キックボクシング
レポート

【ホーストカップ】大石駿介がレイ・セフォーからの刺客をボディで悶絶KO! 4人のK-1レジェンドも登場

2019/05/27 22:05
2019年5月26日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホールにて『グループエスカラデーPRESENTS HOOST CUP KINGS NAGOYA 6』が開催された。 「ナゴヤチャンピオンカーニバル& LEGEND DNA FIGHT」がテーマの今大会では、各団体から総勢11人ものチャンピオンが参戦。さらにアーネスト・ホースト、ピーター・アーツ、レイ・セフォー、武蔵らK-1ヘビー級レジェンドファイターのDNAを受け継ぐ愛弟子たちが出場した。  大会のオープニングではそのレジェンド4人がリングに揃って登場。それぞれ次のように大会とファイターたちへの期待を語った。 ホースト「オス! ホーストカップの開催規模がどんどん大きくなっているのが大変嬉しいです。そしてK-1(FEG体制の旧K-1)が終わってもまだまだ僕たちの人生は続いています。これからもまた日本にみんなで来られることを楽しみにしています」 アーツ「ミナサンコンニチハ。今日は僕の兄弟と言えるレジェンドの選手たちと一緒です、僕のキックボクシング人生の中で、長い歴史を持つ彼らと今一緒にリングに立っていることが幸せです」 セフォー「ミナサンコンニチハ! イェーイ! アリガトウネ! 今日は先ほどホーストと控室でたくさん語り合いました。そして僕の人生で大切な選手たち、武蔵、アーツ。今日は僕の人生で最高の日になりました」 武蔵「前回に引き続きまたレジェンドファイターが集まりました。めちゃめちゃ贅沢な大会だと思います。レジェンドのDNAを受け継ぐファイターと、それを迎え撃つ日本人ファイターとの戦い、みなさん一緒に楽しみましょう」 ▼メインイベント第12試合 LEGEND DNA FIGHT 64kg契約3分3R・延長1R〇大石駿介(OISHI-GYM/ISKA世界ムエタイスーパーライト級王者)KO 1R2分58秒 ※左ボディブロー●リー・コ―ベル(レイ・セフォー推薦/PFL/WFKKO世界ライト級王者/XFS世界Sライト級王者/UCF世界フェザー級王者)  メインイベントで地元名古屋が誇るISKA世界王者・大石と激突するのは、かつてK-1で“南海の黒豹”と呼ばれ活躍したレイ・セフォーが自信を持って送り出すファイター、イギリスのコーベル。キック戦績70勝15敗1分、MMAでも2勝2敗のキャリアを持ち、90年代にキックで活躍し8度の世界王者に輝いたラモン・デッカーに師事したこともあるという。  地元名古屋の期待を背負い、さらにこの日6人が出場したOISHI-GYMの総大将として大石がこのセフォーからの刺客を迎え撃った。  1R、ミドルキックを放つコーベルに大石もボディブローを返す。ワンツーからミドルのコンビネーションで攻めるコーベルに対し、大石はしっかりとガードを固めると、コーベルをコーナー詰めてさらにボディへパンチ、さらにヒザも脇腹へ突き刺す。  パンチを返すコーベルに大石は前蹴りとジャブで距離を測ると、またも強烈な左ボディ! ドンッという音が響くとコーベルは苦悶の表情を浮かべうずくまるようにダウン。何とか立とうとするも10カウントとなり、大石が王者の貫禄を見せる圧巻のKO勝利で大会を締めくくった。  試合後マイクを持った大石は「今日OISHI-GYMから6人が出場して、ずっと言っていたジム全勝は叶わなかったけど、負けても熱い戦いを見せてくれた後輩たちを誇りに思います。僕も今年30歳になって現役生活もそう長くないと思うんですけど、残りの現役生活を後輩たちと走って行きたいのでみなさん応援よろしくお願いします」と、仲間たちの健闘を称え、同時に自身のキャリアの集大成が近いことについても語った。 ▼セミファイナル第11試合 EXルール 62kg契約 3分3R・延長1R〇高橋一眞(NKB真門ジム/NKBライト級王者)TKO 3R41秒 ※ヒジによるカット→ドクターストップ●小川 翔(OISHI-GYM/HOOST CUP日本Sライト級王者)  セミファイナルはチャンピオン同士の対決。