2021年12月4日(土)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第1競技場)『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN』の第3弾対戦カード発表記者会見が、10月28日(木)都内にて行われた。
K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者の木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/PURGE TOKYO)が「K-1 FINAL」マッチを行うことが突然発表された。
木村は長くK-1の主要選手として活躍し、2018年8月にはKrushウェルター級王座に君臨。2019年にはK-1の全大会に出場し、全試合KO勝利。2020年3月には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」を3試合連続KOで制し、悲願のK-1王座に就いた。12月の両国大会ではアビラル・ヒマラヤン・チーターに初回まさかのダウンを喫するも、2Rで逆転TKO勝ち。今年は3月の日本武道館大会を右手中指の伸筋腱脱臼のため欠場していた。戦績は36勝(29KO)9敗1分で、現在10連続KO中。
約1年ぶりの試合で和島大海(月心会チーム侍)とのタイトル初防衛戦が発表された木村は、「ファンの前で久しぶりに試合するのが楽しみだし、待たせたぶん凄い面白い試合をしようと思っています。突然の報告になってしまうんですが、今回をK-1のラストマッチにしようと思っています。なのでK-1の魅力・面白さを存分に詰め込んだ最高の試合にしようと思います。最後の試合楽しみにしてください」と自ら発表した。
その理由を聞かれた木村は「ここまでK-1でずっと戦ってきて凄く人生の意味を見いだせたし、めちゃくちゃファンの支えもあって凄くいい格闘家人生を作れたと思うんですけれど、これからは次のステージが待っていると思うし、僕もその次のステップに進みたいので、最後にこのタイトルマッチをKOで勝って次のステージへ進もうと思っている次第です」と、次のステージへ進みたいという。
次のステージとは格闘技に関することなのかとの質問には「格闘家としての木村“フィリップ”ミノルのキャリアは続くので、そこは間違いないです。格闘家としてこれからも突き進んでいくだけですね」と格闘家としての第2のキャリアだとし、「男として生まれた以上はもっと上を目座すのは当たり前だと思うし、僕はここで止まっている人間じゃないと思うので次のステップへ進む時のタイミングが来たのかなと思って決断しました」と、もっと上に進むためだとした。
それは歴代のK-1スーパー・ウェルター級王者たちが、ONEで活躍していることに刺激を受けたのかと聞かれると「もちろんそういうファイターたちの刺激を受けるところもあるんですけれど、僕自身はやりたいことも増えてきているし、次のステージで戦ってもっと大きい選手になりたい夢があるのでそこへ向かっていく意気込みですね」と、濁すような答え。
さらに詳細を求められた木村だが「次の動向は正式に決まったら発表するつもりなので、今回はK-1のラストマッチということだけで留めておきます」と、次のステップは何なのかは具体的に語らなかった。
その最後の相手となる和島に対しては「ラストマッチにもっとふさわしい相手がいたのかなと思うけれど、彼もずっと今調子よく勝っているし。K-1ってこういうもんだよって、そこはナメんなよと教えるにはちょうどいい相手だと思って。レッスンをしてあげようかなと思っています」とK-1を身体で味わわせるとする。
そして「K-1という格闘技のロマンを僕以上に体現できる選手はいないと思っていて、昔ヘビー級から始まってK-1MAXで魔裟斗選手が活躍して、KID選手が時代を作ってきたと思うんですけれど、その人たちみたいなK-1を体現できるのは僕しかいないと思うので、K-1らしいロマン溢れる戦いが見られるのも最後だと思うので、ぜひ目に焼き付けて欲しいなと思います」とメッセージを送った。
会見に同席した中村拓己K-1プロデューサーは「今回の試合をオファーして進めていく中で木村選手の想いだったり、この試合をK-1の最後の試合にしたいというのはもちろん事前に聞いていました。それは木村選手の口から皆さんにお話しするのが一番だと思ってこういう形になりました。木村選手は2014年の旗揚げからずっと戦ってきて、自分の拳でK-1というのはこういうものだというのを見せてきてくれたと思います。その最後の戦いを大阪の皆さん、また全K-1ファン、格闘技ファンの皆さんに見て欲しいと思います。木村選手のK-1での最後の作品を楽しみにしています。その一方で和島選手にはK-1を卒業する人間にベルトを持ったまま卒業されてもという気持ちもあるでしょうし、逆に木村選手と戦うことで和島選手が勝つことができたらK-1のスーパーウェルター級の顏になれる、背負って立つ人間に相応しいと証明できるので、この2人のベルトを懸けた戦いに注目していただきたい。この試合は正式に木村選手のK-1 FINALという形で試合を行います」と、事前に把握していたと説明した。