NKB日本キックボクシング連盟「必勝シリーズvol.6」2021年10月16日(土)東京・後楽園ホール
▼第10試合 62.0kg契約 3分5R○内田雅之(KickBox/ジャパンキックボクシング協会ライト級2位、元新日本キックボクシング協会フェザー級王者)判定3-0 ※50-47、50-46、50-45×野村怜央(TEAM-KOK/NKBライト級3位)
メインイベントは、元新日本キックボクシング協会フェザー級王者・内田をNKBライト級3位・野村が迎え撃つ一戦。
内田は2004年10月にデビューした43歳のベテラン選手で、2011年12月に新日本キックボクシング協会日本フェザー級王座を獲得。2019年7月には二階級制覇を狙って日本ライト級王座決定戦に臨んだが、高橋亨汰に敗れた。前戦は5月のジャパンキックで1Rと2Rに右ストレートでダウンを奪い、3Rにはバックスピンエルボーを決めて興之介に壮絶なTKO勝ちを収めた。戦績は32勝(8KO)13敗9分。
野村は2019年4月に大月晴明と対戦し、判定で敗れているもロー&ミドルキックで大月の強打に対抗。右フックでグラつかせる場面も作った。2020年8月にはINNOVATIONのリングに乗り込み、INNOVATIONスーパーフェザー級1位・櫻井健を2R1分54秒、TKOに破っている。6月大会でちさとKissMe!に判定勝ちし、8月にはNKBライト級王座挑戦者決定戦を行う予定だったが、体調不良により欠場。今回が再起戦となる。戦績は8勝(5KO)8敗2分。
1R、序盤から右ハイ、右ストレートで積極的に攻めていったのは野村。内田はプッシュしての左ロー、そして右スイングフックで応戦する。残り15秒で内田が右ストレートを強打。パンチをまとめて優勢を印象づける上手さを見せた。
2R、内田は強い右ローを蹴り、奥足への左ローもタイミングよく何度も蹴っていく。野村がローを蹴り返してくると右ストレートを合わせ、さらにパンチをまとめる。野村は後半になると右ローを当て始めた。
3R。右ローの数を増やす野村だが、内田もしぶとく左奥足ローを蹴ってくる。前に出る野村に下がる内田。それでも野村も目立った攻撃がなく、このラウンドは両者手数が少なかった。
4R、内田は左右ロー、野村は右ローを蹴り続ける。ローキック合戦の様相を呈する中、野村の右ローで内田が下がり、棒立ちになって蹴られる場面も。これで野村が有利かと思われたが、残り30秒で内田の左ローで今度は野村の足が大きく流れ、両者ともローが効いた状態に。
5R、右オーバーハンドから左ローを蹴る内田。野村は前に出るも手が出ず、内田にローを蹴られる。内田は右ハイを蹴ると今度はヒザ蹴りをボディへ連打。野村はロープを背負い、レフェリーがスタンディングダウンを宣告。ここからはボディを攻める内田に野村は必死に耐える。
判定は3-0で内田の勝利。またもベテラン健在ぶりを見せつけた内田はマイクを持つと「倒せなかったんですが、まだまだ自分が強くなる自信があります」と、43歳でもさらに成長していくと語った。
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▼第9試合 ウェルター級 3分3R×笹谷 淳(team COMRADE/NKBウェルター級3位)判定0-3 ※29-30×3○どん冷え貴哉(Maynish KICK BOXING/ACCELライト級王者、RKSスーパーライト級2位)
笹谷は2002年11月にデビューした46歳の大ベテラン選手で、元J-NETWORKウェルター級&スーパーウェルター級2階級王者。得意のヒジ打ちを武器に国内トップ選手たちと拳を交えてきた。4月大会ではメインイベンターを務めたが、渡部翔太に判定2-0で惜敗。戦績は27勝(8KO)29敗1分。
どん冷えは滋賀県大津市のMaynish KICK BOXING(メイニッシュキックボクシング)所属で、このジムの前身は“ムエタイ都市伝説”と呼ばれた初代REBELS-MUAYTHAIスーパーフェザー級&第10代NKBライト級王者ヤスユキ(2016年引退)を中心に個性派選手を多数輩出したDropoutであり、どん冷えはヤスユキのスパーリングパートナーとして鍛え上げられた生え抜きだという。4月大会では笹谷に勝利しているCAZ JANJIRAとドロー。戦績は17勝(5KO)15敗2分。
