シュートボクシング
レポート

【シュートボクシング】海人が2021年を締めくくる圧倒KO、笠原弘希が豪快バックドロップでリベンジ、笠原友希は2階級制覇

2021/12/26 22:12
シュートボクシング協会「SHOOT BOXING 2021 Champion Carnival」2021年12月26日(日)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第7試合)70.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R ※ヒジ打ちあり〇海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者、前SB日本スーパーライト級王者、SB日本スーパーウェルター級1位)KO 2R 2分08秒 ※左フック×ジョー・FELLOWGYM(タイ)  海人はシュートボクシング世界トーナメント『S-cup2018』で優勝するなどSBの絶対的エースとして君臨、65~70kgと幅広い階級で緑川創、“ブラックパンサー”ベイノア、イ・ソンヒョン、中島弘貴、健太など国内外の強豪を次々と撃破してきた。今後は70kgを主戦場にすると決め、今年2月には日菜太を破りKNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王者にも就いている。4月にはモハン・ドラゴンにダウンを奪って勝利し、6月は第3代ZSTライト級王者・小金翔、9月はチャンスックにも完勝、11月にはRISEに乗り込んで中島将志にダウンを奪って判定勝ちして8連勝中。  当初は現在空位のSB日本ウェルター級タイトルマッチを行う予定だったが、タイトルマッチにふさわしい相手である外国人の招聘がコロナ禍の影響で難航したため、タイトルマッチは来年に延期。そこでタイトルマッチ前哨戦としてムエタイ戦士のジョーと対戦することになった。  ジョーはNJKFなどのリングで定期的に戦績を重ね、健太などの日本のトップファイターと対戦経験を持つ。徹底した首相撲からのヒザ、遠い間合いでもパンチ、ミドルを出し続ける超攻撃型スタイルを特徴とする。そのアグレッシブなファイトスタイルで昨年には「地上最も過激な格闘技」として知られるミャンマーの伝統格闘技ラウェイにも挑戦し、本家ラウェイ戦士とダウンを奪い合う激闘を繰り広げた。  1R、サウスポーに構えた海人は強い右カーフを蹴り、ジャブを出しながら前へ。ジョーが大振りの右フックを繰り出してくると海人はオーソドックスに戻り、ジャブで圧力をかけて右カーフを蹴る。ジョーは思い切りフックを繰り出し、右ハイを蹴る。海人のローに“もっと蹴ってこい”とアピールするジョーだが、海人は挑発に乗らない。  2Rも右カーフを狙い撃ちする海人にジョーは右ミドル。ジョーはサウスポーになっての左ミドル。オーソドックスに戻ると海人の右カーフをもらう。海人の左フックにグラついたジョーへ海人の右ストレートが2度クリーンヒット。右カーフから左ボディを打つとジョーは完全に動きが止まり、右フックを打たれるとダウン。  続いて海人が右カーフから左ヒザ蹴り、そしてフォローの左フック。ジョーはカーフのダメージで足を上げたまま左フックをもらい、そのままマットに沈んだ。予告通りのKOで2021年を締めくくった海人は「今年は正直試合は全勝で来たんですけれど、やっぱり納得が全然いけてないのもあって。その理由が世界と渡り合えてないのが一番の悔しい想いです。来年は必ず世界と戦っていくのでこれからもよろしくお願いします」と、来年こそ世界と勝負したいとアピールした。 [nextpage] ▼セミファイナル(第6試合) 62.