術中にハマってリングに上がった状況だと、見えてきました。我々からすると、シバターのとっている戦術は、正直品性下劣だし、モラルハザードというか……。ただ本人はスポーツマンシップにのっとる気も全くないわけだし、プロの世界は正々堂々という戦いばかりではないんですね」と、最終的には久保がシバターの術中にハマってしまったという。  そこで久保とシバターに対する処分だが、まず「我々の契約書の中で言うと契約書上もコミュニケーションをとることに対しての規定がないんです。これまでは。当然無気力な試合をしてはいけない、八百長をしてはいけない、ということには規定があるし罰則があるけれど、直接選手間同士で試合前にコミュニケーションをとってはいけない、試合のことに関して話してはいけないということはこれまで規定する必要がなかったので、そういうことは一切規定せずにきました」と、契約書的にはグレーゾーンで違法ではないことだったとする。  今後は「契約書の中に、今回シバター選手がとった行動は2度と今回とったような行動が起きないように、契約書の中に事前に選手とかセコンド、関係者が相手方の選手と試合の内容に関して直接話し合うことは絶対禁止する、という条項を入れておきたいと思っています」との対処法で再発を防ぎたいとした。  さらには「選手管理を徹底していくべきだったし、コミュニケーションをとっておくべきだったなという風に反省するところはあるので、誰かに何か罪や罰を与えるという話でもなくて。僕は今回のことはこの先のRIZINの歴史の中の、一石を投じられた一つの案件としてここから大きなことを学んで、今後こういったことが起きないように選手管理の部分で写真の選手管理を徹底的にしていくための組織作りとか、考え方をどうしていくかということ、それと契約書の見直しをすること、それと選手たちのSNS上での使い方の規則とか使い方の啓蒙活動とかをしっかりしていく。そういうことを徹底していきたいと思っています」と、同じようなことが起きないように今回の反省を踏まえて改善していきたいと話す。  そして最終的には「中にはシバターも久保も永久追放だといろいろなことを言う人はいます。だけど彼らに関して言うと、僕からすれば久保は久保という人格と人間性とファイターとしての尊厳といろいろなものを持って大晦日戦いました。シバターからするとリングの中は100%リアルファイトで戦っているわけです。久保だって100%の気持ちは作れないけれど、そこに台本も何もない戦いが繰り広げられた。この事に関して言うとここから学んで多くの是正する部分はあるけれど、何か処分するという考えは全くないです。毒にも薬にもなる炎上系YouTuberをリングに上げたわけだから、今回は学ぶ毒の部分の方が強かったかもしれないし、一昨年の大晦日はHIROYAと戦った時のシバターからすればとっても薬の部分が多かったかもしれない。それでも我々としては彼らを受け入れた以上、切り捨てるとか、一方的に彼に責任を押し付けて何か事が収まることではないと考えています」と、両者に対して処分やペナルティを与えることはない、とも。 「選手管理を徹底していくべきだったし、コミュニケーションをとっておくべきだったなという風に反省するところはあるので、誰かに何か罪や罰を与えるという話でもなくて。僕は今回のことはこの先のRIZINの歴史の中の、一石を投じられた一つの案件としてここから大きなことを学んで、今後こういったことが起きないように選手管理の部分、選手管理を徹底的にしていくための組織作りとか、考え方をどうしていくかということ、それと契約書の見直しをすること、それと選手たちのSNS上での使い方の規則とか使い方の啓蒙活動とかをしっかりしていく。そういうことを徹底していきたいと思っています」と、今回の事件をRIZINとして反省し、今後の改革に取り組んでいきたいと語った。  最後にはメンタルが弱っている久保を「そっとしておいてあげて欲しい」と呼びかけ、「これからも物議を醸し出すかもしれませんがRIZINは小さくまとまる気はないです。あらゆることにチャレンジするし、シバターという炎上系YouTuber、これは毒にも薬にもなる人だと分かって今回も上げましたけれど、じゃあそういうことはもうしないかと言うと、これからもいろいろな形で話題性のあるカードを組む。その代わり100%リアルファイト、真剣勝負の中から生まれるドラマでみんなを魅了していけるように。自戒の念も込めて。でもこのことで小さくまとまる気はない。今年も冒険をするし、チャレンジをするし、みんなに叱咤激励されながら日本の中のRIZINとしては世界の人たちを魅了できるように。UFCとかBellatorと同じアプローチなり、同じコンテンツで勝負していたって一生かかってもUFCには届かないです。だから彼らがやらない守備範囲も含めて、みんなのハラハラドキドキワクワクを全力で作りますので、どうかよろしくお願いしたいと思いますし、どうかこの件は忘れてですね、2022年前向きに全力で進んでいく道に共についてきてくれたら、応援してくれたらと思います」と、リアルファイトを大前提にはみだしたことをやっていくと宣言した。  好むと好まざるとにかかわらず、このSNS時代に選手自身によるプロモーションや発信は今後も続くだろう。また競技者側の発言する機会を奪うことも不可能だ。リアルファイトで「管理」すべきは何か。RIZINは、今後もこの課題に取り組んでいく。
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