まるで試合後のような伊藤だが「プロ練でカットして4針縫ってきました」とのこと
2021年12月19日(日)千葉・幕張ベイパークアリーナ『GRACHAN 51』(昼)『GRACHAN 52』(夜)の対戦カード発表記者会見が、10月25日(月)都内にて行われた。
『GRACHAN 52』のメインイベントでは、王者・伊藤空也(BRAVE/王者)vs挑戦者・手塚基伸(シークレットベースドミネート・コブラ会)のGRACHANバンタム級タイトルマッチ5分3Rが行われる。
伊藤は長野県の禅道会空手出身。16歳でGLADIATORでプロデビュー後、DEEP、Wardog Cage Fightを経て、2016年1月からGRACHANに参戦。2017年12月から6連勝をマーク。格闘技に専念する為に3年務めた会社を退職し上京。BRAVEの宮田和幸に弟子入りし内弟子として練習。2020年9月の第6代GRACHANバンタム級王座決定戦で獅庵に判定勝利で王者に輝いた。前戦、2021年6月のRIZINバンタム級トーナメント1回戦では、金太郎を相手に打撃、組み技ともに真っ向勝負。判定負けも評価を高める内容で、10月2日の『RIZIN LANDMARK vol.1』にも出場が決まっていた(相手は渡部修斗)が、新型コロナウイルスの陽性反応が出たため欠場。
手塚はUFC参戦経験を持ち、第3代GRACHANバンタム級王者、初代HEATバンタム級王者に輝いた強豪。GRACHAN、HEATを経て、2019年6月から修斗に参戦し、奇天烈に肩固めで一本勝ちを飾ると、11月に小野島恒太に判定勝ち、2020年1月に魚井フルスイングに負傷TKO勝ちと修斗3連勝を飾った。2020年3月の修斗で安藤達也と対戦予定であったが不運にも大会中止に。2021年4月に、大阪のリングで約8年ぶりにPANCRASEに復帰し、PANCRASEバンタム級10位の土肥潤を相手に判定勝利。8月にはGRACHAN大阪大会で第5代GLADIATORバンタム級王者・竹本啓哉に判定勝ちと5連勝で王座返り咲きを目指す。
会見ではまず手塚からのコメントが読み上げられた。
「第3代GRACHANバンタム級チャンピオン手塚基伸です。このたびはチャンピオンシップを組んでいただき、GRACHAN岩崎代表はじめ関係者さま本当にありがとうございました。ただ今5連勝。敗戦が3年前のタイトルマッチなので、そこからジムを持ったり精神的にも強くなったので別人の姿を見せられると思っています。正直伊藤空也選手の印象はありません。ただ俺のいなかった間GRACHANを支えてくれてありがとうございました。GRACHANの戦士はなかなか大舞台に上がっても苦戦を強いられている状況なので、自分の為にもGRACHANの為にも大舞台でしっかりやってるためにもここはしっかり取ります。ベテランといわれる年になったけど人生賭けて来た覚悟と、やって来た自負がそこら辺のアウトサイダー上がりやプロ選手とは違います。試合でしっかり証明します。伊藤空也選手のいいとこ消して勝ちます。当日はよろしくお願いいたします」
会見に出席した王者・伊藤は「今回ベルトを獲ってから初の防衛戦、その相手が元王者と聞いてテンション上がっています。同じ禅道会所属でもあるし、格闘技では大先輩なので、相手として申し分ないと思いました。ベテラン選手ですが、ずっと居座っているわけにはいかないと思うし、僕が勝って引導を渡したいと思います」と言い放つ。
手塚の印象は「完全なグラップラーですね。相手のいいところを消して自分のやりたいことを徹底してやるタイプ」と評し、挑発的なコメントに対しては「相変わらずに気が強い手塚選手だと思いました」とした。
初防衛戦のプレッシャーについては「初めての経験ですが、むしろ手塚選手は元王者で、自分がベルトを持っているといういるより挑戦者かなという気持ちもあります。胸を借りるつもりです」と、挑戦者の気持ちで臨むとする。
RIZINの大舞台で結果を残せていないことをチクリとコメントされたことには「間違ってはいないので。逆に手塚選手もUFCでは勝てなかった。それも大舞台に出られるだけで凄いと思いますし、そこは尊敬しています。逆に僕が勝って、手塚選手が大舞台に行きたいと言っていましたがそれを阻止したいですね」と、チクリと言い返し、そうはさせないという。
