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【Krush】サッタリがわずか30秒でKO初防衛、新美貴士が盤石の強さでKO防衛V3、与座優貴がインパクト大の豪快KOデビュー

2021/12/18 22:12
Krush.1322021年12月18日(土)東京・後楽園ホール ▼ダブルメインイベント第2試合 Krushクルーザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇マハムード・サッタリ(OTAジム/王者)KO 1R 0分30秒 ※左フック×ANIMAL☆KOJI(LEGION TOP TEAM/ALIVE/挑戦者)※サッタリが初防衛に成功。  サッタリはWAKOアマチュアムエタイ世界ミドル級王者、ムエタイ・プレジデントカップ2012優勝、ムエタイ・アジアンビーチゲーム2014優勝、ムエタイ・アジアインドア&マーシャルアーツ2017優勝などの実績を持ち、プロ戦績は15勝(8KO)1敗。2020年10月のKrushに初参戦を果たすと谷川聖哉を右フックでKO、今年3月のK-1では加藤久輝をもヒザ蹴りでKOした。7月の第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメントでもRUIと谷川を初回KOに沈め、圧倒的な強さで王座に就いている。今回から所属ジムが変更、またリングネームも本名に変更となった。  KOJIはMMAファイターとして2017年のDEEPフューチャーキングトーナメントでミドル級優勝。2020年2月の『ONE Warrior Series』にも出場している。MMAでの戦績は6勝9敗。2020年12月のK-1福岡大会に初参戦すると、K-JeeとKrush王座を争ったRUIを2RでKO。3月には愛鷹亮にも判定勝ちし、その実績が評価されて今回挑戦者に選ばれた。試合へ向けてアメリカで修行を積んでサッタリに挑む。  1R、サッタリはジャブから右フック、KOJIは右ローを蹴る。KOJIが左フックを振りかぶると、サッタリはそれよりも早く左フックを振り抜く。モロに喰らったKOJIは大きく身体が泳いで倒れ、キャンバスに頭を打ち付けてのダウン。レフェリーが即座にストップし、サッタリの秒殺KO防衛となった。  サッタリはマイクを持つと「押忍。ミナサンコンバンハ。クリスマスも近いということでメリークリスマス。今回の試合に向けて激しいとトレーニングをしてきました。最高の瞬間を皆さんと分かち合えて本当に嬉しく思っています。ミナサン、コレカラアタタカイオウエン、ヨロシクオネガイマス。押忍」と力強く語った。  試合後のコメントでは「今回の試合へ向けてコーチが相手の分析をして、その分析をもとに厳しいトレーニングをしてきた。どのような状況でも焦らないように3つほど戦略を練ってきた。そのうちの一つが出来たということだね。どのような状況でも勝てるようにしてきたので想定通り。驚くことはない」と、クールに試合を振り返ったサッタリ。  初防衛を果たして次の目標を聞かれると「以前から言ってるように目標はK-1のベルトだ。すぐにでも試合をしたい。彼(K-1クルーザー級王者シナ・カリミアン)は母国が同じで知っているが親交はない。すぐにK-1のベルトを懸ける試合をしたい。彼が私とやりたくないのなら、ベルトを置いてさっさと逃げてくれればと思うね」と言い放った。 [nextpage] ▼ダブルメインイベント第1試合 Krushフェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇新美貴士(名古屋JKファクトリー/王者)KO 2R 2分57秒 ※3ノックダウン×篠塚辰樹(MASTER BRIDGE SOUND/挑戦者)※新美が3度目の防衛に成功。  新美は2018年8月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2020年の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」で1回戦が不戦勝、準決勝で優勝候補と目されていた玖村修平を破り、決勝では森坂陸に延長戦の末に勝利して王座に就いた。