2022年2月27日(日)東京体育館で開催される2022年の第一弾大会『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』の対戦カード発表記者会見が、27日(火)都内にて行われた。
スーパーファイトのK-1ライト級3分3R延長1Rで、朝久泰央(朝久道場)と与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が対戦する。
朝久は福岡在住で、兄・朝久裕貴と共に兄弟で活躍するファイター。現Krush王者のレオナ・ペタスには2敗を喫しているが、大沢文也、大岩龍矢、安保璃紅、山本直樹らを撃破し、2020年3月には当時のK-1ライト級王者・林健太から番狂わせの勝利を奪った。これを機にスーパー・フェザー級からライト級に転向。9月には弘輝をハイキックで粉砕、12月には蓮實光もヒザ蹴りでKOした。2021年は7月にゴンナパーを延長Rで破り、第5代K-1ライト級王座に就いている。無尽蔵のスタミナから繰り出す攻撃と変幻自在のファイトスタイルで現在7連勝中。戦績は18勝(4KO)7敗。
与座は2017年極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。その後は久保政哉、喜入衆に連勝したが、2021年3月の『KNOCK OUT』で宮越慶二郎に判定2-1で惜敗。12月にKrush初参戦を果たし、蓮實光を左ハイキックで豪快KOすると「2月、自分が極真時代に世界一になった東京体育館でK-1やると聞いたので、ぜひ試合をやらせてください」を出場をアピールしていた。戦績は10勝(5KO)2敗。
K-1王者となった朝久に、K-1 JAPAN GROUPではまだ1試合しかしていない与座が挑む(ノンタイトル戦)という意外なマッチメイクとなったが、中村拓己K-1プロデューサーは「朝久選手の試合を考えている中で、与座選手がいいんじゃないかとなってオファーして決定しました。与座選手は空手で凄く実績があって18歳の時に全日本(階級別)王者となって、世界王者になったのは19歳の時。これは最年少記録としてまだ破られていない記録だと聞いております。無差別級の試合にもたくさん出ていて100kgくらいある選手とかとか2メートルの外国人選手と戦っていたというところで、他のプロファイターが経験できないキャリアや経験を積んできた選手なのではないかと思っております。プロのキャリアは12戦でK-1 JAPAN GROUPでは1戦ですが他の選手には真似できない試合をやってきたファイターだと思っていますし、Krushデビュー戦でも見事な一撃KO勝利を収めているので、朝久選手と戦う相手として実力十分だと思ってこの試合を決めました」と説明した。
与座からは「朝久選手、メリットがあまりないと思いますが、対戦を受けてもらってありがとうございます。人生全てを懸けて、今回ノンタイトルですけれど朝久選手から全てを奪いに行きたい」と、野望に満ちたコメント。
朝久は「僕は王者としてたてつくヤツは全員ぶちのめす。そのうちの一人だと思っています。楽しみにしていてください。倒します」と、相手が誰であろうとぶちのめすだけだと挨拶。
バックボーンが同じ空手という対決について、朝久は「自分は極真空手に全然詳しくなくて、聞いた時にはそういう実績なんだと思ったんですけれど、朝久空手は空手と違うと思っているし、自分の生贄になる一人としか思っていません。空手対決というよりは、僕の生贄だとしか思ってないです」と、極真空手のことは知らないという。
「朝久空手は空手というよりかは僕は一種の戦闘術だと思っているので。だから極真空手というのが本当に全然分からないんですよ。空手対決だとは思っていません。極真空手の大会にも出たことがないですし、ルールも詳しく分からないくらいなので。ただ、前回の試合は見ていたんですけれど、やりやすいかなとは思いましたね」
東京体育館は与座にとって世界王者になった思い出の会場であり、毎年のように試合をしていたホームのような会場。そこで与座と戦うことに朝久は「僕は東京体育館で試合をするのは初めてですが、東京体育館という規模ではなくて僕は日本で戦って世界王者になっているので、日本あればどこでも自分のホームタウンだと思っているし、なんなら世界でも僕は普通に戦って勝てると思っているので、相手が空手の王者になったからではなく圧倒的な強さでK-1王者として叩きのめしたい、それだけです」と言い放つ。