1R、サウスポーの笹谷は左ロー、どん冷えは右ローでローの蹴り合い。どん冷えはジャブ、右ストレート、右ミドルと距離を保った戦いぶりで笹谷が体勢を低くして入ってくるとバックステップで距離を取り直す。
2Rもどん冷えはジャブ、右ストレート、右ミドルで距離を取った戦いを続け、何とか入り込もうとする笹谷。残り30秒でどん冷えの連打が次々とヒットし、右を多く喰らった笹谷は身体が揺れる。約30秒、どん冷えがパンチで圧倒する場面が続いた。
3R、頭を振りながら前に出る笹谷は組み付くが得意のヒジを出せず。どん冷えも疲れが見え始めて右ミドルを蹴るも組みの展開に付き合い、そのまま時間切れ。どん冷えが判定3-0で勝利した。
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▼第8試合 NKBバンタム級王座決定トーナメント 3分3R×高嶺幸良(真門ジム/NKBバンタム級1位)判定0-3 ※28-30、29-30×2○海老原竜二(神武館/NKBバンタム級2位)※海老原が決勝へ進出。
NKBバンタム級王座決定トーナメントが今大会からスタート。4名の選手がエントリーし、インターネットでのファン投票で第4試合終了後にリングにて組み合わせが当日発表された。
高嶺は1999年6月にデビューした兵庫県出身の47歳で戦績は8勝(3KO)9敗6分。サウスポーの海老原は2015年4月にデビューした埼玉県出身の30歳で戦績は11勝(5KO)9敗。
1R、高嶺は右ストレートを伸ばしていく。海老原は連打で下がらせての左ミドル。前半は高嶺がプレッシャーをかけて前へ、後半は海老原が攻撃で高嶺を下がらせた。
2R、高嶺は右、海老原は左を当て合う。海老原が飛び込んでのパンチを繰り出していき、高嶺が右を打ち返す展開も徐々に海老原の手数が増える。
3R、高嶺がパンチを出しながら前に出るも、海老原の左ローで高嶺は棒立ちに。高嶺も右ストレートを繰り出すが、海老原の左ローによるダメージは明らかで最後は海老原が左ローの集中砲火。判定3-0で海老原が決勝進出を決めた。
リングには先に決勝進出を決めた龍太郎も上がり、「海老原選手は倒しておかないといけない相手だと思っていたので、やることになって嬉しいです。僕は一番勢いに乗っていると思うので、このままチャンピオンになろうと思います」と挨拶。
海老原も「高嶺さんには以前負けていてプレッシャーがあって、とりあえず勝てて嬉しいです。龍太郎選手もアグレッシブに打ち合ってくれると思うので、ガツガツ盛り上げて僕がベルトを巻きます」と宣言した。
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▼第7試合 NKBバンタム級王座決定トーナメント 3分3R×則武知宏(テツジム/NKBバンタム級3位)判定0-3 ※28-30×3○龍太郎(真門ジム/NKBバンタム級5位)※龍太郎が決勝へ進出。
サウスポーの則武は2017年2月にデビューした岡山県出身の26歳で戦績は8勝(4KO)4敗2分。龍太郎は2018年6月にデビューした大阪府出身の21歳で戦績は2勝(1KO)3敗1分。
1R、ローの蹴り合いからスタート。龍太郎は蹴りから右ストレートにつなげて前に出る。迎え撃つ則武は左ミドル。
2Rは則武も手を出しながら前へ出てくる。それを右のパンチで押し戻す龍太郎。右ミドル、ヒザ蹴りがヒットすると龍太郎はボディを中心に攻めていき、則武は飛びヒザを繰り出す。
3R、パンチで前へ出てくる則武に龍太郎は右ボディストレートと右三日月蹴りとボディを攻めまくる。則武は組み付くが龍太郎はヒザ蹴り。ボディ責めで削りまくった龍太郎が判定勝ちで決勝進出を決めた。