今年2月には6戦無敗の麗斗を退けて初防衛に成功、6月には岡嶋形徒に1Rわずか16秒でTKO勝ちして2度目の防衛に成功している。5連勝と絶好調だったが、9月のK-1で軍司泰斗に敗れて連勝はストップ。戦績は13勝(5KO)4敗のサウスポー。  篠塚はボクシングでアマチュア時代にインターハイベスト8の戦績を残し、プロ転向後はA級ボクサーとして3勝(2KO)1敗の戦績。2018年2月にキックボクシング転向し、TEAM TEPPEN所属として2018年2月にRISEでプロデビュー。2019年5月の森本”狂犬”義久戦は因縁の対決として話題となったが、延長戦の末に敗れた。2021年3月にK-1初参戦を果たし、延長戦で小澤海斗を判定2-1で破っている。戦績は8勝(6KO) 2敗。  新美もまた、高校・大学時代にアマチュアボクシングで活躍し、大学在学時には全日本選手権にも出場を果たしており、ボクシングをバックボーンに持つ選手同士の対戦となった。  1R、始まると同時に前へ出る篠塚だが、サウスポーの新美がショートのワンツーで早速ダウンを奪う。接近戦でボディから顔面へのコンビネーションを回転させる篠塚だが、ほぼノーガードのため新美の右フックをもらう。篠塚は左ボディ狙い。篠塚の左フック、右アッパーで動きが止まる新美はガードをしっかり固めて耐える。新美は篠塚の前足へ左右ロー、篠塚は左ボディからの左フック、左ボディからの右ストレート。新美はガードを固めて耐える。  2R、新美の左インロー、左ボディストレートに下がる篠塚だが、右ストレート、左ボディからの左フックと強打を見舞う。新美の左ローに右ストレートを合わせに行く篠塚。新美は左ロー、左インロー。さらに前蹴りでボディを狙う。  強打で前へ出る篠塚。その篠塚の飛びヒザを右フックで撃墜する新美。そして連打でコーナーへ詰めていった新美の左ボディで篠塚がダウン。右フックからの左ヒザで2度目のダウンを追加する。  最後は右フックで倒れていく篠塚のアゴを新美が左ヒザで突き上げ、完全KO。新美が1Rのピンチを乗り越えて見事なKO勝ちで3度目の防衛に成功した。  新美はマイクを持つと「篠塚選手、盛り上げてくれて注目される試合だったと思うのでいきなりKrushのタイトルマッチに挑んできたので、どうしても負けるわけにはいかなかったので何とか勝ててホッとしています。来年、いま上に軍司選手がいるのでリベンジして、そのベルトを奪いたいと思う」とK-1王者の軍司に再び挑むと宣言した。 [nextpage] ▼第8試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R×橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)不戦勝〇野田 蒼(月心会チーム侍)※橋本がドクターストップのため  不戦勝となった野田がリングに上がり、「今回この試合を楽しみしてくださったファンの皆様、支えてくださったスポンサーの皆さん、試合が出来なくてすいませんでした。僕は橋本選手とこの先も試合をする気はないんですけれど、この試合を楽しみにしてくれたファンがめちゃめちゃ多かったので、皆さんがどうしても見たいというのならば、橋本選手は根性を叩きなおして一から身体を作って出直してきてほしいです。僕は王者になって待っているので橋本選手は這い上がってきてください」と、橋本をやや皮肉った挨拶を行った。 [nextpage] ▼第7試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R〇松谷 桐(ALONZA ABLAZE)判定2-0 ※30-29×2、30-30×峯 大樹(若獅子会館)  松谷はジュニアキックで活躍し、Bigbangアマチュア-45kg王座、WBCムエタイアマチュアU18-52kg王座などを獲得。2017年10月にプロデビューすると、無敗のまま僅か6戦目でNJKFフライ級王座に就いた。そこからさらに連勝記録を伸ばしていったが、2019年7月の仲山大雅戦で初回KO負けを喫し、10戦目にしてプロ初黒星。