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇笠原弘希(シーザージム/前SB日本スーパーフェザー級王者、SB日本ライト級1位)判定3-0 ※30-28×3×重森陽太(伊原道場稲城支部/KNOCK OUT-REDライト級王者)  重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2017年12月には『KNOCK OUT』で、4年間無敗の18連勝を誇っていたマキ・ピンサヤームに黒星を付けてその名を轟かせた。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。今年7月にはスアレック・ルークカムイから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者に輝いた。10月にはホームリングの新日本キックでREITO BRAVERYから判定勝利。戦績は35勝(17KO)3敗5分。  笠原はSB次期エース候補として期待され、2018年9月、SB日本フェザー級王座決定戦で元貴を下して王座を獲得。6月大会では前SB日本スーパーバンタム級王者・ 内藤大樹との接戦を制し、2019年9月のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチでは王者・深田一樹を2RKOで下して二階級制覇を達成した。2020年2月には前口太尊に大激闘の末にTKO勝ち、11月には元MMAファイターのハルク大城にも勝利。さらに今年2月にはKNOCK OUTーREDスーパーライト級王者スアレックに2RでTKO勝ちし、周囲をあっと驚かせた。6月にはライト級に階級を上げて古村匡平を判定3-0で破り、9月にはパランラックを初回KOして5連勝中と絶好調。  両者は2019年12月の『SHOOT BOXING GROUND ZERO TOKYO 2019』で対戦しており、この時は延長戦にもつれ込む接戦の末に、重森のヒジ打ちで笠原がカットされ、TKO負けを喫している。重森が日本人選手に敗れたのは、2014年10月に瀧澤博人に喫した1敗のみ。実に7年以上にわたってvs日本人には無敗伝説を誇っている。  今回は前回の61.5kg契約から1kg上げての62.5kg契約エキスパートクラスルール3分3R延長無制限Rでの再戦。笠原がリベンジか、重森が返り討ちにするのか。  1R、前に出るのは笠原だが重森が左ミドルをビシビシと当てていく。重森は前蹴りで距離を保ち、笠原はジャブを伸ばすが慎重な重森に攻めあぐねた様子。  2R、重森の右ローをキャッチして右ストレートを打つ重森。笠原が入ってきたところへ重森は左ヒジを合わせ、笠原そのまま組み付いて投げを見舞うがシュートならず。ローの蹴り合いから右ヒジを叩きつける重森にニヤっと笑う笠原。重森は前蹴りで笠原をパンチの距離に入れさせず、入ってくるとヒジ。笠原も蹴りを繰り出すが重森が距離を支配する。  3R、重森は前足へのローを狙い撃ち、笠原は前蹴りをキャッチして右フックを繰り出すが重森は防御する。強引に詰める笠原へ重森はm着いストレート。その後は前蹴り、左ミドルで笠原を突き放し、パンチの距離に入ってくるところを徹底的に潰す。しかし、笠原は終了間際に腰へ組み付くと回転して逃げようとする重森を逃がさず豪快な弧を描くバックドロップ。これが見事にシュートに(2点)。  試合終了のゴングが鳴ると、重森は“やられた”という表情で苦笑い。笠原がシュートボクシングならではの技でリベンジに成功した。 [nextpage] ▼第5試合 SB日本スーパーフェザー級王座決定戦 エキスパートクラスルール 60.0kg契約 3分5R延長無制限R〇笠原友希(シーザージム/同級1位、前SB日本フェザー級王者)判定3-0 ※49-46×2、50-46×手塚翔太(Sublime guys・GONG-GYM坂戸/同級2位)※笠原が新王座に就く。  SB日本スーパーフェザー級では笠原弘希がライト級に階級を上げるために王座を返上し、弘希の弟でSB日本フェザー級王者の笠原友希とSB日本フェザー級1位・手塚が共にスーパーフェザー級に階級を上げて王座決定戦で対戦する(友希もフェザー級王座を返上)。  両者はこれまでに2度対戦し、2019年4月の初対決の時は友希が1RKO勝ち。