MMA
レポート

【PFL】柔道金メダリストからMMA12戦無敗で王者となったケイラ・ハリソン、ともにベルトを手にした養女たちとのかけがえのない日々を語る

2021/10/28 22:10

「2つの小さな命を預かることに恐怖を感じていた」ハリソンが、試合前「正式に2児の母になった」ことを告白

 1984年にロンダの母アン・マリア・ラウジー・デマルスが獲得して以来、26年ぶりに米国女子代表として世界選手権で金メダルを獲得したハリソン。2011年には、柔道時代の前コーチから性的虐待を受けていたことを、同じケースに巻き込まれた人々を力付けるために公表した。その後、出会ったジミー・ペドロが、ロンダもハリソンもメダリストに育成した。

 そしていま、ハリソンは2人の子供と養子縁組を結び、ともに暮らしている。養女のカイラは今回の勝者コールをケイラとともにマットの上で聞き、ベルトを手にした。

 今月初め、ハリソンは姪のカイラを養子にし、今週は甥のエメリも養子にした。どちらもフロリダで何カ月も一緒に暮らしてきての決断だった。継父のボブ・ニコルズが亡くなり、母親のジーニー・ヤゼルが健康上の問題を抱え、妹が「自分の悪魔と戦っていた」とき、彼女は子供たちを家に連れて行ったという。

 ハリソンは試合直前に、子供たちと車で移動する写真をインスタグラムにアップし、以下のように記している。

「この写真は、オハイオ州からフロリダ州へのドライブ中に撮ったものです。私の人生が一変した日です。私はこの日のことを、苦い思い出としてずっと覚えています。私たちはボブを失い、私は彼を悼み、2つの小さな命を預かることに恐怖を感じていました。自分が何をしているのか分からず、私も彼らと同じように泣きました。私は圧倒され、疲れ果て、悲嘆に暮れ、孤独でした。

 今日まで早送りします。2021年10月25日、私は正式に2児の母となりました。以前から母親になったと感じてはいましたが、子供たちを守り、育て、導き、愛することが永遠に私の仕事であるという安心感は、何物にも代えがたいものです。

 これで、私たちの家族は完成しました。これが私の人生になるとは100万年前には考えもしませんでしたが、他の方法では望んでいません。私たちはオオカミの群れです。ジェイコブ・エメリ・ハリソン君、君を愛し守ることを約束するよ……君を導くことを、君を支えることを、永遠に大切にすることを……私はいつもあなたのためにここにいます」

 ファイターとして、母として、宝物を手にしたハリソンは、試合後の会見で、これまでとこれからについて、「この世に与えられたものなんかない。全ては自ら獲得しなきゃいけない。私は恵まれてて毎日一生懸命、頑張って励めるいうことに、周りの全てに、感謝してる」と語り、娘とベルトの写真に「この旅に参加したすべての人に感謝します。この道のりで私を助けてくれたすべての人たち。家族、コーチ、チームメイト、友人。毎日、好きなことを仕事と呼べることは、本当に幸せです」と記している。

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