「今回防衛してしっかり自分の価値を高めて、強さを証明できるからさらに大舞台で試合もしたいし、ベルトを守り続けたい気持ちあるので、強い選手と戦って自分の強さを証明していきたいです」と、大舞台に再出撃するのは自分だとした。
金太郎戦以降、「レスリングとまた一から向き合って徹底的に強化してやっています」と言うが、「寝技をやる気はあまりないです。僕も相手が嫌なことをしたいので。そこは試合の流れ次第ですね。(お互いのいいところを)消し合いたい。そういう試合にしたい」と、手塚のコメント同様に相手のいいところを消す試合にしたいとの展望。「作戦なので深くは言えないが(警戒するのは)寝技ですよね。しっかり極めもあるし、漬けてきたりするので、そういうことをさせない対策をしています」と、すでに対策も準備している。
そして、チャンピオンとして「GRACHANの今までの歴史がある中で、その歴史に残る盛り上がるアツい試合をしたい。しっかり引導を渡せるような衝撃的な試合をしたいです」と意気込んだ。
なお、昼の部の『GRACHAN 51』では「GRACHAN育成枠」がスタート。これは「GRACHANはアマチュアに数年力を入れていて、前回の大阪大会から優秀な選手を東京に呼んで経験を積んでもらうために2試合を組みました」(岩崎代表)というもの。
ミランダ亜廉(パラエストラ大阪)はABEMAの格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』で中村倫也と対戦した、2018年JOCジュニアオリンピックカップ(カデット)グレコローマン55kg級5位。2020年全国高校選抜大会ではフリースタイル60kg級で5位の実績を持つレスラー。中村戦では腕十字で敗れたが、8月のGRACHANチャレンジではジャーマンスープレックスからのパウンドで勝利している。対する安英林(ALLIANCE)は、東京オリンピック柔道男子73kg級の銅メダリスト安昌林の弟。9月のGRACHANチャレンジでは1Rわずか50秒でTKO勝ちした。
『GRACHAN 52』には高須将大(ストライプル茨城)の初参戦も決定。高須は4年前にガン宣告(ステージ4)を受け、闘病、復帰、再発を繰り返しながらも試合に出続けている。これまでは『ZST』で戦ってきたが、「ZSTの活動がないとのことで相談受けて参戦になりました」と岩崎代表。大搗汰晟(総合格闘技宇留野道場)と対戦する。
『GRACHAN 51』対戦カード
開場12:30 開始13:00
▼GRACHANフェザー級 5分3R
小島勝志(Style Plus Gym)
崎山 勲(マッハ道場)
▼GRACHANライト 級5分2R
藤村健悟(和術慧舟會TLIVE)
林 RICE 陽太(パラエストラ森ノ宮)
▼GRACHAN無差別級 5分2R
ヨコヤマクレガー(パラエストラ柏)
田馬場貴裕(ねわざワールド品川)
▼GRACHANフライ級 5分2R
宮内拓海(TMC道場)
水谷健人(AACC)
▼GRACHANバンタム級 5分2R
松井斗輝(パラエストラ柏)
池田貴一(カルペディエム福岡)
▼GRACHAN育成枠 ウェルター級
寺石恭平(BRAVE)
上田賢人(パラエストラ東大阪)
▼GRACHAN育成枠 バンタム級
ミランダ亜廉(パラエストラ大阪)
安 英林(ALLIANCE)
『GRACHAN 52』対戦カード
開場16:00 開始16:30
▼GRACHANバンタム級タイトルマッチ 5分3R
伊藤空也(BRAVE/王者)
手塚基伸(シークレットベースドミネート・コブラ会/第3代GRACHANバンタム級王者/挑戦者)
▼GRACHAN無差別級 5分2R
荒東”怪獣キラー”英貴(パラエストラ大阪)
ラデック(チェコ/AACC)
▼GRACHANフェザー級 5分2R
拓MAX(TEAM HAMBOLT)
和田健太郎(ストライプル新百合ヶ丘)
▼GRACHANバンタム級 5分2R
善司郎(総合格闘技道場DOBUITA)
松本尚大(拳心會)
▼GRACHANフェザー級 5分2R
高須将大(ストライプル茨城)
大搗汰晟(総合格闘技宇留野道場)
▼GRACHANフライ級 5分2R
吉田哲之(パラエストラ町田)
小林大介(ALIVE)