2度目の対戦となった昨年11月のSB日本フェザー級王座決定戦ではお互いにダウンを奪い合う激闘を繰り広げた末に友希が4RKO勝ちでベルトを奪取した。その後、友希は3連勝、手塚もSBで連勝しており、今回の一戦で再び王座を懸けて拳を交える。  1R、サウスポーの笠原は手塚の前足へ左右のロー、左ストレート&左ミドルを放つ。手塚は序盤は様子を見ていたが、残り1分を過ぎると前へ出て右ローを蹴り込みワンツー。笠原は得意の裏投げを狙ったが手塚は腰を落として防ぐ。  2R、手塚がワンツーを打つと左ハイをリターンする笠原。鋭くキレのある笠原の攻撃に対し、手塚は力強い一発を返す。ジャブと右フックを巧みに使う笠原に手塚はワンツー、手塚が攻撃を出すと笠原は必ず攻撃を返してもらいっぱなしにならない。両者ともパンチから接近すると投げを狙うがこれは決まらない。オープンスコアは10-10×3。  3R、手塚のパンチに前蹴りや左ローを合わせる笠原は左ハイも蹴る。手塚は負けじとワンツー。両者接近すると投げ。笠原は左ボディストレートを突き刺すと、飛びヒザ蹴りも発射。手塚も右ハイを蹴り、ボディを打つ。そして投げを狙ってもつれる両者。笠原の左ローに足を上げる手塚。そこへ笠原が左ローを蹴ってダウンを奪う。  一気に襲い掛かる笠原は左右フックから左ローと畳みかけ、手塚はバックハンドブローで応戦するが、左ローに足を上げて苦痛の表情。OPスコアは10-8×3。  4R、左右フックを叩きつけて左ローを蹴る笠原は、組み付いて投げを見舞おうとする笠原に腰を落として防ごうとした手塚に笠原がヒザ蹴りを連打。これで倒れた手塚にダウンが宣告される。さらに笠原が左ロー、左ミドルで畳みかける。手塚はフロントチョークを仕掛けたが、笠原が押し込んで倒してブレイクに。  5R、手塚が強い右ミドルを放ち、右強打も叩きつける。笠原は前蹴り、左ロー。手塚の右ストレートがクリーンヒットし、逆転の雰囲気が漂うが、笠原も下がらず前へ出て左ストレートを打つ。その後は笠原が有効打を許さず、判定3-0で笠原がライバル対決を制して2階級制覇に成功した。 [nextpage] ▼第4試合 SB日本スーパーバンタム級タイトルマッチ エキスパートクラスルール 55.0kg契約 3分5R延長無制限R〇植山征紀(龍生塾ファントム道場/王者)KO 3R 0分54秒 ※左フック×竹野元稀(風吹ジム/同級1位/挑戦者)※植山が初防衛に成功。  SB日本スーパーバンタム級では、王者・植山が同級1位・竹野を挑戦者に迎えて初防衛戦に臨む。両者は2017年6月に対戦しており、この時は植山が判定勝ち。リベンジに燃える竹野は王座挑戦権を懸けたリーグ戦で2019年10月に内藤凌太に勝利し次期挑戦権を獲得した。  その後、大阪、名古屋でタイトル戦が組まれたものの、コロナの影響で延期になっており、今回ようやく実現する。RIZIN、RISEといった他団体のリングでも強打でダウンを量産し好調を維持する植山か、それとも現在5連勝中の竹野か。激闘必至の再戦を制し、ベルトを巻くのはどちらか。  試合前のレフェリーチェックで額と額を押し付けて睨み合って試合開始。1R、竹野は一気に距離を詰めるとボディから顔面へのパンチコンビネーションをフル回転。どんどん手数を出す竹野に植山は左ミドルとヒザ蹴りで応戦。竹野は組み付くと投げも狙うが、植山は逆に後ろへ引き倒した。ガンガン前へ出て攻める竹野だが、植山の右フックをもらってダウン。  すぐに立ち上がって攻めていく竹野に再び植山が右フックを見舞って2度目のダウンを追加する。オープンスコアは10-6×3で植山。  2Rも一気に前へ出て連打を繰り出す竹野に植山の左右フックが連続ヒット。それでも竹野は怯まず前へ出て打ち返す。至近距離での打ち合いで植山は飛びヒザ蹴りを繰り出し、左ボディ&左フックをしっかり当てていく。植山の左右フックを被弾しながらも下がらず手数を出す竹野。10-10×2、10-9は植山。  3Rも自分から前へ出て手数を出す竹野。