11月にRISEで風音にも敗れて連敗を喫したが、12月のシュートボクシングで伏見和之にKO勝ちして再び勢いに乗り、その後は4連勝。ジムを移籍して9月のKrushに初参戦すると豊田優輝に判定勝ち。戦績は14勝(7KO)2敗。  峯は2019年10月にRKSバンタム級王座を奪取すると、同年12月よりKrushに参戦。藤田和希、高橋享祐に勝利するも萩原秀斗、池田幸司に敗れている。戦績は7勝(3KO)4敗。  1R、サウスポーの松谷は左ミドルを狙い撃ち。峯は左へ回り込みつつの左ロー、右三日月蹴り。両者かなり慎重な出足に。  2R、峯は左回りで左ロー、右インロー。松谷は前へ出るが手が出ず、左ミドルを蹴る。峯のいきなり放たれる右ハイが松谷を脅かす。  3Rも前に出るのは松谷。時折左ストレートを繰り出すが、やはり手数が少ない。峯も左フックを打って回り込むが手数が出ない。松谷の左ミドルが何度もヒット。峯が前に出て一瞬身体が泳いだところへは右フックを入れる松谷。ラスト10秒は松谷が左ミドル&左ストレートとまとめて、判定2-0で勝利を手にした。 [nextpage] ▼第6試合 Krushライト級 3分3R延長1R×蓮實 光(パラエストラ栃木)KO 2R 0分17秒 ※左ハイキック〇与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  与座は極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。その後は久保政哉、喜入衆に連勝したが、3月の『KNOCK OUT』で宮越慶二郎に判定2-1で惜敗。戦績を9勝(4KO)2敗としていた。  迎え撃つ蓮實は総合格闘家でもあり、Krushには2018年6月から参戦。パワーを活かしたファイトスタイルで4勝(2KO)2敗の戦績をマークし、2020年3月には東本央貴とダウンを奪い合う試合を演じてKO勝利。7月には大沢文也からも3度のダウンを奪ってKO勝ちしているハードパンチャーだが、朝久泰央、卜部功也、龍華に敗れ3連敗中。戦績は5勝(3KO)5敗。  1R、序盤から強い左右フックを叩きつける蓮實。与座はブロックを固めつつ、右ローを蹴って後ろ廻し蹴りも繰り出す。与座はまるで野杁のように両腕ガードをガッチリと固め、左ミドル、右ローを蹴っていく。蓮實の左右フックの打ち終わりには左フックを合わせに行く与座。長い距離の左ミドルを蹴ると、右カーフを強く蹴る。  2R、蓮實が右ローを蹴った直後、与座が左ハイキック。蓮實はガードする動きを見せるが、その両手の間を縫うような軌道で鮮やかに決まり、蓮沼はバッタリと倒れてそのまま硬直。すぐにストップとなり、蓮實は担架で運ばれた。  インパクト大KO勝ちで初陣を飾った与座は「初めまして。自分はK-1で王者になるために来ました。ライト級は強い選手が多いですけれど 一人一人倒していって必ず王者になります。2月、自分が極真時代に世界一になった東京体育館でK-1やると聞いたので、ぜひ試合をやらせてください」と2月のK-1東京体育館大会への参戦をアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×”DYNAMITE”髙橋佑太(Y’ZD GYM)KO 2R 1分27秒 ※3ノックダウン〇西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  1R、前に出るのは西元。左インローを蹴っていき、高橋にロープを背負わせると左ボディから右フック。高橋は右ロー、左ミドルを蹴り返すが、西元に左ヒザをグサリと突き刺される。ロープ伝いに回り込み続ける高橋へ西元はプレッシャーをかけ続けた。  2R、ロープを背負った高橋は西元のボディ連打からの左フックでダウンを奪われる。続いて左フックでダウンを追加した西元は、最後は右ストレート。頭部をかすめた形だったが高橋が座るように倒れ、3ノックダウンで西元の圧勝となった。  マイクを持った西元は「前回9月、僕らしくない僕の気持ちが弱くてしょうもない試合をしてしまったので、今回どうしても倒して勝とうと思ったんですが、何とか倒して勝つことができました。