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【密着】朝倉海はなぜいまも一般会員とも練習するのか? 密着ドキュメンタリーで「大切な時間」を公開

2021/12/26 16:12
 2021年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催される『Yogibo presents RIZIN.33』にて、「RIZINバンタム級JAPAN GPファイナル」に臨む朝倉海(トライフォース赤坂)の密着ドキュメンタリー「Preparation | 朝倉海 / Kai Asakura - RIZIN.33~presented by BEYOND~」が25日、公開された。  12月中旬の公開練習で「練習量もほんとうに増やしました。基本的なパワー、スタミナ、技術、すべて向上して強くなっているので、次の試合を楽しみにしていてください。2試合戦い抜くつもりですし、たぶん身体もボロボロになると思いますけど、ほんとうにどうなってもいい、身体がどうなっても絶対に優勝しなくちゃいけない。大晦日は最高の試合を、2試合お届けします」と語っていた朝倉海。  その「すべて向上した」部分の一端をのぞくことができるドキュメンタリーでは、公開練習で明かした「ラントレ」「キック」「レスリング」の強化のほかに、朝倉の食事面、「1日、2部から3部練習している」なかの貴重なボクシングトレーニングの動画などが公開されている。  現在、朝倉は朝8時からのプロ練習後、バナナと豆乳とニトロテックのプロテインをミックスしたものを朝食として食し、ラントレなどを行った後、昼食を摂っている。  パーソナルジムの「BEYOND」から自宅に派遣される調理師が、朝倉のその時々の状況に合わせて「増量食」「減量食」などを食材から選んで持ち込み、昼食と夕食のメニューを組んで調理している。  それは前回のGP2回戦アラン“ヒロ”ヤマニハとの試合の2カ月前、7月から導入したもので、調理師が食事の用意をする間、朝倉は対戦相手の動画などを研究する時間が出来たという。 「今まで自炊をしていて、栄養バランスとか分かっていない状態でやっていたし、(自炊の)時間も取られちゃっていました。いまはBEYONDさんが栄養を管理してくれて、その都度、僕の体重が“いま何キロだから、この日までに何キロ落としたい”というのを伝えて、それに応じた食事メニューを組んでくれて、栄養バランスを考えてやってもらっているので、かなり身体のコンディションが良くなりました。それがめちゃめちゃ美味しいんですよ」  昼食に比べ、夜ご飯は糖質も減らし、量も少なくなってきた。3週間で7~8㎏ほどを減量し、最終的な水抜きは前日に3kgほどを行う。 「これまで自分で考えてやっていて、思うように体重が減っていかなかったけど、食事管理したことで、かなり落としやすくなった」という。 [nextpage] これまでは粗削りの状態で結果を残してきた(佐々木トレーナー)  大晦日GPファイナルに向け、練習は月曜から土曜日の6日間を行っている。  プロ練習、ランニング、フィジカルトレーニングのほか、DEEPファイターの佐々木由大が持つミットへのキックの打ち込み、宮田和幸代表率いるBRAVEジムでのレスリング特訓など、様々なパートのなかで、もう2年半、継続して行っているのが、ボクシングトレーニングだ。  今回の動画では、志成ボクシングジムでの佐々木修平トレーナーとのミット打ちが公開されている。  佐々木トレーナーは、ワタナベボクシングジムのトレーナーからフリーランスとして、プロMMAファイターを含め、指導にあたってきた。かつては元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志の専属トレーナーを務め、2010年には「チーム内山」の一員として「エディ・タウンゼント賞」を受賞している。また、現在は井岡一翔の再起後から志成ジムでコンビを組んでいる。  朝倉は佐々木トレーナーとの出会いから現在まで2年半に渡りタッグを組み、現在は週1、2回、志成ジムに通っているという。  動画では、ボクシングパートの朝倉の動きを見ることが出来る。 「ミットを持ってもらって、位置取り、コンビネーションだったり、タイミングとか、いいところ、悪いとこを直してもらって、ボクシングが上手くなりました。覚醒しましたね」と、その手応えを語る。  ミットを持ちながら、足の動きを確認する佐々木トレーナーは、「よく追い込みますね。総合の選手ってボクシングだけじゃない。いろんなトレーニングをしているなかで、1時間みっちり見ています。(ボクシング技術が)すごく上がってきている。(これまで)粗削りの状態で結果を残してきたと思うので、ボクシングを知ることによってさらに伸びると思います」と、太鼓判を押す。  強力なジャブ、ストレート、そしてジャブに対する相手の打ち返しをかわしての右のダブルのカウンターなど、朝倉のボクシングのいまを垣間見ることができるミット打ち動画。これが、MMAとして、蹴りやレスリングが混ざったとき、どう朝倉がアジャストしているのか、本番で見逃せないところだ。  さらに朝倉は、プロとしての練習後、いまでも週2、3回、一般クラスにも参加しているという。その時間を「大切な時間」だと語る。 「こういう練習もすごく大事で、新しい技の動きを試したり、会員さんたちと共有することで、確実に自分のものに出来る。それにいろんな気づきがあったりするんですよ」  アマチュア会員とトッププロが対峙しての「気付き」とは何か。 「ジムに来る人はモチベーションが高く、頑張っている人が多いから、一緒に練習すると力をもらえるんです。目的があってジムに来る、そのエネルギーを一緒に練習することでもらえるんですよね。『俺も負けられないな』って」 [nextpage] 瀧澤は「ビビらず勝負できる選手」も「癖があるから攻撃が当たる」  GP準決勝の相手は、瀧澤謙太。1回戦で今成正和の足関節を凌ぎ、2回戦で元谷友貴を1R TKOに下したストライカーだ。 「瀧澤選手の試合映像は全部見ました。対策はバッチリ」と、朝倉は言う。 「やっぱり打撃を得意としていて、ビビらず勝負できる選手で気持ちの強いファイター。自分を食ってやろうというハングリー精神、メンタル的な強みを持っている相手なので油断はできない」と警戒しながらも、瀧澤をすべてにおいて上回る、と自信も見せる。 「結構、癖があるので、僕の攻撃が当たるな、というのは何個かあるんで、まあ倒せるんじゃないかなと。打撃、レスリング、寝技も僕の方が上。どこで勝負しても正直、勝てる」と死角は無いとした。  そして、もう一方の準決勝では、かつて戦った扇久保博正が井上直樹と対戦する。その井上について、「このトーナメントの中でも本当に強い選手。分析もしてどう戦うかプランも練ってある」という。  元王者として、1年間拘束されるGP参戦に迷いがあったが、「今年の16人トーナメントで優勝できるかどうかだけを考えて来た。1位にならなきゃ意味がない、優勝以外は負け」と言い切る。  GP王者の肩書を“その先”の通行手形とするつもりだ。 「格闘家としての目標である海外で戦うこと。トーナメントで優勝して、世界中の強い選手と戦いたい。しっかりここで優勝して、日本のファンの方たちに応援してもらえる、期待してもらえる形で海外に挑戦して、強敵をどんどん倒していきたいなと思います」  GP「勝利」に徹底的にこだわるが、朝倉の強みを最大限発揮することがそれに繋がるなら、そうするつもりだ。「全員倒しますよ」──大晦日まで残り5日間、その自信は確信に変わっている。  動画では、GP1回戦の渡部修斗戦で得たもの。2回戦のアラン・ヒロ・ヤマニハ戦を「収穫の多かった試合」と振り返る理由なども必見だ。
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