2012年のK-1甲子園王者にしてHOOST CUP日本スーパーライト級王者の小川が迎え撃つのは、キックの舞台で活躍する高橋三兄弟の長男で、そのアグレッシブなスタイルから「怒突き合いお兄ちゃん」の異名を取るNKBライト級王者・高橋。タフな小川とは激戦が予想された。  1R、ミドルキックの小川に高橋はジャブからローにつなぐ。小川もインローを返すが、高橋はイン、アウトとローキックを打ち分けて何度も快音を響かせる。小川は高橋のパンチをガードしてミドルを当てていく。  2R、小川はローとミドルの他にヒザへの関節蹴りも多用して距離を制す。高橋はヒザ、ヒジも混ぜながら、小川のローに合わせてジャブを刺す。小川はミドルを中心に攻めるが高橋もミドルを返す。  3R初めから両者積極的に前へ出る。同時にワンツーを放つ場面も。パンチだけでなく互いにヒジも振るっていく中で、高橋がパンチから小川のガードの隙間を狙って右の縦ヒジ。これが見事に決まり小川が額から出血。ドクターチェックが入るもすぐに続行不可能と判断され、高橋が技ありの勝利で王者対決を制した。  マイクを持った高橋は「今日は強敵の小川選手でしかも敵地に乗り込んで来ての試合で、やってみたらやっぱり強い。1Rからやりにくいなと思っとって、もう最後セコンドに『ダウンしていいから前出るわ』って言ってヒジだけ狙って行ったら練習しとったヒジがバチーン決まって。思い通りの勝ち方になりました、もうほんまに最高の日です」と、喜びながら勝利を決定づけたヒジについての作戦を明かした。 [nextpage] ▼第10試合 LEGEND DNA FIGHT 70kg契約3分3R・延長1R〇イリアス・ボカユア(アーツ選抜/ピーター・アーツGYM)TKO 1R2分58秒 ※パンチ連打 ●真樹親太郎(真樹ジムAICHI/MA日本Sウェルター級王者)  ピーター・アーツのDNAを受け継ぐ愛弟子イリアス・ボカユアが昨年12月大会に続いて参戦。MA日本スーパーウェルター王者の真樹と対戦した。  1R、左ジャブから真樹の蹴り足を掴んでこかすボカユア。真樹は左フックからローを飛ばすが、蹴りに合わせてボカユアのパンチが左、右とヒット。ボカユアはさらに左ミドルを3連打し攻勢に出る。  真樹はパンチをもらいながらも前に出るが、ボカユアのフックでぐらつくと、追い打ちの連打で崩れるようにダウン。立った真樹にボカユアが今度はボディ。これで真樹が2度目のダウン。  何とか立った真樹はボディを返すが、ボカユアは真樹をコーナーへ詰めるとワンツーからボディを効かせ、最後はテンプルへの右で畳み込みTKO。昨年12月大会では判定負けだったボカユアが、前回の雪辱を果たしてKO勝利を収めた。 ▼第9試合 LEGEND DNA FIGHT HOOST CUP 女子スーパーライト級(63Kg)王座決定戦 3分3R・延長1R〇溝口孝湖(WATANABE GYM)KO 1R1分2秒 ※右フック●マーレーン・オクックス(ホースト選抜/SOKUDO-GYM/ WKU世界Sライト級王者)※溝口が新王座に就く。  女子スーパーライト級初代王座決定戦は因縁の再戦。尾張の重戦車の異名を持ち、パワーが持ち味の溝口と、ホーストの愛弟子でWKU世界スーパーライト級王者のオクックス。両者は昨年12月大会で対戦し、接戦の末に溝口が判定2-0で勝利している。ベルトを懸けてのリマッチはオクックスのリベンジか、溝口が返り討ちか。前日会見のフェイスオフでは顔が触れんばかりの距離でにらみあいを繰り広げた両者だけに激しい試合が予想された。  1R、すぐ前へ出て打ち合う両者。互いに全力で左右のフックを打ちあう中、もつれあうようにしてオクックスが背を向ける体勢になると、この瞬間を逃さず溝口が右フック! オクックスは腰から崩れ落ちると目を見開いたまま動かず。衝撃の失神KOで溝口が初代女子スーパーライト級のベルトを巻いた。  マイクを持った溝口は「今日もたくさんの応援が来てくれて凄く力になりました。キックを始めて10年でこのタイトルマッチを用意していただいて、決まった時からこれは私のストーリーだと思い練習してきました。館長はじめジムの皆さん、応援してくれる皆さんのおかげでここまでこれました。みんなのこのベルトを大事に守っていきます」と防衛への意欲を語った。 [nextpage] ▼第8試合 HOOST CUP日本スーパーフライ級(53kg)王座決定戦 3分3R・延長2R〇滉大(及川道場/DEEP☆KICK53Kg王者)延長判定2-0 ※10-9×2、10-10●大崎孔稀(OISHI-GYM/WMC日本スーパーフライ級王者、J-NETWORK同級王者)※滉大が新王座に就く。  HOOST CUP日本スーパーフライ級王座決定戦。J-NETWORKとWMC、2つのベルトを保持する大崎は地元名古屋での王座戴冠、そして兄・一貴と揃っての勝利を目指す。対する滉大はDEEP☆KICK王者にして11勝2分けと未だ無敗を誇る。大崎19歳、滉大21歳、軽量級国内トップレベルの争いを制して若き王者となるのはどちらか。  1R、細かくステップを踏み、パンチからローを飛ばす滉大、大崎のハイキックをスウェーしてミドルも返す。滉大がワンツーを放つと、大崎も左ストレートを当てるなどハイスピードな攻防の中、互いに決定打はなし。  2R、互いにロー。滉大がジャブを入れると大崎はワンツー、大崎は滉大のハイキックをつかんでストレート、さらにボディ、テンカオと腹を攻めると、右ストレートから返しの左フックを当てる。滉大は大崎のミドルをつかんでボディを入れるとバックブローも見せる。終盤は蹴り、パンチを混ぜた激しい打ち合いが展開される。  3R、回転の速い左右のパンチで攻める滉大に大崎も打ち返し、大崎の左右フックが顔面を捉える。滉大の蹴り足をつかんで右ストレートを放つ大崎、滉大はボディを狙う。  判定はジャッジ1名が大崎を支持したが他2名はドローとなったため、試合は延長ラウンドに突入。  延長R、最初からスピードのあるパンチを交換する両者、すると滉大のフックで大崎の顔が跳ね上がる。一瞬ひるんだ大崎だがすぐに打ち返す。滉大は顔面前蹴り、大崎はこれをつかんでコカす。大崎の右ストレートが当たると、勢いでロープの隙間から滉大の顔が外に出てしまう場面も、滉大が左を当てれば大崎も右ストレートを返し、両者スタミナの衰えを全く見せないまま延長ラウンドが終了。  判定は10-10とまたもドローが1名、しかし残り2名は滉大を支持。一進一退の攻防の中、僅差で上回った滉大が無敗のまま初代王座に就いた。  マイクを持った滉大は「大崎選手はアマの時から試合を見ていて、一緒に練習したこともあり強い選手だと知っていたので、接戦でしたが勝ててよかったです。去年からこのベルトを目指してやってきたのですごく嬉しいんですが、ここで満足していたらそこら辺の選手と同じだと思うので、これからも上を目指して頑張っていきます。今日ベルトを獲ったことで分かったかと思いますが、僕がこの階級で一番強いと思います。これからも自信をもって頑張っていきたいと思います」とコメントした。 ▼第7試合 53,5kg契約 3分3R・延長1R〇大崎一貴(OISHI-GYM/WMC日本フライ級王者)延長判定3-0 ※三者とも10-9●KING剛(ロイヤルキングス/MA日本バンタム級王者)  大崎は弟の孔稀と共に軽量級で活躍するWMC日本フライ級王者。今回は4月20日に組まれていた試合を計量失格して以来の試合となるだけに、復活勝利を挙げたいところだ。対するKING剛はアグレッシブなスタイルが特徴のMA日本バンタム級王者。  1R、ローを飛ばしていくKING剛、大崎は慎重に見ながらハイキックを狙う。大崎のハイにKING剛はミドルや左右のフックで攻める。KING剛のミドルに大崎はパンチで前に出る。後半には打ち合いになる場面も。  2R、互いにローを出すと、KING剛はボディ、大崎はしっかりとガードを固めながらジリジリ圧をかけるとストレートを放っていく。さらに大崎は左右のフックから右ヒザ、右ストレート。KING剛の右フックに大崎が右ストレート返し打ち合いになる中、KING剛は鼻から出血。  3R、KING剛のパンチに合わせ大崎は左ロー。大崎の右フックがKING剛の顔面を捉える。ローの打ち合いから、KING剛はヒザに合わせパンチを狙うも、大崎はKING剛の連打をしっかりガードする。  判定はジャッジ1名が大崎、2名がドローとなり延長戦へ。  延長R、ハイキックは大崎、KING剛はワンツーで前に出る。互いに右フックが当たるが、大崎はさらに右ストレートを当てる。前に出る大崎にKING剛は左右の連打を放つが、大崎のガードが冴えわたる。両腕を巧みにずらしながらブロックし、逆に右フックを当てていく。