2021年11月5日(日本時間6日)にアイルランド・ダブリンの3アリーナダブリンにて「Bellator 270: Pitbull vs. Queally 2」が開催された。
【メインカード】
▼Bellator世界ライト級王者決定戦 5分5R○パトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)153.6ポンド(69.67kg)[2R 1分05秒 TKO]×ピーター・クイリー(アイルランド)155.0ポンド(70.3kg)※パトリッキーが新王者に
メインイベントは、弟パトリシオがフェザー級王座奪還とAJ・マッキーへのリベンジに専念するために返上したライト級王座を、兄のパトリッキー・“ピットブル”・フレイレ(ブラジル)とピーター・クイリー(アイルランド)が争う「Bellator世界ライト級王者決定戦」(5分5R)。
両者は再戦で、前回は2021年5月の「Bellator 258」で、パトリッキーがダブルレッグテイクダウンを奪うも、ガードからクイリーがヒジを打ち込み、パトリッキーが出血。2R 終了時ドクターストップで、クイリーが勝利している。
ライト級ランキング1位のパトリッキーはMMA23勝10敗、2016年にマイケル・チャンドラーにKO負けしたものの、以降、Bellatorで5連勝。2019年大晦日のRIZINライト級GP決勝でトフィック・ムサエフに判定負けで準優勝。2021年5月にクイリーにドクターストップで敗れていた。
対するアイルランドのクイリーは、コナー・マクレガーと同門でMMA13勝5敗1分け。ランキングでは2位にシドニー・アウトロー、3位にブレント・プリムスがランクされており、クイリーは4位に位置するが、前戦でパトリッキーにTKO勝利していることが評価され、地元での再戦でタイトルマッチとなった。
前日計量では、155ポンド(70.3kg)のライト級で、ブラジル国旗をあしらったパンツで秤に乗ったパトリッキーが153.6ポンド(69.67kg)のアンダーでパス。対するクイリーは155.0ポンド(70.3kg)のジャストで計量をパス。
フェイスオフでは、互いに視線を合わせ、言葉はかわさず。正面を向いての撮影で、ガッツポーズを作ったパトリッキーに、クイリーは首をかっ切るポーズを見せた。
続けて、ビッグ・ジョン・マッカーシーのインタビューに、「俺は自分が倒したものを何も変えようとは思わない。俺は彼に勝ったし、また彼に勝つつもりだ。それは、俺にとってすべてを意味している。12年間、長年の努力の結晶になる。俺はすべてを諦めかけてきた。ここまで来るのに、人生は終わってしまったかと。このままではいられない」と、地元ファンの前でコメント。対するパトリッキーは、「フィニッシュする。それだけだ」と一言で意気込みを表した。
ギャラハー同様、地元のクイリーの入場を大合唱するアイルランドファン。クランベリーズのゾンビを曲が終わっても歌い続ける。アウェーに乗り込んだパトリッキーはその歌声を聴きながらコールを受ける。
1R、ともにオーソドックス構え。右ハイから飛び込むクイリー。突き放すパトリッキーは右ロングフックを振る。
右カーフキックを返すクイリー。さらに左ミドルも、パトリッキーはガードを固めるクイリーに右ボディ! さらにジャブの刺し合いでもリーチの長いクイリーに劣らず。上を突いてから左右ボディを叩く。
クイリーは右ロー。パトリッキーの左ヒザが赤くなる。詰めて左右連打をガード上に叩くパトリッキーは首相撲からヒザも。前足を上げてムエタイスタイルで近づくクイリー。パトリッキーは左右を外から叩き、右ボディに繋ぐ。
2R、クイリーの前手がアイポークとなり、中断。「ドクターを呼ぶか?」のレフェリーの声にうなずくパトリッキー。チェック、ドクターが点眼して再開。
ジャブ&ローのクイリーがワンツーを放ったところに、パトリッキーはカウンターの右! 両手を着いたクイリーが身体を起したところに、さらに右から左を突くパトリッキー! 今度はダウンしたクイリーは転がりながらも立ち上がるが、パトリッキーが左右を当てると、再びダウンしたクイリー。金網際で立ち上がるも連打を浴び、頭を抱えるだけのクイリーにパトリッキーが右のダブルを打ち込んだところでレフェリーが間に入った。
弟のパトリシオが返上したライト級のベルトを巻いたパトリッキーは、「彼が蹴って俺も蹴るなかでボクシングを狙っていた。彼はまた俺が蹴ると思ったはずだ」とKOを語り、「アウェーでプレッシャーは無かったか?」と問われ、「戦いを楽しんだよ。10年間、日本、カナダ、米国、世界のどこでも戦ってきた。俺はブラジリアンでウォリアーだ。俺がKOキングでチャンピオンだ」と初戴冠を語った。
セミ、メインで地元勢が敗れ、ダブリンの悲劇となったアイルランド大会だが、最後にパトリシオが、「アイルランドのグレートファンの前でリラックスして戦えた。とても美しい国だ。ギネスだ、ギネスを楽しもう」と語ると、観衆も拍手で応じた。
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▼バンタム級→137.8ポンド 5分3R○パトリック・ミックス(アメリカ)137.8ポンド(62.5kg)※体重超過[3R 0分39秒 ギロチンチョーク]×ジェイムス・ギャラハー(アイルランド)136.0ポンド(61.68kg)
注目のバンタム級(135ポンド/61.2kg ※プラス1ポンド/0.45kg)のコ・メインでは、MMA11勝1敗のアイリッシュ、ジェイムス・ギャラハーが登場。136.0ポンド(61.68kg)の王座戦以外で許容されているプラス1ポンドのジャストでパス。