植山が頭を下げるとフロントチョークを狙うが植山は投げで返す。そして竹野が向かってきたところへ植山が右アッパーで頭を上げさせての左フックから右フック。竹野がバッタリと倒れ、植山のKO勝ちとなった。植山が自慢の剛腕を爆発させ、初防衛に成功した。 [nextpage] ▼第3試合 SB日本スーパーライト級王座決定戦 エキスパートクラスルール 65.0kg契約 3分5R延長無制限R×村田聖明(シーザージム/同級1位)判定0-3 ※45-50、46-50、49-46〇イモト・ボルケーノ(グラップリングシュートボクサーズ/同級2位)※イモトが新王座に就く。  海人が階級変更のために返上したSB日本スーパーライト級王座を懸けて階級を上げた村田と同級2位イモトが対戦する。7連勝中の村田に対し、イモトは前戦となった7月のSB愛知大会でモハン・ドラゴンに勝利し2連勝中。村田がSB日本スーパーフェザー級に続いて二階級制覇するのか、それともイモトが初戴冠なるか。  1R、イモトは右カーフキックと左三日月蹴りを放つ。村田は左ボディをめり込ませ、ジャブから強い右ストレートへつなげる。村田が強烈な左右ボディを叩き込むが、イモトは組み付くと鮮やかにバックドロップを決めてシュートポイント2点を奪った。オープンスコアは10-8×3でイモト。  2R、村田はジャブを突きながら左右フック、右クロス、左ボディで追い詰めていく。イモトは組み付くと首投げもこれはシュートならず。パンチでクリーンヒットを奪ってロープに追い詰める村田だが、イモトは組み付いて首投げに行くため決定打に結び付けられない。ジャブをどんどん突いていく村田だが、左フックをもらって頭が大きく動く。OPスコアは10-10。  3Rはイモトをジャブを突く。村田のパンチを頭を振ってよけるイモトに、ならばと村田はボディを狙い撃ち。左ボディが何度も決まる。右カーフと左三日月を蹴るイモトに顔面とボディへパンチを当てていく村田。後半は村田のヒットが目立ったが、OPスコアは10-10×3。  4R、右ミドルを蹴る村田にイモトは右カーフ、ボディから顔面へつなぐ村田にイモトも右を打ち返す。村田の左ボディにイモトは右カーフ。左右ボディから左右ストレートを延ばし、イモトも左右ストレートで打ち合う中、イモトの右フックが頭部をかすめるように決まって村田がグラついて片手をついたためダウンをとられる。  5R、もう後がない村田はボディを中心に攻めるが、イモトはヒザ蹴り、組んでの首投げで対抗。イモトの右フックも村田を捉える。イモトは右アッパーから右フック、前へ出る村田は左フックと右ストレートで勝負を懸けるがイモトの反撃のパンチをもらってしまう。右フックを連続被弾する村田は左ヒザも頭部に突き上げられる。最後は両者足を止めてのストレートの打ち合い。  判定は3-0でイモトが勝利。念願のベルトを腰に巻いた。 [nextpage] ▼第2試合 SB日本バンタム級王座決定戦 エキスパートクラスルール 52.5kg契約 3分5R延長無制限R×伏見和之(RIKI GYM/同級2位)KO 4R 2分59秒 ※左フック〇佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ/同級3位)※佐藤が新王座に就く。  川上叶も階級変更によりSB日本バンタム級のベルトを返上したため、王座決定戦で同級2位・伏見vs同級3位・佐藤が対戦。。両者は昨年2月に対戦し、接戦の末に伏見が判定勝利を収めている。返り討ちを狙う伏見に対し、佐藤がリベンジに成功しベルト奪取するのか。  1R、ローの蹴り合いから伏見が佐藤の前蹴りをキャッチして引き寄せると同時に右フック。佐藤は前へ出てワンツー・左フックと横蹴りで伏見にロープを背負わせる。ジャブを当てていく佐藤だが、伏見の右ローをもらって警戒したかやや距離を取る。オープンスコアは10-10×3。  2R、伏見の右ローに前蹴りを多用する佐藤。伏見を前蹴りで下がらせてからワンツーを入れる。伏見の左ボディからの右フックで一瞬グラついたように見えた佐藤だが、変わらず前蹴りで突き飛ばしてからのワンツー。