しかし終盤の打ち合いでKING剛も右フックを当て、互いに前に出る乱打戦の中ゴング。  マスト判定となった延長は3者とも10-9で大崎、巧みなガードワークを見せた大崎が復活の勝利を収めた。 ▼第1試合 LEGEND DNA 63kg契約 3分3R・延長1R〇麻原将平(武蔵DNA/PFP/元HOOST CUP日本スーパーライト級王者)TKO 1R2分51秒 ※右ヒザ蹴り●ファブリシオ・ザカリアス(ブラジリアンタイBRAZIL/CMTB65Kg王者/ROAD TO GLORY65Kgブラジル王者)  武蔵のDNAを受け継ぐファイターで、元HOOST CUP日本スーパーライト級王者でもある麻原は昨年12月大会にも参戦。ブラジルのヴィトー・トファネリを相手に1Rにダウンを奪いながら、2Rでまさかの逆転KO負けを喫している。  今回対戦するファブリシオ・ザカリアスはブラジル出身で、麻原が敗れたトファネリと同じく、HOOST CUP日本ミドル級王者のダニロ・ザノリニ推薦選手。ブラジルのキック団体のベルトを巻く強豪を相手に、麻原は名誉挽回の勝利なるか。  1R、麻原のセコンドには武蔵の姿、ローキックのザカリアスに麻原もローを返す。麻原の強烈な左ミドルがヒット、ジャブからローのコンビネーションで攻めるザカリアス。麻原はワンツーからさらに強いミドル。ザカリアスの脇腹が紫色に染まる。ザカリアスはパンチを振って前に出るも麻原はしっかりと見てガード。  そしてザカリアスがパンチを狙って飛び込んだ入り際に麻原がカウンターの右ヒザ一閃! ザカリアスがバッタリと倒れるとすぐにレフェリーが試合をストップ。鮮烈なTKO勝利で麻原が前回の悪夢を払拭した。 ▼第6試合 EXルール 63.5kg契約 3分3R〇増井侑輝(真樹ジムAICHI)TKO 3R1分1秒 ※左ローキック ●THONG・SEISHIKAI(NJKF誠至会) ▼第5試合 61kg契約 3分3R〇ヘンリー・セハス(ブラジリアン・タイ/チーム侍/FIGHT DRAGON60Kg王者)判定2-0 ※30-29×2、29-29●MASATO(静岡KICK推薦/STREKES GYM) ▼第4試合 ミネルヴァ提供試合 55kg契約 2分3R〇鈴木万李弥(志村道場)判定2-0 ※30-29、29-28、29-29●水野志保(名古屋JKファクトリー/元J-GIRLSバンタム級王者) ▼第3試合 57.5kg契約 3分3R〇戸塚昌司(C’rush)判定3-0 ※三者とも30-28●大岩貴(ブラジリアンタイ) ▼第2試合 67kg契約 3分3R〇安川侑己(志村道場)TKO 2R2分 ※左ボディ●吉田理玖(朋武館) ▼オープニングファイトプロ第5試合 52kg契約 3分3R〇RISING力(RISING己道会)判定3-0 ※30-28×2、30-27●翔太YAMATO(NJKF大和ジム) ▼オープニングファイトプロ第4試合 55kg契約 3分3R〇HΛL(OISHI GYM) 負傷判定3-0 ※三者とも20-19ローブローにより浅岡が試合続行不可能のため、2R途中まででの判定●浅岡竜大(BFA-SEED) ▼オープニングファイトプロ第3試合 60kg契約 3分3R〇竹本亮吾(OISHI GYM)判定3-0 ※30-26×2、30-27●山口 将(静岡KICK推薦/STRIKESGYM) ▼オープニングファイトプロ第2試合 67kg契約 3分3R〇悠煌(西田キックボクシングジム)TKO 2R1分49秒 ※パンチによる鼻からの出血●森脇竜之介(大原道場) ▼オープニングファイトプロ第1試合 60kg契約 3分3R〇中野龍一(朋武館)TKO 1R1分12秒 ※左ミドル●松森文哉(MEIBUKAI) ▼オープンニングファイトアマチュア第2試合 49Kg契約2分2R(インターバル40秒・延長1分30秒・ヘッドギアあり)〇森 隼斗(西田キックボクシングジム)判定3-0●森川 晃成(大和ジム) ▼オープンニングファイトアマチュア第1試合 57㎏契約2分2R(インターバル40秒・延長1分30秒・ヘッドギアあり)〇丸山龍司(西田キックボクシングジム)判定3-0●下原宙大(中島道場)
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