来年はもっと駆け上がっていくので僕についてきてください」とアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R×寺田 匠(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 1R 2分22秒 ※左フック〇松山勇汰(TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)  1R、サウスポーの松山は前へ出て圧をかけ、ジャブから長い右ストレート。寺田は下がりながらもフックを繰り出していく。松山が打ち合いに行ったところで逆に寺田の左フックをもらってダウン。  寺田は一気にラッシュをかけ、左右フックと左ボディで攻めまくるが、松山が左ヒザをアゴに突き上げてダウンを奪い返す。場内が一気に盛り上がる中、両者打ち合いで寺田の左フックが松山のアゴへモロに入り、壮絶にダウン。松山は完全にノビてしまい、寺田の豪快なKO勝ちとなった。 寺田はマイクを持つと「自分はまだ4戦目なんですけれどたくさんのスポンサーの方に恵まれて格闘技が出来ています。最速で王者になると言ってるので、次2月くらい、怪我無いのでお願いします」と2月参戦をアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R×稲津航大(K-1ジム琉球チーム琉神)判定0-3 ※25-30×3〇犬童 凛(K-1ジム目黒TEAM TIGER)※稲津は減点2からのスタート  1R、サウスポーの稲津は思い切り左右を振り、勢い余って転倒するほど。犬童は高い右見ドルを蹴りつつ、右の三日月蹴り。互いにカーフを蹴る。犬童の三日月が効果的に決まった。  2Rも右ミドル主体の蹴りが多いスタイルの犬童。稲津も左ミドルを蹴り、左ボディストレートを繰り出してのボディ狙い。犬童の左カーフを稲津が嫌がって後退。犬童が攻勢に出る。  3R、犬童の右カーフに何度も倒れ掛かりながらも左ミドルを蹴り返して粘る稲津。犬童は右ミドルを蹴って左右ストレートにつなぐが稲津は最後まで粘り、判定3-0で犬童の勝利となった。 [nextpage] ▼第2試合 Krush女子フライ級 3分3R延長1R×RAN(MONKEY☆MAGIC KICKBOXING STUDIO)判定0-3 ※29-30×3〇池内紀子(POWER OF DREAM)  1R、RANは右ローを狙い撃ち、池内も右ローを蹴るがそれをかわして右ローを蹴る。池内は終盤パンチをまとめるがRANも退かずに打ち合う。  2R、池内はヒザで飛び込んで右ストレート、右ボディからの左フックとパンチ主体の攻め。RANも左右フックを返していき、右ローを蹴る。徐々に手数を増やしていく池内だが的確さはRANが上回ったか。  3R、池内の右から左を返すコンビネーションに対し、RANは最初の右をブロックして左右を打ち返す。中盤は手数が減り、池内が飛びヒザ、ハイキック、バックハンドブローで印象付け、右ストレート、左フックで前に出る。最後はRANも左右フックでヒットを奪ったが、池内が判定3-0で接戦を制した。 [nextpage] ▼第1試合 Krushライト級3分3R延長1R〇加藤 港(WSRフェアテックス三ノ輪)判定3-0 ※30-29×2、30-28×河北光生(K-1ジム五反田チームキングス)  1R、前に出る河北に加藤はジャブを突き、右を放ってくる河北へ左フックを合わせる。加藤は右カーフを蹴りつつ前進を続ける。加藤も回り込みながらの右カーフ。  2Rもどんどん前へ出る河北は右カーフを蹴り、右フックへつなげるが、加藤のジャブ、右フック&右アッパーをねじ込まれ、さらにボディへヒザを突き刺されてしまう。河北も負けじと左ボディ。  3Rも前に出る河北が左右ボディで攻めの姿勢を貫き、加藤が押される場面もあるがジャブを的確に当て、カウンターのヒザ蹴り、さらに右フック&右アッパーで対抗。判定3-0で加藤の勝利となった。
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