キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】初防衛戦に臨む小笠原瑛作「“完成形の小笠原瑛作”に近づいている自信がある。試合するのが楽しみ」

2021/11/19 22:11

逆にモチベーションを上げないことが僕の中でしっくりきてる

──もう一つ大きな要素として、壱選手にとってはものすごく待望の機会じゃないですか。そういうところがどう作用するのかなと思うんですが。

「そうですよね。壱選手からしたら大物を狩るというか、ビッグチャンスだし、モチベーションもすごく上がってるとは思うので、僕からすると追われる立場ですよね。追う立場の方がモチベーションも高いんだろうなとは思うんですけど。正直、若い頃の自分はモチベーションを上げて試合に臨んでいたところがあって、『おっしゃ、やったるぞ!』という感じだったんですけど、今はモチベーションで持っていくのがちょっと違うなというか。やっぱりモチベーションを上げるってことは、下がる時が絶対あるわけで、人間、波があると気持ちにもブレがあって弱いんですよね。だから最近、自分の中で一番重要にしているのは、モチベーションを上げて頑張ろうともしてないし、下げて頑張ろうともしないし、常に一定で行きたいなということなんです」

──なるほど。

「だから今後も、もし壱選手じゃない大物が来たとしても、モチベーションを上げて『やったろう!』という感じにもたぶんならないと思うし、だからといって今回は壱選手だからモチベーションが上がってなくて、気持ち的に不利かといったらそうでもなくて。もう、いつも一定に同じことを積み重ねてる感じなんですよね。確かに、そういうモチベーションで勝ち切るというのも大事で、僕もそれで力を発揮できたこともあるので、重要な部分でもあるんですけど、ちょっとキャリアを重ねた今は、逆にモチベーションを上げないことが僕の中でしっくりきてる感じです」


──そう考えるようになったのは、『KNOCK OUT』のチャンピオンになったことも影響していますか?

「それは大きなきっかけでもありますね。『KNOCK OUT』が始まった頃は、『おっしゃ、やってやるぞ!』という気持ちで走り続けた部分があったんですけど、やっぱりテンションだけで生きてるのもつらいなと(笑)。人間って、いつでも元気でいられることもないんで。最近はそう思ってますね」

──チャンピオンになって初の試合だし、まだ発表にはなってないですが、間違いなくメインだと思います。そうなると、他に安本晴翔選手などのスーパーファイトもある中で、大会を締めくくる立場にもなります。さらに来年ビッグマッチ、それから将来的には世界に進出という希望も掲げている上での試合。端から見たら、かなり責任のかかる立場かなと思うんですが……。

「プレッシャーがないと言ったらウソになるというか、これだけ自分でも発言しているし、そういう重責を任されているなという感覚はあるんですけど、それに向けてコツコツと、日々やるべきことをやっているので、もしこれで結果が出なかったら、またそれはそれで学ぶときだなと。だからいいプレッシャーですよね。そのプレッシャーがないわけじゃないけど、感じすぎてもいないというのが、リアルなところですかね」


──映画の撮影も終わって、対策もいい感じでできていて、今の話している感じからしても、かなり状態はよさそうですね。

「そうですね。あとは最後、どう集中して仕上げていくかなというところですね。やっぱり調子のいい時ほど、何かあるというのもあるし、そういう不安もないわけではないんですけど、本当になるようにしかならないし、たぶんやってきたことしか出ないですから。だから今回は、自分でも楽しみな部分が大きいですよね」

──やはりそうですか。

「負けることとかについては不安になってもしょうがないし、それ以上に旧『REBELS』から続く『KNOCK OUT』に育ててもらったというところで、『KNOCK OUT』を大きくしていかなくちゃいけないし、そこに返していきたいと思ってますから。応援してくれてるお客さんに見せられるものを、あと2週間、集中してし作り上げていきたいと思ってます」

──では最後の質問ですが、改めて、今回の試合で一番注目してほしいところは?

「毎回言ってるんですけど、まだまだ自分の中では成長してるなという感覚があるんですよ。自分の中で、動きと、気持ちの自信というのがピタッ!と重なってきていて、もうちょっとで“完成形の小笠原瑛作”に近づいてきているかなという感じが自分の中であるんです。まだまだ、強さの探求という点では探さなくちゃいけない部分はあるんですけど、その一面を見せられる試合になるかなと思います。今までも成長してきたけど、またちょっと今までとは違う成長を見せられる試合だと思うので、そこを楽しみに見てもらえたらなと思います」

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