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▼第6試合 フライ級 3分3R△谷津晴之(新興ムエタイジム/NJKFフライ級3位)ドロー 判定0-1 ※30-30、29-30、29-29△杉山 空(HEAT)
1R、杉山は左のミドルと前蹴りを小気味よく繰り出し、谷津は強い右ローとワンツー。杉山は蹴り足をキャッチして引くと同時に右フック。2Rは両者ともパンチを一発打っては組み付いてヒザという展開が続く。3Rも同様の展開が続き、判定はドローとなった。
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▼第5試合 63.0kg契約 3分3R○梅津直輝(エスジム/NJKFライト級6位)TKO 1R 1分16秒 ※右縦ヒジ→ドクターストップ×YASU(NKジム)
1R、ミドルの蹴り合いで梅津はその中で右ストレートも狙う。梅津の右ストレートからの右縦ヒジでYASUは左目上から出血。ドクターチェックでストップがかかり、梅津のTKO勝ちとなった。
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▼第4試合 フェザー級 3分3R○半澤信也(トイカツ道場)判定3-0 ※30-29×2、30-28×山本太一(ケーアクティブ)
両者サウスポー。1R、山本は回り込みながら飛び込んでの左右フック、半澤もこれに応える。半澤が左を出してからの右フックでダウンを奪うと、その直後に山本が左フックでダウンを奪い返した。
2R、荒々しく左右フックを繰り出して前へ出る半澤を右フックで迎え撃つ山本という展開。勢いよく攻める半澤に山本はクリンチが多い。3Rもうなり声をあげて左右フック、ヒザ蹴りで前へ出る半澤を山本が右フックで迎え撃つ。山本の左フックがヒットする場面もあったが前へ出て攻める半澤の手数が多く、判定3-0で半澤が勝利した。
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▼第3試合 フェザー級 3分3R○矢吹翔太(team BRAVE FIST)判定2-0 ※30-28、29-29、30-28×杉山茅尋(HEAT)
1R、サウスポーの矢吹に杉山は右ミドルを多用。両者とも手数が少なめの出足に。2R、矢吹は組み際に左縦ヒジを出して組み付くとヒザ蹴りを繰り返す。このヒジで杉山は流血。
3Rも同じ展開で、杉山は右の蹴りと左右フックを出すも組まれてしまい、組んだ矢吹はヒジとヒザ。杉山に攻撃を続けさせず矢吹が判定勝ちした。
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▼第2試合 58.0kg契約 3分3R○田中佑樹(TEAM TMT)判定2-1 ※30-29、29-30、30-29×合田 努(TOKYO KICK WORKS)
両者デビュー戦。1R、筋肉の塊のような合田は右ローを主軸に大きなフックを振り回す。田中はリーチ差を活かしてジャブから右ストレートを伸ばす。2Rもリーチ差を活かしたロングのパンチを当てに行く田中。合田はなかなかフックが当たらないが終盤に右をヒットさせた。
3Rは合田がガムシャラに前へ出て左右フックから組み付いてのヒザとヒジ。田中は下がりながらも左右ハイを蹴っていく。田中は組んできた田中にヒザも突き上げ、判定2-1で田中が合田を振り切った。
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▼第1試合 バンタム級 3分3R×明夢(新興ムエタイジム)判定0-3 ※29-30、28-30×2○蒔田 亮(TOKYO KICK WORKS)
両者デビュー戦。蒔田は序盤から勢いよく攻めていき、ハイ、ミドル、ヒザ、バックキックと技を繰り出す。2Rは蒔田の右ローを無防備に受ける明夢だが、左右フックで突進。蒔田も打ち合うが右ローを連発していく。
3Rは明夢が左右フックを叩きつけて前へ出る。迎え撃つ蒔田は右ローと左右ミドル。両者デビュー戦らしく最後まで思い切りアグレッシブに攻め合い、場内は大きな拍手。蒔田が判定でデビュー戦勝利を飾った。