MMA
インタビュー

【RIZIN】芦田崇宏にTKO勝ち、フェザー級トップ戦線に名乗りをあげた金原正徳「“若手の壁”とかは、もうちょっと上に挑戦してからにしたい」

2021/10/25 21:10
【RIZIN】芦田崇宏にTKO勝ち、フェザー級トップ戦線に名乗りをあげた金原正徳「“若手の壁”とかは、もうちょっと上に挑戦してからにしたい」

(C)RIZIN FF

 2021年10月24日(日)神奈川・ぴあアリーナMMにて開催された『Yogibo presents RIZIN.31』の第8試合で、元UFCファイターでフェザー級に階級を上げた金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)が、芦田崇宏(BRAVE)に2R 1分18秒、パウンドでTKO勝ち。フェザー級トップ戦線に名乗りを挙げた。

 試合は、中間距離を得意とする金原に、ヴィクター・ヘンリー戦を研究してか、距離を詰めた芦田がボクシングで圧力をかけたが、試合巧者の金原は、フェイントを効果的に使いながらセコンドの八隅孝平&矢地佑介のアドバイスもあり、テンカオを当ててペースを握ると、2Rに得意のノーモーションの右ストレートでダウンを奪い、パウンドアウト。MMAでは2018年4月以来、3年6カ月ぶりの勝利を掴んだ。

 日本MMA屈指の実力者・金原は38歳にして、斎藤裕、朝倉未来、クレベル・コイケといったフェザー級トップ戦線に割って入ることになるか。試合後の一問一答全文は以下の通りだ。

20年格闘技やってて、引き出しは誰よりも持っている

──試合を終えた率直な感想を。

「勝って。やっと勝ってほっとしてます。それだけです」

──階級上げての試合で勝利。フェザー級の手応えはいかがですか。

「手応えというか……メンタルですよね。どうしても、バンタムのときはメンタルをやられていて、でもどうしてもやらなきゃならなかった。歯車が全体的に良くなかったので、格闘技をやってても楽しくなかったんです。試合が本当に嫌だった。その意味ではフェザー級のほうが健康でいいなと思いました」

──戦っていて、対戦相手の芦田崇宏選手の印象はいかがですか。

「一回やっぱり組んだことあるので、身体の強さ、組み力の強さはイメージ通りでした。ただ、思ったより距離を詰めてきたので、(中間距離を得意とする)自分とやるんだったらそうなるのかなと思うし、意外っちゃ意外ですが、その距離にも対応した戦いができて、自分の引き出しの多さをあらためて再確認できました」

──1R最後の肩固めは入っていたようですが、極めきれなかったのは?

「ちょっと手応えが悪かったんですよね、残り時間がなかった。フィニッシュいったのは残り10秒くらい。行ってみようと思ったけど、作り直す時間が無かった。あと30秒あったらしっかり作り直して極めましたね」

──今回の芦田戦で主導権を取ったと思ったのは?

「最初の距離設定で、思ったより(前に)来たなっていうのがびっくりしました。思った以上に来たので、その試合の対策通りにはいかなかったですが、セコンド(八隅孝平&矢地佑介)からの指示で、テンカオ(ヒザ蹴り)をうまく使えと。一回テンカオを使ったらうまくハマってくれたんで、パンチ誘って、テンカオ打って、2Rは狙ってましたね」

──今後の展望は?

「前回それを聞かれて“もう止めます”って言ったんで(苦笑)。展望ってなかなか難しくてね。状況にもよると思うし、年齢が年齢なのでコンスタントに試合できるわけじゃないんでね。だからといって長期休養ですっていうつもりもない。状況を見ながら、手術したばっかなんで、いろいろあって様子見ながらタイミングきて話が来れば考えたいと思っています」

──1年8カ月ぶりのMMAのブランクは?

「ブランクは感じないですね。正直、何をブランクと言うのか。自分で意味が分かっていないです。自分の良いところと悪いところを言ってくれる仲間を信じて、仲間の言う通りに動けば、自分の力を発揮できると思っているので、そうさせてくれる仲間がいるから、ブランクというのは、気持ちの作り方で感じなかったです」

──あらためて所英男選手の活躍に背中を押されたと。今日の試合でもリングサイドにいました。

「自分の先輩で年も上だし、背中を見せられてるというか、去年の大晦日の戦いを見せられて“もう一回やりましょうよ”と言われてるときに、“もう俺はいいよ”と口で言いながらも心を動かされたのが一番大きいです」

──フェザー級の盛り上がりも復帰の理由でしょうか。

「去年復帰し、バンタムでRIZINデビューしたのは、フェザー級にいい駒がいなかったから、どうしてもバンタムという選択肢しかなかった。堀口恭司という強い男がいたから頑張れた。もう一度戻って来ようと思った。いまはフェザー級が盛り上がっているというのももちろん大きいです」

──萩原京平に挑戦状を叩きつけたのでしょうか。

「あれはたまたま目の前にいたので、あれはファッションです」

──相手はやる気になってるようですが。

「いいんじゃないですか、盛り上がってくれれば。僕もね、そこは状況に任せて、誰でもいいかというと誰でも良くはないです。だから、もう年が年なので、コンスタントにできないから、若手よりも、上の強い人とやりたいのが正直なところです。“若手の壁”とかは、もうちょっと上に挑戦してからにしたいです」

──大晦日もいいカードだったら出たいでしょうか。

「出るかもしれないですね、相談しながら。でもちょっとゆっくりしたいです。コロナで旅行も行けなかったし、ちょっと一回旅行に行きます。やれと言われればやる準備はして」

──中村大介選手もまだまだやれるぞと言っていました。刺激になりますか。

「中村さんとはQUINTETでもチームでやっていましたし、自分が一番年上じゃない、中村大介選手が最年長ですからね。そこから見たら僕なんか小僧。男は30代後半から、40代になってからだと思う」

──中村大介選手は「これからが全盛期」と。

「それはないな、俺はもう(笑)。びっくりするくらい強くなることはない。落ちないようにトレーニングするというのは事実。ちょと休んだら、すぐ落ちちゃう。でも、20年格闘技やってて、引き出しは誰よりも持ってる自信がある。積み重ねて試行錯誤しながら、やっていきたいです」

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