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【IRE】ケージ・掌底・足関節ありで今成正和が“最強柔術家”石黒翔也と対戦!“投神”倉本一真vs.グラップラー寒河江寿康、魚井フルスイングも=高橋“SUBMISSION”が見所解説

2022/01/07 04:01
【IRE】ケージ・掌底・足関節ありで今成正和が“最強柔術家”石黒翔也と対戦!“投神”倉本一真vs.グラップラー寒河江寿康、魚井フルスイングも=高橋“SUBMISSION”が見所解説

(C)RIZIN FF

 2022年1月10日(月・祝)19時から、今成柔術主催による「IRE vol.6」が無観客、ABEMA配信にて開催される。

 ノーポイント&サブオンリーと掌底有りのルールで、オーバータイムでは、50/50かサドルロックを選択する「今成コンバット柔術ルール」で行われる同大会では、全6試合が決定している。

 グラップリングながら、ケージの中で行われるため、ケージレスリングやスープレックスもOKで、グラウンドでも掌底が許されるなか、MMAファイターたちはいかにコンバット柔術を戦うか。


©和田英也

 その見どころを、今大会のプロデューサーを務める高橋“SUBMISSION”雄己に聞いた。

▼メインイベント 68kg(前日計量)1R7分
今成正和(今成柔術)
石黒翔也(CARPE DIEM)


今成の動きの予測不能性、グラップリングの考え方を無視した動きと異常な極めの強さ

「今成正和は自分のグラップリングの師匠であり、言わずと知れた足関節技、特にヒールフックの名手です。今成さんのグラップリングの最大の特徴はグラップリングの基本的な考え方を色々と無視して動くところです。


(C)RIZIN FF

 僕も今成さんも異質なファイトスタイルのMMAファイターだと見られがちですが、その実、僕はグラップリングとしてはすごく正統派の技術体系で動いています。例えば、トップならばパスガードを重視し、ボトムならば足関節やチョイバー、オモプラータを中心に組み立て、相手の足関に対してはベリンボロ系のバックテイクを被せる、といったグラップリングとしてはオーソドックスな動きです。

 対して今成さんはパスガードやバックテイクなどのポジションゲームを一切しません。ポジションゲームをしないどころか、現代的な足関節技のロジックをも無視した動きで極めにきます。

 これが今成さんの穴でもありますが、ここに尋常じゃない極め力が加わる事で予測不能性という唯一無二の強みを生み出していると思います。それが、今回の“日本最強柔術家”である石黒選手相手に、掌底ありの今成コンバット柔術ルールのなかで、どのように出るか。注目です」

黒帯昇格後無敗! 日本最強柔術家・石黒翔也が初めてのヒール&掌底ありにどう対応するか

「石黒選手は黒帯昇格後無敗という驚異的な強さを誇っているCARPE DIEMの黒帯柔術家です。主戦場は道衣の試合ですが、僕もQUINTETのスペシャルワンマッチで戦った事があり、ノーギ(道衣無しグラップリング)の強さも肌で感じて知っています。この時は本戦時間切れで石黒選手の判定勝ちとなったのですが、QUINTETでは、僕の得意とするヒールフックが禁止だったため、試合後、石黒選手が『高橋さん、次はヒールフック有りで決着つけましょう!』とSNSで言ってくれました。ならば、いっその事、『僕のヒールフックの本家本元・今成正和とヒール有りやるのはどうでしょうか?』という事で今回の試合成立となりました(笑)。

 IREではヒールフックが許されている事に加えて、掌底という柔術家にとっては全く未知の要素が追加されます。これにブラジリアン柔術絶対王者・石黒翔也がどう対応してくるのか。非常に楽しみです」

綺麗で完成度の高い石黒の柔術×いびつで殺傷能力の高い今成のグラップリング&掌底の化学反応に期待

 前述の通りポジションをほぼ無視の今成さんに対して、石黒選手はIBJJF系のルールを土俵に育ってきた生粋の競技柔術家、いわば“ポイントゲーマー”です。

 サブオンリーという土俵、またギ(道衣)の試合にヒールがない事から今回は完全に今成さんの土俵での戦いとなります。

 また、オーバータイムのサドンデスも足関節技の取り合いを余儀なくされるので、石黒選手としては本戦で一本勝ちを狙いたいところ。ポイントメイクの本質である、極めに至る動きが、このルールでいかに発揮されるか。

 ただ、そういった勝負論は置いておいても、個人的には対極の強さを持つ2人をこの特殊なルールに放り込んだら“何が起きるのか?”という点が非常に楽しみです!」

▼セミファイナル 63kg契約(前日計量)1R7分
倉本一真(修斗GYM東京)
寒河江寿康(今成柔術)

 MMAレスラーの倉本vs.ピュアグラップラーの寒河江の対戦。

 元グレコローマン60kg級全日本選手権3連覇。ジャーマンスープレックスの使い手である倉本は、ケージ使用の今大会で、いかに「投げて叩く」動きを、掌底ありの今成コンバット柔術ルールでいかに見せるか。

 当然、投げのディフェンス、対策を練ってきてるであろう寒河江の関節技狙いをケージで潰して、パウンドのごとく叩いて、それを嫌ったところを投げられるか。

 一方で、天下一品の関節技を持つ寒河江は、立つ必要もなく、手足をからめてくるだろう。得意の足関節のみならず、腕十字&三角絞めと、どのポジションからでも極めに行くことが可能だ。パウンドとも異なる掌底ありルールに慣れていることもアドバンテージと見ることもできる。