与座は朝久について「朝久選手が王者になった時にK-1福岡大会を見に行っていて、いずれ戦うことになるだろうなと思っていました。まさかこんなに早くチャンスが来るとは思っていなかったので嬉しく思っています。朝久選手は空手独特の蹴りとタイミングで相手の選手を倒すと思いますが、自分も空手の世界王者になっているのでその強みの蹴りは当たらないと思っているので、試合を楽しみにしていてください」と、朝久の蹴りは自分には通用しないとする。
朝久からの強気なコメントについては「さすが王者だなって感じです。多分ファンの人もプロの選手も朝久選手が勝つと思っている人が多いと思いますが、ジムの渡辺雅和代表も『絶対に勝てる』と言ってくれているので、その言葉を信じて試合までしっかり仕上げて、やればどっちが強いか分かると思うので。自分も自信あるし、K-1王者になるために来たので勝ちます」と、負けじと強気なコメントを返す。
最初に顔を合わせた時も「全カードの中で一番盛り上げよう」と与座の方から朝久に言ったという。
与座から見て朝久の空手技のレベルはどうなのかとの質問には、「もちろんK-1王者なので高いレベルにあると思いますが、それは空手をやっていない選手にだだから当たると思っているので、自分には当たらないし、相性もいいと思っているので楽しみですね」と、これまで朝久のアドバンテージだった部分は自分にはアドバンテージとならないとした。
極真空手の聖地・東京体育館で他流派に負けるわけにはいかないのでは、と聞かれると与座は「そうですね。やっぱり空手だったら絶対に自分の方が強いし、ルールを越えてK-1で、朝久選手は空手対決ではないと言っていましたが、お互いのバックボーンをぶつけ合うのはK-1だから出来るんじゃないかなと思っています。そこでしっかりと自分のやってきたものを見せて、しっかり勝ちたい」と、やってきたことの意地でも勝ちたいとする。
与座がコメントしている間、ずっと朝久が視線を向けていたことに関しては「Krushに出る前からいつかK-1に出たい、王者なりたいと思っていて、いろいろ遠回りしてきましたがそれがプラスになって急展開でいろいろな状況が自分に向いてきているので、このチャンスをしっかりモノにして。強い王者ですが通過点というか、自分が勝って最短で王者になりたいと思っています」と、朝久を逆に見ながら話した。
朝久は与座を「やりやすい」と評した。その意味を聞かれると「噛み合うという意味ではないですね。他の選手は朝久空手に対応していないから当たると与座君が話していましたが、極真空手をやっている選手はもっと僕からしたら当てやすいかなと思っています。だから噛み合うという意味ではなく、一方的な展開で俺が勝てるって確信ですね」と自信満々の答え。
与座の「蹴りが当たらない」発言にも「蹴りが当たらないのであればパンチで倒せばいいだけ。そんなに自信があるのならあえて蹴りで倒してもいいと思っているので何も気にしてないです」とした。
それに与座は「自分はKRESTに移籍して本当にトップ選手たちと毎日練習を積み重ねている中で、自分に自信が持てるようになりましたし、その自信がこの前の試合でも出てターニングポイントとなるような試合であの勝ち方が出来たと思っています。次は大舞台で王者が相手ということで、自分は大舞台の方がパフォーマンスをより出せるタイプだと思っているのでそれを試合で見せます。どれが秀でていても王者はダメで、全部が強くないとダメだと思っています。なので自分もパンチで来るならパンチでも付き合いますし、どの局面でも上回れるような準備をしていきたいと思っています」と、全局面で上回って勝つと言い放った。
また、与座は「朝久選手が極真を知らないと言ったように、自分も朝久空手には詳しくない。でも空手をやっている以上は人間として絶対に強いと思っていますし、苦しい展開になっても精神力がある選手だと思うので、自分は死闘になっても勝つ。苦しい展開をイメージしてこれから準備していきたいと思います」と、朝久に精神力でも負けない自分を作り上げて臨むと語った。