菅原(左)が優を挑戦者に迎えて2度目の防衛戦に臨む
2022年2月20日(日)東京・後楽園ホール『Krush.134』の対戦カード発表記者会見が、12月22日(水)都内にて行われた。
Krush女子アトム級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、王者・菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が、優(NEXT LEVEL渋谷)を挑戦者に迎えて2度目の防衛戦を行う。
菅原は第5回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝、第6回・第7回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-45kg優勝の実績を引っ提げて2019年1月にプロデビュー。2戦目で初黒星を喫したがその後は負けなしで、2020年11月の女子アトム級王座決定トーナメント決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就いた。2020年3月に美容技術専門学校を卒業し、“戦う美容師”として活動している。2021年3月には3戦全勝のホープNOZOMIからダウンを奪って勝利し5連勝。5月のMIOとの初対決で判定負けするも、11月のタイトルマッチでの再戦ではダウンを奪っての判定勝利でリベンジ&初防衛に成功した。戦績は7勝2敗。
優は中学・高校と陸上部に所属し、インターハイで4位の実績を持つ。30歳を過ぎてからキックボクシングを始め、現在は代官山にある美容室のオーナーでありアイリスト(アイメイクアーティスト)。2017年5月にKrushでプロデビュー。2019年11月にチャン・リーから勝利するも、2020年7月の「第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメント」準決勝で菅原美優に敗れ、11月の山田真子戦でも敗れて連敗となったが、2021年5月にMOEから延長戦で勝利をもぎ取った。3勝5敗1分。
会見で優は「初めてタイトルが懸かった、目の前にベルトが置かれての1対1のタイトルマッチは初めてなのでとても気合いが入っております。今までは恥ずかしくて王者になりたいと口に出してはこれませんでした。自信がなかったんでしょうね。そんなに本気で王者になりたいと言えるほどじゃなかったかもしれませんが、話が来てこういう立場になったんだなと噛みしめて毎日練習していますし、絶対に獲りたいと思います」との想いを口にする。
迎え撃つ菅原は「またすぐタイトルマッチなんだなって感じですが、ちゃんと練習して成長した姿を見せるので応援よろしくお願いします」と、MIO戦からの時の流れを早く感じているようだ。
両者は2020年7月に「第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメント」準決勝で対戦し、判定3-0で菅原が勝利している。しかし、翌日の一夜明け会見ではバッティングが多かったことなどから「反省点がいっぱいです」と菅原が涙する両者にとってスッキリとしない試合だった。
その対戦を踏まえての印象を聞くと、優は「戦い方は大きく変わっていませんが、一つ一つの技のクオリティや繊細さは上がっているのが目に見える。凄い急成長、成長度が見える選手だと客観的に見て素晴らしい選手だと思っています」、菅原は「5月の試合を見て、ジム変わってから変わったなと思っています」と、互いに前回とはだいぶ変わっていると評した。
再戦でどういう勝ち方をしたいかとの質問に、優は「頭の中で正直、完璧にあります。どのパターンでもどの攻め方でも対応できるようにしていきたい」と、すでに完璧に対策がイメージできていると言い放つ。菅原は「成長した姿、前回できた部分とか、また成長した試合をしたいです」と前回よりもさらに成長したことが分かるようにしたいとする。
今回はアトム級の試合がこのタイトルマッチを筆頭に3試合並ぶということで、どんな個性を発揮したいか。優は「個性を出すというよりも、自分は個性的だと思っているので出そうとは思っていないです。このままでいいでしょう」と自分はすでに個性的だと言い、菅原は「女に嫌われるキャラで行きます」ときっぱり。
選手が増えてきた女子アトム級の中で、特に意識している選手はいるかと聞かれた菅原は「MIO選手とは今後もいいライバル関係じゃないけれど、K-1を一緒に盛り上げていく選手だと思っているので意識していて。松谷選手も上がってきている選手なので、凄く頑張らないとなって思っています」と、MIOと松谷綺の名前をあげた。
優は若い選手たちの台頭について「対抗意識はないですね」という。「みんな頑張ってくれれば。女子選手が最近は多いですし、他の団体さんでも多いです。気が付けば中学生が高校生になっていたり、高校生になればプロになったりというのは当たり前で、私たちが感じる1~2年は若い子にとっては本当に早い1~2年だと思う。感じ方はウチらの方が早いですが、成長するのは若い子の方が早いので、どんどん上がって来るのはおばさんからしたら楽しみ。またなんか年の差のことを言われるんだろうなと思いますね」と、逆に選手が増えるのは楽しみだとした。
また、1週間後の2月27日にはK-1でK-1 WORLD GP女子フライ級王者KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)と挑戦者・壽美(NEXT LEVEL渋谷)のタイトルマッチが行われる。奇しくもK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフvs NEXT LEVEL渋谷と同じ図式だ。
優は「狙っているんじゃないかなと思ったくらい(笑)。私たちが目指しているところは壽美も私も同じですし、タイミングが一緒になったのは運命なのかなと思っています。士気もとっても上がっていますが、それはお互い様だと思う。ですから、いい状況で試合が出来ればいいと思っています」と刺激になっているとする。
一方、菅原は「試合が決まって『一緒にNEXT LEVEL狩りをしよう』とKANAさんと約束したので、私が先陣切ってしっかりKANAさんにつなげて2人でお祝い出来たらなと思っています」と、笑顔で言い放った。
それを聞いた優は「次の週のK-1のタイトルマッチ含めて、私と壽美が必ず王者になります」とシルバーウルフ勢から揃ってベルトを奪い取ると宣言。菅原も「1週間後のKANAさんと一緒にK-1を盛り上げると決めているので、しっかりそういうところが見せられる試合をします」と2人でKrushとK-1を盛り上げると語った。