 倉本もMe,Weでの出稽古で山崎剛代表のもと、強豪グラップラーの米倉大貴や岩本健汰らとも練習を積んでおり、ケージ掌底ありのなかで易々とは極めさせないだろう。1R7分の中で、どちらが削り、どちらが極めをセットアップするか。

▼65キロ契約(前日計量)1R7分
魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)
村田卓実(今成柔術)

 元修斗世界ランカーで、2021年11月のRIZINで獅庵を左フックを効かせてのサッカーボールキックで仕留めた魚井。スタンドでは、すべての打撃をフルスイング(実は緩急も巧み)と言われる魚井が、果たしてグラウンドでも“フルスイング掌底”を命中させるか。

 対する村田は、MMAを知るグラップラー。「ベテランながら、ずっとアップデートを続けている」(弥益)強さがあり、このルールにも慣れている。グラップリングの動きのなかでどこで「叩くべきか」「どう叩かれないか」も把握しており、両者の極めのなかでの掌底合戦にも注目だ。

▼51.5キロ契約(当日計量)1R7分
杉内由紀(ポゴナ・クラブジム)
石黒遥希(CARPE DIEM)

「間違いなく女子グラップリングのトップ2人」(高橋)というマッチアップ。JBJJF全日本選手権紫帯ライトフェザー級優勝など、数々のトーナメントを制したCARPE DIEMの石黒と、腕十字職人を自負する杉内の戦い。

 両者は、2021年8月のJBJJF全日本柔術女子アダルト黒帯ライトフェザー級1回戦で激突。道衣ありでは、石黒が勝利し、石黒は決勝で芝本さおりからパスガードを奪い3-0で勝利し優勝。全日本王者にも輝いている。

 QUITETで秒殺3人抜きするなど活躍した杉浦は、大晦日RIZINで浜崎朱加にTKO勝ちした伊澤星花に、かつて「ZST Battle Hazard」のグラップリングマッチでドローの戦績も持つ。今回のケージIREの舞台で、掌底・スラッピングありで両者はどんな動きを見せるか。

▼第1試合 無差別級(当日計量)1R7分
ジェイク・ムラタ(パラエストラTB)
清水俊一(総合格闘技宇留野道場)

「ジェイク選手はねちっこい組み技で掌底。対する清水選手は回転体。どっちがやりたいことが出来るか」(弥益)というMMAファイター同士のグラップリング戦。

▼オープニングファイト 65kg契約(前日計量)
福山祐平(総合格闘技ゴンズジム)
大嶋聡承(トイカツグラップリング東中野)

「大嶋選手は15歳でやたら強い。寒河江さんから取ったのを見たことがある。福山選手は2021年9月のアマチュア修斗関東選手権フェザー級優勝。魚井フルスイングの弟子のメンタルにも注目!」(高橋)

今成コンバット柔術 ルール

試合時間:ワンマッチ7分1R

試合場:本大会はケージ壁あり

勝負判定

1, 一本勝ち

関節・絞め技による一本・タップアウト

2, TKO

打撃または投などのダメージによるKO・レフェリーストップ

3, オーバータイム勝ち

試合時間で決着がつかない場合はサドルロック、または50/50(フィフティ・フィフティ)のポジションから1分30秒ずつの攻守交代制で攻防を行う。攻守の順番はジャンケンの勝者が選択。他方が一本をとり、他方が取れなかった場合、その時点で勝敗が決する(先攻が一本をとった場合も後攻のターンあり)。両者ともに一本がとれない又は、両者とも一本とった場合は短いタイムでエスケープした方が勝利。ディフェンス側がカウンターでサブミッションをとりにいく行為は禁止。

試合中1分以上グラウンド状態にならない場合、ジャンケンを行い、勝者がサドルロックか50/50の状態を選択し中央で再開する。

反則負け:レフェリーの指示に従わず反則を犯すもの、消極的な試合を行うものには反則負けを宣告されることがある。反則行為により試合が行えなくなった場合は反則を行った者の反則負けとする。偶発的な事故により試合が行えなくなった場合はノーコンテスト(勝敗なし)となる。

棄権:自ら又はセコンドの判断による棄権。

▼禁止事項

・全ての打撃行為(但し、グラウンド状態でのスラッピングは除く。後頭部への打撃は禁止。グラウンド状態とは選手のどちらかが足の裏以外がマットについた状態をいう)

・指関節への攻撃。指や手による絞め技。

・頭突き目つき、指で口、鼻を引っ掛ける、引っ掻き、噛みつき、腕、拳、手で相手の顔を押し付ける行為。

・急所、粘膜部への攻撃。

・スパイキング(マットや床に頭から突き刺す、叩きつける投げ)

・相手を場外に投げる行為。

・一本勝ちを目指さない消極的な試合行為、八百長、真剣に試合をしない行為。

・その他、社会通念に違反する行為。

▼試合準備

・爪を短く切り、汗を拭き、身体を清潔に保ち、清潔なグラップリングウェア(ショートパンツ、スパッツ、ラッシュガード等競技の妨げにならない服装・上裸禁止)

社会常識に反する行動を起こした選手・セコンド・サポーター・観戦者には、注意・退場等の措置を執る。

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