終盤には右ストレートで伏見のバランスを大きく崩した。OPスコアは10-10×2、10-9で佐藤。  3R、横蹴りと前蹴りの中間のような蹴り、左ミドルでボディを攻める佐藤に伏見は右ローを狙い撃ち。佐藤はローを蹴られながらも前へ出てワンツーを繰り出す。伏見の右ローに左足を上げ始める佐藤。パンチでボディを狙い始める佐藤に伏見は左フック。左ボディ、右フックを決める伏見に佐藤は右ボディストレート。ジャッジは3名とも佐藤を支持した。  4R、伏見が前へ出て佐藤にロープを背負わせ右フック。佐藤はジャブを突きながらのワンツー、前蹴り、左ミドル。伏見も左ヒザを突き刺す。このラウンドは前に出る伏見が右ロー、左右フックで攻めていき、左フックを当てた直後に佐藤の横蹴りが掛け蹴り気味に頭部にヒット。  大きくグラついてロープを背負う伏見に佐藤がラッシュを仕掛け、伏見も打ち合うが佐藤のヒットが続きレフェリーはスタンディングダウンを宣告。再開後も佐藤のラッシュに必死に打ち合った伏見だったが、左フックを3度クリーンヒットされ、最後も左フックでダウン。佐藤の豪快KO勝ちとなった。  立ち上がった伏見は四方へ深々とお辞儀。場内からは健闘を称える拍手が沸き起こった。 [nextpage] ▼第1試合 SB日本女子アトム級王座決定戦 エキスパートクラスルール 46.0kg契約 3分5R延長無制限R〇MISAKI(TEAM FOREST/SB日本女子ミニマム級1位)判定3-0 ※50-46×3×田渕涼香(拳聖塾/RISE QUEENフライ級1位)※MISAKIが初代王座に就く。  MISAKIは2016年3月にプロデビュー、“猪突猛進女子”の異名通り、最初から最後までガムシャラに攻め続ける驚異のスタミナを武器に勝ち続け、2017年12月にJ-GIRLSミニフライ級王座に就き、同年7月のGirls S-cup -48kg世界トーナメントでは3位と活躍。2019年7月に負傷から長期欠場へ。再起戦となった2020年8月にはぱんちゃん璃奈とREBELS-BLACK女子46kg級初代王座決定戦を争うも判定負け。今年に入ってからはガムシャラな猪突猛進スタイルではなく、的確性を重視したファイトスタイルにチェンジして3連勝を飾っている。戦績は17勝(2KO)7敗1分。  対する田渕はSB初参戦。2度SB参戦している兄の田渕神太と同じく、幼少の頃からフルコンタクト空手を始め、様々な大会で優勝を重ねてきた。現在はRISEを主戦場にし、2020年12月にはプロ4戦目でRISE QUEENフライ級暫定王者・小林愛三からダウンを奪うアップセットを起こし一躍名を馳せた。その後、RISE QUEENフライ級タイトルマッチでの小林との再戦では敗れはしたが、過去の実績を考慮し、今回SBタイトルマッチに抜擢されることとなった。7月のRISEで花田麻衣に勝利も、10月のホーストカップではミネルヴァ・スーパーフライ級王者の聖愛に判定で敗れている。  1R、お互いに打撃を出して慎重な出だしの中、MISAKIが大腰を見舞ってシュートポイントを奪う。  2R、巻き返しを狙う田渕はパンチ、蹴りを散らして出るも、MISAKIも応戦し投げも狙う。3Rには、打ち合いの中でMISAKIが右うトレートをヒットさせてダウンを奪った。 一気に優位に立ったMISAKIは4Rから深追いせず、田渕もなかなか攻略の糸口が見つからず攻めあぐねる展開に。レフェリーからは何度も攻めるようにとアクションの指示が入った。  5R、打ち合いの中でMISAKIがフロントチョーク狙い。離れるとMISAKIが右ボディをめり込ませると、ダメージを見せる田渕に一気に攻撃を仕掛ける。最後まで打ちあった両者だが、判定決着でMISAKIが判定勝ち。 3度目の正直で悲願のSBベルトを獲得したMISAKIは大泣きすると、セコンドに肩車されて勝利の余韻に浸っていた。
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