初のタイトルマッチに燃えるイモト(C)シュートボクシング
2021年12月26日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2021 Champion Carnival』にて、海人が階級変更のために返上したSB日本スーパーライト級王座を懸けて村田聖明(シーザージム)と対戦する同級2位イモト・ボルケーノ(グラップリングシュートボクサーズ)のインタビューが主催者を通じて届いた。
7連勝中の村田に対し、イモトは前戦となった7月のSB愛知大会でモハン・ドラゴンに勝利し2連勝中。村田がSB日本スーパーフェザー級に続いて二階級制覇するのか、それともイモトが初戴冠なるか。
鈴木千裕と2人で格闘技界を盛り上げていけたら
――今回キャリア初のタイトルマッチが決まりました。このお話を聞いた時はどういう心境でした?
「タイトルを目指して今まで頑張ってきたので“いよいよ来たか”という心境でした」
――2017年にプロデビューして今まで16戦のキャリアがあります。ここまで辿り着くのはご自身にとって長かったですか?
「色々とあったので長かったですね……。5連敗した時は色んな方から『もう自分の中で決めているんだったら辞めてもいいよ』と優しく声を掛けて逃げ道を作っていただいたり、『強いんだから辞めないでよ』と言われたり、そういう声をプラスに捉えてここまで来ることができたのでそういう人たちに恩返ししたい気持ちでいます」
――また頑張ろうと思えた一番大きな要因はどういうことがありました?
「坪井代表によく声を掛けていただいたことで引退を踏み止まれましたし、連敗中にたまたま会場に観に来ていた方から『試合、お疲れ様! 次の試合はいつですか?』と声を掛けられ、僕の試合でも次の試合を楽しみにしている方がいると思ったらまた頑張ろうと思えました」
――いいお話ですね。今回対戦する村田聖明選手はライト級からスーパーライト級に階級を上げてきましたが、対戦相手として意識をしたことはありましたか?
「ライト級の時はあまり意識したことはありませんでした。今回、階級を上げてきてフィジカル面で当たり負けしないのかな? と思ったのですが、ライト級は減量が厳しかったと聞いたことがあったのでスーパーライト級は適正階級なのかなとも思いました」
――村田選手はシーザ武志会長の息子さんということでやり辛さはないですか?
「実際はそういうことはないのですが、僕の中では判定までいくと負けると自分に言い聞かせて、倒さないと勝てないという気持ちでいます。シュートボクシングはちゃんとポイントを取れる制度もあるのでそこも意識して戦いたいと思います」
――選手としてはどういう印象がありますか?
「長い距離でパンチを打ってくる選手で、自分もジャブを出して戦うタイプなので村田選手の戦い方を参考にしていました。そういう部分で昔から見ていた選手なので、苦手意識はありません。村田選手は打たれても前に出てくるタイプで、前に出てきてくれた方がパンチを当てやすいので、今回もどんどん出てきてほしいですね」
――練習ではどういうことを強化されていますか。
「対策練習の内容については言えないのですが。前回の試合から5カ月空いたので基礎的なジャブからやり直してきました。今は色んな選手とも練習をやらせてもらっていて、昔よりもスキルが上がっているのを感じます。フィジカル面でも上がっているので、気劣りすることはないと思います」
――イモト選手は今年2月に村田選手の弟、義光選手からダウンを取って判定勝ちしていますが、そのことで有利に感じる部分はありますか。
「そこは特に思ったことはありません。村田選手は兄弟でスタイルも違いますし、オーソドックスとサウスポーと構えも違います。シーザージムではタイ人トレーナーが教えいることもあって、義光選手は首相撲が上手だなとは感じた部分があり、タイトルマッチ前にその部分を確かめられたことは良かったと思います」
――前戦となった7月の『SHOOTBOXING 2021 YOUNG CAESER CUP CENTRAL #27 “DEAD or ALIVE”TKO COVID19』では、格上のモハン・ドラゴン選手に判定勝ちすることができました。その試合を振り返っていただけますか。
「自分の階級ではやはりパワーはトップクラスの選手だったと思います。練習では80~90kgの選手とやってフルスイングしてもらって対策していたのですが、それ以上の威力のあるパンチを振られたので結構ビックリしました」
――勝因は何でしたか。
「自分の土俵であるSBルールでやらせてもらった部分もあると思いますし、自分はカウンターを取れるので大振りの選手の対してやりやすかったというのもあります」
「自分が子供の頃から見ていた選手で、そういう選手に勝てたことが大きかったので自信になりました。タイトルマッチの前にビッグネームの選手とやれたことは自分の中でいい経験値になっていますし、あれ以上のパンチで打ってくる選手はなかなかいません。村田選手はモハン選手以上のパンチを打ってくるイメージでいるので、本番ではビックリすることはないと思います。ちなみにモハン選手は朝倉未来選手の「ストリートファイトで勝ったら1000万円」の企画で30秒ぐらいで倒されているのに対し、僕は9分間戦って倒し切れなかったので国内トップ選手との差を感じました(苦笑)。村田選手もモハン選手と9分戦って倒せていないので、僕と村田選手はイーブンかなと思います(笑)」
――今回、同じジムの佐藤執斗選手がSB日本バンタム級王座決定戦に挑みます。GSBの選手が一気にベルトを2本獲得する可能性もありますが、そこは意識しますか?
「僕一人だけベルトを獲っても正直なところ、意味がありません。僕だけが獲っても目標の半分だけしか達成していないことになります。執斗が2年前の初代SB日本バンタム級王座決定戦で川上叶選手に負けた時に、絶対にベルトは2人で獲らないといけないと強く思い、今回このタイミングで決まったのは何かそういう巡り合わせだったのかなと思いました。SBではシーザージム、龍生塾の選手がほとんどベルトを獲得してどんどん他団体にも出て名前を上げているので、今回、中部地区代表ともいえるGSBのチームの存在感を出していきたいと思います」
――今回ベルトを獲得したら来年はどういうことを目標にしていきたいですか。
「勝った後のマイクでも言いますが、色んなことに挑戦していきたいなと。とりあえずベルトを獲ったら、他団体でも試合をして、ベルトの価値を上げていきたいと思いますし、以前は最激戦区と言われた65kgの選手層が薄くなっているので、自分がそこで一番になって他の選手を引っ張っていけたらと思います」
――2019年5月に対戦している鈴木千裕選手とはその後、親交を深めていますよね。鈴木選手は7月の『KNOCK OUT』でKNOCK OUT-BLACKスーパーライト級ベルトを獲得するなどの活躍を見せています。やはり戦友の活躍は刺激になりますか?
「鈴木選手の試合が決まれば僕はチケットを買って応援に行き、僕の試合があれば鈴木選手はチケットを買って来てもらえます。戦友が最前線で65kgの選手を引っ張ってくれているのに、僕はまだこんなところでベルトを持たずにいるにはまずいとずっと思っていて、今回まずは一本を獲って彼と肩を並べられるかは分かりませんが、2人で立ち技界を盛り上げていけたらなと思います」
――では最後にファンにメッセージをお願いします。
「コロナ禍で大変な時期に来てもらいありがとうございます。声を出しての応援はできないのですが、自然と声が出ちゃうような熱い試合を見せたいと思います」