しかし、パッチー・ミックスが、137.8ポンド(62.5kg)で0.9kgの体重超過でキャッチウェイトでの対戦となっている。ギャラハーは「覚悟を決めて臨む。俺は準備出来ているが、こいつは違う。それがすべてを物語っている。ヤツの鼻に石膏を塗ってやる」とコメント。ミックスは「俺のスキルを疑う人はいないだろう。彼の顔を貫くよ」と語った。
地元ギャラハーの入場では、バグパイプの音色に続く入場曲を満員の観衆は大合唱。
1R、サウスポー構えのミックスの左ミドルをキャッチして押し込むギャラハーに、ミックスはギロチンチョークへ! スタンドで金網背に飛びつくが、頭を抜いたギャラハーが逆に頭をがぶりギロチンへ。しかし頭を抜くミックスが右へパス。
金網背に上体を立てるギャラハー。観衆はギャラハーを鼓舞するように終始、歌い続けている。立ち上がるギャラハーはヒザ蹴り、右ハイ・ミックスも左ヒザを返すが、ギャラハーは右! 左ボディ。ミックスはその入りに左テンカオを突く。ダブルレッグテイクダウンはギャラハー。そこにギロチンを合わせるミックス。ギャラハーが頭と対角に飛んで防ぐとそのままミックスはスイープするもゴング。
2R、ギャラハーの右ローがローブローとなり中断。再開。左ジャブを突くギャラハー。さらに右も。跳びヒザで前に出るギャラハーは声を挙げて右。しかしミックスも打ち返す。ワンツーを当てたギャラハー! 前に出ると体を入れ替えたミックス。そこにギロチンチョークでクローズドガードに入れて絞るギャラハー!
1回小さくスラムして頭を外すミックスは上から肩固め狙い。クローズドのままのギャラハーに細かい左のパウンドはミックス。背中を金網に立てようとするギャラハーを押し込み、首を殺してパスガード! クルスフィックで細かいパウンドもギャラハーも腕を抜き、頭を横に逃がす。
3R、右を振って前に出るギャラハーだが、その首を掴んでジャンピングガードで右腕でギロチンチョークはミックス! しっかりガードの中に入れて絞ると、そのままマウントになって絞ったところでギャラハーがタップした。体重超過が残念だったが、ミックスが終始ギロチンのプレッシャーのなか組みを優位に進め、最後はきっちり一本勝ち。場内を鎮めた。
試合後、ミックスは「1Rは緊張していて、平静を装っていた。こんな試合になるとは思わなかったよ。2Rは僕がコントロールしていたので、最終ラウンドは彼がテイクダウンしなければならないと思ってくるだろうと予想して(ギロチンを)かけた。アイルランドの観客には驚いた。クレイジーだよ。ここはまるで映画のようだ。ジェームスに敬意を表するよ。体重オーバーしてしまったので、次回はそれをコントロールする必要がある。この勢いに乗っていきたい」と語った。
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▼フェザー級 5分3R○ペドロ・カルヴァーリョ(ポルトガル)145.8ポンド[判定3-0] ※29-28×3×ダニエル・ウェイチェル(ドイツ)145.6ポンド
カルバーリョ「自分のキャリアの中で最大の試合だった。この試合はクリーンなものにしたかった。自分に厳しいことを言ってはいけない。勝利したのだから。心の底から幸せだよ。私は自分に厳しすぎるのかもしれない。自分の戦いを見て、何が悪かったのかを考えたい。サウスポーに変えてからの方がジャブがさえた。私のキャリアの中で最も美しく、特別な夜だった。まさに私が期待していた通り。観客も私が思っていた通りでした。彼らは私に力とエネルギーを与えてくれました。今夜はそれほど良いパフォーマンスができなかったと思いますが、私は自分のキャリアのために戦っていました」
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▼フェザー級 5分3R○イリアス・ブライド(モロッコ)145.8ポンド[判定2-1] ※29-28, 28-29, 30-27×ジョルジュ・サス(フランス)144.6ポンド
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【プレリム】
▼フェザー級 5分3R○キアラン・クラーク(アイルランド)145.6ポンド[3R 4分11秒 リアネイキドチョーク]×ジョーダン・バートン(英国)143.0ポンド
▼ライト級 5分3R○ダニエレ・スカティッツィ(イタリア)155.0ポンド[判定3-0] ※29-28×3×ブライアン・フーイ(オランダ)156.0ポンド
▼ライトヘビー級 5分3R○リーチャド・ウィック(英国)205.6ポンド[判定2-1] ※28-29, 30-27, 29-28×アルナス・アンドリウスケヴィカス(英国)205.4ポンド
▼ヘビー級 5分3R○ゴーカン・サリカム(トルコ)236.4ポンド[1R 0分15秒 TKO]×チャーリー・ミルナー(英国)263.2ポンド
▼ウェルター級 5分3R○ニコロ・ソリ(イタリア)170.8ポンド[判定2-1] ※30-27, 28-29, 29-28×ボビー・パレット(ウェールズ)170.6ポンド
▼女子ストロー級 5分3R○ダニー・ネイラン(アイルランド)115.6ポンド[3R 3分58秒 TKO]×オードリー・ケルーシュ(フランス)114.8ポンド
▼ウェルター級 5分3R○ユサフ・ナゾカトフ(ロシア)170.8ポンド[2R 2分24秒 ヒールフック] ※外ヒール×ステファン・コステロ(アイルランド)171.0ポンド